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サモンナイト3 - (2015/12/09 (水) 13:57:44) の編集履歴(バックアップ)


サモンナイト3

【さもんないとすりー】

ジャンル ファンタジックシミュレーションRPG

対応機種 プレイステーション2
プレイステーション・ポータブル
発売元 【PS2】バンプレスト
【PSP】バンダイナムコゲームス
開発元 【PS2】フライト・プラン
【PSP】フェリステラ
発売日 【PS2】2003年8月7日
【PSP】2012年10月4日
定価 【PS2】6,800円
【PSP】3,800円(共に税別)
判定 良作
ポイント キャラクターが魅力的
サモンナイトシリーズリンク


概要

人気SRPGサモンナイトシリーズの第3作。『1』『2』より前の時系列で舞台ははぐれ召喚獣達が住む島。 前作までに登場したキャラの一部が若々しい姿で登場するほか、本編クリア後のオマケとして"2"の主人公たちをメインとした番外編が存在する。

特徴・評価点

  • ストーリー
    主人公は元軍人で現在は新米の家庭教師のレックス(男)/アティ(女)。生徒は4人の少年少女。開始前に主人公の性別と属性を選択し、得意分野と生徒は共に冒頭の選択肢で決定する。
    更に、舞台となる島の"護人"と呼ばれる4人の人物のうち、誰に最初に話しかけたかでストーリーが一部分岐する。
    各キャラクターには好感度が設定されており、シナリオ中の選択肢や各章の最後にある夜会話によって上昇し、最も好感度の高いキャラクターとのエンディングを迎える事となる。
    更にシナリオ中盤から分岐するバッドエンドとも言えるカルマルート、隠し要素であるイスラEND真実解明ルートなどマルチエンディングを採用しており、後述の通りそれらを彩るキャラクターたちが軒並み魅力的で、周回プレイの意欲をそそられるだろう。
  • キャラクター
    本作の大きな特徴として、キャラクターの評価が非常に高い。
    • 主人公はキャラデザからして評価が高く、特に女主人公のアティはシリーズ屈指の人気を誇る。
      ストーリー上では超が付くほどのお人好しであり、人を助けるために危険を顧みず飛び込んだり、敵対している関係でも傷付けるのをためらうなど、とにかく他人の事を第一に考える。
      また、基本的に楽天的ではあるが愚かというではなく、相手の裏をそれとなく察する鋭さや、いざという時には覚悟を決める強さも持ち合わせている。
    • 島のメンバーでは、自分なりの矜持を持っている海賊たち、体を張って島や恩人の言い付けを守る護人たち、機械なのに人間らしさも持つ機械人形たち*1、など個性豊かなメンバーが揃っている。
      そしてこれらのキャラクターがほぼ全て攻略可能で(キャラクターによっては結婚まで)あると言うのは大きなポイント。シミュレーションRPGも出来るギャルゲーとまで言われる所以である。
  • 戦闘システム
    • オーソドックスなシミュレーションRPGで、主に武器を使った物理攻撃と召喚術を使った魔法攻撃で戦う。
      キャラクターはレベルアップ時に固定で各ステータスが上がり、更にボーナスで好きな能力をいくつか上げる事が出来る。レベルが一定まで上がるとクラスチェンジして新たなスキルを覚えたり移動力や扱える召喚術のランクが上がったりする。
      • ボーナスの振り方によってはSPクラスという特殊なクラスになることもある。戦士タイプなのにATをほとんど上げなかったりMATを上げたりする必要があるなど、かなり特殊な振り方をする必要があるため扱いが難しいが、移動力が変わったり(下がることもある)貴重なスキルを覚える事もあるため、キャラによっては有用。どちらかといえば本編クリアよりもやりこみ向けで、後述の無限回廊で切り札となることも。
    • 戦闘時に特定の条件を満たすことで報酬が得られる『ブレイブクリア』というシステムがあり、レベルを上げてゴリ押せば良いという訳ではなくなっている。これは以降の続編やリメイクでも形を変えつつ継承されている。
    • 無限回廊というやりこみダンジョンがある。深い階層ではラスボスを遥かに越える高レベルのキャラクターが登場し、相応の装備品も手に入る。

