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ポケモンコロシアム - (2017/04/04 (火) 19:42:30) の編集履歴(バックアップ)


ポケモンコロシアム

【ぽけもんころしあむ】

ジャンル 対戦/RPG

対応機種 ニンテンドーゲームキューブ
発売元 ポケモン
販売元 任天堂
開発元 ジニアス・ソノリティ
発売日 2003年11月21日
定価 5,800円(税別)
プレイ人数 1~2人、4人
周辺機器 GBAケーブル、カードeリーダー+対応
備考 メモリーカード59同梱
判定 ゲームバランスが不安定
ポイント バランス・テンポがかなり悪い
ポケスタ金銀』のポリゴンモデルを使い回し
ストーリー・世界観はなかなか
スナッチは好評
ポケットモンスターシリーズ関連リンク


概要

ゲームキューブ初のポケモン。ジニアス・ソノリティのデビュー作でもある。
RS?』発売から1年、当時は通常プレイでは入手できなかった『金銀?』のポケモンがゲットできることで注目を集めた。
アイテムや根本のシステムは本家同様だが、キャラクターやメカのデザインに、ハードな作風で知られる漫画家のヒロモト森一氏を起用しており、シナリオも暗躍する組織を粉砕するという、ポケモンシリーズとしては異色であるややハードな世界観が特徴となっている。
なお、『ポケモンスタジアム』シリーズとは異なる部分も多く、純粋な後継作ではない。


特徴

  • 本作には「ストーリーモード」と「対戦モード」がある。
    • ストーリーモードでは、悪い科学者に洗脳され戦闘マシンになった「ダークポケモン」をスナッチ(英語で強奪)し、一緒に冒険して、ポケモンの心を開く(リライブ)ことを目指す。クリア後はリライブしたポケモンを第三世代のソフトと通信交換することができる。
    • 「対戦モード」では、本編で捕まえたポケモンで挑戦できる。また、従来の『ポケモンスタジアム』シリーズのようにGBA版ポケモンを用いても遊べる。

ストーリーモードについて
基本的なシステムは第三世代ポケモンと同様なので違う点のみ記述。

  • バトル
    • 戦闘は全てダブルバトルルール。野生ポケモンは登場せずトレーナー戦のみで進む。
    • 本作では野生戦がないので「にげる」コマンドがない。代わりに「よびかける」というコマンドが採用されている。
      本来の使い方はハイパー状態化したダークポケモンを元に戻しリライブを進めるためのコマンドだが、このコマンドを使うことで眠り状態の回復もできる。また、捕獲時などにもう一体のポケモンの行動を何もせずにターンを潰したいときにも有用。
  • 初期ポケモン
    • 主人公の初期ポケモンはいわゆる「御三家」ではなくブラッキーLv.26とエーフィLv.25となっている。
    • なお、御三家にあたるポケモンも序盤のうちに入手の機会があり、ジョウト御三家の1段階進化形態であるベイリーフ・マグマラシ・アリゲイツの中から1匹を選べる*1
  • キャラクター
    • 全体のデザインについては前述の通りヒロモト森一氏が担当。
    • 主人公はレオ(名前変更可能)。『RS』のように性別選択はなく男で固定。元「スナッチ団」だが、紆余曲折あってダークポケモンのリライブしていくことになる。
    • パートナーで実質的なヒロイン・ミレイ(名前変更可能)の存在。ダークポケモンは一見通常のポケモンと区別がつかないため、感知できるパートナーが同行する。
    • 悪の組織はポケモンをダークポケモンにしてゴロツキたちに横流しする「シャドー」とポケモンを強奪する「スナッチ団」の2つがあり、互いに協力関係にある。
  • マップ
    • 本家では各町が「どうろ」で繋がっているが、今作ではどうろを廃止してワールドマップから各町に直接アクセスできる。
    • 室内マップが多いので「じてんしゃ」もない。
  • アイテム
    • 宝箱に2個以上まとめて入っていることがある。例として「キズぐすり×2」など。
    • モンスターボールはオーレ地方では野生ポケモンが生息していないという設定のため通常のフレンドリィショップでは販売していない。そのため町外れのスタンドという場所でのみ購入できる。
    • わざマシンが全種類手に入らず、一部歯抜けしている。
    • ひでんマシンは入手不可。よってひでん技を使わずともクリア可能。ただしひでん技の概念はちゃんとあり、覚えたダークポケモンをスナッチでき、忘れさせる場合は特定の人に頼む必要がある。
  • パソコン
    • ボックス操作は「ボックスをせいりする」に相当する出し入れ自由のメニューのみに。本家で使い勝手の悪い「つれていく」「あずける」がなくなったことで、操作の煩わしさを軽減している。
    • ボックスは3つと少ないが、入手可能なポケモンは最大でも60匹近くなのでそこまで問題ではない。
    • レポート(セーブ)は「パソコン」の前でしかできない。
  • 通信
    • 第三世代のソフトと通信をするにはストーリーモードのクリアが必須となっている。
  • その他
    • 通貨単位は舞台のモデルがアメリカとあってか「円」ではなく「ポケドル」となっている。単位が違うだけで物価自体は本家と同じ。
    • ライバルキャラクターは存在せず、オーレ地方にはポケモンリーグも存在しないのでジムリーダー・四天王・チャンピオンもいない。

