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テラリア - (2016/09/19 (月) 13:21:31) の編集履歴(バックアップ)


テラリア

【てらりあ】

ジャンル モノづくりアクションアドベンチャー
対応機種 PS3/PSV/PS4/3DS/WiiU
メディア 【PS3/PS4】BD-ROM
【PSV】PlayStation Vitaカード
【3DS】3DSカード
【WiiU】ディスク(いずれもダウンロード版あり)
発売元 スパイク・チュンソフト
開発元 Re-Logic
発売日 【PS3】2013年5月23日
【PSV】2014年2月6日
【PS4】2015年2月19日
【3DS】2016年4月21日$br;【WiiU】2016年9月15日
定価 パッケージ版/ダウンロード版(全て税別)
【PS3】3,980円/3,143円
【PSV】2,838円/1,905円
【PS4】3,241円/2,315円
【3DS/WiiU】3,800円/2,778円
レーティング 【3DS】CERO:B
【それ以外】CERO:C
プレイ人数 1~4人(オンラインプレイは1~8人)
判定 なし
ポイント 探索と戦闘に重きを置いたサンドボックス型の2Dアクション
自由度の高さとドット絵で描かれた広大な世界
PC版と比較すると価格対ボリューム面で問題あり


概要

  • 原作となるのは2011年5月16日にWindowsPC用ゲームとして発売された作品『Terraria』であり、本作は、これをスパイク・チュンソフトがコンシューマーゲーム機に移植したものである。
    • 原作であるPC版(これと比較し、コンシューマーゲーム機に移植されたものはCS版と呼び、区別する)は開発会社Re-Logicがアメリカの会社であることから英語のみの対応であったが、移植に際して日本語に翻訳されている。
  • サンドボックス型のゲームとしては『Minecraft』という作品が有名であり、本作は『Minecraft』と比べると探索要素や戦闘要素に力を入れたものとなっている。
  • CS版同士は最大8人でマルチプレイを行うことが可能となっているが、PC版とのマルチプレイは不可。
    • また、PS3,PS4,PSV同士はハードを超えてマルチプレイ可能であるが、3DS、WiiUは同一プラットフォームによるマルチプレイのみ可能。
  • コンシューマーゲームとしては安価な部類に入り、値段の割にはボリュームも豊富だが、PC版がかなり安値であったこと、CS版の方がPC版と比べて追加要素の実装が遅いことなどPC版ユーザーからは不満が多い作品である。

