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バトルギア - (2017/05/30 (火) 22:03:15) の編集履歴(バックアップ)


バトルギア

【ばとるぎあ】

ジャンル レース imageプラグインエラー : 画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。
対応機種 アーケード
メディア Type-Zero+HDD
発売元 タイトー
稼働開始日 1:1999年
2:2000年
2V:2002年
判定 スルメゲー
ゲームバランスが不安定
ポイント 大きく進化したゲーム内容
調整不足も甚だしい鬼畜CPU
激しくなった理不尽補正
より強化されたタイムアタック
バトルギアシリーズリンク


概要

サイドバイサイド』から新たなシリーズに突入した『バトルギア』シリーズの初期2作。略称は『BG』『バトギ』。
99年の『1』と2000年の『2』では、UIや音楽が違う所が見受けられるが、基本のゲーム進行は変わらない。
2002年には2のバージョンアップ版『バトルギア2V』が少数発売された。

よりリアルになったゲームとしての要素、強化されたタイムアタックは、プレイヤーの競争心と運転する楽しさを求める欲求に火を付けた。
それと同時にCPUや補正等の強化等、絶対的な難易度も大幅に上昇。シリーズがゲームセンターという環境から逸脱する道へと歩み始めた一作でもある。


筐体の種類

ツイン筐体

  • 最もメジャーな筐体。ハンドル、ペダル2つ、シフトレバー、視点切替ボタンに加えて前身からスタートボタンが追加された。
    因みにレース中はハザードとハイビームとして機能する。
    • ボタンとハンドルのデザインは以後のタイトーのレースゲームの標準的な仕様となった。

シングル筐体

  • ツイン筐体の要素をそのままに、狭い店舗向けに用意された1人用筐体。筐体を繋げての通信対戦も勿論可能。尚、この筐体は『2』のみに存在している

サイドバイサイド改装筐体

  • 『サイドバイサイド』から化粧類や配線類等を変えて改装された筐体。『1』から『2』へはHDDを交換するだけでコンバージョンできた。

2V専用筐体

  • 同社の『スタントタイフーン』の筐体を流用した筐体。『2V』はこの筐体でのみ稼動している
    無印筐体には無いハンドルの振動機能とサイドブレーキもきちんと機能する。
    • 海外向けである為ゲーム内表記は全て英語で、全車左ハンドル化しているが、ごく少数のみ日本でも発売された。

ゲームの進め方

  • 1.コインを入れてまずスタートボタンを押して始める。この時視点切替を押しながらスタートボタンを押すと、隠しコースが選べるようになる。
    • 但し隠しコースが選べる間は通常のコースを選択する事ができないので注意。
  • 2.空いている台の画面に対戦者を募集する画面が表示される。この時その台からゲームを始めると、自動的に対戦になる。
    • 対戦キャンセルをしたい場合は、プレイしている台の方でスタートボタンを押す。
  • 3.次にコースを選択する。この時シフトレバーを動かすとレースかタイムアタックを切り替える事が可能。視点切替を押すと難易度を選択する事ができる。
  • 4.次にメーカーを選ぶ。この時スタートボタンを押しながら対応したメーカーを決定すると隠し車種が選べるようになる。BGMはここから視点切替で選択できる。
    • やはり隠し車種が選べる間は通常の車種を選択する事ができない。
  • 5.次に車種を選択する。キャンセルして前の画面に戻る事も可能。シフトレバーを動かして色を選択する。
  • 6.最後にATかMTか選択する。ここでは前の画面に戻る事ができなくなるので注意。
  • 7.レースorタイムアタックが開始される。時間内にチェックポイントを通過し、完走する。
  • 8.難易度5で1位でゴールすればエンディング。
    • 完走できなかった場合はコンティニュー画面が出現。クレジットがある場合はスタートボタンを押してコンティニューできる。コンティニューした場合は前回と同じ状態でもう一度スタートする。コンティニューしなかった場合はゲームオーバー。
    • 筐体設定で強制的にコンティニューをできなくする事も可能。

