「テラリア」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

テラリア - (2015/09/12 (土) 12:53:16) の編集履歴(バックアップ)


テラリア

【てらりあ】

ジャンル モノづくりアクションアドベンチャー
PS3版

PSV版

PS4版
対応機種 プレイステーション3、プレイステーション・ヴィータ、プレイステーション4
メディア 【PS3/PS4】BD-ROM
【PSV】PlayStation Vitaカード(いずれもダウンロード版あり)
発売元 スパイク・チュンソフト
開発元 Re-Logic
発売日 【PS3】2013年5月23日
【PSV】2014年2月6日
【PS4】2015年2月19日
定価 パッケージ版/ダウンロード版(全て税別)
【PS3】3,980円/3,143円
【PSV】2,838円/1,905円
【PS4】3,241円/2,315円
プレイ人数 1~4人(オンラインプレイは1~8人)
判定 なし
ポイント 探索と戦闘に重きを置いたサンドボックス型の2Dアクション
自由度の高さとドット絵で描かれた広大な世界
PC版と比較するとやや難点が……


概要

  • 元々は2011年5月16日にWindowsPC用ゲームとして発売された作品であり、これをスパイク・チュンソフトがコンシューマーゲーム機に移植したもの。
    • 原作(以下PC版、家庭用版はCS版と表記する)は開発会社Re-Logicがアメリカの会社であることから英語であったが、移植に際して日本語に翻訳されている。
  • サンドボックス型のゲームとしては『Minecraft』という作品が有名であり、本作は『Minecraft』と比べると探索要素や戦闘要素に力を入れたものとなっている。
  • CS版同士は最大8人でマルチプレイを行うことが可能となっているが、PC版・CS版をまたいだマルチプレイは出来ない。
    • またPC版と比べ、バージョンアップが遅かったり、価格が高かったりといった不満要素があり、PC版の既プレイヤーからは不満が大きい。

