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タイムクライシス5 - (2016/11/05 (土) 22:49:36) の編集履歴(バックアップ)


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タイムクライシス5

【たいむくらいしす ふぁいぶ】

ジャンル ガンシューティング
対応機種 アーケード
販売・開発元 バンダイナムコゲームス
稼働開始日 2015年3月12日
判定 黒歴史
ポイント 9年ぶりのシリーズ新作
「守り」から「攻め」を意識したゲームシステムへ
サブウェポン・バグなど劣化した部分も多め
未完成商法?
疑問が残る続投キャラの扱い
備考 2015年10月22日にアップデートで「真の黒幕編」追加


概要

前作『タイムクライシス4』から9年(『レイジングストーム』を含むと6年)ぶりに稼働した、ガンシューティング『タイムクライシス』シリーズ最新作。
『3』の発展形であった『4』と比較すると新システム(後述)を多数実装した意欲的な作品となっている。

キャッチコピーは「守るタイクラから攻めるタイクラへ」「バカめ 横がガラ空きだぜ!」

ストーリー

国際特殊諜報機関のVSSEは、ある廃リゾート島で行われる兵器マーケットにおいて、機密情報がVSSE因縁の敵であるワイルド・ドッグに引き渡されるという情報を掴んだ。
機密データは3ヶ月前に殺されたVSSEエージェントから奪われたもので、データには「VSSE内部に潜む裏切り者」の情報が記録されていた。
VSSEはデータがワイルド・ドッグの手に渡ることを阻止するため、若手のエージェントであるルーク・オニールとマーク・ゴダート、ワイルド・ドッグとの交渉役である古参エージェントのロバート・バクスター*1、後方支援担当のキャサリン・リッチの計4人のエージェントを派遣、機密データの奪還を試みる。

しかし、おとり交渉のさなか、ワイルド・ドッグはVSSEの存在に気付き逃走。
若きエージェント達は機密データを奪還すべくワイルド・ドッグを追撃する…。

+ 「真の黒幕編」ストーリー、ネタバレ注意

ロバートが機密データの入ったアタッシュケースに撃ち込んだ発信機の信号を追い、エージェントたちはワイルド・ドッグの保有する兵器工場へと向かう。
ロバートは機密データを巡る事件にかつての相棒であるキース・マーティン*2が関わっていると確信。ルーク、マークと共にデータを追い工場の奥深くへと進んでいく。
そしてロバートの予想通り、工場の内部にて待ち構えていたのはキースであった。キースは「裏切り者の動向を探るために動いていた、目的は機密データだけでワイルド・ドッグと組んではいない」と語るが、ロバートは「そんな話を信用できるか」とこれを一蹴。対立する二人は激突することになる。

機密データに記された、VSSE内部に潜む「真の黒幕」の正体はキースなのか?そして、真の黒幕の思惑とは…?


ゲームシステム

今作も「ペダル操作(遮蔽物に隠れる)を駆使して、時間内に敵を倒して進んでいく」というシリーズのコンセプトを踏襲しているが、キャッチコピー通りの「攻め」を意識した意欲的な新システムを多数追加している。

  • 新型ハンドガンコントローラと武器切り替えボタン
    • ハンドガン型コントローラ(以下ガンコン)は新造され、より軽量化することで取り回しを改善するとともに新たに「武器切り替えボタン」を搭載。これによりペダルを踏んでいる時でも切り替えボタンを押すことで武器を切り替えられるようになった*3
    • 銃撃時の反動機構は従来のスライドが動く『ブローバック』から銃グリップ内部のモーターが振動する『バイブレーション』へと変更。これによって反動は抑え目となってしまったが、従来のガンコンの弱点であった耐久性の大幅な向上がなされている。
    • サブウェポンも前作から変わらず、連射速度を重視したマシンガン、広範囲を攻撃できるショットガン、広範囲を一撃で攻撃できるグレネードの3種を使用できる。
  • ダブルペダルシステム
    • 稼働前から宣伝されていた新要素。従来作では1つだったペダルが本作では「L」「R」の2つに増えている。この2つを使い分けることで左右の異なるポジションを移動し、異なる角度から攻撃することができる。前作の「マルチスクリーンバトル」を発展させたかのような内容であり、ペダルを増やすことで前作の「視点移動の暴発」という欠点を解消している。
    • ペダルを踏み分けることで「防弾盾を構えた敵に対し、左ポジションからでは攻撃を防がれてしまうが、右ポジションに移動することで無防備な側面を狙い撃ち」「右ポジションに向かう集中砲火を左ポジションに移動してやり過ごし、敵を左ポジションから攻撃」「右ポジションの画面を塞ぐ煙幕を避けて左ポジションに移動」など、攻略を有利に進め、膠着した状況を打開することが可能。
    • 側面から無防備な敵兵士を撃つと「SIDE ATTACK」となりスコアボーナスが入るが、攻撃を連続ヒット(コンボ)させることが出来なくなる。またポジション移動は回避動作としても使用できる。
  • 「MOVE EVENT」と「CRISIS EVENT」
    • 新システム。いわゆる「QTE」のようなシステムで、前者はタイミングよく指定された方向のペダルを踏んで攻撃を回避する、後者は画面に表示されるマーカー(標的)を狙撃して破壊するといった内容。
    • ムーブイベントは成功すると画面がスローモーションになり、無防備な相手を攻撃可能。失敗するとダメージを負うが、ダメージはライフ半分と良心的。
  • 敵兵
    • 敵兵に関しては『4』から更にバリエーションが減少。ゲーム前半であるステージ1~3には一般兵・黒兵*4・伝統の赤兵・黄色兵・ナイフ投げ兵以外に特殊な兵士は殆ど出現しない。
    • 『レイジングストーム』との世界観のつながりを示すためか、レイジングストームに登場したパワードスーツ「H.A.C.S.」や、空中を群れながら移動する無人兵器「シーカー」が登場。
      HACSはデザインや攻撃手段はほとんど別物だが、「背面が弱点」という特徴だけは受け継いでいる。シーカーは前作のテラーバイトポジションを継ぐ敵で、マシンガンが弱点となっている。
    • STAGE3では『3』からバイク兵が復活。移動速度が速く、通常の兵士と違い一撃で吹っ飛んでしまう(コンボが出来ない)。
    • 「真の黒幕編」には新たな敵として強化兵と跳躍兵*5が登場。強化兵は銃を撃たない代わりに高い耐久力を持ち、接近してナイフで攻撃してくるが、ヘッドショットで一撃で倒すことができる。跳躍兵は数回画面内を跳ねまわり、定期的に着地して攻撃してくる。跳躍のスピードは早く跳躍中に攻撃を当てることはほぼ不可能だが、着地時が隙になるので、そこを狙い撃つことになる。
      跳躍兵には一般兵と同じ赤・黄・黒のバリエーションがあり、特徴も一般兵のそれに準ずる。
  • バナパスポートと「勲章」
    • 今作からはバナパスポートへのデータ記録に対応し、プレイヤー名やハイスコア、そして新要素である「勲章」の記録が可能となった。
    • 勲章はいわゆる「実績」システムで、「ステージクリア」「敵兵士の累計撃破数」などの条件を満たすことでアンロックされる。

