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セガツーリングカーチャンピオンシップ - (2015/04/25 (土) 19:56:15) の編集履歴(バックアップ)
※このページでは、アーケード版『セガツーリングカーチャンピオンシップ』(不安定)と、その移植作であるSS版(クソゲー/劣化ゲー/不安定)について紹介します。
セガツーリングカーチャンピオンシップ
【せがつーりんぐかーちゃんぴおんしっぷ】
ジャンル
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レース
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対応機種
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アーケード(MODEL2C)
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発売・開発元
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セガ・エンタープライゼス
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稼動開始日
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1996年
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判定
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ゲームバランスが不安定
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ポイント
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異常に高い難易度 中途半端なコンセプト BGMやスピード感は高評価
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概要
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『セガラリーチャンピオンシップ』や『スペースチャンネル5』を手がけた水口哲也氏プロデュースのアーケードレースゲーム。略称は「STCC」。
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タイトルの通りツーリングカー(DTM)を題材としたゲームで、基板には「MODEL2」が使用されている。
特徴
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チャンピオンシップの流れ
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まず第1戦のコースを1周してタイムを計測する「予選」が行われる。
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予選のタイムによって第1戦目のグリッドが決定される。
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次に第1戦~第3戦の3コースをそれぞれ2周ずつ走行し、8台で順位やタイムを競う。
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ゴール時の順位は、次のコースのグリッド順として引き継がれる。
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最終的な順位は、走行した3コースの合計タイムで決まる。
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そのため3戦目をトップチェッカーでゴールしても優勝するとは限らない。
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選べる車種は実在する4台。ミッションはAT・6速MTがある。
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FR(後輪駆動)は不安定だがスピードは速い、4WD(四輪駆動)は若干遅いが安定性は良い、という特徴がある。
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アルファロメオ・155 V6TI (FR)
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オペル・カリブラV6 (FR)
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トヨタ・スープラGT (4WD)
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AMG・メルセデス (4WD)
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コースはエクストラコースを含めて4種類。
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Country circuit (第1戦)
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急なコーナーが無いサーキット。まずこのコースで予選が行われる。
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Grunwald circuit (第2戦)
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1戦目よりやや複雑化したサーキット。完全オリジナルであり、風景を楽しめるように作ったとのこと。
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Brick wall town (最終戦)
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ヘルシンキに実在するコースをモデルとした市街地コース。数々の直角コーナーやフルブレーキングが必要な最終コーナーが特徴。
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Urban circuit (エクストラ)
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3コースでの合計タイムで優勝すると出現。なおこのコースはタイムスコアに含まれない。
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同じく市街地で曇天の中行われる。コースが異常に狭く、壁にヒットせずに完走することすら困難を極める。
賛否両論点
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あまりにも高い難易度。
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まずこのゲームは、多少曲がったカーブでもハンドルさえ切ればクリアできる・・・などという生半可なバランスでは無い。
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きちんとしたコース取りをして運転しないと、車体がどんどんアウトに膨らんでいきあっけなくコースアウトしてしまう。
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爽快感重視ゲームのようには曲がらない車で300km/hオーバーを走らされ、いきなり初見のドライバーの心をへし折りにかかる。
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レースゲームの定番であるドリフトもほぼ不可能で、グリップ走法に忠実なドライビングが要求される。特に前輪をグリップさせながらハンドルを切るのが重要。
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では現実の車の挙動に近いのかといえばそうでもなく、 わずか2~3秒で300km/hに達する 、リアが振れやすいなどゲーム的な動きも取り入れられている。
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またCOM車も本気で走ってくるうえ上位と下位の実力差はあまりなく、「ちょっと慣れてきた」なんて程度では普通にドベ。
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そのため初心者には「もう1台抜きたい」というモチベーションすら簡単には湧かせやしない。
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さらに制限時間も容赦無し。最悪2コース目すらゴールできないことなんてザラである。
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要するに「難しいけど(から)面白い」というより「難し過ぎて面白くない」と思われかねないバランスとなっている。
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しかしこのとてつもないシビアさにハマるドライバーも一定数いたことは確かであり、どちらかといえばマニア向けのようなゲームとなっていたのが現状である。
