「STEINS;GATE 線形拘束のフェノグラム」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

STEINS;GATE 線形拘束のフェノグラム - (2015/09/18 (金) 22:36:54) の編集履歴(バックアップ)


STEINS;GATE 線形拘束のフェノグラム

【しゅたいんずげーと せんがたこうそくのふぇのぐらむ】

ジャンル 想定科学ADV


対応機種 Xbox360
プレイステーション3
プレイステーション・ヴィータ
発売・開発元 5pb.(MAGES.)
発売日 2013年4月25日
定価 通常版:7,140円
限定版:11,550円(共に税5%込)
判定 賛否両論
ポイント 様々なキャラ視点シュタゲ
ゲーム性は著しく低い
科学アドベンチャーシリーズ
CHAOS;HEAD / ;STEINS;GATE / ROBOTICS;NOTES / CHAOS;CHILD
派生作品:らぶChu☆Chu! / 比翼恋理のだーりん / 変移空間のオクテット / 線形拘束のフェノグラム

概要

  • 『比翼恋理のだ~りん』『変異空間のオクテット』に続く『STEINS;GATE』ファンディスク第3弾。
    • 各キャラクターをメインにしたショートシナリオで構成されたオムニバスADV。主人公の岡部を始めとするラボメン達の他、ミスターブラウンこと天王寺のシナリオもある。
    • シナリオをクリアするごとに先のシナリオ群が解放される仕組みになっている。「岡部→ダル、紅莉栖→鈴羽、天王寺裕吾、フェイリス→るか、まゆり、萌郁→鳳凰院凶真→綯」と解放される。
    • 『ROBOTICS;NOTES』と繋がりを見せるシナリオもある。

内容

  • __ラボメンの数だけ物語がある。
  • 「走査線上のジキル」 -Dr. Jekyll on lines- (倫太郎)/0.337199
    • ゲーム開始時に唯一開放されているシナリオで最初にプレイするシナリオ。岡部倫太郎はまゆりの作ってくれた「アルパカマン」のスーツとDメールやタイムリープマシンを駆使し工夫して、秋葉原の平和を守る「アルパカマン」として活躍していた。しかし世界線変動を繰り返しても皆が幸せになれる結果はなかなか生み出せない。苦悩する岡部の前に喪服姿の紅莉栖が現れ、衝撃の事実を告げる。
  • 「絢爛仮想のファムファタール」 -Bird singing in cage- (ダル)/3.019430
    • @ちゃんねるにて、チョップスティックガールというコテハンが謎の暗号を解いてほしいという文言と爆発物を見つけたという書き込みを残し、釣り宣言とともに途絶える。橋田至は事前にコミケ会場で出会ったマイナーなチョップスティックガールのコスプレをした少女を思い起こし、嘘と思いきれず調査に乗り出す。
  • 「黄昏色のソーテール 」-Vermilion sooteer- (紅莉栖)/0.328403
    • タイムリープマシン完成後直後に掛ってきた岡部への携帯電話の着信の直後岡部の態度が豹変し、タイムリープマシンを破壊しようとしたりラボを一目散に走りぬけようとするなど異常行動を取る。紅莉栖は他のラボメンに協力を得ようと仲間に電話をするも、まもなくフェイリスから連絡が入り、岡部、フェイリス、そして彼女の執事・黒木とともにラボに戻ると、ラボには血が残っていた・・・。
  • 「幽霊障害のランデヴー 」-Ghosting rendezvous- (鈴羽)/0.337337
    • ラジオ会館にめり込んだままだったタイムマシンが激しい雨で故障した。過去に跳ぶ手段を失い、失意に暮れる鈴羽の前に二人の自分が現れる。一人は軍服に、もう一人はメイド服に身を包んでいた。彼女達は別の世界線の記憶なのか?それとも鈴羽の見ている幻覚なのか?
  • 「雨鈴鈴曲のスクレイパー 」-A strange building filled of love- (天王寺裕吾)/3.386019
    • 天王寺は悩んでいた。ブラウン管工房を構えるこのビルが娘の綯にとって本当に居心地の良い場所なのか、と。そんなある日、奇しくも宝くじで三億円を当ててしまった彼は、この機会にビルの建て替えを決意する。約一年を掛けて新ビルが完成するが、綯の表情は暗く、ラボメン達も変わってしまった。建て替えた事を後悔する天王寺に岡部がDメールの使用を提案する。
  • 「桃色幻都のシャ・ノワール 」-Super hero chat-noir -(フェイリス)/3.030493
    • 秋葉原で起きているオカルトチックな噂を耳にしたフェイリスは、自分の愛する町を守る為、まゆりが作った衣装を纏い、鈴羽と共に守護戦士「シャ・ノワール」に扮して調査に乗り出す。しかし噂の実態が、駅前商店街の振興組合の自作自演であり、しかも町づくりに強い影響力を持つ自分に何の相談も無かった事を知り、ショックを受ける。
  • 「迷宮錯綜のヘルマフロディトス」 -Hermaphroditus in labyrinth- (るか)/0.456923
    • まゆりの死を受け入れ、るかを男に戻す事を諦めた岡部。るかはそんな岡部に、せめてまゆりの願いだった自分のコスプレ姿を見せてあげたいとタイムリープを申し出る。一見、本編のるかエンドを描いたシナリオのようだが…。
  • 「悠遠不変のポラリス」 -Eternal polaris- (まゆり)/0.571046
    • まゆりは最近の岡部と紅莉栖の様子がおかしい事、その原因が自分である事に気付き始めていた。意を決し、紅莉栖に真実を打ち明けるように懇願する。紅莉栖は躊躇しながらも、岡部がまゆりを救う為に紅莉栖を見殺しにしなければならない事、自分もその事実を受け入れた事、そして岡部がその事で苦悩し続けている事を語る。自分の為に紅莉栖を犠牲に出来ないと考えたまゆりはある決意を固める。
  • 「昏睡励起のクアンタム」 -Quantum excited in coma- (萌郁)/0.509736
    • 萌郁はSERNのラウンダーの一員としてタイムマシンの調査の為に未来ガジェット研究所へ潜入していた。上司であり、母代わりであるFBの命令は絶対と考えていたが、ラボメン達の、特に紅莉栖とまゆりの温かさに触れる事で次第にFBに従う事に躊躇を覚えるようになる。だが、そんな気持ちを他所に、とうとう未来ガジェット研究所への襲撃とラボメン達の抹殺が命じられてしまう。
  • 「三世因果のアブダクション」 -Three contrapasso about the abduction- (鳳凰院凶真)/4.456441
    • ひとまずの最終シナリオ。岡部はタイムリープの反動で直前の記憶を失ってしまう。直後、まゆりを誘拐した旨を伝えるDメールが届く。消えたまゆり、謎のDメール、火事、黒マントの男達。タイムリープとDメールの使用を繰り返し、世界線が変動する度に事態は混迷していく。しかし岡部が意を決して行動した時、それらは一つの真実へと収束していく。
  • 「月暈のビヴロスト」 -Bifrost of lunar- (綯)/0.337161
    • 隠しシナリオ。天王寺の死から数年。何も分からないまま突然父を失った綯は、行方不明だった橋田至と再会した事で、生前の父に気持ちを伝えるチャンスを得る。