ステージについて

  • アップデート前から実装されていたステージ1~3と、「真の黒幕編」アップデートで実装されたステージ4~5、ファイナルの全6ステージ。
  • ゲーム開始時に1面から通してプレイするか、「真の黒幕編」のステージ1に相当するステージ4から開始するかを選択できる。ただし、ステージ4から始めた場合「ステージ4・5・ファイナルのクリア」「ノーコンティニューでゲームクリア」の勲章は得られない。
+ ステージ情報。真の黒幕編ネタバレ注意
  • ステージ1
    • 逃走したワイルド・ドッグを追いかけるステージ。ダブルペダルシステムのチュートリアル的な側面も持っており、ステージの随所にダブルペダルシステムを使うと有利になる状況が存在する。
    • ムーブイベントとクライシスイベントが初登場。ムーブイベントは「墜落するヘリをかわして飛び降りる」というもの。
    • ボスは、レイジングストームのロングレッグを思わせる多脚型の戦車。弱点を破壊することで撃破できる。
  • ステージ2
    • 走行中の列車に逃亡したワイルド・ドッグ。エージェント二人はヘリに乗り、走行する列車を追撃しつつ、ワイルド・ドッグ配下の戦闘車両や攻撃ヘリを破壊していく。
    • シリーズ伝統の乗り物ステージ。このステージのみ武器は弾数無限のマウンテッドマシンガンに変化し、敵をガンガン蹴散らしていける。
    • ステージ後半では武器がロケットランチャーに変化。集結する敵兵・敵車両を蹴散らし、次のステージに進む。
  • ステージ3
    • バイクを駆り、夜の市街でワイルド・ドッグを追うエージェント。ワイルド・ドッグとその配下も、戦闘車両やバイクで熾烈な攻撃を仕掛けてくる。
    • 全編バイクでの高速チェイスとなるステージ。バイク兵の猛攻、テクニカル(簡易戦闘車両)とポジションを切り替えながらの銃撃戦、ペダルを離して回避する罠、ムーブイベント&クライシスイベントなど、一筋縄では行かないステージ構成となっている。
    • ボスはワイルド・ドッグ。お馴染みのモーゼルと、『4』から装備したトラクタービームで攻撃してくる。
  • ステージ4
    • ここから「真の黒幕編」がスタート。ワイルド・ドッグの基地へ潜入する。前半は「暗闇の中でライトを頼りに敵兵を探して倒す」「スナイパーライフルを使った狙撃ステージ」「ラインが稼働する工場内での銃撃戦」と、シリーズ過去作へのオマージュとも感じられる懐かしいシチュエーションが続く。
    • 中盤ではキースとロバートが激しい白兵戦を繰り広げる中、誤射を避けながらキースだけを狙い撃つという、これまた『4』を思わせるシチュエーションでの戦いとなる。
    • ボスはキース。シリーズでは初めてのVSSEエージェント同士の戦いとなる*6。刀による接近戦と銃を使い分ける難敵。
    • 『4』を想起させた前座戦から一転して、今度はなんと外伝の『ゾーン』のエッジィを思い起こす戦闘となる。*7
  • ステージ5
    • 機密データに記されていた「真の黒幕」ロバートを追い、キースとともに進んでいくステージ。本ステージで先述した強化兵・跳躍兵が初めて登場し、まる強化兵がまるでゾンビ映画のように徒党を組んで襲ってくる。
    • ボス戦では『4』の家庭用版で死んだはずのワイルド・ファングが再登場。強化兵・跳躍兵を従え、ステージを飛び回りながら装飾つきのライフルで攻撃してくる。体力を減らすと背中に装備したコイルを展開し、巨大なエネルギーの球体を作り出しVSSEを道連れにしようと試みる。
  • ファイナルステージ
    • ついにロバートを追い詰めたVSSE。しかし、ロバートは逆にHACSのような巨大人型メカを起動させ、エージェントたちを始末するために襲い掛かってくる。
    • 全編通してボスであるロバートとの戦いとなるステージ。前半は人型メカの攻撃をよけながらロバートの体力を減らし、ムーブイベントを挟んだ後半はロバートが搭乗することで形態変化したメカとの戦いとなる。