ダークポケモン
シャドーの手によって、心を閉ざした戦闘マシンになってしまったポケモンのことを指す。
これを「スナッチ」によって手に入れ、「リライブ」で心を開く必要がある。

  • スナッチ(≒捕獲)
    • 戦闘時に相手の使用ポケモンにダークポケモンがいるとミレイが反応し、ダークポケモンを判別してくれる。ダークポケモン以外はスナッチできない。
    • スナッチは通常のボールを主人公の持つスナッチマシンでスナッチボール化させて使用する。そのためスナッチは必ず成功するわけではなく、ボールの性能や外見は元のボールに依存したものとなる。
    • ちなみに現行の本家シリーズだと相手が2体以上いると捕獲できないが、本作だと2体いる状態でもスナッチ可能。ただし1ターンに投げられるボールは1個までだが。
  • ダークポケモンの特徴
    • スナッチしたダークポケモンは心を閉ざしており、「経験値が入らない」「『ダークラッシュ』という技を覚えている」「一部の技が使用できない」「ニックネームをつけられない」「逃したり交換や対戦ができない」といった特徴がある。
      • 「ダークラッシュ」は基本的にタイプを持たない技でどんな相手にもダメージを与えられる。威力100・命中90と性能は高めで、与えたダメージの1/4反動ダメージを受ける。また、選択時に「ハイパー状態」に陥ることがあり、この状態だと急所率が上昇するが、本家シリーズの言うことを効かない他人のポケモン以上にむちゃくちゃな行動をする(同士討ち、道具を勝手に使用、ボールに戻るなど)。
      • ハイパー状態時はダークラッシュ以外の技を選択しても命令無視したり道具を受け付けないといった問題行動をするため、よびかけるコマンドで正気に戻す必要がある。
    • ダークポケモンの種類は『金銀』のものが中心であり、他は『RS』のものが数種となる。
    • 性格によって、リライブがもっとも進む方法やハイパー状態の行動になりやすさなどが決まっている。
  • リライブ
    • ダークポケモンの心を開くための行為。リライブは「連れ歩く」「戦闘に出す(1戦につき1回まで)」「戦闘中かつハイパー状態時によびかける」「コロンというアイテムを使う」「そだてやに預ける」といった行動を重ねていくことで徐々に進行する。
      • リライブが進むにつれ、通常の技を使えるようになったり性格が判明したりする。上記の欠点も部分的に改善されるが、「ハイパー状態」になりやすくなる。
      • リライブが最終段階まで進めばストーリー中盤に訪れる「アゲトビレッジ」でリライブセレモニーという儀式を行える。セレモニーを終えれば通常のポケモンとして扱われる。
      • この際にダークポケモン時に入手していたはずの経験値がまとめて与えられ、「ダークラッシュ」を忘れ、元々覚えていた技を取り戻す。
    • 「ときのふえ」というアイテムを使用すれば初期段階から一気にリライブ完了できるが、3個しか入手できない。ポケモンに持たせて交換で持ってくるなど別のセーブデータから持ち込むことは不可能。