評価点

  • 各シナリオはそれぞれ別の世界線の出来事を描いており、本編を別角度から補完するシナリオの他、本編に似ているようで何かが違う展開、本編では起こり得ない、或いは起こり得たかもしれないifストーリー、はたまた本編とは全く関係無い時間旅行などと、様々なストーリーが描かれる。中には世界線変動率3%や-1%というシナリオも。
    • 複数のライターが参加しておりそれぞれのシナリオの味が違ったりする。
    • また、本編の主人公である岡部以外の視点で体験する事で、本編とは違ったキャラの側面や心情を垣間見る事ができる。例えば前作ではあんまり出てこなかったフェイリスパパがわりと沢山登場したり、ダルの嫁が出てきたり…等々のファンサービスがある。
    • シナリオの質も良く、同じファンディスク比翼恋理のだーりんは恋愛がメインだが今作はシリアスな展開が多く、本編さながらの謎を追いかける楽しさや、得体のしれない緊張感、ユーモアがある。
    • キャラクター事に携帯電話を使用する展開もあり、どのキャラに沿った携帯電話が設定されてある。
  • 岡部の立ち絵
    • 今回主人公岡部の立ち絵が多く登場する。本編では岡部と共に進行していたため、せいぜい全体集合でしか岡部の姿は見られなかったが、今作はちゃんと出ている。
    • その為新鮮味があり、以外にイケメンであることが確認できて評価されている。

賛否両論

  • 本編のストーリーを補完する要素はそこまで強いとは言えず、その方面を期待すると肩すかしを喰らいやすい。
    • 本編では「何故このキャラが、この世界線ではこうなったのか?」という疑問を持つユーザーが多く、ラボメン視点という触れ込みからそれを期待したユーザーが多くいた。
    • しかし本編と密接に関係しているシナリオは紅莉栖編ぐらいで、後は多少本編を要素を含む程度である。特に最終シナリオは本編とは全く関係無い独立したストーリーとなっている。
      • その為、本編の補完を期待していたユーザーには不評である。
    • だが「萌郁とFBのメール」、「まゆりと綯の出会い」など本編を補完している部分もあり、そこは評価されている。

問題点

  • 一本道のシナリオ
    • 『STEINS;GATE』本編は岡部がDメールや電話レンジ(仮)などを使用する事で、シナリオが分岐するのだが本作にはそれが無い。無論、普通の選択肢も無い。ただ一本道のシナリオを追うだけである。
    • 言ってしまえば『STEINS;GATE』のifストーリーを集めたノベルゲームであり、この手のADVではあってしかるべきのBADエンドも無い。
  • ボリューム不足
    • 一つ一つのシナリオは短く、ゆっくり進めてもせいぜい20時間程度で終了してしまう。
    • ファンディスク故に本編並のボリュームを要する訳ではないが、それでいて値段は本編と変わらないのだから不満が残りやすい。
  • 読む順番に自由がない
    • 11個のストーリーは中途半端に読み進める順番が固定されている為、好きなキャラや見たいシナリオが好きに読めない。
    • また、最終シナリオ『三世因果のアブダクション』は上記の通り本編から完全に独立したシナリオである。しかし「最後にプレイ可能」「主人公が岡部」と言う事から余計に期待して肩透かしを覚えたユーザーもいた。

総評

『STEINS;GATE』ファンディスク第3弾。様々なキャラクターの視点で描く、『STEINS;GATE』は新鮮味がある。
内容も本編に準じたシリアスで奥の深いものとなっているが、本編の補完と考えると今一つ。
また、一本道で分岐が一切無い構成はテキスト系ADVとしてもゲーム性が低く、ADVにシナリオ以外も求める人にはかなり厳しいものがある。
違うキャラの視点を描いたシナリオを純粋に満足できたか否かで評価がはっきり分かれるだろう。
シナリオを見る際も、本編を補完するのではなく世界線の違いによる様々なifストーリーを楽しむ…ぐらいの心構えでプレイした方が良い。