評価点

  • ダブルペダルシステム
    • ダブルペダルシステムの存在は総じて好評。ダブルペダルはシリーズに新たな”攻め”のゲーム性を付与することに成功しており、前作のマルチスクリーンバトルのような暴発に悩まされることもない。
    • 赤弾やナイフをポジション移動で避けて敵を側面から奇襲、LRのポジション移動で最適な位置取りを探しながら敵のテクニカルと撃ち合うなど、さながら映画のようなアクションも可能。
    • ただし、ペダルを適宜ガシガシ踏み変えて最適なポジションを探す必要が有るため従来作より足の使用頻度が高くなっており「楽しいが、疲れる」という意見も多い。
  • 新型ガンコン
    • 改良され、軽量化されたガンコンは好評。扱いやすく、エイムの負担も軽減されている。
    • 武器切り替えがスムーズにできるようになったこともメリット。ただ、「武器切り替えボタンが軽すぎて、間違って触れただけで切り替え暴発」「武器切り替えが行き過ぎてしまう」などの体験談・意見もあり、一概に評価されているわけではない。
  • ステージ2の爽快感
    • シリーズ伝統の乗り物ステージであるステージ2の爽快感はやはり格別。敵兵をマウンテッドマシンガンで蹴散らし、ヘリや戦闘車両を次々破壊するステージ構成は「破壊のカタルシス」を味わうには十分。
    • 後半はロケットランチャーで群がる敵兵や車両をまとめてふっ飛ばせる。このあたりは『レイジングストーム』のノウハウが生かされていることを感じさせてくれる。
  • 難易度
    • 今作もワンコインクリアが可能なバランスには収まっており、「無理ゲー」的な状況はない。アップデート前は理不尽な難易度の高さを指摘されるステージもいくつかあったが(後述)、「真の黒幕編」アップデートに伴う「赤弾(命中弾)の弾速低下」という修正により難易度はそれなりに落ち着いた。
    • また、「2Pキャラ(2Pなら1P側キャラ)が射線に重なるように配置され、攻撃の邪魔になる」というシチュエーションが極端に減ったことは評価されている。これにより、「相方を誤射してヒット数が途切れる」というストレスは殆どなくなったと言っていい。
  • 過去作にも負けないボリュームとシチュエーション
    • 稼働当初は全体的な内容の薄さを指摘されていたが、「真の黒幕編」追加によりボリュームに関しては過去作にも負けない内容となった。
    • 先述したような、過去作を思わせるシチュエーションはシリーズファンに懐かしさを感じさせてくれるはず。
    • さりげなく本作ではストーリーモード初の「VSSEエージェント(キース)との戦い」というシチュエーションが用意されている。キースはかつての主人公という肩書に恥じない強さでプレイヤーの前に立ちふさがり、プレイヤーに「今までの敵はこんなバケモノと戦っていたのか」という気分を存分に味あわせてくれる。
    • ステージ4のキースvsロバートの戦いは見もの。シチュエーションとしては前作『4』のラッシュvsマザーズのプロレス対決に近いのだが、技術の進歩により両者の動きはかなり自然なものになっており、戦いの内容も「刀とナイフによる剣戟」「格闘術で相手の姿勢を崩そうとする」「相手の足場を揺らして体勢を崩すことを狙う」「投げ技」などかなり細かく作りこまれていて、この戦いを見ているだけでも割と楽しい。

賛否両論点

  • やっぱり『B級』で漫画的な演出
    • 『2』以降のシリーズで常に言われてきたことではあるが、今作でもキャラクターの行動や描写はB級ハリウッド系アクション映画や漫画のようで、敵・味方共に超人化が進行している。
    • まず、主人公たちはステージ1前のデモで兵器マーケットの警備員を昏倒させるのだが、その際「一瞬で後方に回りこみ、首筋に打撃を加える」という超人じみた描写がされる。これは誇張でも何でもなく、文字通り瞬間移動したかのような描写で敵の正面から背後に回りこみマーケットの警備員を気絶させてしまう。
    • ツインペダルシステムの描写も同様で、ポジション移動の際には数メートルの距離を一瞬で、歩いたり走ったりという動作さえ見せず、段差が存在してもそれを飛び越えて一瞬で移動する。これはプレイヤーもゲーム開始時のチュートリアルと一部のステージでCPU(or反対側のプレイヤー)の動きを見て確認することができる。
      • ステージ4では、同じエージェントであるキースも瞬間移動を披露する。 どうやら瞬間移動はVSSEエージェントの必修技能らしい
        ちなみに『2』ではキース、ロバートとも移動の際は「かがみながら走る」「側転で隣の物陰へ移動」などまだ常識的な動きをしていた。
    • ステージ1序盤、ロバートのいるビルの一室に隣り合ったビルから突入するシーンがあるのだが、その突入手段はなんとジャンプ。しかもその際、窓ガラスをブチ割っている。どう見ても数10メートルの高さと距離があり、常識的に考えてそんなことをしたらタダでは済まない。普通はジップラインなどの突入用の道具を使うべき場面である。
    • ステージ1でのムーブイベント成功時は足場からジャンプして空中からスロー状態で敵兵を撃ち放題になるのだが、どう考えても数メートル以上の距離をジャンプしている。ジャンプ中の描写もまるで平行移動しているようで、ジャンプというよりは滑空、または飛行したとしか思えない。
    • 更にステージ1のボス戦ではボスの攻撃に対してキャサリンから「上階に移動して!」という指示が下るのだが、その指示に対し主人公は瓦礫が降る中を数メートルの高さがある足場へ軽やかにジャンプして上階に上がる
    • ステージ3では、ゲーム開始前のデモでエージェント2人は高所にいるヘリから何の装備もなしにバイクに乗ったまま飛び降りるという絶技を披露する。
      その後も2人はバイクを運転しながらショットガンやグレネードなど銃火器をぶっ放しつつ、超高速な切り返しによるポジション移動など超絶的なドライビングテクニックを披露する。他の演出に比べると地味だが、これだけでも人間離れしている。
    • ステージ4のキース対ロバートの白兵戦が見所であるのは先述の通りだが、案の定この二人の戦いも常人離れしている。頭上の足場に跳び乗ったり、果ては跳び超えたりしている。
    • ステージ5では、前方の地面が崩れて開いた大穴を突破するために壁を走って反対側へ移動する。
    • だがこれらの超人的な描写に反して、ステージ5の終盤で真の黒幕がスイッチを押して崩落させた通路をジャンプして渡ろうとした際には、VSSE一行は助走をつけて跳んだにも関わらず飛び移れずに落下してしまう。これまでのステージで見せた脚力を考えれば余裕で飛び移れる距離であるにも関わらず、である。
  • 主人公も主人公だが、敵も敵でめちゃくちゃである。
    • ステージ4のキースは先述したように瞬間移動をする他、なんと高速で刀を振るって衝撃波を飛ばして攻撃してくる
    • ワイルド・ファングはダメージを受けると背中のコイルから太陽のようなエネルギー球を生み出し、それを爆発させることでエージェントたちを道連れにしようとしてくる。「どうしてそんなエネルギーが生み出されるのか?」「原理は?」「そんな自爆にしか使いようがなさそうな武器を何故背負っているのか?」など、突っ込みどころしかない。
    • また、ファング戦の舞台は秘密の兵器工場の地下なのだが、何故かそこにはアーティストのライブ会場のステージのような謎の建造物が建てられており、ファングが名乗りを上げた際にはライブの演出のような火柱まで上がる。
    • ステージ5に出てくる強化兵は、「壁を破壊or地面から土を散らして登場」「体中に斑点があり、不気味に体を揺すっている」「うめき声を上げながらこちらに走ってくる」など、見てくれや性質が完全にゾンビ。 「おれはタイムクライシスをプレイしていたと思ったら いつのまにか『ハウス・オブ・ザ・デッド』をやっていた」というガンシューターが相次いだ。
      • どこを撃ってもダメージが同じだった通常兵と異なる「ヘッドショットで即死するが、その他の部位には耐久力がある」という仕様もHODシリーズのゾンビ風味。
      • しかしインパクトこそ大きいが、いざ対峙してみると「ゲームランクによる耐久力変動なし」「アクティブになるまで棒立ちで、共通して『接近してナイフで斬る』という隙だらけの攻撃パターンしか持たない」うえに、本作はHODとは違って「攻撃の回避手段が使いたい放題な上、リロードも兼ねている」「ハンドガンの装填数が9発*8」ということもあり、拍子抜けする。
      • ちなみにこの強化兵、北斗の拳」の雑魚キャラのようなノリで「しねぇ~!」と叫びながら突撃してくる。笑わせるつもりなのか。