システム

  • ゲームを開始する前にキャラクターを作成し、難易度を決定する。
    • 難易度については「ふつう」「むずかしい」「げきむず」の3段階*1あり、ゲーム中に変更出来ない。
      • 難易度によって死亡時のペナルティー(デスペナルティー)が変わる。「げきむず」の場合は、死亡するとキャラクターロストする*2という非常に重いペナルティーが科せられる。
      • 難易度は、特に縛りプレイなどをしたいわけでもないなら「ふつう」を選ぶべきである。難易度によるゲーム内容に違いはないし、高難易度にすることで取得出来る実績などもない。
  • ワールドを作成する時は広さを3段階で選ぶ。広いと探索は大変になるが、配置されるブロックが多い関係上、宝箱なども増えるため、一長一短。
    • キャラクターとワールドは紐付けされないため、自由に別のワールドに行くことも可能。
    • キャラクターは5人までなのに対し、ワールドはPS3/PSV版だと8個、PS4版だと16個まで作成出来る。
  • ワールドを作成する際にはランダムで地形が作成されるため、同じワールドは存在しないのも特徴。
    • ただし、完全にランダムではなく、「画面の左右端は海」「地下の最深部には地底世界」といったルールが存在し、そのルールの範囲内でランダムとなる。
  • ゲームを始めると、おおよそワールド中央くらいの地表からスタートとなる。その後については何をするのも自由である。
    • なお、このとき何も目標が表示されない(ストーリーが語られない)ことからも分かるが、本作で目標が与えられることは一切ない。
    • ガイドとなるNPCに話しかけることで、やるべきことを教えてくれるため、これが目標といえなくもないが。
  • ワールドのブロックはツルハシを使うことで掘ることが出来る。
    • 掘ったブロックはアイテムとなりストック出来る。水や溶岩などを除けばおおよそ、ワールドを構成している地形は全てブロックになる。
    • ストックしたブロックを置くことで自分自身で地形を自由に変えることが出来る。
    • またブロックなどを組み合わせてアイテムを作ることも出来る。
    • ブロックは周囲の環境にも影響を与える。例えば、すなブロックが大量にある場合、周囲の環境が砂漠となるが、これを取り除くと環境が変化する。
      • 逆に、自分ですなブロックを大量に置けば、任意に砂漠の環境を作り出すことも出来る。
    • ブロックによっては上位のツルハシでないと掘ることが出来ないものもある。
  • 木はオノを使うことで斬ることができ、斬った木は木材になる。
    • この木材も扱いとしてはブロックのようなものであり、置くことが出来る。
    • 木を切るとドングリが手に入ることがある。ドングリは地面に植えることができ、植えてからしばらく経つと木が生えてくる。
  • また、ワールドでは敵が出現する。ツルハシやオノでも攻撃することは可能だが、攻撃用の武器と比べると威力が低かったり、遅かったりする。
    • 敵は時間帯、環境によって出現するものが大きく異なる。草原や雪原では弱い敵しかでないが、じゃあくな大地やしんくの大地、地底世界には強敵が出現する。
    • 弾丸を消費して攻撃する射撃用の武器やマナを使って攻撃する魔法武器なども存在する。武器によって性能や攻撃方法は大きく違うため、敵やプレイスタイルに応じて使い分けることが大切。
  • スタート地点の付近は草原や雪原など穏やかな環境であることが多いが、先へ進むと砂漠や先述のじゃあくな大地(しんくの大地)、ジャングルといった過酷な環境が広がってくる。
    • これらの地形には強力な敵が出現することもあり、序盤で迂闊に足を踏み入れるとすぐさま殺されることも。
  • 地面を掘り進めていくと地下の洞窟を見つけることも出来る。こちらも深層に踏み込めば踏み込むほど敵が強力になり、最後に待ち受ける地底世界は強敵揃い。
  • ワールドでは時間の経過があり、昼と夜で世界の様相は大きく様変わりする。
    • 昼は草原であれば敵対しないNPCである動物が歩き回っているが、夜になるとどこからともなくゾンビが現れたり、「あくまのめだま」という敵が飛来したりと危険度が増す。
    • また、夜になるとマップ自体が暗くなり、探索も困難になる。チュートリアルでは「まず家を作ろう」と言われるが、最初の夜までに家を作っておかないとかなり危ない。
    • なお、地下では、そもそも日光が入らないため、暗く探索し辛いため、たいまつなどの灯りが必須。
  • 目標は特にないと述べたが、敢えて目標を述べるならば、地底世界に存在する「とあるボス」を撃破することである。
    • 本作にはボスがいくつか存在するが、その中でも強大な相手となっており、地底世界特有の動きづらい環境も相まって苦戦は免れない。
    • このボスを撃破するとワールドが「ハードモード」と呼ばれる状態に移行する。ハードモードでは、更なる強敵が出現するが、これまでよりも強力なアイテムも入手出来る。
      • 具体的には、ハードモード突入直前の最強装備をもってしても、ハードモードの敵と渡り合うのは厳しくなる。通常出現するモンスターも強くなるため、ハードモードの上位の装備などを入手するまでは地上であっても気が抜けない。
      • ハードモードという名称ではあるが、ゲーム開始時に選んだ難易度とは無関係のものである。
  • ゲーム内容はどのハードのものも共通しているが、ハード性能による違いがある。なお、ソニー系ハードのものはクロスセーブに対応しているため、同じPSNアカウントであればセーブデータは共有出来る。
    • PS4では画面のズームが可能であり、標準状態の場合、PS3/PSVと比べて遠くの地形を見渡すことが可能となっている。
      • 遠くの地形やモンスターを確認できるメリットはあるが、その分キャラクターが小さくなるため、細かいところが見にくいデメリットがある。
    • PS4はスマートフォンやタブレット(Android・iOS)と連携することでミニマップをスマートフォンやタブレットで表示することが出来る機能が搭載されている(アプリのインストールが必要)。
      • リアルタイムでミニマップを確認出来るため、建造をする際には非常に便利な機能である。
    • PSVでは表面や背面のタッチパネルを利用した操作となっているが、PSV版はハード依存の制約による問題点が多くなっている(問題点で言及)。
    • WiiUの場合、テレビを使わないゲームパッドのみのプレイに対応している。また、3DS,WiiU共にタッチ操作対応。