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さらに隠し要素で「エキスパートモード」が存在する。
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自車の最高速が5㎞/h上昇する代わりに、アンダーステア傾向が強くなる。要するにただでさえ曲がらない車がさらに曲がりにくくなるのだ。逆に難易度を下げるという救済的な方向性は無かったのでしょうか・・・。
問題点
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レース中のコースマップが無い。
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一応スタート直前にコースマップが表示されるが、プレイ中は一切表示されない。
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そのため運転しながら次の進行方向を見つける必要があるが、コースがサーキットのため特に目立った目印などが無くコースも覚えづらい。
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『セガラリーチャンピオンシップ』にもコースマップ表示は無いが、その代わりに同乗者が進行方向を教えてくれるため運転に迷うことは無い。
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練習モードやタイムアタックモードが無い。
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つまりチャンピオンシップモードしかない。タイムアップなどで経験値が溜まらながちな後半コースの走行練習すらさせてもらえないのである。
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例えば2コース目が時間内に完走できない限り、3コース目をプレイすることは永遠にできない。
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壁ターン有効な箇所が存在する。
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マシンは壁に激突してもダメージを負わない仕様であり、壁ターンを使ったほうが速いコーナーがある。
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特に第3戦の「Brick wall town」で顕著。
評価点
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エイベックスが提供しているユーロビートBGMは評価が高い。
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折りしも本作が登場した90年代後半、小室哲也氏がプロデュース・作曲を手掛けたアーティストが次々に大ヒットし始めていたという時流にあり、当時最盛期だった音楽ジャンルを反映している。
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水口氏曰く、「音楽はプロフェッショナルに頼んだ」とのこと。avex traxとのコラボレーションであり、当時では珍しいものであった。
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スピード感は抜群。
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本作のフレームレートは60fpsで動き、情景が目まぐるしく動く。その中でも的確なアクセルワーク・ハンドリングが要求されるため、非常に緊張感がある。
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インターネットとの連動企画。
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OPデモでは画面上部にURLが記載されている。そのサイト上でタイムスコアのランキングが掲載されていた。タイムは申告制で、現在は閉鎖されている。
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本作が稼働開始していた96年当時は、ネットがまだダイヤルアップ回線であり普及が始まりつつあったという段階で、このような連動企画は本作が初めてであろう。
総評
車の操作性、COM車の速さ、時間制限どれを取っても異常に難易度が高いゲームバランスに仕上がっており、生半可な気持ちでシートに乗ったユーザーに牙を向いたことだろう。
一般的に他社と比べて難易度が高めであるセガ社製のレースゲームの中でも屈指のマゾゲーとして認知されている。
ゲームの出来や設定自体はしっかりしているのだが、ドリフトやアクセル全開の爽快感も無く、かといってリアルに忠実な挙動でも無い中途半端さも足を引っ張ってしまっている。
そのストイックさゆえ一定のプレイヤーたちから支持されたのは事実であり、一方で万人受けするレースゲームであったとは言い難い、そんな作品だ。
移植
本作が稼動開始した翌年、セガサターンに移植されたのだが・・・。下の記事をご参照下さい。
セガツーリングカーチャンピオンシップ (SS)
【せがつーりんぐかーちゃんぴおんしっぷ】
ジャンル
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レース
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対応機種
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セガサターン
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発売・開発元
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セガ・エンタープライゼス
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発売日
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1997年11月27日
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定価
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5,800円(税別)
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判定
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クソゲー
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劣化ゲー
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ゲームバランスが不安定
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ポイント
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常時処理落ち あまりに劣化し過ぎなグラフィック EASYでも容赦無し パッドとの相悪過ぎ 成長が遅く指示すら出せないAIカー
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概要
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シビアな難易度とグリップ重視のゲームバランスが特徴のアーケードゲーム、『セガツーリングカーチャンピオンシップ』の移植作。
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本作にはAC版を再現した「アーケードサイド」と、セガサターン向けに要素を追加した「サターンサイド」の、2つのモードがある。
問題点
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AC版と比べてあまりにも劣化しすぎている移植度。ハードがセガサターンであるということを差し引いても酷い。
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AC版のフレームレートはきっちり60fpsで動くのだが、本作は20fpsすらあるかどうか怪しい。
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しかも自車しか走行しない「予選」や「タイムアタック」はまだマシなほうで、画面にCOM車が数台映るとフレームレートはさらに低下する。早い話不安定でたちが悪い。
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エキストラコース「Urban Circuit」のトンネル内でもひどくカクカクになる。
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グラフィックもかなり劣化。車はまるでドットを打った集まりのような模様であり、画面に映るコースの手前が下に凹んでいる。