問題点

アップデートで解決された問題点

+ 折りたたみ
  • ムチャクチャな難易度曲線
    • 前述したように、本作は稼働当初は「難易度が高い」と評価されることが多かった。しかも「ただ難度が高い」だけならまだしも、その難度の高低がステージによって滅茶苦茶なのが大きな問題とされる。
    • 全体的に赤弾の弾速が速くなっており、プレイヤーの隠れ判定の厳格化*9もあいまって、従来の感覚で避けようとすると確実に喰らってしまう。
    • しかもこの豪速球が1面から容赦なく飛んできたため、ガンシューターならまだしも、一見のプレイヤー程度では1面をクリアすることも絶望的。
    • 正確には前作までと比べ発射されたときの弾速、つまり赤弾の初速が異常なほど速いのが原因で、近づいて大きくなっていく描写自体はほとんど変わらない。新しいゲームエンジンを使った弊害と考えたいところではあるが、結果としてみるならやはり「調整不足」としか言いようがない。
    • 現在は前述したように赤弾の仕様変更により、ある程度難易度曲線は改善された。が、プレイヤーの隠れ判定は変わっていない様である。
  • 前述のとおり、この容赦無い殺意はステージ1の時点で容赦なくプレイヤーに向けられる。
    • 記事冒頭では「ダブルペダルのチュートリアル的ステージ」と解説したが、実態としては「ダブルペダルを的確に使わないとクリアは至難」という表現のほうが近い。
    • 全体的に敵の層が厚く、加えて「赤兵をカバーするように一般兵が出現する」など意地悪な配置も散見される。更に今作では序盤はサブウェポンが封印されており、サブウェポンでゴリ押し突破という方法も取れない。
    • よりにもよってステージ最序盤、バーカウンターを挟んで敵兵と撃ち合うシチュエーションが鬼門。「ボンベを破壊すれば敵を一掃可能」という定番のシチュエーションなのだが、それを防ぐかのように敵兵とワイルド・ドッグが殺意満載で赤弾を連打してくるので、初心者ではボンベ破壊どころではない。プレイヤーのリアルラックにも左右されるが、赤弾が3~4連続で絶え間なく飛んでくる様は1面で見れて良い光景ではない
      • 加えてボンベの破壊が早すぎると、敵を一掃できず耐久力付きの兵が残ってしまう罠がある。
    • その後もムーブイベント後に出現する見えにくい赤兵×2、煙の中から銃撃してくる赤兵、そしてクライシスイベント後のボス前のラッシュに登場する赤兵4名など、1面ながら確実にプレイヤーを殺そうとしてくる。「ステージ1が最難」と語るプレイヤーもいるほど。
    • そして道中とは裏腹にボスは呆れるほど弱い。「砲撃時に姿を現す、装甲された砲台を4つ破壊」→「ミサイルとエネルギー砲を避けつつ、エネルギー砲塔の5箇所の弱点を破壊」という順番で攻略していくのだが、前半は連射力さえあれば開幕からハンドガン連射で4個中2個の砲台はスピード破壊してしまえる上、よしんば攻撃チャンスを逃しても砲台は律儀に「エネルギーを溜めるエフェクト」で攻撃タイミングを教えてくれるため、よっぽど下手でもない限り、喰らうことはない。
    • そして後半だが、戦車の武器は「わざわざ『DANGER!!』と警告してから撃たれるエネルギー砲照射」と「機体各所から放たれる破壊可能なミサイル」の2つに絞られるため、ハッキリ言ってこちらも被弾する要素が皆無。
      • そもそも弱点の耐久力が低すぎるため、慣れたプレイヤーなら後半戦開始10秒前後でさくっと沈めてしまえる。ボスとしてそれでいいのか。
    • 現在は前述したように赤弾が仕様変更されたのに加え、赤弾の出現頻度が減り難易度は落ち着いた。
  • 続くステージ2だが、ステージ1の殺意が嘘のように楽になる。
    • 武器がマウンテッドマシンガンに変わることもその一因だが、敵の攻撃が全て破壊可能なミサイルorロケットに変わってしまうのも原因。ミサイル(ロケット)は赤弾と比べるとスピードは遅く、極一部の豪速球を除いては撃墜も回避も容易。
    • パターンも単純で、一部の難所を除けば被弾する要素はほぼなく、そもそもボスさえいない。強いて言えば終盤の超大型ミサイルがボスと言えなくもないが、ミサイルは一切の攻撃手段を持っていないため、「破壊目標」と言ったほうが適切。
    • が、アップデートでミサイル・ロケットの判定が細分化され、撃ち落としにくくなったことに加え「ロケットを構えた敵に予め照準しておき、操作可能になると同時に弾を撃ちこんでロケットを撃たせることなく倒す」というテクニックがかなりシビアになった。これにより以前のように気が抜けなくなり、ステージ2らしい骨太な難易度となって、難易度曲線の上昇は順当なものになった。
  • 全体的なボリュームの減少
    • 稼働初期~中期、本作で一番指摘された問題点。
    • 本作は露骨に過去作に比べて各ステージのボリュームが減っており、過去作に比べて悪い意味でサクッと終わってしまう。後述する「真の黒幕編」との兼ね合いなのだろうが、ボリューム不足は否めない。
    • 単純に「プレイ時間」というだけでもなくストーリーの規模も過去作と比べるとこぢんまりしている。要するに「真の黒幕編」開始前の筋書きは「機密データを盗んだワイルド・ドッグとの鬼ごっこ」であり、大作ハリウッドアクション映画のようなボリュームのあった過去作と比べるといささかストーリーの魅力は弱く、「序章」といった雰囲気が漂う。
    • ゲームとしても、敵バリエーションの削減によってゲームとしては単純化している感が否めない。目立つところではシリーズ伝統の爪兵・マシンガン兵、『4』の特技兵やテラーバイトがリストラされている。一応テラーバイトのポジションを継ぐ敵としてシーカーが登場するものの、その登場シーンはわずか一回。テラーバイトほどのインパクトを与えられたとは到底言えない。
    • 変わったシチュエーションもステージ3のバイクチェイスが目新しい程度で、目につくシーンが少ない。ボスの攻撃パターン・個性も劣化しており、総じて過去作と比べると一回りボリュームは薄味にまとまってしまっていた。
    • 現在は前述の通り、「真の黒幕編」追加によりボリュームに関する問題は解消された。
  • 「真の黒幕編」関連
    • ステージ3をクリアすると、ワイルド・ドッグは苦し紛れに機密情報の入ったアタッシュケースを義手ごと打ち上げ、本人はシリーズの伝統を守り自爆して退場してしまう。
    • …が、アップデート以前はその後ムービーが挿入され、南米を思わせるジャングルでアタッシュケースを回収する何者か*10の姿を見ることができ、そして「『真の黒幕編』開発中!」といった内容の告知が出てゲームは終わってしまう。
    • 要するにアップデート以前は『5』はゲームとしては未完成であり、ストーリーが不完全なのである。これには批判が多く、「ちゃんと作り切ってから発売しろ」「おまけ要素ならともかくストーリーの後半を実装しないまま発売するのはありえない」などの批判意見が多く上がった。
    • 結局「真の黒幕編」は「2015年内の実装を目指して開発中」という発言の通りアップデートで実装されたのだが、アップデートされたのは2015年10月22日。稼働開始から半年以上(約7ヶ月以上)の時間がかかった。この7ヶ月の間アップデートに関する情報やバグ修正のマイナーアップデートなどは一切なく、「このままお蔵入りするのでは…?」と不安視するファンもいたほど。
    • 批判に拍車をかけたのが、2015年9月の時点で海外ではアップデートが完了していたこと。これはyoutubeにプレイ動画がアップされたことで判明し、「何故日本国内が後回しなんだ」と、批判を加速させる燃料になってしまった。
    • 一応アップデート前も「クリア後にライフを引き継いで高難度の2周目がプレイできる」というやりこみ要素はあったのだが、2週目をクリアしても特にご褒美などはない。また高難度と言ってはいるがそこまで難度が上昇したようには感じられず*11、「苦し紛れのボリューム水増し」と感じるファンも多かった。
  • バナパスポート関連
    • 稼動当初はバナパス認証のタイミングが「クレジット投入」→「プレイ形式選択(1人プレイか、協力プレイか)」→「バナパス認証」となっていた。バナパス認識用のタッチパネルはコイン投入口の横にあるため、コイン投入口の前とガンコンの前を行き来する必要があり、少し面倒であった。
    • 現在は「クレジット投入」→「バナパス認証」→「プレイ形式選択」の順番に変更され、問題は解消された。