そのほかの特徴

  • ホウオウの入手
    • 全ポケモンをリライブした後にシナリオモードのセーブデータを使用して、本作の対戦モードのバトル山で100人抜きをするとホウオウが手に入る。
    • ただし、受け取った直後に自動セーブされるため厳選はできず、観賞用にしかならないが。
  • ダブルバトルカードe+との連動
    • 「トゲピー」「メリープ」「ハッサム」の3匹のダークポケモンを持つトレーナーと戦う機会を得られる。ただし、内容固定の4パックすべてを購入しなければ戦うことができないようになっていた。
  • 当時はまだ発売されていなかった『FRLG』にも対応しており、本作の主人公の3Dグラフィックもちゃんと用意されている。
    • 対戦モードやバトル山100人抜きでその姿を見ることができる。
  • ポケモンシリーズで、ゲーム内テキストで漢字が初めて使われた作品でもある。
    • 大抵はふりがなが振ってあるので、漢字が分からなくて読めないといった事態にはならない筈。
      • 本編シリーズでは『BW』から実装された。(ふりがなは振っていないが、設定で切り替えることは可能)
  • 予約特典連動ディスクについて
    • 幻のポケモン・セレビィが入手可能に。
      • 本作で入手可能なダークポケモンを48匹をすべてリライブすると、自分とGBA版のプレイヤーに1人1匹ずつ、最大49匹ものセレビィが配布される。なお、本作を最初からやり直せばカウントもリセットされる。
      • もちろん手順さえ踏めばDS・3DSで発売された後の本家シリーズ作品に転送することも可能。
    • ポケクーポンは貯めたポイントでランクが自動で上がるが、そのランクに応じた道具がもらえる。
      • 貴重なアイテムである「ポイントマックス」「マスターボール」の他、「でんきだま」を持ったピカチュウも受け取ることができた。
      • その他のおまけとして、『ポケモンチャンネル』の体験版、もしくは当時、発売時期が重なったゲームソフトの映像が収録されていた。
    • 現在このディスクは入手困難なため、高値で取引されている。

