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PC原人シリーズ PC電人 - (2012/08/25 (土) 04:25:28) の編集履歴(バックアップ)


PC原人シリーズ PC電人

【ぴーしーげんじんしりーず ぴーしーでんじん】

ジャンル シューティング
対応機種 PCエンジン
メディア 4MbitHuカード
発売元 ハドソン
開発元 ナグザット
発売日 1992年11月20日
定価 6,500円
ポイント シリーズ異色のシューティングゲーム
常に多重スクロール状態
インフレスコアのルーツ?
備考 バーチャルコンソール:2007年5月22日より配信/600Wiiポイント
PC原人シリーズリンク

概要

  • 1992年にハドソンからリリースされた横スクロールシューティングであり、最後のハドソン製Huカードシューティングでもある。
  • ゲームタイトルの通り、PCエンジンから始まった名物アクションである『PC原人シリーズ』の関連作の一作である。
    • なお、サブタイトルは「PUNKIC CYBORGS」であり、ほのぼの路線だった原人とは真逆のハードコアでファンキーな雰囲気を持っている。
  • 本作の主要スタッフは、本作の約1年前にナグザット(現・加賀テック)からリリースされた『コリューン』とほぼ同一であり、画面レイアウトなどに似通った共通点が多く見受けられる。
  • 一人プレイ専用。全5ステージ構成。四段階からの難易度調整が可能(うち1つは裏技扱い)。

ストーリー

西暦2999年、悪の科学者であるキングタマーゴ・サンドロビッチ伯爵によってPC電人に改造されてしまったゲンヘッド。
研究所を脱走した彼は、途中で出会った10人の仲間と共に、伯爵の悪の野望を打ち砕く戦いに挑む。

主なルール

  • ゲームを始める前に難易度設定と、共に戦う仲間の選択を行う。
    • 難易度設定は「あまくち、からくち、げきから」の三種類から選択可能。裏技で出現する最高難易度である「超げきから」はコマンド入力した時点で強制的に決定となる。
    • 次に仲間選択を3タイプから選ぶ事となる。仲間は全部で10人おり、各ステージ毎にそのうちの一人だけを出撃させる事が可能。また、仲間を連れていかないという選択肢もある。以下タイプの種類を示す。
      • 「じどう」…各ステージ毎にランダムで仲間が決定する。一度連れていった仲間が、それ以降のステージに再出撃する事はない。
      • 「しゅどう」…各ステージ開始前に、任意で仲間を選択する。このタイプのみ、ステージをクリアする度に仲間選択画面に移行する。
      • 「ひとりでいく」…一切の仲間を連れていかずに、電人単体でステージに挑む。このタイプ限定で、専用の補助オプションアイテムが出現する。
  • 電人のボタン操作は、主にショットと溜め攻撃の二つある。ショットはボタン押しっぱなしでオート発射できる。
    • 一定時間溜め攻撃ボタンを押しっぱなしにすると電人が光りだすので、その状態でボタンを離すと専用の溜め攻撃を発射できる。
      • また、ボタンさらに押しっぱなしにしていると、電人が「ウンチボム」を発射する。ウンチボムは画面のほぼ全体に攻撃判定が発生する、いわば溜め撃ちボンバーのような存在。但し、ウンチボム発生中でも電人にやられ判定が残るので、注意が必要である。
    • 難易度「げきから、超げきから」でプレイ中にセレクトボタンを押すと、電人後方にバックファイヤーが発生し、それで敵にダメージをあたえられる。また、難易度「あまくち、からくち」プレイの場合は、電人を敵の後方に近づけると、自動的にバックファイヤーが発射される(ボタンでのバックファイヤーはできない)。
  • 上記の通り「じどう、しゅどう」タイプでは仲間を引き連れて戦う事ができる。ステージ開幕時では仲間はいないが、アイテムの「サングラス・スマイル」を取得すると仲間が登場する。仲間は電人にひっつくような感じで動き、前方にショットを放ってくれる(ショット性能はどの仲間も同じ)。
    • 仲間がいる状態でサングラス・スマイルを再び取得すると、仲間と合体して一定時間完全無敵になれる。そしてその後は仲間専用の強力なショットが放て、ダメージをもらっても仲間が去るだけで電人のミスは免れる。但し、仲間合体中は一切の溜め撃ち(ウンチボム含む)が一切使用できなくなり、出現するどのアイテムを取得してもスコア加算しかされなくなる。
  • 専用の敵を倒すと、様々なアイテムを落とす。以下その詳細を示す。
    • ショット関係(電人のショットを変更する、重複不可でパワーアップの概念はなし、初期状態やチビ電人以外のアイテム取得中は一回だけダメージを無効化してくれる(但し初期状態に戻ってしまう)、仲間合体時の取得はスコア加算しかされない)
      • (初期段階)…アイテムを取らない状態でのショット。前方一直線にショットを放つ。溜め攻撃は前方に一発の巨大ショットを出し、それが敵に触れると分裂する。
      • 「デン・ミサイル」…ホーミングミサイルを一度に三発づつ放つ。溜め撃ちはミサイルを一度に大量発射させる。
      • 「デン・ビーム」…射程距離は短いが、攻撃判定が強力なビームを放つ。溜め撃ちは前方に大量のリング型ビームを放つ。
      • 「デン・パンチ」…ブーメラン状に発射されるミサイルパンチを放つ。溜め撃ちはゆっくりと前方に進む巨大パンチを放つ。
      • 「デン・キック」…射程距離はかなり短いが、電人の前後左右斜め周りを攻撃してくれる電撃キックを放つ。溜め撃ちは画面端にぶつかると反射するロケットキックを前方斜め二方向に放つ。
      • 「デン・ガレッカー」…貫通性能を持ち、少しらせん状に揺れる感じで進む噛み付きを放つ。溜め撃ちは射程距離が限られるが、攻撃力が強力な噛み付きを放つ。
      • 「デン・トランプ」…前方五方向にトランプを放つ。溜め撃ちは電人を中心に時計周り360度方向にて連続トランプを放つ。
      • 「デン・カッター」…一定距離まで前方に進み、途中で後方に方向転換する性質のカッターを放つ。溜め撃ちは前方三方向に貫通能力のあるカッターを放つ。
      • 「チビ電人」…電人が縮小化し、当たり判定が小さくなる。初期段階のショットに加え、敵の位置により方向が常に変化するマルチサイトショットも同時に放てる。但し、チビ電人状態では溜め撃ち(ウンチボムも含む)が一切出せなくなり、ダメージをもらうと即ミスとなってしまう。
    • スマイルマーク関係
      • 「スマイルマーク」…スコアアップ。「じどう、しゅどう」タイプでは、これを一定数を取得する度にサングラス・スマイルが出現する。
      • 「サングラス・スマイル」…「じどう、しゅどう」タイプ限定で登場。効果の程は上記参照の事。
    • 補助オプション関係(「ひとりでいく」タイプ限定で登場、チビ電人状態でこのアイテムを取得すると初期状態に戻ってしまう)
      • 「デン・タンク/デン・ターボ/デン・コプター」…各専用の攻撃を放つ補助オプションを付けられる。一台のみ付ける事が可能で、一定のダメージをもらうと消滅してしまう。また、消滅するとオプションの残骸が落下するが、それに触れるとスコアが得られる。
  • ステージをクリアするとすべてのアイテム、仲間、補助オプションの効果はすべてリセットされ、次ステージに持ち越す事は不可能となっている。
  • 残機制の途中復活、全部なくなるとゲームオーバーとなる。ちなみにコリューン同様、最大残機数は9までとなっている。
  • 他詳しいルールはバーチャルコンソールオフィシャルサイトにて確認されたし。