アップデート以降も残る問題点・アップデートに伴う問題点

  • ダブルペダルシステム
    • 評価点でもあるが、前述したようにゲームを進めながらガシガシペダルを踏み変えて最適なポジションを探す必要があるためゲーム内の体力だけでなくプレイヤー本人の体力もクリアには必須。
    • 加えて、「ポジション移動中はコンボのゲージが減少しない」という仕様を逆手に取った「左右のポジションを行き来し続けることでコンボゲージを維持し、本来ではありえないヒット数を稼ぐ」というテクニックまで発見されてしまった。このテクニックを使いながらゲームを進めようと思ったら、脚を「酷使する」レベルの話では済まない。
  • サブウェポンの弱体化
    • 今作ではサブウェポンが露骨に弱体化しており、それに伴い「マシンガンやショットガンで敵を蹴散らす爽快感」「グレネードで画面を一掃する爽快感」が失われてしまっている。
    • まず目立つのが最大所持弾数の低下。『4』と比較するとマシンガンは300発→100発に、ショットガンは50発→10発に。グレネードに至っては1発になってしまい、より使い所を考える必要が出てきた。
    • これで武器として強力になったならまだしも、攻撃力が壊滅的に落ちている。かつての火力は見る影もなく、各種ボスには雀の涙程度のダメージしか与えられない。ボスどころか、中ボスのHACSを倒すことさえ難しい。
    • その上、今作ではサブウェポンの弾数を次ステージに持ち越せない。せっかくステージ1で弾数を稼いでも、ステージ3では所持弾数が初期状態に戻ってしまう。「ステージ1で使い切ってもステージ3で一定数補填される」と考えればデメリットばかりではないが…。
    • とどめを刺すように本作では黄色兵の出現頻度が大幅に減っている。具体的にはステージ1のボス前、ステージ3の対テクニカル戦、「真の黒幕編」ではステージ5・ファイナルの中盤(しかも手強い跳躍兵として)のみで、ゲーム中4箇所にしか出てこない。
    • その反面ハンドガンは火力が大幅に強化されており、プレイヤーの連射力にもよるがHACSや各種ボス攻略にはハンドガンの連射が一番有効。さすがにシーカーの物量には押し負けるので「ハンドガン一丁でクリア」というわけにはいかないが、殆どの場面をハンドガンで切り抜けられてしまう。
      黄色兵の出現頻度低下も、ハンドガンの使用率向上に拍車をかけてしまっている。
    • だが、相変わらず一般兵は被弾1発で倒れるので、完全に死に武器になったわけではない。前述のようにシーカーの物量にはハンドガンでは対抗できないし、「一般兵が物量で押してくる場面で雑魚散らし」「命中率増加による追加スコア狙いでショットガンを使用」「エイムしにくい跳躍兵の排除」など、使い所はそれなりにある。
    • アップデートでマシンガンは最大所持弾数が180発に、ショットガンが15発に増えたものの依然として威力は据え置きで「殆どの状況をハンドガンで切り抜けられてしまう」という状況を根本的に変えたとは言いがたい。
    • 新たにアップデートで追加された「サブウェポンと2面のマウンテッドマシンガン・ロケットランチャー発射時に画面が揺れる」という演出もどちらかと言えば「画面が見にくい」と不評。
  • 過去作ファンには疑問が残る過去作からの続投キャラの扱い
    • 本作ではシリーズお馴染みのワイルド師弟の他にも、『2』の主要キャラであるロバート、キースが再登場するのだが、その扱いにはかなり疑問が残る。はっきり言えばキャラ設定が「改悪」されてしまっている。後述する出来の悪いストーリーと合わせて、「この改悪だけでシリーズの黒歴史認定されてもおかしくない」と憤るファンが出るほど。
+ 各キャラの目立つ改悪部分。「真の黒幕編」のネタバレを含むので注意
  • ワイルド師弟
    • ワイルド・ドッグは前作に比べてハイテンションでうるさくなり、いよいよ「B級アクション映画の噛ませ犬」的な雰囲気が増している。しかもステージ1では「機密データの入ったアタッシュケースを見せびらかしてエージェントを挑発する」など、一見幼稚にも見える行動を見せる。過去のシリーズで見せていた知性的な面はもはやかけらもない*12
    • 声優も変更され、前作よりかなり高い声になった。これも賛否両論で、「過去作にあった渋さが消えた」「何で年齢が上がったのに声のトーンが上がるんだ」など批判の声も。
    • 前半3ステージに亘って登場する点こそ優遇されているものの、今回彼がやったことと言えば機密データを持って逃げただけである。弟子が黒幕と組んでいるにもかかわらず何も聞かされていないようで結局何も知らないまま本編の出番を終える点も噛ませ犬的な雰囲気に拍車をかけている。
    • ワイルド・ファングは以前のスーツ姿から一転、「派手な紫色のシャツの胸元を開けて胸筋をさらけ出し、髪型は金髪のガチガチに固めた盛り盛りのリーゼント、襟には真紅のファー」という、まるでバブル期のスター俳優のような奇抜なファッションになってしまった。しかも使用する武器も「黄金のエングレービング(装飾)付きのライフル」という謎のチョイス。はっきり言って、言われなければ以前のファングと同一人物とはわからない。
    • 背中には6本の羽のようなコイルを仕込んでおり、それを展開した姿は派手な見た目も相まってまるでクジャク。完全に別キャラである。
    • 戦法もファングの象徴であるキックは殆ど使わず、部下の兵士を盾にピョンピョン跳びながらライフルをちまちま撃つという情けないもの。一応蹴り技はあるのだが、使用頻度は低い。