ゲームモード

  • ノーマルゲームモード
    • コンピュータ相手とレースをするモード。難易度は「★」で表現され、普通は4段階まで選べるが、長押しすると難易度5にする事が可能。もう一度押すと元に戻る。
    • 「★」の色は難易度3までは白く、難易度4は黄色く、難易度5は赤い。
      • 因みに難易度5は隠し要素ではあるのだが、プレイ中はご丁寧に5段階表示できるスペースが見えるようになっている。尚家庭用では見えないように修正された。
  • タイムアタックモード
    • コースごとの筐体内最速ゴーストと戦うモード。スタートボタンを押すと非表示になる。筐体内最速を更新するとネームエントリーになる。
    • 因みにプレイしていない時に流れるリプレイは、このゴーストデータである。
  • 対戦モード
    • 2人で同じ筐体内のプレイヤーと対戦するモード。後はノーマルゲームモードと同様。

収録車種

今作から初めてパワーごとのクラス分けが行われるようになった。
具体的にはクラスAが260馬力以上、クラスBが200馬力以上、クラスCが200馬力未満となる。
前作同様、全ての車種には社外製ホイール&エアロパーツ装着&ローダウンという改造が施されている。
因みにAE85はローダウンが施されていない代わりに、至る所にミニステッカーが貼られている。

『2』で隠し車種含めた12車種追加・一部既存車種が仕様変更され、『2V』ではPS2版の一部隠し車種が追加された。

+ 収録車種一覧
メーカー 車種 初出 備考
通常車種
Aクラス 全22車種
トヨタ スープラ RZ(JZA80) 1 後期型・TRD製フロントバンパー装着
カローラレビン 3door GTV(AE86)改 隠し車種 秋山渉仕様がモチーフ
ボルトオンターボ仕様
スプリンタートレノ 3door GT-APEX MECHA TUNED(AE86) 隠し車種 藤原拓海仕様がモチーフ
レース用エンジン換装仕様
日産 スカイラインGT-R(BNR32) 1 ニスモ製エアロ装着・アーケード版のみ
スカイラインGT-R V-Spec(BNR34) 2 前期型
ホンダ NSX タイプS Zero(NA2) 1 中期型
インテグラ タイプR TURBO TUNED(DC2) 2V 隠し車種 スマイリー酒井仕様がモチーフ
ボルトオンターボ仕様
シビック タイプR TUNED(EK9) 隠し車種 二宮大輝&舘智幸仕様がモチーフ
三菱 ランサーエボリューション III(CE9A) 1 何れもグレードは「GSR」
ランサーエボリューション IV(CN9A)
ランサーエボリューション V(CP9A)
ランサーエボリューション VI(CP9A) 2
ランサーエボリューション VI Tommi Makinen Edition(CP9A)
ランサーエボリューション III(CE9A)改 隠し車種 須藤京一仕様がモチーフ
PCCS*1搭載・カラー変更不可
ランサーエボリューション IV(CN9A)改 隠し車種 岩城清次仕様がモチーフ
PCCS搭載・カラー変更不可
マツダ RX-7 タイプRZ(FD3S) 1 4型・マツダスピード製エアロ装着
2では後期型の5型タイプRSへ変更
サバンナRX-7 ∞(FC3S)改 2 隠し車種 高橋涼介仕様がモチーフ
カラー変更不可
RX-7 タイプRS(FD3S)改 隠し車種 高橋啓介仕様がモチーフ
1登場の4型ベース・カラー変更不可
スバル インプレッサ 22B STi(GC8改) 1
インプレッサWRX typeRA STi Ver.V Limited(GC8) 2ではVer.VI Limitedへ変更*2
インプレッサWRX typeR STi Ver.V Limited(GC8R)
インプレッサWRX typeRA TUNED(GC8) 2V 隠し車種 藤原文太仕様がモチーフ
Bクラス 全9車種
トヨタ セリカ GT-FOUR(ST205) 1 後期型
セリカ SS-II(ZZT231) 2 前期型・TRD製エアロ装着*3
アルテッツァ RS200(SXE10)
日産 シルビア K's(S14) 1 後期型・オーテック製エアロ装着*4
180SX タイプX(RPS13) 中期型
シルビア Spec-R AERO(S15) 2
ホンダ インテグラ タイプR(DC2) 1 後期型
S2000(AP1) 2
マツダ サバンナRX-7 ∞(FD3S) 1
Cクラス 全9車種
トヨタ カローラレビン 3door GTV(AE86) 1 前期型
スプリンタートレノ 3door GT-APEX(AE86)
カローラレビン BZ-R(AE111) 後期型・TRD製エアロ装着
カローラレビン SR(AE85) 隠し車種*5 前期型
スプリンタートレノ SR(AE85)
MR-S S EDITION(ZZW30) 2
ホンダ シビック タイプR(EK9) 1 後期型
マツダ ロードスター(NB6C) 1 1.6リッター仕様
ロードスター A-Spec(NB8C) 1.8リッター仕様ベースの特別仕様車