システム

  • ゲームを開始する前にキャラクターを作成し、難易度を決定する。
    • 難易度については「ふつう」「むずかしい」「げきむず」の3段階*1あり、ゲーム中に変更出来ない。
      • 難易度によって死亡時のペナルティー(デスペナルティー)が変わる。「げきむず」の場合は、死亡するとキャラクターロストする*2という非常に重いペナルティーが科せられる。
      • 難易度はよほどの理由がない限り「ふつう」を選ぶべきである。難易度によって入手出来るアイテムが違うこともない。
  • ワールドを作成する時は広さを3段階で選ぶ。広いと探索が大変になるがアイテムなども多くなるため、一長一短。
    • キャラクターとワールドは紐付けされることはない。そのため、一人のキャラクターで複数のワールドを行き来することも可能。
    • ワールドの構成はランダムで決められる。但し、おおよそ配置される地形は決まっており、完全にランダムではない。
      • 例えば、必ずワールドの左右の端は海であるし、地下の最深部には地底世界が必ず配置される。
  • ゲームが開始するとおおよそワールドの中央くらいの地表からスタートする。
    • 尚、スタートした時点でワールドに放り出されることから分かる通り、本作では特別、目標が与えられることは一切無い。この後どのようなプレイをするのもプレイヤー次第である。
  • ワールドのブロックはツルハシを使うことで掘ることが出来る。
    • 掘ったブロックはアイテムとなりストック出来る。水や溶岩などを除けばおおよそ、ワールドを構成している地形は全てブロックになる。
    • ストックしたブロックを置くことで自分自身で地形を自由に変えることが出来る。
    • またブロックなどを組み合わせてアイテムを作ることも出来る。
  • 木はオノを使うことで斬ることができ、斬った木は木材になる。
    • この木材も扱いとしてはブロックのようなものであり、置くことが出来る。
    • 木を切るとドングリが手に入ることがある。ドングリは地面に植えることができ、植えてからしばらく経つと木が生えてくる。
  • また、ワールドでは敵が出現することがある。ツルハシやオノでも攻撃することは可能だが、剣などの武器と比べると攻撃速度が遅かったり、威力が低かったりする。
    • 敵は地形や時間帯によって出現するものが大きく異なる。敵によっては遠距離から攻撃してきたり、どこからともなく突撃してきたりと様々な行動パターンがある。
    • 武器の中にはマナを使って攻撃出来るものも存在する。武器によって性能は様々であるため、プレイスタイルや敵に応じて使い分けることも重要となる。
  • スタート地点の付近は草原や雪原など穏やかな地形であることが多いが、先へ進むと砂漠や邪悪な大地(深紅の大地)、ジャングルといった光景が広がってくる。
    • これらの地形には強力な敵が出現することもあり、序盤で迂闊に足を踏み入れるとすぐさま殺されることも。
  • 地面を掘り進めていくと地下の洞窟を見つけることも出来る。こちらも深層に踏み込めば踏み込むほど敵が強力になり、最後に待ち受ける地底世界は強敵揃い。
  • ワールドでは時間の経過があり、昼と夜で世界の様相は様変わりする。
    • 昼は草原であれば敵対しないNPCである動物が歩き回っているが、夜になるとどこからともなくゾンビが現れたり、あくまのめだまと呼ばれる敵が飛来したりと危険度が増す。
    • また、夜になるとマップそのものがかなり暗くなるため、探索もし辛くなる。チュートリアルでは「まず家を作ろう」と言われるが、最初の夜までに家を作っておかないと危険である。
    • 尚、地下では昼と夜であまり違いはなかったりする。
  • なお、最初にも述べた通り目標は特にないが、敢えて目標をいうならば地底世界に存在するとあるボスを撃破することである。
    • このボスはそれまでのボスと比べると非常に強大な相手となっている。地底世界特有の動きづらい地形も相まって苦戦は必至であろう。
    • このボスを撃破するとワールドが「ハードモード」と呼ばれる状態に移行する。ハードモードでは更なる強敵が出現するが、強力なアイテムも入手出来るようになる。
      • 具体的にはハードモード突入直前の最強装備を以てしてもハードモードの敵と渡り合うのは厳しいほどであり、地下にも強敵が増えるため、再び地底世界に行くのも苦労することになる。
      • ハードモードという名称から勘違いされやすいが、ゲーム開始時の難易度とは無関係である。

評価点

広大な世界で探索しがいがある

  • ワールドは3段階で最も小さい「せまい」を選んだとしても非常に広く、端から端まで移動するのは結構時間が掛かるほどである。
    • そしてワールド内には砂漠があったり、ジャングルがあったり、邪悪な大地があったりとその時々で風景が変わっていくため、探索のしがいがある。
    • 地下の探索も同様であり、宝箱が配置されていたり、部屋のような地形があったりと探索する度に新たな発見が得られる。
    • また、キャラクターが強くなったり新しいアイテムを手に入れたりすることで探索の範囲が広がっていくため、探究心がくすぐられる。
  • よほどやり込まない限り、そのワールドを探索し終えるといったことは不可能といっていい。そして、探索し終えたとしても別のワールドを作成すれば、また新たな探索が出来る。

建築の自由度が高い

  • ワールドのほぼ全てがブロックであり、これらを再配置することによってプレイヤーの好きな家や部屋を作ることが可能である。
    • 例えばガラスで覆った上でガラスの壁を使ったガラスの家や氷ブロックを使ったツルツル滑る家なども作れる。
    • ブロックごとに色があるため、これらを使って巨大なドット絵を完成させることも可能。
  • アップデートにより斜めのブロックも配置出来るようになったため、自由度は更に増している。
    • もっとも、ブロックによってはあまり数がなかったり、入手するまでに手間が掛かったりする場合もあるため、望みのものを作ろうとすると時間が掛かることはある。