    • 黒幕の前座として出てくるあたりVSSEエージェントと同様に世代交代を意識したようにも見受けられるが、過去作のワイルド・ドッグは自分から出向いてきて立ちふさがったのに対して、今作のファングはVSSE一行を足止めするため、ロバートの仕掛けた罠にかかったエージェントを待ち構えていただけである。先述の情けなさも相まって師匠程の執念を感じられず、「立ちふさがる」というよりは「足止めに使われた」感がある。
    • ファングも声優が前作家庭用での「戸部公璽」氏から変更。今作での担当声優は何故か前作『4』で主人公のVSSEエージェントを演じた「三浦祥朗」氏である。だが三浦氏の演技に特に違和感は無く、ワイルド・ドッグよりも声優変更への批判は少ない。
  • キース・マーティン
    • 「背中に日本刀を背負い、タクティカルベスト着用」という、まるで「メタルギアソリッド2」?の主人公・雷電を思わせる姿になった。こちらもファング同様、言われなければ同一人物とはわからないレベルでイメチェンしている*13
    • しかも戦闘中は「手裏剣を投げて攻撃」「時代劇の忍者よろしく、スモークグレネードを地面に叩きつけて逃走」「空中をクルクルと回転しながら跳躍」など、忍者のような立ち振舞を見せる。アイエエエエ! ニンジャナンデ!?
    • キースというキャラクターには忍者のイメージに繋がるような要素は皆無で、なぜこうなってしまったのかは不明。立ち振舞はカッコイイのだが、「キースである必要があったか」と言われると疑問が残る。
      • ちなみに『2』では表向きは映画の特殊効果スタッフで、爆発物のスペシャリスト・SASの出身という事になっていた。全くその面影はない。*14
    • アップデート以前は「VSSEを裏切り、金になる情報を売り渡していた」という情報だけが先行しており、この時点で「過去作の主人公を悪役にするのか?」という不安の声が多かったものの、いざ真の黒幕編が始まってみると「元相棒であり、本当の裏切り者だったロバートを止めるために奔走する」という至極まともなキャラで、性格面での改悪は免れている。
  • ロバート・バクスター
    • 今作において一番批判が集中しているキャラクター。「かつての主人公からラスボスへ」という大胆なクラスチェンジを果たしたが、それが大きな批判を呼んでいる。
    • 「エージェントたちを信用させておいて、口封じのために後ろから闇討ち」「いざ追いつめられると、巨大ロボットを使って自分はその後ろに隠れ高みの見物」「兵士強化薬を詰めたミサイルをニューヨークに発射してテロを引き起こそうとする」など、過去作の主人公とは思えないほどの非道・卑劣さが目立つ。口調もやけに挑発的で小物っぽく、かつての主人公の威厳は皆無。
    • 戦いになると唐突に正義について語り出すなど『5』での描写だけをとってもキャラがぶれており、稚拙なストーリーと合わせて「ロバートはこんなキャラじゃない」という批判の声が上がっている。古参ファンからは「プレイヤーの分身であり、愛着のあるキャラだったロバートを汚された気分」「スタッフは『2』に恨みでもあるのか」などの嘆きの声が絶えない。
      • 一応、ステージ4道中でルーク達に対して「お前達を見ていると昔を思い出す。俺もキースも目の前の任務をこなすのに必死だった」と、正義を信じていた昔を回顧するようにつぶやく場面もある。「VSSEの腐敗を見て変わってしまったのでは?」という擁護意見も無い訳でもないが、そこに至るまでの過程が全く描かれていない為、あまり擁護になっていないのが実情である。
    • 「敵側と内通する裏切り者」というポジションでは過去にも『3』の家庭用に収録されたヒロインミッションに登場するジェイクがいたが、ジェイクは『3』初出のキャラであり過去作とは何ら関わりがなく、「敵側と内通する裏切り者」という役割自体に問題はない。問題は、それをよりによって過去作の主人公に担当させ、加えて余計な改悪設定・描写を付け足したことにある。
  • クリスティー・ライアン
    • 本作では台詞にて言及されるだけだが、キースによると「VSSEの内偵調査中に裏切り者(=ロバート)の事を知った結果殺された」「キースの恋人だった」という悲劇的な設定が語られている。
    • クリスティーは『2』のヒロインであり、同作では殺されかけた所をロバートが救出するシーンもあった。「旧作のヒロインをアッサリ設定だけで殺してしまうのはいかがなものか」という批判意見が多い。
    • 悪役に落ちぶれたロバートと合わせて、こちらも「スタッフは『2』に恨みでもあるのか」と言われる原因になっている。
  • 稚拙なストーリー
    • 既存のシリーズもどちらかと言うとアクション系ハリウッド洋画のようなノリでシナリオは大味な部分が多かったが、本作はそれに輪をかけて大味で、大味を通り越して稚拙な部分も散見される。特に「真の黒幕編」は批判が強い。
+ ストーリーに関して。「真の黒幕編」のネタバレを含むので注意
  • ステージ1冒頭ではワイルド・ドッグが交渉に現れたロバートに対して「よく来たな!」と歓迎しているが、「『2』での因縁はどうした」と言わざるを得ない。
    • そもそもワイルド・ドッグとVSSEは因縁の関係、特にワイルド・ドッグからすればVSSEは自分の仕事を毎回毎回邪魔する上その都度自分を負かす(そして自爆する羽目になる)忌々しい相手であり、とても交渉の場を設けて馬鹿正直に話し合いに応じるような間柄ではない。しかもVSSE側の交渉役は『2』で実際に交戦したロバートである為、「ワイルド・ドッグは相手がVSSEと知らずに交渉に応じたのでは?」「VSSE側が素性を隠してワイルド・ドッグに接近を図った」といった理屈も通用しない。