評価点

  • 従来のシリーズとは異なる独特の設定や世界観
    • 「野生ポケモンが生息してない砂漠の地が舞台」であることや「黒幕の正体」などストーリーや設定自体は意外性がありつつもうまく整合性が取れており悪くない評価を得ている。
      • ゴロツキどもが集う退廃的な雰囲気のパイラタウン、サイリウムが怪しく輝く地下都市アンダー等とてもポケモンとは思えないマップがある一方、美しい水の街フェナスシティ、緑豊かで穏やかな佇まいのアゲトビレッジなどバラエティも富んでいる。
    • 主人公は元スナッチ団員なのだが「何故組織を裏切ったのか」「何故ダークポケモンをスナッチするのか」などの理由は最後まで深く触れられない。一方でその過去や詳細な設定をあえて語らない姿や、ダークヒーロー然とした影の感じられるデザインはハードなストーリーにマッチしていて好評。
    • 悪役キャラであるミラーボもキャラが尋常じゃない位濃く、人気があったためか続編でも引き続き登場する。
    • これらは異色ではあるもののポケモンの設定や世界観を蔑ろにしているということは一切なく、いつものポケモンとは違う楽しみ方ができる。
  • 『金銀』では初代のポケモンに食われて地味だった『金銀』の新規ポケモンを存分に使える。
    • なお、本作のダークポケモンの中に『FRLG』限定のポケモンは全くいない。その為か進化前・進化後がカントー・ホウエンのポケモンの金銀ポケモンはごく一部を除き手に入らない。*2
  • ダークポケモンをスナッチしてリライブする楽しさはなかなか。
    • 本家ポケモンでのポケモン捕獲の楽しさを最大限に発展させており、今作でも非常に評価の高い要素。
    • 自滅の危険性や早めに捕獲しなければ自軍の被害が甚大になるので独特の緊張感がある。スナッチの演出もこれまたカッコいい。
  • ロード時間は、ストレスを一切感じさせない作りになっている、セーブも本家(GBA版)より早い。
    • 特に回復マシンの演出がスピーディーで、ジョーイさんがおらずセルフ回復する場所ではメッセージも短縮される。
  • グラフィックはマップやエフェクト面は十分GCレベル。
    • 特にエフェクト面は相当力が入っており、間違いなくGCの性能を最大限に発揮している。
      • 戦闘が始まるまで若干長く、登場モーションも無いが、モンスターボールの開閉エフェクト・雷撃のようなSEが非常にカッコよくスピード感溢れている。そのため演出のショボさや体感的な遅さはあまり感じない。
    • 本作で新規に制作された第三世代のポケモン(キモリ~デオキシス)のモデルはポリゴンは綺麗でモーションも悪くない。初めての戦闘相手となるジグザグマの愛らしさには感激したという声もある。
      • ただし、『スタジアム』から流用された第二世代のポケモンや人間キャラのポリゴンは……(後述)。
  • 盛り上がりやすく・長時間聞いても飽きないBGM
    • 各マップや「ミラーボのテーマ」など、BGMの評価は高い。
      • 特に戦闘曲に関しては、いずれも本家とは方向性が全く違うが文句なしの高評価である。この戦闘曲のおかげで戦闘テンポの悪さ(後述)が軽減されていると大真面目に力説するユーザーまで存在しているほど。
    • 作曲を担当したのは当時ジニアス・ソノリティの取締役だった多和田吏氏。
  • シナリオモードのバトル山や対戦モードをクリアすると「ポケクーポン」が手に入る。
    • 『ポケモンスタジアム』シリーズでは一度クリアしたトーナメントを再度プレイする意味は無かったが、本作ではクリアするたびに獲得できる。
    • ポケクーポンはアイテムと交換可能。貴重な「ピンチになると能力UP」系のきのみをポイントさえためればいくらでも量産・入手できる。GBAシリーズではチイラのみ以外通常プレイでは入手できなかったのでここも見逃せない点だった。
    • このシステムは後に本編シリーズに「BP」として逆輸入された。

賛否両論点

  • ダークラッシュが強力過ぎること
    • ダークラッシュは威力100で、不遇タイプの高威力技よりも強力。このため、ろくな攻撃技を持たないダークポケモンはリライブせずにこの技を使ったほうが強い程である。さらに、ハイパー状態だと高確率で急所に当たるため、あえてハイパー状態にしてゴリ押しという戦法を使うことで大抵の難所も比較的容易に突破できる。
      • 一応、道具による回復ができない上反動ダメージもかさむので倒れやすくなるというデメリットもあるが、そこまで気にならない。
    • 一方、バランスブレイカーという程ではなく、むしろストーリーモードの難易度(後述)を緩和している面もあるため、救済要素としての見方もある。ただし、攻撃のたびに傷つく悪役じみた戦法が有用であることを疑問視する声もある。