ボスや強敵が存在することで達成感を味わえる

  • 目標はあまりないが、ボス敵などが存在し、これらを倒すことが目標となることがある。
    • アイテムはもちろんだが、場合によっては地形も整えた上で挑まないと勝利は覚束ない。逆に、そうして勝利した時の喜びはひとしおである。

賛否両論点

目標がない

  • サンドボックス系の宿命ではあるのだが、ゲーム開始から目標らしい目標がない。その為、ただワールドを掘り続ける作業にだれてくることも。
    • 特に序盤のツルハシは掘る速度が遅いため、地下を掘るだけでも時間がかかり飽きやすい。
  • 目標は確かにないが、基本的に攻略の順序はある程度決まっているため、途中で手こずると先へ進めなくなる場合もある。
  • ある程度ゲームが進むと強力なアイテムが見つかったり、早く掘れるツルハシが手に入ったりして面白くなってくるが、それまでが地味な作業となりがち。
  • 建築を楽しみたい場合も、やはりある程度ゲームを進めないと使えるブロックが限られたり、道具の性能が低く時間が掛かったりするのが難点。
    • また、夜になると敵が出現するため、建築の妨げになりやすい。建築に専念出来るモードは存在しないため、敵の対策は必要不可欠。
      • ランダムで発生するブラッドムーンやゴブリンの襲来などが発生すると尚更……。
      • 以前のバージョンではブロックを破壊するモンスターが(ハードモード限定で)存在したがVer.1.20よりブロック破壊効果がなくなり、建造物を壊される心配そのものはないのが救い。
  • 逆に言うと自分で目的を見いだせるプレイヤーにとっては、何をやってもよく、様々な挑戦をすることも出来るといえる。複数のワールドを作って、聖なる大地で満たされたワールドや逆に邪悪な大地(深紅の大地)で満たされたワールドを作ったり……。

入手出来るアイテムによる差が激しい

  • 特に序盤であるが、入手出来るアイテムによってプレイの難易度が大きく変わる。
    • ライフを増やすライフクリスタル、拠点に戻るまほうのカガミなどは序盤になんとしても入手したいアイテムであるが、両方序盤で入手出来るかどうかは運の要素が強い。
    • 運悪くなかなか入手出来ないとそのアイテムを探すために探索を続けなければならず、ダレがちである。
  • また、中盤以降も入手出来れば難易度が大きく変わるアイテムは少なくない。
    • もっとも中盤以降になれば、他の方法を考えたり別のワールドを探索して探したりといった手法がとれるようになってくるが。

初見殺しが多い

  • 本作では高所からの落下はダメージを受けるが、たまにある高いところから落ちて死亡したり、地下で落石のトラップに引っかかって死亡したりといった初見殺しは多い。
    • 他にも地下の深い水たまりに入って溺死などといったパターンも。

グロテスクな表現も

  • CEROがCであることからやむなしではあるが、表現などがグロテスクなものも多い。
    • 敵だけでなくNPCやプレイヤーも、死亡すると体が真っ二つになる。ドット絵なので、そこまでリアルではないが、表現としてはショッキングな部類だろう。
      • プレイヤーが死亡した地点には墓が配置され、墓には死因が刻まれる。その死因もなかなかに表現がえげつない。
    • 上述のように所見殺しが多いゲームなので、死亡シーンは何度も見ることになる。
  • 敵もグロテスクなものが多い。例えばおそらく最初のボスである「クトゥルフのめだま」は巨大な目玉のモンスターであり、気持ち悪い。
    • 地底世界のボスもかなりグロテスクな見た目である。

