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ペーパーマン - (2015/07/12 (日) 11:48:18) の編集履歴(バックアップ)


ペーパーマン

【ぺーぱーまん】

ジャンル FPS(サバイバル)

対応機種 Windows
メディア ダウンロードソフト/CD-ROM
発売・運営・開発元 ゲームポット
発売元(パッケージ版) サイバーフロントほか
正式運用開始日 2009年2月12日
課金形態 基本無料
判定 良作
ポイント FPS版『ソニックウィングス?
ミリィ可愛いよミリィ

概要

FPS。世界中で人気のあるゲームジャンル、ファーストパーソンシューティングの略称である。
FPSは主人公の視点となり立体空間を探索して敵を狙撃する内容で、ほとんどの場合はリアリティを追求するためにどうしても猟奇的な残虐表現はつきものであった。
そして、FPSはすべての作品に残虐表現があるという偏見を一般市民に持たれ嫌われるのみならず、その作品がFPSというだけで無条件に発売を禁止する自治体や要請も存在してしまっているのもまた事実である。
しかし世の中は広いもので、残虐表現の存在しない奇抜な発想のFPSが、みんなで楽しめるオンラインのサバイバルゲームとしてなんと我が国日本に存在していた。
そんな稀有な商業作品が、今回このページで取り上げる『ペーパーマン』である。

このページの記述について

本作はオンラインゲームという性格上、よくアップデートが施される。
そして本作は、みんなでオンライン対戦をするスポーツ的な要素を兼ね備えたFPSでもあるため、試合ごとのルールに多くのパターンが存在し、複雑である。
そのため、本作のシステムをこの『ペーパーマン』という1ページに収まる範囲で全て語りつくすことは到底不可能であり、もしそうしようものならこのページがあと12頁必要である。
なのでこのページでは、読みやすくするという意味合いもこめて、ストーリーや特徴、あるいは評価点や問題点などといった本作独自の要素について大雑把に記述するものとする。

ストーリー

誰もが魔法を使える国「パピルス王国」。
やさしい王様ときれいな王妃様のもと、人々は平和に暮らしていました。
ただひとつ、王様の頭を悩ませているのはおてんばなお姫さま。
毎日のように、お供を連れてサバイバルゲーム「ペーパーマン」で遊んでいます。
そんなある日、お姫さまが「『ペーパーマン』を国技にする」と言いだしたから大騒ぎ。
国中で「ペーパーマン」がブームになる中、さまざまな使命や想いを抱える人たちが集まってきたのです。

特徴

  • 本作はプレイヤーが他のプレイヤーとオンラインで最大16人まで同時に対戦できるFPSゲームである。
    • キーボードとマウスで操作を行うオーソドックスなサバイバル方式のFPSだが、主人公は紙でできた人間、ペーパーマンとなっている。このため、見る角度を変えると薄い姿になる。
  • ゲームの流れとしては、プレイヤーは主人公となるキャラクターと服装、そして主な武器を選ぶ。最後にゲームモードとステージを選択して試合開始となり、試合ごとに設定された制限時間が来るとゲームは強制的に終わる。
    • 主人公として選べるキャラクターは多数存在し、そのうちデフォルトで使用可能なものは以下の表のうち太字で示した。
      • ハヤテ
      • ティナ
      • ガイ
      • テリシア
      • ミリィ
      • サイラス
      • ドッドン
      • アルル
      • フッド
      • ヴァン
      • イーリカ・パレッド
      • レム
      • エリス
      • ルコット
    • 武器の種類は以下の4パターンに分かれており、それぞれのパターンにつき3つまで装備可能。戦う際はその中から一つずつを選ぶ。
      • メイン武器
      • サブ武器
      • 近接武器(ナイフ系)
      • 近接武器(ボム系)
    • ゲームモードは以下の種類が存在しており、種類によって制限時間やルールが変化する。
      • 個人サバイバル
      • チームサバイバル
      • チーム戦術モード
      • チームスチール
      • 爆破ミッション
      • パルプ&ロール
      • 占領モード
      • サッカーモード
      • また、これらとは別に、一人で操作を好きなだけ練習できる練習モードと、チャットしかできないチャットルームも存在する。
    • マップは新宿や銭湯のような現実的なものから、海賊船やきのこ工場などファンタジーな雰囲気のものまで様々。
    • 戦績に応じてゲーム内の通貨であるPGが得られ、それを使って新しいキャラクターや服装、武器を買うことができる。また、課金して第二のゲーム通貨となるCASHを手に入れてそれを使うことも可能。

