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NEWラブプラス - (2016/01/17 (日) 22:51:58) の編集履歴(バックアップ)


NEWラブプラス

【にゅーらぶぷらす】

ジャンル 恋愛シミュレーション
対応機種 ニンテンドー3DS
発売元 コナミデジタルエンタテインメント
開発元 コナミデジタルエンタテインメント
タボット
発売日 パッケージ版:2012年2月14日
DL版:2012年12月27日*1
価格 パッケージ版:6,648円
DL版:4,571円(共に税別)
判定 黒歴史
判定(パッチ後) 改善
ポイント 3DSになり、画質は向上
3DSの機能をふんだんに活用
発売当時はバグやフリーズが多発
ラブプラスシリーズ
ラブプラス / ラブプラス+ / NEWラブプラス / NEWラブプラス+ / アーケード


概要

女の子と恋愛し、付き合った後を楽しむことが出来る恋愛シミュレーションゲーム『ラブプラス』シリーズの第3弾。

同シリーズとしてはじめて3DSで発売。3DSでのプレイに合わせて変更点や新要素もあるが、大筋は旧作と同様。
3DSの機能を使った新要素が多く、3DSというハードで追加された機能の大半はしっかりゲームシステムに活かしている。

発売直後は重大なバグやフリーズなどが発生し、まともにプレイすることも困難であった。
2度に渡るパッチの導入によって、おおよそのバグやフリーズは修正され、ようやくまともにプレイ出来るようになった。

現在では、本作の事実上の後継作である『NEWラブプラス+』が発売されているが、一部機能の削除なども見られるため、純粋な上位互換というわけではない。


新要素

基本的な要素は『ラブプラス』と同じであるため、ここでは省略する。

ジャイロセンサーへの対応

  • 3DS本体を動かすことでカノジョを見る角度が変わる。
    • 写真撮影時にはデフォルトで対応している他、それ以外の場面でもジャイロセンサーを対応させることも出来る。
    • 角度の変わる量は範囲が決まっており、例えばスカートの中を覗き見たりすることはできない*2

写真撮影

  • 文字通りカノジョを撮影することが出来る。ジャイロセンサーに対応している。
  • 撮った写真はSDカードに出力することも出来る。

顔認識

  • 3DSの内蔵カメラを用いた顔認識であり、カノジョがプレイヤーの顔を覚えてくれるシステム。
    • 登録したプレイヤー以外の人物がプレイしようとしてもロックされ、プレイができない「カレシロック」。
    • 顔認識の登録は一度しか行うことが出来ず、変更は不可。
  • この機能を利用せずにプレイすることも可能。
  • また、この顔認識を利用し、他のプレイヤーとカノジョが出会うことで挨拶などの会話を取ってくれるモードもある。

青春の1ページ

  • カノジョのちょっとした物語を楽しむことが出来る。
  • 恋人パートでは数少ないストーリー展開がある場面といえる。
    • とはいえ、実際のところ、恋人パートでも特段その関係に影響を与えるストーリーではないので、「主人公やカノジョ達が行っている劇」として見るくらいがちょうどいいだろうが。
      • しかし、姉ヶ崎寧々だけはクリアするとこの物語に出てきた物が使えるようになる。詳細は後述。

ゲーム内通貨の導入

  • リッチと呼ばれるゲーム内通貨であり、ゲーム内でのアイテムの購入などに必要となる。
  • デートの食事シーンではリッチを使って注文も可能となった。
  • リッチは毎週仕送りでもらうことが出来る他、3DSのゲームコイン*3を利用して手に入れることが可能。
    • なお、リッチがないからデート出来ないということはなく、食事シーンでも無料の食べ物などは存在するため、現実ほど厳しくはない。

どこでもデートの実装

  • 実際のスポットを写真に撮り、それを利用したデートコースを作成することが出来る。
  • 作成したデートコースは他のプレイヤーと交換も出来る。

評価点

グラフィック面の大幅強化

  • ハードがDSから3DSになったことによってグラフィック面は大きく進化した。
    • カノジョのグラフィックが綺麗になったのはもちろんのこと、アイテムなどの描き込みも繊細に。
    • また、立体視にも対応している。前作同様の縦持ちの他、横持ちという選択肢もとれる。
      • ロード時間の増大の原因であったためか、次回作では3Dグラフィックに対応しなくなったため、現状、3Dでカノジョを見れる唯一のラブプラスである。