問題点

ストーリーモードの出来
今までにない要素を多く含んでおり、練りの深さを感じさせるところがある一方でなにかと欠点が目立つ。

  • ストーリーモードのゲームバランスについて
    • 戦力となるポケモンの少なさ
      • 全編を通して性能が微妙なポケモンが多いうえ、入手可能なポケモンが60匹に満たないことに起因している。
        一応、序盤のうちにそこそこ有用なものは揃うが、やはりいずれも見逃せない欠点がある。
      • 例えば初期手持ちからいるエーフィは物理耐久の低さから物理攻撃を集中的に受けると簡単に倒されてしまうほか、エスパー以外の特殊技を覚えないため、相性が不利な相手に対して立ち回りにくい。ブラッキーは素早さと攻撃力の低さがただでさえ悪い戦闘のテンポをさらに悪化させているなど。
    • 戦闘の難易度
      • 常時ダブルバトルのため戦略性が増しており、敵のAIも賢い。さらに、スナッチ時のダメージ調整や敵のレベルが高いなどの理由から、難易度は本家と比較してかなり高め。
      • エンディングを見るまで通信できないので「本家から強いポケモンを連れてきてゴリ押し」することも不可。
      • 中盤までは理不尽な難易度なわけではなく、ストーリーの難易度は『RS』からの新要素である「特性」も最大限に活用して練られているため歯ごたえ抜群。本家のポケモンがヌルいと思う人には適しているはず。
        一応、再戦可能トレーナーがいるので野生ポケモンがいなくても「詰み」になることはない。
    • 金策に困りがち
      • ボール・コロン・回復アイテムいずれも必要な個数揃えるには宝箱やトレーナー戦の賞金だけだと全然足りず金策に困りがち。
      • 各地にあるコロシアムで経験値とお金を稼ぐ方法もあるが、パイラコロシアムとアンダーコロシアムは相手のレベルが50以上と高めのため、挑むには段階を踏む必要がある。
  • 一部理不尽なまでに難易度が高い難所がある
    • ミラーボ戦の難易度
      • 4匹のルンパッパはレベルは28~31とその時点では平均的だが、技「あまごい」で雨を降らせ、特性「すいすい(雨の間素早さ2倍)」「あめうけざら(雨の間HPを1ターンにつき1/16回復)」を発動させ、さらに雨でパワーアップした水技を放ってくる。
      • ルンパッパの特防が素で非常に高いため、エーフィでも2ターンで1匹がやっと。弱点を突ける飛行タイプや虫タイプを使おうにも安定した技や性能を持ったものがその時点ではいないうえ、どちらも岩タイプのウソッキーに不利なため、ゴリ押しを除きこれといった有効打はない。
    • ラストの連戦が鬼畜
      • 5連戦(5人目はボス)+ラスボス戦になり、全員がダークポケモンを持っている。
      • レベルは40台後半~55とどんどん上がっていき、その間セーブなしでスナッチと戦闘を行うことになる。
      • しかも、ラスボスの手持ちはボーマンダやバンギラスなどハイスペックなポケモンが揃っているうえ、レベルがいきなり60に上がる。さらに「攻撃を1段階上げる(1.5倍にする)プラスパワーを使う」「味方のスキルスワップでケッキングのデメリット特性を取り除くコンボを使う」など、シリーズのラスボスでもかなり手ごわい。
      • 一応、ラスボス戦の前に手持ちのポケモンは全回復し、敗北してもラスボス戦から再開できる救済措置はあるが。ただし、エンディング後に再戦する場合は最初からやり直すことになる。
    • エンディング後も敵のレベルは60から推移し続け、裏ボスの手持ちに至っては68~70となる。
    • いずれもレベル上げをせずに正攻法で挑むとほぼ確実に詰む。ただでさえ困難なのに当然ながらダークポケモンの捕獲もあるため相当厳しい戦いを強いられる。
      • 本家では有用な戦闘用アイテムを使ったゴリ押しも、自分の行動時に味方に使うことはできない仕様と十分に積むまでに致命的攻撃を受けてしまうことも少なくないため微妙。