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画質も非常に粗く前方を見渡すことすら困難を極める。
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リプレイなどの第三者視点はもっとひどい有様で目も当てられない。ターマックの表示がぐちゃぐちゃで無理やり移植したような印象を受ける。
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『セガラリー』どころか、2年半も前に移植された『デイトナUSA』にすら劣るといっても差し支えないレベル。本作が発売された当時サターン市場も末期に突入しており、次世代機ドリームキャストの発売が1年後に控えていた時期にこのクオリティである。
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処理落ちがほぼオールタイムで発生する。
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OPムービーから既に処理落ち。
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それに反して横方向に流れる中抜きのタイトルロゴだけはヌルヌル動き、いっそうこの対比を際立たせてしまっている。2D描写だけは進化しているようだ。
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車種選択画面で車の選択を変えるだけでも処理落ち。
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そしてレースをプレイし始めると、タイム表示の1秒が現実の1秒よりも遅いことに気づく。
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自車だけ走行する状況なら1.1秒~1.2秒程度だが、COM車と走るようになるとゲーム内の1秒当たり現実の1.3~1.5秒にまで遅延する。
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視点別でいえば「後方視点」よりも「ドライバー視点」のほうが酷い。この視点にはバックミラーが表示されるのだが、それが処理落ちを深刻にさせていると思われる。そのバックミラーも画面が粗すぎて使い物にならないというオチ付き。
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どれだけ速く走れたかという「タイム」が一番大事な要素であるレースゲームでこれは致命的な問題点である。時々処理落ちするレースゲームなら他にもあるが、本作はいつでも処理落ちするのだから救いようが無い。
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追加要素であるAI(人工知能)カー「レーシングプロト」についての問題。
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AIカーには「ドライブモード」と「AIモード」がある。プレイヤーがドライブモードでプレイするごとにAIカーが育っていき、AIモードでチャンピオンシップなどに出場し走行させることができる。
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『グランツーリスモ』でいえば、A-spec(ドライブモード)とB-spec(AIモード)の経験値を共有させたようなシステムになっている。ここまで聞けば97年の時点では画期的なシステムのようにも思えるが・・・。
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AIモードで走らせている間プレイヤー側からは何の指示も出せず、ただ走っているのを眺めることしかできない。
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またAIカーをチャンピオンシップに出して予選を走らせると、育てていない間は何回走行させても1000分の1秒も違わないタイムを連発する。まるで精密機械のような人工知能である。
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そして本選レースでは普通にCOM車と接触したり激突する。あんた人工知能じゃなかったのか?
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AIの成長自体も遅い。プレイヤーがドライブモードで数回走って育てたくらいでは、チャンピオンシップで制限時間内に完走することすらできない。
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実はある条件をクリアすると『セガラリー』でも登場した「セリカ」と「デルタ」を使えるようになるのだが、その条件の一つが「AIモードでのチャンピオンシップ優勝」。優勝できるレベルになるまでAIカーで何十回とチャンピオンシップをプレイしなくてはならず、上記のプレイ環境で地獄のような苦行を強いられることになる。
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なおAIカーは隠し要素扱いであるため、説明書には一切記載が無い。最悪AIカーであることすら気づかない可能性もある。
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セガサターンのパッドとの相性が悪い。
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もともとAC版では、ハンドルは最低限の蛇角でなるべくスピードを維持するのが肝であり、デジタル入力の方向キーでそれを再現するのは不可能と言ってよい。
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具体的には、アクセルを離さずに方向キーを長押しするだけでスピードが最大100km/h以上も減速する。曲がろうとするだけでそんなに減速するレースゲームなんて他にあるだろうか?
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レーシングコントローラーやマルコンを使用すれば操作性は改善されるが、事実上それ必須の仕様になってしまっているというのはどうなのか・・・。
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相変わらず難易度が高い。
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アーケードサイドは難易度「EASY」でも本当に易しくなっているのかと疑いたくなるような容赦の無さ。
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アナザーカーは若干遅くなっているが時間制限はあまり変わっておらず、タイムアップ必至。
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サターンサイドの「EASY」はアナザーカーが結構遅くなるものの、肝心の制限時間はアーケードサイドと同じ。
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結局制限時間内に完走できる腕前にならないと、順位がどうとか以前の問題なのである。初級者への救済としてはあまりにも不充分であると言わざるを得ない。
評価点
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BGMはAC版から多少アレンジが加えられているが、依然評価は高い。
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好きなコースを選択してタイムアタックで走行することができる。
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オリジナルコースもAC版から1つ追加されている。移植されたことによる数少ない美点だろう。
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電話回線通信を使った、世界同時のタイムアタックイベントが行われていた。
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ボタン一つで自己タイムを送信できるというのは、当時では非常に珍しいシステムであった。
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なお開催時間はセガサターンの内蔵時計で対応しているため、本体の時間設定を弄れば現在でもイベントコース自体はプレイ可能である。
総評
ストイックすぎる難易度で一部のマニアを生み出したAC版レースゲームの移植作だが、移植度の低さに加え常に処理落ちするという致命的な問題を抱えた作品。
同じく水口氏が手掛けた『セガラリーチャンピオンシップ』とは同機種への移植度において雲泥の差、一目瞭然である。
ただでさえ移植元が血反吐出るようなバランスのゲームなのに、本移植作ではそれに加えて時空間まで歪められてしまってはプレイ意欲を削ぐのには充分過ぎると言えよう。
余談
他の移植作としてはPC版が販売されている。そちらは画質も良く30fpsで処理落ちも少ないので、本作をプレイしてみたいという方にはこのSS版ではなくPC版でプレイすることを強くお勧めする。
できればハンコンかアナログスティック付きのコントローラーもお忘れなく。