システムの改善、強化

  • スキンシップが出来る場面が増加し、任意に行えるようになった。
    • 但し、『人目』という概念が存在し、人目が多いと断られる。街中でも人目を憚らずにイチャついているカップルは現実にはいるが、このゲームのカノジョは皆恥ずかしがり屋の奥手さんなのだ。
    • 人目は刻々と変化していくため、タイミングを図ることが重要。当然のことながら、人通りが多い場所(街中など)は人目が多い。
  • デートでの彼氏力の利用はプレイヤーが利用する量を決められるようになった。
    • 前作までは彼氏力を全て利用することを強制されたため、デートスポットによって必要な彼氏力をまた溜める必要があった。
  • 雨や雪といった天候の実装。当然、雨の日には傘を差したカノジョを見られる。

賛否両論点

代わり映えしない内容

  • カノジョ候補は高嶺愛花(マナカ)、小早川凛子(リンコ)、姉ヶ崎寧々(ネネ)の相変わらず3人。
    • 性格パターンはそれぞれのカノジョで3パターンであるが、これも初代からの変更や追加は一切なく、友達パートのストーリーもほとんど変化はない。
    • もっとも、このシリーズでは『カノジョと付き合う』ことを念頭に置いているため、初代から一貫して同じカノジョを好くプレイヤーが多く、気にしない人も多い。
    • また、友達パートにはほとんど変更点がない。恋人パートを楽しむ人からすれば、チュートリアルといっても過言ではないし、そこにこだわられても満足しないのかもしれないが…。
    • 現在は閉鎖されたが、携帯サイトに登場していた「雪乃 玲*4」は、本作でも次作でも一切登場はしない。

相変わらず姉ヶ崎寧々が優遇されている

  • 今作でも姉ヶ崎寧々のイベントやイラストは何かと種類が豊富である。
    • 初登場した『青春の1ページ』でも、他の2人は「ちょっとした物語」という感じであるのに対し、姉ヶ崎寧々のは「バイト先のファミレスを閉店危機から救う」という桁違いのスケールの物語。
      • さらに、物語の途中にバイトの制服を新しい物に変える事になるのだが、クリアーすると普段のゲームでも新しい制服を着てくれるようになる。他の2人の物語にはそんなご褒美要素は存在しない。
    • 読書月間イベントも例外ではなく、他の2人は簡単な感想を語り合うだけなのに、姉ヶ崎寧々だと解説はもちろんのこと、その後の展開まできっちり教えてくれる。しかも主人公がノリノリで聞いている。
    • いくら何でもこの厚遇はやりすぎではないだろうか。「姉ヶ崎寧々を選んだプレイヤーは勝ち組」という風潮が出来あがってしまい、高嶺愛花や小早川凛子のファンがやめていく事も少なくなかった。下記のバグとともに本シリーズの人気が衰退する原因にもなった。

完璧超人な主人公

  • 前作で批判点としてあげられていた事であるが、変わっていない。
    • むしろ青春の1ページで彼女の気持ちを考えない無責任で非常識な行動を取ったり、友人にリア充アピールをしたりなどさらに悪化している。

問題点

致命的なバグ、フリーズの存在

  • 本作の最大の問題点。とにかくバグの数が多い。大小様々なバグがあり、中には致命的なものやフリーズまで含まれていた。
    • 攻略wikiにおいてバグ報告のページが容量過多*5となり、複数に分割することを余儀なくされた…という事実が全てを物語っている。
  • メーカーも発売から1ヶ月ほど後に認め、商品の回収や2度のパッチ配布を行ったため、現在では改善された。
    • もっとも全てが直ったわけではなく、今でもバグ報告はいくつか出ている。
  • 列挙すればキリが無いため一部を記述する。詳しくは攻略Wikiのバグ報告のページが詳しい(外部リンクはこちら)。
    • たまにカノジョから「今会えない?」といった電話が掛かってくる場合がある。このとき、今すぐは会えない場合に「時間を指定して出会う」ことが出来る。しかし、「時間を指定して出会う」とフリーズする。簡単に再現出来るため、多くのプレイヤーが引っかかっただろう。
      • まともにデバッグをすればすぐに見つけられる類のバグであろう。デバッグが充分に行われていないことが端的に分かってしまう。
      • 公式がパッチ配布までの間に対処法を公開したが、「時間指定をせずにすぐ出会う」か「出会うことを断る」のどちらかを選べ、というものであった。フリーズを避けるにはそれしかないとはいえ、これはあんまりだ。
    • バレンタインデーのお返しとして「ホワイトデー」イベントが発生するのだが、2月15日~2月29日にバレンタインデーイベントを発生させると代わりにホワイトデーのイベントが発生しなくなる。
      • 発売日が2月14日であった(しかも当日は木曜日)ため、『発売日当日に買えない・またはやりこむ時間が取れず、バレンタインイベントまで進めない』プレイヤーが多いことを公式が把握していたと思われ、同年に限り「2月中であれば、バレンタインデーイベントを発生させることが出来る」仕様となっていた。(なお、公式ページでもこの旨は告知されていた)。しかし、その仕様によりフラグ管理がおかしくなってしまったと見られている。
      • 旧作からの引き継ぎであればこのバグにかからずに発生させるのは難しくなかったかもしれないが、それ以外の人にとっては困難であり、多くのプレイヤーが被害に遭ったとみられる。
    • その他、カノジョの会話内容がおかしくなったり、メールの内容がおかしくなったりといったフラグ管理の破綻も多数見られる。
      • ちなみに本作ではリセットするとカノジョの機嫌を損ねるというペナルティがある。フリーズによるリセットも例外ではなく、理不尽にカノジョに嫌われ、怒られる羽目になる。
      • 前作のセーブデータを引き継ぐことによって発生するバグもあるため、発売当時は引き継がない方が良いとさえ言われた。
  • これらの不具合によりネットは大炎上、相当な数のクレームメールが公式へと送られ、一時期「クソゲーオブザイヤー」に選評が書き込まれる事態となった。
    • 最終的には選外に落ち着いたが、パッチがなければノミネートされる可能性があった。