評価点

  • 本体の電源をONにした時点からすでに熱い。なんと、ゲームタイトル表示からオープニングまでカラオケバージョンである。ノリのいい楽曲に乗せて歌詞が表示され、曲の最後には電人誕生までの経緯の説明までされる演出の細かさである。
    • さらには、ゲームオーバー後のコンティニューまでが、何故か陽気なノリのカラオケである。ちなみに曲が終わるとゲーム終了である。
  • 流石にHuカード熟練期のソフトだけあってグラフィックは素晴らしく、キャラクターの書き込みもしっかりしており、電人を初めとする登場キャラの魅力は十分に描かれている。
    • さらにはステージ中の多重スクロールが恐ろしく繊細で、やたらとなまめかしく動くのも特徴である。この時期のPCEシューティングで多重スクロールするソフトはさほど珍しくないのだが、本作はボス戦以外の場面はほぼ全部多重スクロールで構造されており、奥行感がとんでもない事になっているのだ。
  • BGMも外れが全く無いと言わしめる程の神曲ぞろいで、聴いていてテンションがやたらと上がってくるものばかり。ゲームのサブタイトルである「PUNKIC CYBORGS」の名の通り、パンク系の曲が多い。実機では裏技でサウンドテストが可能。
  • 原人プレイヤーのファンサービスもぬかりはなく、敵キャラは原人時代を未来風にアレンジした容姿のものが多い。また、最終ステージの一場面では原人風の背景をバックに原人敵が電人に襲い掛かり、途中で機械むき出しの外観に変わるという演出まである。
    • 最終ステージにて、伯爵が作り上げた電人そっくりの配下二人と戦う対決が待っている。また、ラスボスの伯爵が操る巨大ロボットは、電人の主要ショットと同性能の攻撃ほぼ全部を駆使して攻めてくる。まさに生みの親との因縁の対決をうかがわせる。
  • 仲間選択のタイプによって少し結末が変化する、マルチエンディング方式である。但し、「じどう、しゅどう」は全く同じエンディングで、結末は2種類しかない。
  • 当然ながら、ゲームそのものも普通に遊べる出来であり、外観だけ力を入れて中身がスッカスカだなんて事は断じてない。