問題点・賛否両論点

  • キャラクターの格差が大きい
    • 強キャラでよく上げられるのがアティとキュウマ。
      アティは戦士タイプでも召喚ランクが最大のSまで上がると言う大盤振る舞い、召喚士タイプではトップクラスのMPとMATに加え全属性使用可能と最強の召喚士になる。更に専用のスキルである抜剣覚醒とそれによる暴走召喚により飛びぬけた火力を持つ。
      キュウマは専用スキルの忍術の性能が非常に優れており、それだけで利用価値がある。ステータスもATとTECがよく伸びるため扱いやすく、戦士タイプの癖に召喚ランクもAと高い。更にクラスによっては全キャラ中唯一移動力が5になる。
    • ヤッファやフレイズなど、物理と魔法どっちつかずのキャラは扱いづらい。ATが中途半端なため火力では物理型に及ばず、MATが上がる装備も乏しい。能力値がATとMAT両方に割り振られているため守りも弱い。補助能力を持っているので使い道が無いわけではないが、補助なら召喚士を用意した方が早い。
      また、高レベルで加入するキャラはボーナスポイントが色々な能力に割り振られているため不利。フレイズもそうだが、ギャレオもそのせいで物理特化の癖に攻撃力が低いという残念な性能となっている。
      • 攻略本でギャレオは「遅れてきた直接攻撃のエース」という紹介がされているがもはや皮肉にしか見えず、「おちょス」などとネタにされている。また初期装備のお香ランプは全異常を無効にするという非常に強力なものであり、仲間になった途端に即行でお香ランプを剥ぎ取られた上でベンチウォーマーになる事が多いため、一部のプレイヤーからはお香ランプ引換券と呼ばれている。
    • 最強装備の格差もやや大きく、短剣がやたら優遇されていて様々な能力が上がる上に攻撃力も高い(主人公の抜剣時の武器よりも強い)。また、槍の最強武器は女性のみ、銃の最強武器は男性のみと性別によっても差が出る。
    • 霊属性が冷遇されている。シナリオの都合上、亡霊兵という敵が非常に多いのだが、彼らは霊属性に強い耐性を持っているためダメージが通りにくい。更に霊属性に豊富な憑依や状態異常攻撃は、その亡霊兵や後半登場する暗殺者にはほとんど効かないために活躍の機会が少ない。

PSP版の変更点

PSP版に移植され、システムやゲームバランスが大きく改善された。主に『4』のシステムを中心に更に改良を加えたものとなっている。追加シナリオや追加キャラなどは無いが、フリーバトルで各キャラの掛け合いが追加されている。

  • 育成面
    クラスチェンジする時に、ボーナスの振り方でクラスが変わるのではなく『4』と同じように好きなクラスを選択出来るようになった。スキルはクラスチェンジしただけで覚えるわけではなく、敵を倒した時やレベルアップ時などに得られるSPを消費して初めてスキルを覚えるようになった。
    また、"人生やり直し"というものがあり、習得したスキルを維持したままレベルをダウンして育成をやり直す事ができる。
    • これらの変更により、どのキャラも有効に運用できるようになった。不遇だったヤッファ・フレイズは、スキルを揃える事で「前線で肉弾戦をしながら要所で呪文による攻撃・回復・サポート」と技巧派に生まれ変わり、ギャレオに至ってはカイルを超える火力を持ちリメイク版でついに「遅れてきた直接攻撃のエース」ぶりを発揮してくれる。
    • 一方、もともと強かったキュウマは全ての忍術を習得できるようになった上にどのクラスでも全キャラ最高の移動力を持つため、更に凶悪になった。
    • ただし後半仲間になるキャラはSPの獲得量の関係でやや不遇なのは変わらず。また、各生徒はそれぞれ別に計算されており、周回時に別の生徒にSPを引き継ぐことは無いため苦労する。
  • 傀儡キャラ
    メイメイさんのお店で"傀儡"としてキャラを召喚する事で、番外編のキャラ、現周回で選択していない主人公・生徒、一部の敵を味方ユニットとして使用できるようになった。
  • 戦闘面
    戦闘メンバー以外のキャラから選ぶサポートキャラ、戦闘中の武器変更、サモンアシストが導入され、より戦略性が広がった。また、全異常・全憑依無効を持つ敵キャラが減り、異常や憑依の召喚術が有効活用できるようになった。
  • ブレイブメダル
    ブレイブクリアの代わりに登場したシステム。「自分のレベル以上の敵を倒さない」「戦闘不能者を出さない」などいくつかの項目に分かれており、それぞれの条件を満たす事でメダルを得られる。
    このメダルはパーティー能力や上記の傀儡ユニットの購入に必要。
    リメイク版ではイベントバトルの再戦が可能なため、取り逃したメダルも後から取り直すことができる。
  • 無限回廊バグ
    周回プレイ時に発生するバグで、前週までにクリアした階層は現週でクリアした後も直接挑む事ができず、1から挑戦しなければ行けなくなる。
    また、前週までに全階層をクリアしていると、制覇報酬の"王の書"をいきなり貰える。

総評

キャラゲー・ギャルゲーと呼ばれるほどキャラクターの魅力や夜会話・エンディングが特徴的だが、それだけではなくシナリオやSRPGとしての評価も非常に高い。
PSP版ではシステムもオリジナルより改善されより遊びやすくなった為、そちらを買うのをお勧めする。