読書月間イベント

  • 読書月間イベントはカノジョと一緒の本を読むというイベントであり、公式ページでも宣伝されていた。
    • 読む本は実在する作品であり、カノジョごとに違う。マナカは『赤毛のアン』、リンコは『ぼくのメジャースプーン』、ネネは『魍魎の匣』である。
  • 期間は100日であり、期間内にはカノジョと一緒に本を読むイベントが発生することもある。
    • イベント実行中は「ゲームの指示に従うなら、リアルで本を読む」ことになり、その間ゲームは放置することになる。
      • 放置した時間に応じてカノジョも読み進めていく。イベント終了時のカノジョからの質問によってある程度カノジョの読むペースを制御することは出来る。
      • また、ここでカノジョの感想を聞くことも出来るため、一緒に本を読んでいる、という雰囲気を楽しめる。
  • ここまでの内容だと何も問題のないイベントのように思えるが、そもそも一緒に読む本のデータはゲーム内には用意されていない。
    • 公式ページにもその点は触れられており、このイベントに対応する書籍として講談社から発売されている文庫本を自分自身で購入する必要がある。つまり、あからさまな販促である。
      • 本作発売直後はヒロイン達の描き下ろしイラストをブックカバーとした書籍(内容は一緒)のものが発売されていた。ファンアイテムとしては良いのだが…。
    • 尚、読書月間イベントは任意イベントというわけではなく、時期がくると必ず発生するものである。ゲーム内のイベントを行う為にDLCとも違う別の出費が必要とは…ある意味斬新(悪い意味で)。
  • 感想や展開などを話し合う場面で、マナカ(赤毛のアン)の感想や展開が文庫本と一致しない場面が出てくる。本来ならそこまでに出てきていないワードや、展開と一致しない会話などを話してくるため、真面目に読み進めていたカレシは「はぁ?」と思う事間違いない。
    • 有志の間ではマナカの感想や展開の参考とした「赤毛のアン」が、先述の講談社の文庫本ではないのではないか…といわれている。
      • 「赤毛のアン」は元は海外の小説であるため、当然、翻訳者によって内容に違いが出てくる。例えば人名などの固有名詞の表記揺れはその最たる例である。
    • 他の2人についてはちゃんと読めば会話の内容も一致している。このことから、フラグ管理のミスではないと思われる。
      • 公式はこの件が不具合とは一切認めておらず、結果として「講談社の文庫ではない」のかどうかすら不明となっている。よって、マナカをカノジョとしたプレイヤーにとっては楽しみようがないイベントと化している。
  • 最終的に読書月間イベントは同年6月に配信された1回目のパッチでそもそもイベント自体が発生しないように変更された。^それまでに開始していた場合は終了まで続くが、新規のプレイは不可。つまり、今はどうあがいても見ることができない

