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ダイソー ザ・ゲームシリーズNo.59 レミュオールの錬金術師 - (2015/08/06 (木) 23:35:01) の編集履歴(バックアップ)


ダイソー ザ・ゲームシリーズNo.59 レミュオールの錬金術師

【だいそー ざ・げーむしりずなんばーごじゅうきゅう れみゅおーるのれんきんじゅつし】

ジャンル 経営シミュレーション
対応機種 Windows 98/Me/XP
メディア CD-ROM 1枚
発売元 ダイソー(株式会社大創産業)
開発元 犬と猫
発売日 2004年~2005年頃
定価 100円(税別)
判定 良作
ポイント 100円で100日以上遊べる

概要

「晴れたり曇ったりシリーズ」。同人サークル犬と猫が開発しているフリーゲームシリーズである。
第一作となるRPG『水色の塔』はその完成度の高さから、後に『ダイソー ザ・ゲームシリーズNo.58 水色の塔』と改題の上あの100円ショップ、ダイソーで発売されるほどの人気となった。
「レミュ金」の愛称で親しまれる経営シミュレーションゲームの本作は、そんな『水色の塔』の流れを汲みつつも雰囲気を新たに装った『晴れたり曇ったりシリーズ』の第二作となるフリーゲームであると同時に、前作同様にダイソーでも発売された稀有な商業作品でもある。

ストーリー

海洋都市イシュワルド。温暖な気候を持つ世界有数の大都市である。
ここは、そんなイシュワルドのほぼ中央に位置するレミュオール地区にたたずむ小さな一軒家。
そこで暮らす女性は、街でも評判の『怪しい女性』ティコと、その弟子ルヴェル。
今日もいつもと同じイシュワルドの一日が始まるのかと思っていたある日のこと、ルヴェルは自分の「へそくり」が消えていることに気づきます。
わがままで金使いの粗いティコと同居する身として、勝手に人の金を使われまい、と思い自室の本棚に隠しておいた、なけなしのへそくり10000£が忽然と姿を消していたのです。
貧相な家に入る泥棒もいない。思い当たるフシは一つしかありませんでした。同居人のティコです。
すぐさま、そのことをティコに問い詰めましたが、弟子という立場もあり(弟子にはなりたくなかったのですが、勝手に弟子にさせられたのです)
師匠に逆らえないルヴェルは、ただただ枕を相手に泣きじゃくるのみでした。
しかし、ティコの悪事はそれだけではありませんでした。
なんとなんと、彼女は銀行から借金をしてきていたのです。
ルヴェルのへそくりをその返済の一部にあてたものの、残された金額は、一般市民にとっては巨額極まりないものでした。
さすがに堪忍袋の緒が切れたルヴェルは師匠相手に強く出ます。お金は働いてちゃんと返すのだ、と。
いつもなら弟子をこきつかい、借金返済を済ますティコでしたが、今回ばかりは返済額が大きすぎる…
ため息を一つつくと、少しは反省したのか、ティコはしぶしぶ店のカウンターに座ります。
「しょうがないわねぇ…手っ取り早く商売でお金を集めるから、家にあるもの持ってきなさい。」
レミュオールの錬金術師は、ふてくされた顔でそう言うと、弟子を睨みつけます。
ティコのアトリエ本日開業。彼女の手から創られるものは、巨万の富と繁栄の華。