問題点

PC版との比較

  • CS版は基本的にPC版を移植したバージョンであるが、様々な問題を抱えている。
    • PC版はSteamで$9.99(1ドル120円として1,200円程度)で売られているのに対し、CS版は最も安いVitaのDL版ですら税込2,000円強。
      • 発売された頃は円高であったため、1000円以内で購入も出来た。また、Steamでは定期的にセールが行われることもあり、セールを使えば数百円で買うことも可能。
    • また、PC版は2015年9月2日現在バージョン1.3.0.8なのに対し、CS版は1.2.4となっており、PC版で実装されているが、CS版にはない要素が多い。
  • また、概要にもある通りCS版とPC版ではマルチプレイは出来ない。
  • PC版からCS版になったことによる利点は、日本語への対応程度のものであり、バージョン遅れを考えるとPC版からCS版に乗り換えるメリットはほぼないといえる。その上、値段が2~3倍程度なので尚更……。
    • 一応、ハードモードではCS版限定のボスも存在するが、やや使い回し感があり完全オリジナルとは言いがたい。

Vita版の劣悪な環境

  • 操作性
    • CS版の中でも、特にVita版の操作性は劣悪。Vitaはボタンの数が少ない分、表面や背面タッチパネルを使用した操作になっているのだが、これが非常にややこしい。左右の表面パネル操作に加えて背面も頻繁にタッチする必要があり、直感的なキー配置でないことも相まって、操作にはかなりの慣れが必要。
      • これにより、操作に慣れるまでのストレスに耐えられるか否かで賛否が真っ二つに分かれている。
  • 画面の小ささ
    • テラリアは膨大な量のアイテムを管理する必要があるゲームであり、メニュー等ではアイテムが画面上にびっしり表示されるのだが、これが災いして操作が非常に細々としている。Vitaのパネル操作の前提は指タッチだが、指でプレイすると頻繁に操作を誤ってしまう程。
      • この画面の小ささが牙を剥くのが、最序盤で必要となる家づくり(実際には壁貼り)というのもマイナスポイント。
    • そもそもマウス+大画面で行うことを前提に作成されたゲームを、携帯機にまで移植してしまったことが根本的な問題ではある。Vitaのディスプレイが従来のゲーム機に比べかなり大き目に作られているとは言え、所詮は携帯機の画面であり、タッチとスティックを組み合わせた複雑な操作をするにはあまりにも小さいのである。

その他の問題点

  • マルチプレイではフレンドなら誰でも参加可能なモードの他に、ホストが参加申請を送ることでプレイヤーを呼ぶ招待制が選べるが……。
    • 招待制は同一のハード同士(PS3同士やPSV同士など)でなければ機能しないため、PS3ユーザーがPSVのプレイヤーを誘うといったことは出来ない。
      • 本作では仕様上「宝箱の中のアイテムは誰でも取得出来る」「建造物なども自由に作成・破壊出来る」ことからハードが異なると結果としてマルチプレイし辛い条件になってしまっている。

総評

サンドボックスゲームとしては『Minecraft』の知名度が高いが故に、未プレイ者で本作を『Minecraft』の盗作だとみなす声は多い。
しかしながら実際にプレイしてみると、2Dで描かれる広大な世界の探索、そして待ち受ける強大な敵との戦闘など『Minecraft』と差別化された要素は様々であり、異なる面白さが得られる作りとなっている。
プレイヤー次第で巨大な建造物を作ったり、世界の隅々まで探索することも可能と、出来ることは様々である。
作業感も強いが、ゲームとしての攻略要素、収集要素も豊富に存在するため時間を忘れて遊ぶことが出来る魅力も持っている。
しかしながら、あくまでプレイヤーに目標を委ねたゲーム性であるため、人を選ぶという面は否定できない。
また、PC版のプレイヤーにしてみれば、日本語に対応しているが、ゲームシステムとしてはPC版より数年遅れており尚且つ値段も高いということで「劣化移植」と見なす節もある。
特にVita版は、どこでもプレイできるというメリットはあるが、ただでさえ画面が小さい中でのユーザーインターフェースはかなり悪く、慣れるか挫折するかのいずれかである。
人を選ぶゲーム性ではあるが、楽しめる人はとことん遊べる作品であり、PC版と比較すると値段が気になるが、家庭用ゲームとしてはリーズナブルな価格となっている。
興味があるならCS版はいずれのハードでも体験版が配信されているので、一度体験版をプレイしてみて決めてみるのも良いだろう。