収録コース

一本道コースはコースマップが途中で途切れており、コースガイドも表示されない。また公式ではコースデータが「不明」になっている。
選択画面でブレーキを踏む事により、全コースで逆走も選択できる。全長と高低差は判明しているコースのみ記した。

+ 収録コース一覧
難易度 全長 高低差 デフォルトBGM 解説
通常コース
超初級 1544m×5周 0m 『初代』:Axel Mind
『2』:I'll be back here
1では隠しコース"Test Course"として登場
そこまで急でないバンクがあり、アクセルを放す程度の減速が必要となる。
超初級ながらアクセル全開ではない、アクセルワークの基礎が学べる。
初級 2290m×3周 50m 『2』:To Become Wild
『2V』:Midnight
夜の湖の周回路を走る高速コース。ストレートと高速コーナーで構成されている。
ここでバトルギアの基本操作を学ぶと良いだろう。
中級 1835m×3周 30m Feel Tense 初心者からステップアップしたい人向けの峠道の周回コース。
ここをクリアできれば中級者の仲間入り、バトルギアの登竜門と言える。
超中級 5184m 214m Revenge on X 2V専用のコース。妙義山をそのまま再現した、上級者向けのコース。
ヘアピンカーブもそこまで急では無く、難し過ぎる程ではないが、道幅が非常に狭い。
後に当コースが復活した『バトルギア4』では、「超上級」コースへと昇格した。
上級 不明 452m Fight it out 赤城山が舞台の経験者向けコース。上級とは思えない程難しいが道幅は比較的広い。
順走は序盤の急カーブが連続する地帯を抜ければ何とか完走できる程度。
超上級 不明*6 不明 Final Blow 群馬県道28号高崎東吾妻線(通称「裏榛名」)が舞台のハイスピードな峠コース。
途中までは普通の峠道だが終盤はオフロードになる。操作は難しくなるが、慣れてしまえば問題なく完走を狙える。
但しオフロード区間ではライバルカーに補正が掛かり急激に追い上げてくるため、壁ペナ一発で逆転不可能になってしまうケースも珍しくない。
弩級 5969m*7 329m 『初代』:Crying On the End of Heaven
『2』:Midnight
1では隠しコース"Special Stage"として登場
サイドバイサイド2』から収録され続けている榛名山が舞台の伝統の高難易度コース。
ハイスピードな区間とテクニカルな区間がミックスされているうえ、ライバルカーのレベルも高い。
超弩級 不明 不明 The Night Diver 1では隠しコース"Twist & TIght"として登場
長尾峠が舞台の最高難易度コース。実際のレイアウトとは異なっている。
鋭利で不規則な急カーブが続き、順走だと中盤までは道が狭い。途中のストレートで霧が出ている箇所には要注意。
トドメとばかりにライバルカーのレベルが恐ろしいことになっており、インベタブロックによる敵車の進路妨害など相当な実力がないと優勝は厳しい。
ちなみに1ではスタート時は深夜で、後半になると早朝になっていくという演出がある。
1のコース(2では隠しコース)
(旧)初級 2040m×3周 27m Axel Mind 1では"Lakefront In Spring"として登場。芦ノ湖風の湖畔周辺を走るコース。
初級でありながら多少ブレーキングが必要なキツいコーナーが目立つコース。
トンネルの中ではヘッドライトが点灯する。
(旧)中級 2218m×3周 36m Battle Gear 1では"Skyline In Summer"として登場。富士山を望む、箱根の山間を走るコース。
S字を含む道幅の広いキツめのコーナーを如何に速くクリアできるかが鍵となる。
(旧)上級 2330m×3周 67m Crying On the End of Heaven 1では"Valley In Autumn"として登場。夜の峠道が舞台のコース。
道幅が丁度良い急コーナーが続く。より高みを目指したい人はこのコースで練習すると良い。
(旧)超上級 2304m×3周 47m Into the Gap 1では"Snow field In Winter"として登場。雪原が舞台の雪道コース。
雪の硬度がそれぞれ細かく設定されており車の挙動が変化する。
硬度を熟知し、挙動の変化をいかに制御、或いは利用できるかが完走する為のポイント。