問題点

  • やはりハードスペック的に無理があるのか、処理落ちやちらつきが発生する場合がある。特にボス戦にてウンチボムを放つとかなりの確立で画面内がグジャグジャ化する。
    • 電人や敵のサイズなどが原人基準な影響で、キャラの大きさが同期のPCEシューティングと比べて大きめであるのが原因だと思われる。本作は大小問わずに大量に敵が現れ、電人の攻撃が画面を覆いつくす程の派手なものが多い(特にウンチボム)ので、処理が追いつかない場面があるようだ。
  • キャラサイズの大きさ故に、若干敵の攻撃が避けにくい場合も少なくない。この辺はコリューン譲りの問題である。
  • ショットの種類が多い割にはショットアイテム出現率が少し控えめで、好みのショットに切り替えにくい。ちなみに、何故かチビ電人アイテムだけは出現率が他のショットアイテムより高い。
  • 1ステージに引き連れられる仲間は一人のみ、すなわち、全5ステージ×一人なので、1プレイにおいて残り5人は絶対に活躍させる事はできない。また、最終ステージ途中は仲間が強制的に去り、電人のみのタイマンバトルになってしまう。ちなみに補助オプションはダメージで沈まない限りは最後まで去る事はない。
  • バーチャルコンソール版限定の問題として、裏技入力を受け付けないという仕様がある(これは公式サイトでも表記されている)。よって、VC版では難易度「超げきから」やサウンドテストは削除されてしまった。VCでプレイしようと思っている方は、この辺を承知の上でダウンロードしよう。

賛否が分かれそうな点

  • 原人シリーズである必要性。過去の原人シリーズはまったりとゆるいノリで進む、和み系アクションとしての趣旨が強かったが、本作はひたすらにファンキーで原人ライクな雰囲気はあまり残っていない。よって、原人と同じようなノリを期待するとガッカリ化する可能性は高い。
    • 但し、キャラデザインは原人を彷彿とさせるものであり、伯爵撃破後の「おぼえてろよ~」(原人のラスボスと同じセリフ)は健在である。よって原人らしさが完全に殺されている訳でもない。
  • 仲間の存在意義。作中にて特に電人と仲間が絡むような描写は皆無(せいぜいデモ画面で全員集合な程度)であり、どうも仲間と一緒に戦っている感が薄いのは否めないところ。ステージ中でもただ攻撃サポートして合体する位の存在でしかなく、所詮はただのオプション扱いでしかない。
    • また、電人自体が高性能なショットを大量に持っている上に、合体仲間によっては電人単体よりもショットが使いにくい事すらもある。極端な話仲間がいなくてもクリアにさほど影響はせず、別に電人の単独劇でも差し支えない内容である
  • ルールでも述べた通り、電人のショット種類がやけに豊富。初期状態を含め9種類、さらには仲間合体専用ショットが10種類も用意されており、総合的なショットは19種類(溜め攻撃は8種類+ウンチボム)もある。もちろん多いのは嬉しいのだろうが、これだけ多いと統一感に欠けるという批判もないこともない。
  • 本作の最大スコアはなんと最大1000兆単位までカウントされる、スコアのインフレ具合が激しいものとなっている。とはいってもスコア表示は「○○○○兆○○○○億てん」であり、実質上は1000万点範囲に留まっている。また、当時のPCEシューティングとしては珍しく、敵の撃ち込みでもスコアが入る。
    • ちなみにラスボスを倒すと、9000兆てんものスコアが入る。すなわち、ラスボスを倒すだけでスコアカンストの9割が稼げてしまうのである。いくらなんでも奮発しすぎやろなんて気にしたら負け。
  • ステージ数が全5ステージとやや少なめ。但し、ステージ5は複数のエリアに分かれており、総合的なプレイ時間は同期のPCEシューティングの中では平均的である。

総評

  • シューティングとしては若干バランスが大味で、派手さ重視している分繊細さが不足している印象はあるものの、賑やかな敵キャラを相手にガンガンと多種多彩な攻撃を駆使して戦う面白さが堪能できる佳作といえる存在かと。
  • 原人シリーズに新たなる一風を投じた作品だが、かなり原人とは別系統のゲームと化しているので、その辺は素直に受け入れる者と馴染めない者の二者に別れやすい存在であろう。
  • 本作の一年後にて電人としての続編『CD電人 ロカビリー天国』がリリースされる事になる。メディアをスーパーCD-ROMに移し、パワーアップした演出も見受けられるものの、開発メーカーが変わった影響かかなり作風が変更される事となる。