  • ダークポケモンのスナッチがやや難しめ。
    • 前述の「ダークラッシュ」の威力と反動ダメージが厄介で、捕獲の最中に味方が全滅したり、反動でダークポケモンが自滅してしまい、捕まえ損なうことも少なくない。
    • 対策は相手の命中を下げる技を使って外れさせるか「ねむり」状態にするなどして相手の攻撃の頻度を抑えることだが、そういった技を覚えるポケモンの性能がネックになる。
    • また、誤って倒してしまっても再度スナッチのチャンスはあるが、作中でそのことについて一切説明がない。一応取扱説明書で「後で再度スナッチできる」という旨の記述はあるが。
      • その場に常駐するトレーナーならともかく、一部のイベント戦闘では次に戦える機会はクリア後となる。再戦の機会を知っていてもその時点ではもはやレベル差から戦力になりにくい。
    • 一部ダークポケモンの再出現位置がわかりづらい。
      • テッポウオ・マンタインは初戦はパイラビルで戦えるが、倒してしまうとパイラの洞窟最深部まで移動してしまう。再戦できるのもエンディング後なうえ、パイラビルと洞窟内にいるトレーナーを再度倒す必要がある。
      • ほかは元いた場所・スナッチ団アジト・ダークポケモン研究所のいずれかに再出現するがこれらは見当もつかない位置に移動してしまうので非常にわかりづらい。
  • ダークポケモンの性別・性格・特性・個体値が最初に会った時点で決まってしまう
    • そのため何度再戦しても最初に出会ったもので固定となっている。
    • 当時問題となったのは性別。というのも発売当時は♂のポケモンとでもタマゴを産めるメタモンが入手不可で、進化前の入手や増殖させることができなかった。万が一♀の入手機会を逃してしまうと、再度厳選するには最初からやり直すしか無かった。なお、現在は『FRLG』か『エメラルド』でメタモンが手に入るためいずれかを持っているなら問題はない。
    • 次に問題となったのが性格・個体値
      • ライコウ・エンテイ・スイクン(以下三犬)は『FRLG』でも手に入るもののそちらではHPと攻撃以外の個体値(隠しステータス)が0(最低値)で固定されているので厳選は本作でしかできなかった。
        しかし、伝説のポケモンとだけあってスナッチに持ち込むことも難しく、「その時点で捕獲率100%のマスターボールが入手できない*3」「エンテイは味方のじしんで倒されてしまいがち」など厳選難易度を高めているところもある。ただ、こちらも現在は乱数調整が可能になったので厳選は比較的容易になっている。
    • クリア後に先に情報が解禁される固体に関しては、情報を聞いた時点で能力が決定されるため、情報を聞いた後にセーブした場合は何度リセットしても結果は同じになってしまう。
  • リライブが面倒
    • 初期段階で性格が見えない
      • リライブに関する行動は性格と連動しており、同種のポケモンでも特定の行動に対しもっとも効率がいい性格と悪い性格で4倍以上の差がつく。そのため、早急に把握したい箇所だがゲージが2段階減るまで確認できない。これがリライブの効率化が困難な最大の要因となっている。
    • コロン
      • 一番楽な方法はこれを使い続けることだが、「金稼ぎの効率が悪いのに値段が張る」「1個使うのに10秒のラグがあり、非常にテンポが悪い」「幹部・ボスのポケモンには効果が薄い」など用意が面倒で使用に苦痛を感じやすい。
    • 戦闘に出す/ハイパー状態時に呼びかける
      • 次点で効率がいいのは、「戦闘に出す→ダークラッシュ選択→ハイパー状態になる→よびかける」ことだが、幹部・ボスのポケモンや効率の悪い性格の場合は20回以上「よびかける」をしなければならない事もあり多大な時間を要する。
    • 歩行
      • 歩行するだけでもリライブが僅かながら進行するという仕様から、アゲトビレッジで主人公を引っ掛けるようにすることで常時歩行(という名の振動)が可能になる地形を利用することで、多大な時間と引き換えにプレイヤーが干渉せずともリライブできるという裏技もある。
