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バーチャレーシング - (2016/03/19 (土) 13:24:52) の編集履歴(バックアップ)
バーチャレーシング
【ばーちゃれーしんぐ】
ジャンル
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レースゲーム
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対応機種
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アーケード(MODEL1)
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発売・開発元
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セガ・エンタープライゼス
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稼動開始日
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1992年
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判定
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良作
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概要
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後に『デイトナUSA』や『バーチャファイター』など人気作を輩出することとなる、セガのAM2研の製作、且つ鈴木裕氏のデザインによるバーチャシリーズの第1作にして、新基板「MODEL1」の第1弾。
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F1を題材としたレースゲームであり、国産ポリゴンレースゲームのはしりである『ウイニングラン』(1988年・ナムコ)に色濃く影響されている。
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正式名称は「V.R. バーチャレーシング」。
特徴
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当時非常に珍しかったポリゴン方式が採用されている。2Dの画面の中に空間が生まれ、「次元の壁」を越えたリアリティを実現させた。
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ただ、まだテクスチャを貼るという技術がなかったため車体やコースも生のポリゴンでできており、ポリゴン黎明期を想起させるものとなっている。
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コースは3種類から選択する。それぞれデフォルトは4周になっている。走行するマシンは自機含めて16台。
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BIG FOREST(初級コース)
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その名の通り森林の中を通るコース。最終コーナーにある観覧車やジェットコースターが印象的。
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バンクになっているコーナーが多いため、最終コーナー以外はブレーキなしでクリアできる。
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BAY BRIDGE(中級コース)
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海の近くにあるコースで、立橋の上にスタート地点がある。
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中盤でコース幅が狭くなるうえ、初級コースのようなバンクが少ない分コーナリングが難しくなっている。
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ACROPOLIS(上級コース)
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岩場が多いコース。途中神殿のような遺跡が見える。
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中盤にある折り返しコーナー、ゴール手前の連続高速コーナー区間はシビアなアクセルワークやコーナリングが要求される。
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車種はフォーミュラカー1種のみだが、オートマティックか7速マニュアルミッションを選択できる。
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スタートボタン押しっぱなしでマニュアルに変わる。また、パドルシフトを採用している。因みにスタートボタンはこの時のみ使用する。
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ギアが切り替わる際のマフラーから出る火花のようなアフターファイアも大きな音付きで表現されている。
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初級コースのみピットレーンで作業が終了した場面からレースがスタートし、15台のCOMカー群と合流する。
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通常は8位程度の中位からレースが始まることになる。
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中級・上級コースは最後尾の16位から普通にグリッドスタートする。
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レース中、チェックポイントやスタート地点を通過するごとに残り時間が延長される。
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残り時間が0になると、規定周回に到達しなくてもゲームオーバーとなる。
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時間制限はやや厳しめに設定されており、決してお飾りではない。
評価点
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なんといってもMODEL1基板による3Dポリゴン。しかも目立った処理落ちも無く、安定したフレームレートでヌルヌル動く。
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アーケードでさえも2Dが主流だった時代に、本作の登場はプレイヤーにとって非常に衝撃的なものであっただろう。
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ドライバー視点になると、ハンドルの操作に合わせて画面上のドライバーもハンドルを左右に動かす姿を見ることができ、芸も細かい。
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ピットクルーや表彰式のドライバーなど人間もポリゴンで表示され、動きもポリゴン黎明期なりに良く表現されている。顔はアレだが。