評価点

  • 『サイドバイサイド』シリーズから格段に進化したグラフィックと内容。
    • 新基板「Type-Zero」は、当時のセガの高性能基板「MODEL3」に次ぐ美麗さを実現。
      従来は2Dで済まされていたホイールは3D描写され、リトラクタブルヘッドライトやハザードもスタートボタンを押せば動くと言う芸の細かさ。
      今作から追加された 車内視点も革新的。 当時は車内まで3D描写するゲームは海外のPCゲームくらいで、とても珍しい物であった。
      内装の描写は現在から見ても細かい。計器類も勿論動き、R34のマルチファンクションディスプレイも実車通り動作する。
      この点は『グランツーリスモシリーズ』でも実現できていないバトルギア独自の要素である。
      • このような車のありとあらゆる部分を再現しながら、殆どのシーンで60fpsで動くようになった所も評価点である。
    • 保存媒体には当時珍しかった大容量HDDを用いた事で、他ゲームよりも頭一つ抜きん出た収録車数やコース数を達成した。
      • 以降の作品でも大容量HDDは継続採用され、ネットワークを用いたアップデートで車とコースが更に追加されるようにもなった。
  • エンジン音が細分化され、それぞれの車種で違ったエンジン音を楽しむ事が可能になった。
    • スキール音等の環境音もよりリアルになり、臨場感がより増した。
  • 挙動も『サイドバイサイド』からよりリアリティを感じるように調整され、実車を操る楽しさとゲームとしての楽しさを更に両立した。
    • 実車より高速でコーナーを曲がれる上にドリフト制御も容易いが、挙動はしっかり減速したり荷重移動をしないと曲がらないと言ったリアルをしっかり再現しており、さながらリアルを手軽に感じ取れる挙動となっている。
    • 因みに『初代』ではステアリングのレスポンスや全車のグリップが良く、安定性は高いが曲がり難い4WD車でもかなり曲がっていた。
      • 『2』ではこれらのハンドリング性能が鈍化。僅かではあるが、よりリアリティを感じられる挙動となった。
        『2V』では更にサイドブレーキが実装され、よりドリフトする楽しさと駆引きを味わえる。
  • より強化されたタイムアタック。タイムアタックで初めてゴースト機能が採用され、それを抜いて自分のゴーストを刻む新たな楽しみも生まれた。
    • 『2』では更に環境を強化。タイムが何時更新されたかの詳細情報も日本語で表示されるようになり、シリーズ初の強制終了システムも採用された。
      ゲーム中にスタートボタンと視点切替ボタンを3秒間同時に押し続ける事で発動できる。
      • これはゲーム中にミスをして、良いタイムが出ないorゴール不可能と判断した際にタイムアウトまで待つ手間を省く為に用意された物である。
        当然ながらプレイ料金は無駄となり、再プレイにはコイン投入が必要。スタートボタンの無い「サイドバイサイド改装筐体」では実行不可能。
  • BGMは前身から引き続き「ZUNTATA」が担当。担当者は『初代』が瓜田幸治*8氏、『2』が高萩英樹*9氏。何れもカッコ良いロック調のBGMで、どれも高評価。
    • 『2』でも『初代』のBGMが使え、更には高萩氏が作曲した『サイドバイサイド2』のBGMが強化されたリメイク音源で使用可能という豪華仕様。
  • より「頭文字D」らしさが強化されたコースや車種。
    • 通常車種に装着されたパーツ類は勿論、隠し車種に至っては何れもが「頭文字D」の露骨なパロディとなっている。
      特に「スプリンタートレノ MECHA TUNED(AE86)」の車内視点で見える追加タコメーターとドリンクホルダーの紙コップ等、内装までパロディした隠し車種も。
    • 隠し車種ではないが、S14はオレンジを選択するとリアウイングレスとなり、中村健太風*10となる。
    • 『2』の上級Bクラスで上記のS14がFC3Sに次ぐ上位にいたり、弩級Aクラスで何故かAE85が登場する等、 レースモードの出走車までもパロディしている。