    • 育て屋
      • この方法ではリライブの進行にどれくらいの金額を払うのかという目安もない。そのため、引き取る際に高額な金額が要求されることが非常に多い。
  • アイテム関連
    • きのみの入手が面倒
      • 今作ではアゲトビレッジにいるおじいさんに話しかけるのが唯一の入手方法で、貰った後一定歩数歩くと再度貰えるが一度に貰える数は1つだけ。このため、それなりの数のきのみを集めようとするとかなり面倒。
    • バトル山の景品のきのみが高額
      • 1個15000ポイントだが、エリア10ですら10戦ごとに1200ポイントなので全種手に入れるには50回繰り返す必要がある。いくらなんでも高すぎる。
      • 「チイラのみ」が景品にない。『RS』で極低確率ながらも入手可能なためと思われるが、極低確率だからこそほしいアイテムなのでこの点は意地悪と言われることが多い。
    • 戦闘後にもらえる賞金を2倍にする「おまもりこばん」の入手が、クリア後の最後のコロシアムに行けるようになってからと遅すぎる。
      • その時点で戦えるトレーナーは各地のコロシアムやパイラタウンのゴロツキぐらいしかおらず、今更感が拭えない。
      • 一応、GBAとの通信で持っていくことで多少は早い段階で使用できるが、通信できるのはエンディング後なので結局微妙。
    • 何度でも状態異常を治せる道具「ビードロ」が、本作では使い捨てに設定されている。
      • 眠りを治せる「あおいビードロ」はともかく、混乱を治せるため使用頻度が高い「きいろビードロ」が使い捨てなのは不便。もっとも入手には通信が必須のため、通信で道具を移送してまでやりこもうとする物好きなプレイヤー以外は気になりにくいが。
  • ストーリー攻略上のテンポの悪さ
    • パートナーが邪魔。移動の際はパートナーも後ろについてくるが、引き返すときにパートナーに引っかかるので鬱陶しい。本作は全体的に通路が狭いためなおさらこの欠点が際立っている。
    • パソコンの前でしかレポートが書けない仕様
      • 一応、ダンジョン内にも設置されているがその数は十分とは言いがたい。
      • 敵とパソコン/回復ポイントの距離が離れている箇所が多く、移動が遅めなのと相まって不便なだけの仕様になっている。ダークポケモンを厳選する際にも支障が出ている。
    • 戦闘のテンポが悪い。ポケモンが1匹場に出るごとにいちいち演出が入り、戦闘開始から操作可能になるまで20秒近くかかる。
    • なお、ダークポケモン研究所は上記のすべての欠点に加え回復ポイントがない。パソコンはあるが入り口に1個しかなく、ボスまで距離が遠いと散々。一応、本家と同じくパソコンに預けることで回復はできる。
    • また、エンディングはやや長いにもかかわらず、本家と違ってすべて見終わるまでセーブできない。そのため、リセットして飛ばすこともできない。2周目以降も同様。
  • 「攻略メモ」の問題
    • 本編およびスタジアムの「ポケモンずかん」に該当するツール。戦闘で出会ったポケモンのデータや姿の確認、スタジアムのずかんのようにポケモンを色々なアングルから見る事ができるが……。
      • 3Dモデルにかかっている影が暗すぎる事がある。足の裏など接地部分だけならまだしも、クチートの顔など不可解な部分が暗いことも。
      • 攻略メモは新しいポケモンを見つけても、特定の場所で更新しないと反映されないため面倒。さらに今作で登場しないポケモンを攻略メモに登録するためには、GBAから転送する必要がある。
  • 最初のタイトルが出てるときに放置するとデモが流れるのだが、そこでストーリーの一部をネタバレしてしまっている。
    • これは続編でも同じだったりする…。さすがに最終盤の展開は流れないが。