評価点

広大な世界で探索しがいがある

  • ワールドは3段階で最も小さい「せまい」を選んだとしても、端から端まで移動するのは結構時間が掛かるほどに広大。
    • そしてワールド内には砂漠があったり、ジャングルがあったり、じゃあくな大地があったりとその時々で風景が変わっていくため、探索のしがいがある。
    • 地下の探索も同様であり、宝箱が配置されていたり、部屋のような地形があったりと探索する度に新たな発見が得られる。
    • キャラクターが強くなったり新しいアイテムを手に入れたりすることで探索の範囲が広がっていくため、探究心がくすぐられる。
  • よほどやり込まない限り、そのワールドを探索し終えるといったことは不可能といっていい。そして、探索し終えたとしても別のワールドを作成すれば、また新たな探索が出来る。

建築の自由度が高い

  • ワールドのほぼ全てがブロックであり、これらを再配置することによってプレイヤーの好きな家や部屋を作ることが可能である。
    • 例えばガラスで覆った上でガラスの壁を使ったガラスの家や氷ブロックを使ったツルツル滑る家なども作れる。
    • ブロックごとに色があるため、これらを使って巨大なドット絵を作ることも可能。
  • アップデートによりブロックを半ブロック、斜めブロックとして変形出来るようになったため、自由度は更に増している。
    • もっとも、ブロックによってはあまり数がなかったり、入手するまでに手間が掛かったりする場合もあるため、望みのものを作ろうとすると時間が掛かることはある。

やり込み要素は豊富

  • 目標はないが、やり込もうとすれば、かなりやり込める。
    • ボスなどの強敵は、戦うことが可能になったばかりだと撃破は非常に困難であるが、装備を調えたり、場合によっては地形を整えたりして勝利出来た時の喜びは大きい。
  • 特にハードモードでは、敵がレアアイテムをドロップすることがあり、このレアアイテムの入手を目指すといったやり込みも出来る。
    • アップデートによって、多くの敵が「バナー」と呼ばれる壁に飾れるアイテムを落とすようになった。バナーの入手率は低いため、コンプリートは困難。特に、ニンフなどそもそも出現率すら低い敵のバナーを入手するにはかなりの時間が掛かるだろう。

賛否両論点

目標がない

  • サンドボックス系の宿命ではあるのだが、ゲーム開始から目標らしい目標がない。その為、ただワールドを掘り続ける作業にだれてくることも。
    • 特に序盤のツルハシは掘る速度が遅いため、地下を掘るだけでも時間がかかり飽きやすい。
  • 目標は確かにないが、基本的に攻略の順序はある程度決まっているため、途中で手こずると先へ進めなくなる場合もある。
  • ある程度ゲームが進むと強力なアイテムが見つかったり、早く掘れるツルハシが手に入ったりして面白くなってくるが、それまでが地味な作業となりがち。
  • 建築を楽しみたい場合も、やはりある程度ゲームを進めないと使えるブロックが限られたり、道具の性能が低く時間が掛かったりするのが難点。
    • また、夜になると敵が出現するため、建築の妨げになりやすい。建築に専念出来るモードは存在しないため、敵の対策は必要不可欠。
      • ランダムで発生するブラッドムーンやゴブリンの襲来などが発生すると尚更……。
      • 以前のバージョンではブロックを破壊するモンスターが(ハードモード限定で)存在したがVer.1.20よりブロック破壊効果がなくなり、建造物を壊される心配そのものはないのが救い。
  • 逆に言うと自分で目的を見いだせるプレイヤーにとっては、何をやってもよく、様々な挑戦をすることも出来るといえる。先に述べたやり込みに挑戦したり、複数のワールドを作って、聖なる大地で満たされたワールドや逆に邪悪な大地(深紅の大地)で満たされたワールドを作ったり……。

入手出来るアイテムによる差が激しい

  • 特に序盤であるが、入手出来るアイテムによってプレイの難易度が大きく変わる。
    • ライフを増やすライフクリスタル、拠点に戻るまほうのカガミなどは序盤になんとしても入手したいアイテムであるが、両方序盤で入手出来るかどうかは運の要素が強い。
    • 運悪くなかなか入手出来ないとそのアイテムを探すために探索を続けなければならず、ダレがちである。
  • また、中盤以降も入手出来れば難易度が大きく変わるアイテムは少なくない。
    • もっとも中盤以降になれば、他の方法を考えたり別のワールドを探索して探したりといった手法がとれるようになってくるが。

初見殺しが多い

  • 本作では高所からの落下はダメージを受けるが、たまにある高いところから落ちて死亡したり、地下で落石のトラップに引っかかって死亡したりといった初見殺しは多い。
    • 他にも地下の深い水たまりに入って溺死などといったパターンも。
  • 本作では初期ライフは100であるが、落石のトラップや落下ダメージは軽く100を超えることがあるため、文字通り一撃死もありえる。