問題点

  • 異常なまでに難しいノーマルゲームモード。 バトルギア3』以降は勿論、他のどのアーケードのレースゲームよりも明らかに難しい。
    • 後ろを走っているCPUがいきなり高速で迫って来るというインチキの類では無く、常に一定かつハイペースで走るという純粋に難しい類の調整である。
    • どれ位難しいかと言えば、難易度1の超初級コースですら驚異的な速さで綺麗にライン取りをし、かつ正確にコーナーリングする等、初心者置いてけぼりと言わんばかりの難易度となっている。かなりやり込んでいないと1位どころか最下位で完走する破目になってしまう。
      • 難易度1でもこの有様だというのに、難易度5はこれが可愛く見える程の鬼のような速さとなる。
        誇張抜きに、TAS*11並かそれに近い動作が普通にできる実力でも無いとクリア不可能。
      • この難易度調整が災いし、エンディングを見る事そのものが非常に難しいゲームになってしまっている。
    • 難易度が上がってもCPUの速度が変わるだけで、行動ルーチンが変わる訳では無い。
      高難易度の行動ルーチンをそのまま低難易度に持って来た結果がこのような鬼畜難易度、といったところだろうか。
      • 後述の家庭用では速さだけは調整される事となった。因みにCPUはAIで動いている訳では無いらしい。
  • 素の難しさに更に追い討ちを掛ける理不尽な補正。実はこの補正が一番厳しいのはこの2作である。リアル系統のゲームに対して相性が悪過ぎる。
    • ただでさえ難しいのにイン側から他車に接触すると、アンダーステアが強くなる補正がすぐ体感可能な位に悪化。
      接触しても双方共速度がそこまで変動する訳では無いとは言え、オーバーテイクに大きな制限が発生してしまう。
    • 速い上に接触によるアンダーが発生して、発生している間に抜き返されてしまうと言う悪循環が往々にして発生してしまう。
      余程このゲームに慣れていないとこの悪循環から抜け出すのは殆ど無理ゲーと言い切っても良い程に理不尽である。
  • 当時のゲームとしては珍しくは無いのだが、制限時間はやはり短め。完走するにはそれなりの実力が必要。
    • 後述のPS2版では制限時間延長により完走が容易にはなった。
  • HDDを採用している為、レース開始前に10秒程のロードが入るようになってしまった。
    • ついでに言うとボディカラーを変える際、0.8秒程硬直してしまう。

総評

ゲームとしてはクソゲーどころか、より強化されたタイムアタックや、運転する楽しさを実感できゲームとしても楽しめるリアリティのある挙動等、寧ろ良作の素質を持ったゲームと言って良い。
だがCPUの異常なまでに速く正確な走りによる調整不足としか思えない高難易度ぶりに加えて、プレイヤーに一方的に不利に働く補正等、良作としての素質を殺してしまう仕様が裏目に出てしまった。

結果として、そのリアルな挙動でレースを楽しみたいユーザーに応える事ができなかったのは非常に痛いものであり、ぶっちゃけレースモードに限って言えば人によりマゾゲーの評価を下すことも少なくない。
このようにさらにタイムアタックに特化した、言い換えれば「レース要素を蔑ろにしている」と言ってしまっても差し支えないほどの本シリーズのタイムアタックに対する過剰な力の入れ具合は、対戦プレイが盛んなゲームセンターという環境とは相性が悪く、日本においての後の人気に悪影響を及ぼす結果となった*12

リアリティのある車の運転をゲームなりに楽しみたい、或いはストイックにコースレコードを極めたいプレイヤーならば一度はプレイするべき作品であると断言可能だが、あくまでレースや対戦を楽しみたいのであれば楽しめるかどうかは微妙な所。
しかしその大きな障壁を乗り越えた時の面白さも他のゲーム以上に非常に大きい物であることは間違いない。
本作の挙動を手足のように操る事ができ、高い目標を達成できてこそ面白みを感じ取れるゲームであると評価すべきか。


バトルギア2 (PS2)

【ばとるぎあつー】

ジャンル レース
対応機種 プレイステーション2
発売元 タイトー
発売日 2001年3月22日
判定 スルメゲー
ポイント 速さだけは易しくなったCPU
ニヤリとさせる追加車種
キツい隠し要素解禁条件