引き継ぎには有料のソフトが必要

  • 本作は『ラブプラス』及び『ラブプラス+』のデータを引き継ぐことが出来る。
    • 前述の通りカノジョとのつきあいを大切にするプレイヤーが多いゲームであり、それを引き継ぎたいというプレイヤーは多い。
  • データの引き継ぎには『ラブプラスTOOLS』というダウンロードソフトが必要なのだが、これが200円する。すなわち有料である。
    • 一応、このソフトでは他にARカメラを用いてカノジョを撮影するという機能が備わっている。
      しかしながら200円とはいえ、ただ引継ぎをするだけの行為に有料のソフトが必要なのは強い不満も出る。
    • 不満が多かったかは分からないが、次作『NEWラブプラス+』のセーブデータに対しては無料で引き継げるソフトが作られた。
    • この引き継ぎソフトであるが、発売前に機能の一部が収録されなくなる、と告知されたこともあり、作成スケジュールがタイトであったことが窺われる。
    • 引き継ぎそのものには不具合はない*6のが救い。もっとも引き継いだ後の不具合はあるのだが。

ロード時間が長い

  • 旧作と比べると明らかにロード時間が増している。
    • 次作で3Dの機能が排除されたことからも、3D描画がロード時間の原因ではないかと推測される。
    • いちいちロードで長時間待たされるのはプレイヤーにとって普通にストレスであり、特に新参者は友達パートのプレイになるため、ロード時間の長さに苛立たされることとなった。
    • この問題は流石にパッチで解決出来なかったのか、現在もなお、ロード時間の長さはネックとなっている。

総評

3DSによる綺麗なカノジョが期待され、公式も3DSの機能を使った新要素を公式ページでアピールしていた。

しかし、いざ発売されてみると、上述した数多の不具合、ロード時間の長さ、フラグ管理の破綻によって没入感を阻害され、雰囲気を楽しめない作品となってしまった。
それだけではなく特定のキャラクターにあまりにも待遇が偏りすぎており他の2人のファンを冷めさせてしまった。
3DSのハードの機能をフル活用した姿勢は窺えるのだが、その結果、数多くのバグを生み出してしまっては本末転倒であり、本作からプレイを始めた者、旧作から彼氏であった者の双方から落胆される出来となっている。
「デバッグ時間がとれなかったのではないか」という要素が本作においては多く見られる。
致命的なバグやフリーズ、フラグ管理の破綻も、入念なデバッグを行えば容易に発見出来るものであり、読書月間イベントも内部の意思疎通がしっかりとれていればミスは防げたはず。結果として「発売日をバレンタインデーに合わせよう」という思いか或いは「講談社と文庫本のコラボを行う」ということを優先しすぎた結果、細部の粗が目立つ結果となり、肝心のゲームとしての楽しみを殺してしまったといえる。

3DSの解像度で描かれるカノジョは綺麗であり、新機能の試みそのものも決して悪くない。発売延期という英断を下しきっちりと対処を行えば、これほどまでにユーザーを落胆させることだけは避けられたであろう。

現在はパッチでおおよその不具合は修正されており、若干のバグといった残滓はあれど、遊ぶ上では普通に遊ぶことが出来る作品になっている。
しかしながら、大きな期待を裏切ることになってしまった初動の影響は大きく、本作はシリーズファンにとっての黒歴史、汚点とみなされることが多い。


余談

  • かつてテレビで特集が組まれたり、モデルになった街を実際に訪れるファンが殺到するなど、一世を風靡した本シリーズも本作の失敗で急激に人気が衰退してしまった。
    • その後修正パッチや、続編が発売されるも人気が再燃することはなく、某掲示板やゲームレビューサイトでは「バグプラス」「オワコン」「国民的ガールフレンド(笑)」などと、流行の終わったもの扱いを受けている。
  • メーカーはバグの存在を認めたが、認めたのは1ヶ月後の同年3月13日であり、それまでは「仕様」という言葉を繰り返していた。
    • カノジョのスキンシップの判定がおかしくなっており、胸などを触ると喜び、髪を撫でると怒るという、恋愛ゲームのヒロインにあるまじき振る舞いが仕様という有様であった。
    • バグの存在を認めた後は、販売店などからソフトが回収されたため、一時期見かけることはほぼ無かった。
    • ほぼ2年後の2014年3月27日には続編である『NEWラブプラス+』が発売された。続編という位置づけでバグなどはほとんど無いが、顔認識や立体視といった機能は排除された。
    • 本作の売上本数はおおよそ11万本であるが、『+』の売上本数は4万本と大幅に減ってしまい、本作の失敗が露骨に数値化されたといえる。
    • 2015年3月16日、本シリーズのプロデューサーの内田明理氏とイラスト担当のミノ ☆タロー氏が自身のTwitterでKONAMIの退社を発表した。KONAMIは本シリーズの制作・提供を続けていくことを発表しているが、その後KONAMIの社長が変わりソーシャルゲームに力を入れている事や、『+』の売上を見る限り、続編が発売される可能性は絶望的と思われる。