【さいこそるじゃー】
ジャンル | アクションシューティング | |
対応機種 | アーケード | |
発売・開発元 | SNK | |
稼動開始日 | 1987年 | |
プレイ人数 | 1~2人(同時プレイ) | |
判定 | なし | |
ポイント |
業界初の「歌うゲーム」 歌う『ソンソン』の異名あり 麻宮アテナのデビュー作 |
1986年にリリースされたファンタジーアクションゲーム『アテナ』の続編として、翌年の87年に稼動した横スクロールアクションシューティングゲーム。
KOFシリーズの常連キャラクターである麻宮アテナと椎拳崇のデビュー作である。
システムは1984年にカプコンからリリースされた『ソンソン』とほぼ同一で、強制横スクロールで進んでいくフィールド内で複数の段を上り下りしつつ敵と戦っていく。
他作品の模倣ではあるが、アイテム取得によるキャラクター強化システムや、崩壊後の世界を舞台とした退廃的な世界観を特徴として差別化を施している。
また、メインBGMに肉声によるボーカル曲を用いた「
業界初の歌うゲーム
」としても有名であり、歌入りビデオゲームの先駆的作品でもある。
全6面構成。即死制+残機制+その場復活制+コンテニュー制。2人同時プレイ可能。
数千年の長き封印を解かれ、再び姿を現した異種生物・屍愚魔(しぐま)の魔の手に滅ぼされ、闇に包み込まれた世界に二人の戦士が現れた。
太古の予言に詠まれし「二人の光の戦士」に選ばれたサイコソルジャー、麻宮アテナと椎拳崇である。
その身に宿りし超能力「サイコパワー」を武器に、屍愚魔を滅ぼし世界に光を取り戻すべく、二人は果てしなき戦いに旅立つ。
8方向レバー+Aボタン(電撃波)・Bボタン(サイコボール)で主人公の移動・攻撃を行い、緩やかなスピードで強制スクロールするフィールド内で敵を倒しつつ進む。
フィールドは縦に区切られた4階建てのフロア構造で、レバー上下でフロアから別のフロアにジャンプ移動できる。
フィールド上には壊せる壁が存在しており、これを破壊して中に隠されたアイテムボックス「ルーム」及び各種アイテムを出現させる事によりキャラクターの強化を行う。
各ステージの最後にボスキャラが待ち構えており、ボスのいる地点に到達するとスクロールが止まってそのままボス戦に突入。
撃破すると再びスクロールが始まり、パワーアップアイテムを補給するための中間地点を経て次のエリアと進む。
ミス時はその場復活して数秒間の待機状態(UFOに乗って復帰)となり、一定時間経過するか任意のタイミングでボタンを押すことにより、~フィールドに復帰してゲームが継続される。
待機状態中は完全無敵で敵や壁を一撃で壊せる他、地形を無視して移動する事が可能となる。
前作と異なりゲームオーバー後はコンテニュー画面に移行するが、前作同様、プレイ中のクレジット投入による残機増加が可能。
プレイ中にクレジットを投入した後、1P・2Pボタンを押すことでそれぞれのキャラクターの残機を30人分まで予めストックしておける。
サイコビーム(Aボタン)
サイコボール(Bボタン)
エネルギーゲージ
技 | 効果 | 必要ゲージ量 |
天地炸裂段 | 敵や壁に当たると上下に分裂する。最初から使える。 | 0~4 |
反復炸裂段 | 敵や壁に当たると左右に跳ね返り、画面内で反復する。 | 5~8 |
縦横無尽弾 | 敵や壁に当たると様々な方向に跳ね返り、画面内で暴れまわる。 | 9~12 |
爆進直列段 | サイコボールが直進して前方の敵・壁全てを貫通する。 | 13~16 |
飛翔撃滅弾 | サイコボールが上下に蛇行しながら敵・壁全てを貫通する。 | 17~20(MAX) |
究極奥義弾 | 8つのサイコボールが渦巻状に広がりながら画面内の敵を一掃する。 | ゲージMAX+サイコボール12個以上所持 |
破壊可能な壁の中に隠されており、ブロックを壊して出現させ通過することによりキャラクターの攻撃力の強化を行う。
また、壁の存在しない特定地点に自動的に出現するものも存在する。
待機状態中でも通過することで効果は取得可能。(マイナスルームの効果も通常通り受ける)
エレクトロ・ルーム | サイコビームの威力を3段階まで強化する。最大まで強化した後は利用できなくなる。 |
エナジー・ルーム |
サイコエネルギーが4ポイント増加する。 MAXの時は利用できない。 |
サイコ・ルーム |
サイコボールを1個または4個補給できる。 所持数が最大値の時および究極奥義弾発動中と変身中には利用できない。 |