グロテスクな表現も

  • CEROがCであることからやむなしではあるが、表現がグロテスクなものも多い。
    • 敵だけでなくNPCやプレイヤーも、死亡すると体が真っ二つになる。ドット絵なので、そこまでリアルではないが、表現としてはショッキングな部類だろう。
      • プレイヤーが死亡した地点には墓が配置され、墓には死因が刻まれる。その死因もなかなかに表現がえげつない。
    • 上述のように初見殺しが多いゲームなので、死亡シーンは何度も見ることになる。
  • 敵もグロテスクなものが多い。例えばおそらく最初のボスである「クトゥルフのめだま」は巨大な目玉のモンスターであり、気持ち悪い。しかも、体力が減ると姿が変わるがそちらも気持ち悪い。
    • 地底世界の「とあるボス」もかなりグロテスク。
  • このグロテスクな表現による敬遠を厭ってか、3DSではグロテスクな表現がマイルドになっており、その結果としてCEROのレーティングが3DSのみBとなっている。

問題点

PC版との比較

  • CS版は基本的にPC版を移植したバージョンであるが、様々な問題を抱えている。
    • PC版はSteamで$9.99(1ドル120円として1,200円程度)で売られているのに対し、CS版は最も安いVitaのDL版ですら税込2,000円強。
      • PC版が発売された頃は円高であったため、1000円以内で購入も出来た。また、Steamでは定期的なセールの対象に選ばれることがあり、セール時には数百円以下で購入できることも多い。
    • また、PC版は2016年9月2日現在バージョン1.3.0.8なのに対し、CS版は1.2.4相当と遅れており*3、PC版で実装されているが、CS版にはない要素が多い。
  • また、概要にもある通りCS版とPC版ではマルチプレイは出来ない。
  • PC版からCS版になったことによる利点は、日本語への対応程度のものであり、バージョン遅れを考えるとPC版からCS版に乗り換えるメリットはほぼないといえる。その上、値段が2~3倍程度なので尚更……。
    • 後述しているが、操作性もPCでやることを前提に作られているため、やや複雑なものとなってしまっている。
    • 一応、ハードモードではCS版限定のボスも存在するが、使い回し感があり完全オリジナルとは言いがたい。
      • 見た目はオリジナルだが、行動パターンは最初のボスであるクトゥルフのめだまを強化したものであり、新鮮味に乏しい上、そこまでの強敵でもない。
    • そもそも英語が読めなくても進行に支障はほとんど存在しない為、PC版をプレイ出来る環境で無いのでなければ陳腐な日本語訳のために沢山の追加がある最新バージョンの目処も無い事や操作感を犠牲にしてまでCS版を選ぶ意味は無いと言える。

操作性の悪さ

  • マウス+キーボードでやることを前提として作られているためか、操作が複雑。
    • PS3/PS4版のボタンはほぼ全てフルに役割が割り振られている。慣れるまでは混乱することもある。
      • 落下時にはダメージがある、と述べたが「L1」で利用出来るフックを出し損なって落下ダメージで死亡したり、アイテムを間違って投げ捨ててしまい、回収不能としてしまったりする可能性がある。
  • 更に、そんな中でも、Vita版の操作性は劣悪。Vitaはボタンの数が少ない分、画面や背面タッチパネルを使用した操作になっているのだが、これが非常にややこしい*4。表面パネル操作に加えて背面も頻繁にタッチする必要があり、操作には慣れが必要。
    • また、PSV版は画面が小さいこともあり、後述どおり大量のアイテムを管理する必要があり、メニュー等ではアイテムが画面上にびっしり表示されるのだが、これが災いして操作が非常に細々としている。Vitaのパネル操作の前提は指タッチだが、指でプレイすると頻繁に操作を誤ってしまう程。
      • この画面の小ささが牙を剥くのが、最序盤で必要となる家づくり(実際には壁貼り)というのもマイナスポイント。
    • そもそもマウス+大画面で行うことを前提に作成されたゲームを、携帯機にまで移植してしまったことが根本的な問題ではある。Vitaのディスプレイが従来のゲーム機に比べかなり大き目に作られているとは言え、所詮は携帯機の画面であり、タッチとスティックを組み合わせた複雑な操作をするにはあまりにも小さいのである。
  • これらによってそもそも、楽しめる以前に操作性で躓くことも十分に考えられる。
  • 1.24(1.2.3相当)になってから処理落ちに加えてフリーズの後にC2エラー(強制終了)、それに起因するセーブデータの破損が発生するようになった。
    • 使用できる漢字を減らすなどの軽量化を施した1.25も出たが、効果はあまりない。
      • ワールド作成時に「コを生やしています」「どうくつのを作成しています」など誤字脱字もある。