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ピットクルーの挙動などの本作のノウハウは、翌年に誕生する傑作『バーチャファイター』に繋がることとなったのである。
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元々本作はMODEL1のスペック確認を目的として作られていたのだが、予想外の出来故に商品化に踏み切ったという特異な経緯を持つ。
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「VRボタン」という視点変更システムが搭載されている。
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視点は4段階あり、「コースだけが見える視点」「ドライバー視点」「車体の後方からの視点」「鳥瞰視点」からなっている。
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ハンドルやペダルとは別にボタンがあるため、レース中でも自由に視点を変更することができる。
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このシステムでセガは特許も取得しており、後のセガ製レースゲームの多くにこのVRボタンが設置される定番要素となった。
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リアル志向な、現実味のある挙動。
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マリオカートなどのようにアクセル踏みっぱなしで走破できるほど簡単ではなく、無理に曲がろうとすればスピンしてしまうという、ストイックなゲームバランスになっている。
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ドリフトもわずかながらできるが、『デイトナUSA』ばりの豪快なドリフトはできない。グリップ走行が前提のフォーミュラカーをよく表現しているといえる。
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レースが進行するごとにタイヤが磨耗していき、曲がりにくくなっていく。
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そのため1周目と最終ラップでは同じような操作で走破できないようになっている。
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スリップストリームも再現されている。
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COMカーと強く接触するとその場でスピンする。
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実際のF1でも接触一発でマシンが破損する可能性があるなど、かなり慎重な走りが要求される。破損まで再現されるとさすがにレースにならないので、代替措置であろう。
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上記の仕様から、ゲームの腕前よりも運転技術の高い人が速く走ることができるバランスであり、F1の厳しさを体感できるような仕上がりとなっている。
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実はこれでも多少ゲーム的な挙動に調整されている。開発中に実際のフォーミュラカーの動きが忠実に再現されたバージョンがあったらしいのだが、あまりにも難しすぎてお蔵入りになったという経緯がある。
問題点
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悪く言えば味気のない生ポリゴン。
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前述のとおりポリゴンに対してペイントのような役割を果たすテクスチャが使用されていないため、車体や岩などはバケツで塗ったかのよう。
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可能描画ポリゴン数も今から見ればかなり少なかったため、車体・オブジェクトの造形もダンボールのような外見をしている。特にタイヤは八角形。
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そのため絵面的には2Dのゲームよりもむしろ現実味がないという見方もできる。
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画面右にあるマップが場合によっては邪魔になる。
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車の進行方向が常に真上に来るようにマップ自体が回転するため、チラチラと目に入り気が散ってしまう人もいる。
賛否両論点
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レース中、常時BGMが流れない。
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一応チェックポイントを通過するごとにBGMは流れるが、数秒でフェードアウトする。
総評
当時ゲーム業界において浸透しつつあったポリゴンタイプを一躍メジャーにのし上げたセガの傑作。それだけでなくゲームの腕前よりも運転技術が物を言うリアル志向と、遊びやすさが高次元でまとまった秀逸なゲームバランスは多くのユーザーを虜にした。
またレースゲーム方面では『デイトナUSA』や『セガラリー』、ポリゴン方面では『バーチャファイター』など、後に登場するセガの数々の名作の源流ともなった作品であり、セガのゲームを語るには決して欠かせない名作なのである。
本作の人気からその後多くの機種に移植されることとなったが、どの移植作も一長一短の出来となっており今も完全移植が待たれている状況である。
移植
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1994年3月18日にメガドライブに「セガバーチャプロセッサ」を使用することで、不可能といわれた移植を奇跡的に実現していた。
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同年12月16日に同32X版『バーチャレーシングDX』ではハードウェアスペックの向上により、20fps,20000ポリゴン/秒の美麗なポリゴングラフィックとなりプレイしやすさも向上している。また、アーケードを忠実に再現したバーチャレーシングモードの他にオリジナル要素として「HIGH LAND(高地)」と「SAND PARK(砂漠)」の2種類のコース、F1カーとは拳動や速度の異なるストックカーとプロトタイプの追加の2台の車を実装、さらにBGMもAC版既存曲の一部アレンジ及び新規追加により、歴代の移植作の中で最も移植度・評価共に高い。
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SS版は移植作品の中で唯一セガ以外(タイムワーナー・インタラクティブ)が開発を手掛けており、挙動が大きく変わっているなど評価は芳しくない。
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ただ説明書の中身が異様にアツいと言う妙な評価となってしまっている。
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2004年4月26日にPS2の『SEGA AGES 2500』シリーズ第8弾として発売。60fpsとAC版以上の滑らかさを実現しコースや車種が追加されているが、挙動が大きく違う点において不満の声も多く賛否両論となっている。