評価点

  • まず第一に、やられ方がコミカルで流血といった残虐表現が存在しない。
    • 登場人物が全て紙という独特なコンセプトなので、撃たれると体に衣類の虫食いのような穴が開いたり、水に触れると濡れ、炎に触れるとすぐ燃える。
      • インパクトは絶大なもののそれはコミカルなやられ方に由来するイロモノなインパクトなので、初見でも引くことはほとんどない。
      • そのため本作はFPS初心者にも安心してすすめられる。
  • また、ビジュアルもライト層にとっつきやすいものとなっている。
    • これまでのFPSは、主人公がミリタリー色の強いマッチョな兵士やテロリストだったり、もしくはSF色の強いロボットやサイボーグというものが大半で、ライト層の興味を引くには弱かった。
      • だが本作のキャラクターデザインは、男女問わずいずれも日本のアニメや漫画、あるいはラノベから抜け出したようなお洒落なビジュアル。特にティナとミリィは可愛らしく萌えるため、人気が凄まじい。
      • ただキャラクターをウリにしているのみならず、キャラクターについてのバックグラウンドストーリーや相関図の設定が細かく、キャラクター同士の関係を想像させる作りになっているのも評価が高い。
  • 純粋にFPSのサバイバルゲームとして評価しても、本作は出来がよい。
    • 操作性は確かなもので、カメラワークも比較的酔いにくい。
    • 動作は軽い上に目立ったバグは少なく、そしてバグはアップデートのたびに除去される場合が多い。
  • そして本作最大の評価点「基本的に無料なのにやりこみ要素が豊富」。
    • PGで多くの武器や服装を新しく購入できるのはもちろん、ステージの数もべらぼうに多すぎる。一日中遊んでも飽きない。
      • おまけにキャラクターの武器や服装等のコーディネートは多種多様なパターンが可能で、感情移入度を高められる。
    • 本作はアップデートの度に武器や当たり判定などをうまく調整しているため、どのキャラクターや武器であろうと性能が一長一短。その結果として、ゲームバランスがよく練られている。
      • そのため初心者でも勝ちやすくPGを得やすいため、課金しなくてもやりこめば十分強化できるので、初心者も上級者も誰もが楽しめる。

問題点と賛否両論点

  • アップデートでキャラクターや武器など何らかの要素を新たに実装すると、それが凄まじい威力を有する場合が多く、しかも修正まで一週間程度の時間がかかったりする。
    • キャラクターであるドッドンがかつてそうであった顕著な一例。
      • 負けず嫌いなプレイヤーは、アップデートで新要素が登場した後はしばらく本作を遊ばないことをおすすめする。
  • 一部の銃はなぜか薬莢が左側から出る。
    • 薬莢は威力が半端でなく、もしこれが現実だったら薬莢が左手に当たってものすごく痛い。ありえないシチュエーション。
  • ゲーム内通貨はPGとCASHの2種類に分かれており、この2種類を併用して武器や服装やキャラクターを買うことはできない。

総評

これまで、シューティングの『ソニックウィングス』や格闘ゲームの『アルカナハート』など、その作品のジャンルにあまり興味を示さなかったライト層を惹き付けるためにビジュアルに最大限こだわったゲームというものは、多数登場してきた。
本作は、そんなライト層向けのビジュアルに最大限こだわった史上初のFPSである。
また、対戦ゲームブームの火付け役『ストリートファイターII』をきっかけに、前述の『ソニックウィングス』や『アルカナハート』だけでなく、パズルゲームの『ぷよぷよ』等様々なジャンルのゲームで「気軽な対戦によるプレイヤー同士の交流」がゲームセンターで活発となった。
本作はあえて対戦式のオンラインゲームにしたことにより、そのプレイヤー同士の交流を活発化させる流れを汲んでいると言える。

  1. キャラクターが紙という奇抜な発想。
  2. 上記のおかげで残虐表現がない。
  3. ビジュアルが初心者にとっつきやすい。
  4. 課金しなくてもやりこみ度が豊富。
  5. FPSとしての出来のよさ。 これらの理由からこのページは本作を良作と判断しており、はたから聞けば釈然としないと感じる人間もいるだろう。
    しかし、一度遊べばわかるのだが、本作は武器も服装もステージもべらぼうに多く試合ごとのルールも変わり、奥の深いやりこみ要素が生まれている。
    それでいてキャラクターが紙という奇抜でコミカルなアイディアとお洒落なキャラクターデザインは病み付きになるものである。
    その事をもっと詳しく語り本作がどれだけ素晴らしいかを示すには、先にも述べたがかなりの文章量を要するためにこの『ペーパーマン』という1ページだけでは足りない。
    その上、もし十分足りるページがあって記述を充実させても、かえって煩雑になり伝わらない。
    実はこれでもかなり文章を削ったほうであり、本作はそれだけ奥の深い作品に仕上がっているのである。
    懐疑的になっているのなら、一度本作を遊んでみるとよい。肌に合わなくても、どうせ少し試す分にはタダなのだから。