アイテムの保管が難しい

  • 本作では大量のアイテムが出現するが、それを保管する方法がかなり限られている。
  • アイテムを保管する方法は「金庫」「貯金箱」「宝箱」のいずれかに入れるしかない。
    • 「金庫と貯金箱」と「宝箱」では性質が異なっており、金庫と貯金箱の場合は、同じプレイヤーが持っている金庫と貯金箱の中で中身が共有される。つまり、どこに居ても金庫や貯金箱を持っていればアイテムを出せる(果てにはワールドをまたぐことすら出来る)。一方の、宝箱の場合は普通にフィールドに置かれている宝箱同様に中身は宝箱ごとに個別である。
    • いずれもキャパシティは40あるが、ゲーム内のアイテムの数を考えると全然足りていない。
      • 余談ではあるが、以前のバージョンだと更にキャパシティが少なかった。
    • 中身のある宝箱を更に宝箱に入れる、といったことは出来ないため、管理のために大量の(宝箱を置く)スペースが必要となる。
    • 持っているアイテムを宝箱の中に一度に入れたり、まとめたりといった機能はあるが、種類が増えてくると、どの宝箱に何を入れたかがすぐに分からないのも困りものである。
    • ちなみに、金庫と貯金箱のアイテムは、入れておけば他のプレイヤーとマルチモードをしてもとられる心配はない(金庫や貯金箱そのものは持って行かれることがあるが)が、宝箱の中身については誰でも取得可能なので、他のプレイヤーに持って行かれる可能性もある。

マルチプレイのやりにくさ

  • マルチプレイではフレンドなら誰でも参加可能なモードの他に、ホストが参加申請を送ったプレイヤーとのみ遊べる招待制のモードの二つがある。
    • しかしながら招待はあくまで同一のハード同士でなければ機能せず、PS3のプレイヤーがPSVitaのプレイヤーを誘う、といったことは出来ない。
    • これにより、異なるハード同士では必然的にフレンドなら自由に参加可能なオンラインモードを利用することになってしまう。
      • 宝箱のアイテムを持って行かれるという点から、マルチプレイをする際には専用のワールドを作ることが推奨されるほど、一体何のためのマルチモードなのか。
      • 例えばパスワード制や承認制のように、ハードが違っても事実上招待制のような遊び方を可能とする方法はあったと思われるのだが……。

総評

サンドボックスゲームとしては『Minecraft』の知名度が高いが故に、本作に『Minecraft』の影響を指摘する声は多い。
事実として製作者自ら「『Minecraft』をプレイして感銘を受け、これの2D版を(自分好みのアレンジで)作りたいと思った」という動機を述べている。

実際にプレイしてみると、2Dで描かれる広大な世界の探索、そして待ち受ける強大な敵との戦闘など『Minecraft』と差別化された要素は様々であり、異なる面白さが得られる作りとなっている。
プレイヤー次第で巨大な建造物を作ったり、世界の隅々まで探索することも可能と、出来ることは様々である。
作業感も強いが、ゲームとしての攻略要素、収集要素も豊富に存在するため時間を忘れて遊ぶことが出来る魅力も持っている。

一方で、あくまでプレイヤーに目標を委ねたゲーム性を持つ作品の宿命というべきか、やはり人を選ぶという面は否定できない。
マルチプレイモードも、本当に気心が知れた友人同士でなければ、建造物を破壊されたり、アイテムを持って行かれたりといったトラブルが生じやすい仕様となってしまっているのも惜しいところだろう。

また、PC版のプレイヤーにしてみれば、日本語に対応しているが、ゲームシステムとしてはPC版より数年遅れており尚且つ値段も高いということで「劣化移植」と見なす節もある。
特にPSVita版は、どこでもプレイできるというメリットはあるが、ただでさえ画面が小さい中でのユーザーインターフェースはかなり悪く、慣れるか挫折するかのいずれかである。

人を選ぶ点の多いゲーム性ではあるが、性に合う人であれば十分に楽しめる作品になっている。

PC版と比較すると値段が気になるが、家庭用ゲームとしてはリーズナブルな価格となっており、CS版はいずれのハードでも体験版が配信されているので、興味があれば一度プレイしてみた上で購入を検討するのが良いだろう。


余談

  • 本作は、複数プラットフォームで発売されているが、3DS版のみ「CERO:B」で、他は「CERO:C」という珍しい特徴を持っている。
    • この理由として、3DSのみ表現の一部が緩和されたものになっているためである。公式曰く、多くの人に手にとってもらいやすくするための変更であるとのこと。