    • その辺りを全部ひっくるめて承知の上で交渉に応じたとしたら余程の好条件がVSSE側から前もって提示されていたのかもしれないが、それだとワイルド・ドッグが因縁の相手から出された好条件に釣られて危うく罠に嵌りかけたという間抜けな図式になってしまう。
    • いずれにせよ、その辺りの事に関して説明が無い為、『2』を知るプレイヤーからは首をかしげることとなる。こういった説明不足は後半部分でも目立つことになる。(後述)
  • 続投キャラの扱いにおいても述べたが、かつての主人公を組織の裏切り者という純粋な悪役にし、あまつさえラスボスに仕立てあげるという配役は疑問が残る。「強い信念を持ち、その信念に従って組織を抜けた」「VSSEが腐敗していたので、『VSSEはダメだ』と悟って組織を抜けた」ということならまだしも、ロバートの台詞からはそこまでの信念も感じられない上、ラスボス化するまでに伏線もない。
    これまでのシリーズのことを考えると「家庭用移植でロバート関連の設定は補完される」と考えられなくもないが、不完全燃焼感は大きい。
  • ワイルド・ファングも再登場したはいいものの、「師匠であるはずのワイルド・ドッグについて一切言及しない」「蹴り技を殆ど使わない」など、ワイルド・ファングである必要性が薄い。
    • 家庭用『4』のラッシュ編にも登場しており、この時も師匠についての言及はないものの「師匠と同じ場所に登場」「師匠と同じくトラクタービームを装備」「跳び蹴りやコンテナなどを蹴り飛ばす攻撃など足技を多用」など、ワイルド・ファングとしての個性を保っていた。
  • ステージ5で強化兵に絡めて「人間に投与することで絶大な戦闘能力を与えるが、理性と思考能力を奪ってしまう薬品」の存在が語られるのだが、そこから急にポッと出の「強化薬品」がストーリーの核になるという超展開。そこから怒涛のように「VSSEは薬品の存在を知りながら、『金になるから』黙認した。VSSEは正義ではない」「この薬をニューヨークに撃ちこんでテロを起こす」など、薬が重要なファクターとして扱われる。
    繰り返すが、ステージ5の強化兵登場までそのような薬について全く言及はされない。
  • 先述のように「VSSEの腐敗を見て組織を裏切った」らしいロバートなのだが、ラストになってようやく、取ってつけたように「VSSEは正義ではない」「この強化薬でテロを起こし世界を一度リセットする」「正義は1つじゃない」など信念のようなものを述べ始める。が、「強化薬でニューヨークを壊滅させるのはたしかに大きな計画ではあるが『世界をリセットする』というにはスケールが小さすぎるのでは?」「VSSEと強化薬の関係は?VSSEが強化薬を作ったのか?」など、重要な設定が全く語られないため全く説得力がない。正義云々の台詞に関しても、唐突すぎるきらいがある。
    • VSSEの腐敗に関してはゲーム中でキースとキャサリンが「VSSEは兵士強化薬に関する事件のデータを抹消している」「(兵士強化薬に関連することは)なかったことにしたいらしい」といった内容の台詞で示唆しており、ロバートもミサイルを発射する間際に「正義面した奴らが作った薬で世界は一度終わる」と言っているのだが、そこまでの伏線がなくこれに関しても唐突さがある上、ロバートの台詞も「正義面した奴ら=VSSE」と明確に示してはいないため、いまいちスッキリしない。
  • またロバートはメカを起動させた際「さすがのVSSEもこいつには勝てないだろう」と自慢をするのだが、エージェント(プレイヤー)はこれと似たような多脚戦車を2台ほど拳銃一丁でブチ壊しており、重ねて言えば『2』では発言者のロバート自身もかつてキースと共に完全武装した人工衛星を拳銃一丁でブチ壊しているという前歴がある。全く説得力がない。
    • さらに遡れば、『1』の家庭用移植におけるカンタリス編で『1』の主人公リチャードも多脚装甲車「ドロメデス」やロバートのメカに似た戦闘ロボット「アントリオン」を拳銃一丁で破壊している*15。古参ファンからすれば「その程度のメカでVSSEエージェントを止められるわけがない」というのが正直な思いだろう。
    • 先述のように豪語して持ち出したメカにはプレイヤーの攻撃は一切通じないのだが、シーンが進むとそのメカはあっさり航空機離陸のあおりで破壊されてしまう。
  • その後ロバートはステージの進行に伴い「こいつの真の姿を見せてやる」と自ら(破壊されたものとは別の同型)メカに乗り込み、メカの形態を変化させるのだが、変化前は全身が装甲に覆われた状態だったのに形態が変化すると装甲をパージしたために弱点とロバートの乗り込んだコックピットがむき出しになり、プレイヤーがメカにダメージを与えられるようになる。つまり実質弱体化する。ある程度は「ゲームだから」しょうがないとはいえ、これも説得力のなさに拍車をかけてしまっている。
  • メカを撃破するとロバートに「結局ミサイル発射の阻止は失敗だ」といかにも手遅れであるかのように言われるのだが、ミサイルが燃料噴射しだして今にも発射しそうになっているのなら分かるのだがそういう訳でもなく、ミサイルに何の変化も見られないので「発射阻止は失敗だ」と言われてもピンとこない。あるいは「発射装置を持っているロバートを殺せてないから阻止は失敗だ」ということなのかもしれないが、端末を手に勝ち誇りだすということはまだ発射スイッチを押していないのだろうか?*16
  • そしてラストはかつての主人公であるロバートにプレイヤーの手でとどめを刺すという、古参ファンにとっては辛すぎる展開が待っている。ここまでくると、本当に「『5』のスタッフは『2』に恨みでもあるのだろうか?」と疑ってしまうレベル。