概要

『バトルギア2V』に追加要素を収録したPS2移植版。基本はアーケード版と一緒。


変更点

  • 車種関連
    • 「スカイラインGT-R(BNR32)」が「TUNED」仕様の隠し車種へ差し変わり、新たに通常車種で「MR2 GT(SW20)」が収録された。
      • 但し「MR2」でタイムの記録を出すと車種欄に「MR-S」と表記される微妙なミスがある。
    • 「スプリンタートレノ MECHA TUNED(AE86)」のカラー変更が不可能になった。ボンネットがカーボンか否かはアーケード版同様に選択可能。
    • 「RX-7 TUNED(FD3S)」にマツダスピードの特別仕様車「A-spec」のフロントバンパーが装着された。やはり元ネタは高橋啓介仕様である。
  • CPU車の速さが全体的に易しめに調整されている。代わりに難易度5をクリアした時に流れるエンディングは一本道コースでのみで出現するようになった。
    • しかしあくまで速さだけが易しめに調整されているだけであって、CPU車の動き等は難しいままなので、根本的に易しくなったと言えるかは微妙な所…だが、それでもアーケード版よりは幾分クリアは容易にはなった。
    • アーケード移植版として当然のことではあるが、制限時間も更に延長できるようになり、初心者でも完走しやすくなった。
  • PS2の性能を生かした快適性の向上やグラフィック強化、プレイ環境の快適化。
    • ゲームには直接影響しないものの、HDDを採用したアーケード版よりもロード時間が短縮され、車のホイールやマップの描写距離も強化された。
    • 対応デバイスはハンドル型コントローラー「GT FORCE」の他、ナムコ製「ネジコン」に対応。前者は選択場面のグラフィックも変わる。

追加車種

隠し車種はどれも「頭文字D」を連想する仕様である。前述の通り、一部隠し車種は『2V』に逆輸入された。

通常車種
クラス メーカー 車種 備考
B トヨタ MR2 GT(SW20) 後期型の5型
隠し車種
A トヨタ MR2 GT TUNED(SW20) ベースは中期型の3型・小柏カイ仕様がモチーフ
日産 スカイラインGT-R TUNED(BNR32) 中里毅仕様がモチーフ
ホンダ インテグラ タイプR TURBO TUNED(DC2) ボルトオンターボ仕様・スマイリー酒井仕様がモチーフ
シビック タイプR TUNED(EK9) 二宮大輝&舘智幸仕様がモチーフ
スバル インプレッサWRX typeRA TUNED(GC8) 藤原文太仕様がモチーフ

PS2版の問題点

  • 異常にメモリーカードの容量を食う。通常プレイで約2.2メガ、モデム使用時だとなんと2.6メガ以上。
    • これは恐らく、本作のゲームデータが各コースごとのTAゴーストデータと一体化していることによるものと思われる。

キツイ隠し要素解禁条件

何と言っても隠し要素の解禁はそれなりに実力が伴う物なので、ある程度の腕は必要である。
条件は下記の通り。

  • 隠しコースは対応したコースを、Bクラス以上で難易度2以上で1位で完走で出現。
  • 隠し車種は対応したコースを、Aクラスで難易度3以上、且つ対応した隠し車種と同型の車種を抜いて完走すると出現。 救済処置として累計走行距離でも解禁可能ではあるが、走らなければいけない距離は相当多めに設定されている。真面目に上達して条件を達成した方が早く解禁できるだろう。
    + 隠し要素一覧。
    対応コース 走行距離 要素
    初級 500km 超初級
    超初級 1,500km 旧初級
    超初級順逆走 2,000km トヨタ・カローラレビンSR(AE85)
    トヨタ・スプリンタートレノSR(AE85)
    中級 2,500km 超中級
    超中級逆走 4,000km トヨタ・MR2 GT(SW20)改
    超中級順走 日産・スカイラインGT-R(BNR32)改
    上級 4,500km 超上級
    上級順走 5,000km マツダ・RX-7(FC3S)改
    上級逆走 マツダ・RX-7(FD3S)改
    超上級 5,500km 旧上級
    超上級順走 6,000km 三菱・ランサーエボリューション III(CE9A)改
    超上級逆走 三菱・ランサーエボリューション IV(CN9A)改
    弩級 6,500km 超弩級
    弩級順走 7,000km トヨタ・スプリンタートレノGT-APEX(AE86)改
    弩級逆走 トヨタ・カローラレビンGTV(AE86)改
    超弩級 7,500km 旧超上級
    超弩級逆走 8,000km ホンダ・インテグラTYPE-R(DC2)改
    超弩級順走 ホンダ・シビックTYPE-R(EK9)改
    旧超上級順逆走 12,000km スバル・インプレッサWRX typeRA(GC8)改
    超中級 35,000km 旧中級

    因みに1回のプレイで走る距離は大体5~8kmである。解禁に要求される走行距離がどれほど異常かおわかりいただけるだろうか。