特徴

  • ゲームシステムとしては「ティコ魔法堂」を経営して1日単位で進行させる経営シミュレーション。
    • 作中での通貨の単位は「イシュワルド・ポンド」。
  • 一日のおおまかなスケジュールは、こうなる。
    • 8:00~9:59…開店準備。
    • 10:00~17:59…開店。
    • 18:00~24:00…閉店。
  • 本作は「商品棚」と「倉庫」そして「在庫数」の概念がある。
    • どういうことかというと、どんなに多くの商品を用意しても、商品棚のます目の数だけの種類しか陳列することはできず、残りの種類は倉庫へと収納される。
    • また、倉庫の分も含めた全ての商品の在庫数の合計は、倉庫の最大値を超えることはできない。商品棚のマス目の数と倉庫の最大値は、後述するドボック建設事務所で増やせる。
  • いずれかの商品が販売数が100を超えると、その商品は「自動仕入」ができるようになる。
    • これは日付が変わると、指定した数の分だけ自動で仕入れが行われる。
      • また、販売数が500を超えた商品は随時仕入れ可能となり、完売した時点で市定数まで自動で仕入れが行われるため、便利である。
  • 販売数が200を超えた一部商品は、別な商品にする「加工」ができる。
    • 加工の難易度と数量に比例してその分、体力と時間を消費してしまう。そして加工に失敗する場合もある。
      • だが、加工難易度とティコの技術力に応じて成功率が上昇する。
  • 本作は「外出」が可能で、以下の場所に行ける。
    • イシュワルド市場…8:00~15:00の間に営業。商品を仕入れる場所で、基本的な商品が売られている。
      • しかし毎月8日と18日と28日には薬草市が、9日と19日と29日には果物市が開かれる。それを考慮して商品を仕入れなければならない。
    • ドボック建設事務所…8:00~15:00に営業。借金返済、預金、出金が出来るが、そのいずれも1000ポンド単位での管理となっている。
      • 預金額が一定以上になると、仕入れで必要な金額を預金から支払う指定が可能となる。
    • レトレト牧場…8:00~19:00に営業。商品を生み出す役割や泥棒を追い払う役割のものなど、様々な動物を購入可能。
  • 本作には『晴れたり曇ったりシリーズ』の第一作『水色の塔』のシオ、及び本作の次回作『晴れたり曇ったりN』のフィルが登場する。
    • この二人が一体何をするかというと、彼らに依頼すればダンジョンに行ってもらい商品を取ってきてもらう事が可能。依頼すると高確率で彼らは商品を手に入れて、翌日の10:00にその商品を届けにくる。
      • ただし、彼らはたまに怪我を負う場合があり、その場合は治療費を負担せざるを得ない。
  • ルヴェルはゲーム中にアドバイスを頻繁に挟むため、簡単で初心者にもとっつきやすい難易度となっている。
    • それだけに留まらず、彼には掃除や資金繰り、マッサージ等の指示が可能で、指示によっては一部の商品を楽に入手することが出来る。
  • 店には客以外にも誰かが訪ねてくることがあり、その会話の内容は多種多様。
    • 登場人物が他愛のない日常会話を交わすものや、差し入れやミニゲームで商品を入手できる場合がある。
      • また、訪問販売員や新聞屋が訪れた場合は、商品を購入できる。

評価点

  • まず第一に、100円のゲームでありながら中毒性が凄まじい。
    • ルヴェルのアドバイスをもとに何が売れるのか分析して、自分が目処をつけた商品が売れ在庫を捌けるのは、難しいパズルを解いたような気持ちよさがある。
      • 加えて本作はストーリーの肝となっている借金返済のみならず、商品図鑑のコンプリートや商品棚の最大増設などやりこみ要素が豊富なため、時間を忘れてついやりこみがち。
      • 本作はこの一点をもってして、本作を知る多くの人間に評価されている。
  • 世界観は落ち着いたレトロな雰囲気が醸し出されており、そののんびりしたビジュアルに酔いしれることうけあい。
    • 音楽もほのぼのした曲調がのんびりしたゲームの雰囲気にマッチしており、クオリティは高い。曲数が少ないのが残念。
  • キャラクターはすべて個性豊かで会話の内容も毎回変わるため、用意に人物像や人間関係を想像させられる。
    • また、キャラクターは全て晴れたり曇ったりシリーズの他の作品のものなので、シリーズのファンならニヤリとさせられる。

問題点と賛否両論点

  • ダイソーゲームシリーズの全ての作品に言えることだが、本作は現在取り扱っていないため入手困難。
  • ゲームそのものの問題ではないが、ルヴェルの扱いがひどい。
    • ルヴェルはティコによって居場所をすぐに見つけられる魔法がかけられているため逃げられないという裏設定があり、これには「ルヴェルが可哀想」という意見もある。

総評

明確な目標と親切なアドバイス、そして豊富なやりこみ度と独特の世界観により初心者も上級者も楽しめる、経営シミュレーションのお手本。
一度クリアしてもやりこみたくなり、やりこみに飽きて本作をCDラックに片付けても、日常のふとした時にまた取り出したくなる魅力があるため、100円で100日以上遊べるといっても過言ではない。

余談

  • 本作は後にニンテンドーDSにも移植されたが(発売:毎日コミュニケーションズ(現:マイナビ))、自動仕入れをオフにできなかったりフリーズが頻発したりする劣化移植となった模様。