  • エンディングでは墜落する航空機から海面に落下したエージェントたちが生存を喜び合い、ルークがのんきに「あ、島だ!探検してみようぜ!」と偶然近くにあった島に向かって泳ぎだし、それを他のメンバーが追っていく…という楽観的すぎるエンド。「かつての仲間を自分の手で討った事への葛藤」などは全く感じさせない。
  • バナパスポート関連
    • バナパスポートにデータを記録できることは先述したが、カードに記録できるのは「3文字のプレイヤー名」「ハイスコアと直近のプレイのスコア」「勲章」の3つだけ。このご時世のゲームとしては、あまりにも寂しすぎる。
    • 勲章も多いが、「ステージクリア」「累計300人の敵にヘッドショット」「1万人以上の人型敵を撃破」「累計一億点到達」など、普通にプレイを重ねていれば取得できるような代り映えしないものばかり。意識しないと取得できないのはせいぜいヘッドショット関連ぐらい。
  • その他・バグなど
    • リザルト画面の音楽がシリーズおなじみの「作戦成功」ではなくなった。一部のプレイヤーからは「『作戦成功』のアレンジに聞こえる」という声もあるが、「やっぱりあの曲でないと物足りない」というプレイヤーは多い。
    • 今回も『4』『レイジングストーム』から引き続き日本語音声を採用しているのだが、『4』と違い、英語音声がしっかりと収録されているのにも関わらず、日本版では音声の切り替えができない。『4』やレイジングストーム(アーケード版では店側のみが変更できた)ではよりハリウッド映画らしい英語への切り替えを行えただけに、劣化点として挙げるファンも多い。
    • バグが存在し、致命的なものだと「ステージ2のロケットランチャーを使うシーンで特定の方法を行うと次に進まずゲームがフリーズする」という進行に影響をおよぼすバグがあった。
      他は「ステージ2のリザルト画面が正常に機能していない(スコアが正確に表示されない)」というわかりやすいバグが有る他、再現性は低いものの「ステージ3終了時、ワイルド・ドッグのモーゼル発砲時のSEがロードに入るまで鳴り続ける」という微妙なバグがある。
      • これらのバグはアップデートでチェックされたかと思いきや、ステージ2のリザルトバグとステージ3のモーゼル発砲音バグは未だに残っている。それどころか、「ステージ3のムーブイベント後、破壊された多脚戦車に埋め込まれているかのようにミサイルのグラフィックが不自然に宙に浮いている」という実害のない新たなバグも見つかっている。
    • 「真の黒幕編」でも新たなバグが発見され、「進行フラグが立たなかったのか、敵を全滅させても進行できずに詰んだ」「ステージ5のリザルト画面の計算がおかしい」「処理落ち」「ステージ4ボス戦のキースの挙動がおかしくなる」などのバグが大小問わず報告されている。
    • 処理落ちは詳細な発生条件が今だ不明で、酷い時は一瞬フリーズしたかのようにゲームの進行が止まることも。特に相手の攻撃と処理落ちがカチ合うと「筐体のペダルを離したのに処理落ちで反映が遅れ、避けられたはずの攻撃を食らう」という理不尽な状況になることも。
    • こちらも条件は不明だが、ステージ4のキースが異常な挙動を見せることがある。「ステージ4最終エリアでのボス戦開始時、本来はプレイヤーの方向を見ているはずがプレイヤーに背中を向け、背中から衝撃波を飛ばす?」などの実害のない笑えるものもあるが、酷いものだと「キースの刀攻撃が異常に追尾する」という難易度に関わるものも。
      「キースが刀を振りかぶる~振り降ろす間にポジション移動で攻撃をかわすとキースが段差や陳列棚をバグめいた挙動(刀を構えた姿勢で横を向いたまま、体の側面を向けてプレイヤー側に迫ってくる)でガクガクと瞬間移動し、逆ポジションに移動してすさまじい速さで刀を振るう」という明らかに異常な挙動を見せた、という報告もある。
    • 正確にはバグではないが、倒した敵兵が異常な挙動を見せることがある。
      • 今作では物理エンジンに「アンリアルエンジン3」を採用し、敵兵などの動きが自然なものになりグラフィックも進化したのだが、時折「ハヴォック神*17」「祟り」的な挙動を起こすことがあり、「敵兵がオブジェクトの間に挟まってブルブルと不気味に震える」「物理法則を無視して高速で吹っ飛んでいく」「何もない空間に敵兵がぶら下がっている」「まるで軟体動物のように人体の構造を無視した体勢になる」などのバグめいた挙動の報告例がある。現状、これによる実害はない。

総評

9年ぶりのシリーズ最新作ということで期待値は高く、ダブルペダルシステムや新型ガンコンなど評価すべき要素もあるものの、過去作に比べると続投キャラクターのぞんざいな扱い、大味と言うには稚拙すぎるストーリー、貧弱なバナパス関連、バグなど短所のほうが目立ってしまうのが現状。「真の黒幕編」を未実装のまま発売したこともあってか評価は過去作に比べると一段低く見られているのが現状。
ガンシューティングとして基本的な部分は押さえており、アップデートで作品のボリュームや難易度調整に関しても改善されたが、いかんせんシリーズ過去作や『レイジングストーム』と比べると物足りない、という意見は多い。
シリーズファンの心やガンシューティング離れが進むゲームセンター利用客の客足を取り戻せるかは、今後の対応にかかっていると言っても過言ではないだろう。


余談

過去作と比較してあまりに評判がいまいちなのが影響しているのか、発売から1年が経過した現在においても家庭用移植は今のところ音沙汰は無い。とは言え、何故過去作復活キャラが悪役ポジションと化してしまったかの真相のストーリーを補完してほしいという意味でも移植を希望する声はそれなりにある模様だが・・・。