マイナス・ルーム |
サイコエネルギーが8ポイント減少する。 他のルームと異なって通過しても消滅せず、通過する度にエネルギーを失う。 |
サイコボール | 必殺技の発動に必要なアイテム。サイコルームで補給可能。 |
サイコ・ソード |
壁を剣の振りの一撃で壊せ、電撃波が壁や障害物を貫通して遠方に届くようになる。 振り上げた際にも上段に攻撃判定が発生する。約64回振ると消滅する。 |
クリア・ポイント |
画面上の敵を全てサイコ・ボールか風船に変えてしまう。 敵弾と小型飛行敵は風船で、その他の敵はサイコ・ボールになる。 |
フル・ポイント | サイコエネルギーがMAXになる。 |
タケノコ |
特定の場所を通過すると生えてくる障害物。破壊すると風船・UFO・トランプのいずれかが出現。 破壊せずに通過しようとするとキャラクターがつまづいて一時的に操作不能になる。 |
UFO |
スコアアイテム。たくさん取るとタマゴからスペシャルアイテムが出現しやすくなる。 出現と同時に決まった軌道を描いて飛んで行き、画面上部に近い位置で取るほど高得点となる。 |
風船 |
スコアアイテム。UFO同様、決まった軌道を描いて飛んでいき、 放置して画面上部に近い位置で取るほど高得点になる。 高得点で取り続けるとトランプが出現しやすくなる。 |
トランプ | 1UPアイテム。残機が1機増える。 |
タマゴ | 割るとスペシャルアイテムかモーム(ザコ敵)のどちらかが出現。 |
チェンジ・アイテム | 1Pと2Pの装備を入れ替える。2人プレイ専用アイテムで、ソロプレイ時は意味が無い。 |
ターゲットポイント | 取得したキャラクターに攻撃が集中される。2人プレイ専用アイテムで、ソロプレイ時は無意味。 |
進化アイテム(↑) 退化アイテム(↓) |
取得すると画面内の敵が1ランク進化(↑)するか退化(↓)する。 |
ガイコツ | 全てのパワーアップ効果を失う。 |
スペシャル・アイテム |
タマゴから稀に出現する。取得するとアテナが鳳凰に、椎拳崇が龍にミューテーション(変身)する。 一切の攻撃を受け付けなくなると共に、攻撃方法が前方への火炎攻撃のみに変化し、壁を一撃で壊せるようになる 完全無敵だが、敵や敵弾に接触する毎にエネルギーが減少し0になると変身が強制解除される(ステージクリア時も同様)。 体が大きいので地形にひっかかりやすく被弾しやすい、向きがステージ前方に固定されるため背後に隙が出来る、敵の攻撃が激しくなる、 1面・2面のザコ敵ダフ君を倒すと稀に別の敵に変化(*1)してしまう、変身時に全てのサイコボールが消滅するという欠点もある。 2人同時プレイ時には変身していないキャラクターは変身したキャラクターの背中に乗れるが、 背に乗った側がダメージを受けると通常通りミスとなる。 |
変身アイテムを取った際の姿が異なることを除き、両者に性能差はない。
システム面では先駆作が存在する本作だが、パワーアップシステムの導入によりシューティングゲームとしての要素を強めたゲーム性、
崩壊後の世界を舞台に展開される王道的なストーリーや世界観、そしてなんといっても「歌うゲーム」という音楽面での画期的な演出にてきっちりと差別化し、ただの模倣で終わらせない独自の個性を打ち立てている。(歌うソンソンなんて言われてもいたが)
一方、既存作の模倣である点に加え、当時のSNKにありがちだった極端に厳しいバランス取りゆえの高難度や事故死し易い等のストレスが溜まる点も多いため、当時的にも高い評価は得られておらず、ゲーム内容よりも「筐体から歌が流れる」という一点に注目が集まってしまった感は否めなかった。
とはいえ本作が先駆作である『ソンソン』とはまた違った面白さを持っているのも事実で、やりこむ事によりそれらの要素を実感する事が出来る。
既存作を取り入れつつもただの模倣に終わらせず、独自の味付けを施したことは評価に値すると言えるだろう。
長らく家庭用移殖がなされなかったが、後年にPSP版にて初移殖が達成され気軽に遊ぶ事が出来るようになった。 後に主人公らが客演を果たした『ザ・キング・オブ・ファイターズ』シリーズで初めて本作のことを知ったという方は、ぜひ、遊んでみてほしい。
稼動以降、本作に纏わる大きな展開などは特に行われなかったが、KOFシリーズにて本作がレトロゲーム枠からの出典作品として選出されて以降、
主人公の麻宮アテナは、先祖のアテナ姫を凌ぐほどの勢いでSNKを代表するヒロインとのし上がっていき、大きな人気を集めていくことになった。