対戦モードの問題点

  • 前作『ポケモンスタジアム金銀』にあったミニゲームや資料集、詰将棋形式のバトルなどほとんどが消滅し、さらに対戦モードの数も乏しい。
    • NPCとのフリー対戦モードもない。
  • レンタルポケモンはいないため、対戦用のポケモンはシナリオモードかGBAで育てたポケモンを使うしかない。
    • シナリオモード単体では使えるポケモンは大幅に限られてはいるが、メタグロスや三犬など、最低限対戦で使えそうなポケモンや道具は揃えることはできる。
  • NPC対戦用のスタジアムモードは、終盤禁止級のカイオーガ・グラードン・レックウザ・「こころのしずく」持ちのラティ兄妹など強いポケモンを適当に配置しただけで練りこみ不足。ストーリーでは実戦級のコンボを使うトレーナーが多いのに、どうしてこちらでは手を抜いたのか。
  • 登録したパーティを保存することが出来なくなった。
    • 機能自体はあるが、コロシアム対戦やバトル山100人抜きで使えるくらいで、対人戦では使用不可能。しかも1つしか登録できないので、ルールごとに再登録するのが面倒。
  • シャドーボールを覚えたベトベトンなど、不正なポケモンを使うトレーナーもいる。

ポリゴンの問題

  • 第二世代までのポケモン(フシギダネ~セレビィ)は一部を除き『ポケモンスタジアム』シリーズのポリゴンを流用している。
    • 流用した割に、コイル系やポリゴンの瀕死モーションが変更されている。それらは初期の設定が固まっていない作品だったために奇想天外なモーションになっていたので事情はわからなくもないが、不評の声は多い。
  • 人間キャラのポリゴンの質もよくない。ポリゴンモデリングが貧相で、ゲームキューブにも拘らず、とにかくかくかくっぷりが目立つ(ドアップになるシーンがあるのでなおさら目立つ)。

バグ・不具合

  • ポリゴンモデルを流用したのが原因か、ギャラドスやプテラが登場するとフリーズすることがある。
    • シナリオ上でギャラドスを使用するトレーナーがいるため、嫌でもフリーズの危険と隣合わせで攻略しなければならない。
  • 空中に飛び上がる技「そらをとぶ」を使ったポケモンが羽ばたかない(地上待機モーションのまま)ことがある、ワタッコなどの一部ポケモンの影が四角になっているなど演出上気になる点もある。
  • ツチニンからテッカニンに進化するタイミングでのみヌケニンが覚えられる技が不正扱いされる。表示が赤くなるだけで使用は可能だが。
    • やや特殊な手順なので把握しきれなかったのか……と思いきや、この方法でしか覚えられない技を覚えたヌケニンを実際にNPCが使用している
  • とある手順を踏むことで捕獲用ボールを消費せずに投げられる
    • これを利用すればボール代が浮くので金策がやや楽になり、マスターボール入手後は捕獲に苦戦することはなくなる。

総評

今作は傑作である『ポケスタ金銀』の後継作として発売前からはかなりの期待をされていた。
しかしいざ発売されてみると、テンポは非常に悪く戦闘は劣化しすぎ、対戦モードが少なすぎる、ストーリーモードの難易度などの問題でユーザーが後悔していたのは言うまでもない。
金銀のポケモンやレアなきのみが入手できる「ゲームがおまけ」状態に陥っており、対戦ユーザー以外は振り向かない作品ですらあった。

後にスナッチの楽しさや素晴らしい音楽、本家では実現不可能なダークで奥深い世界観やストーリーが再注目され、現在では「後一歩工夫すれば良作になっていたかもしれない、惜しいゲーム」という評価を受けるに至っている。
ポケモンの対戦ツールとして買うのは絶対にお勧めできないが、ポケモンのRPGとしてなら購入する価値はあると言って差し支えないところに落ち着いた。
…ただしプレイの際、テンポの悪さなどの粗には目を瞑ることが求められるが。


余談・その後の展開

  • 開発のジニアス・ソノリティは今作の続編『ポケモンXD 闇の旋風 ダーク・ルギア?』や『ポケモントローゼ』『ポケモンバトルレボリューション』などの新作を出しているが、どの作品も微妙に何か抜けているため、高い評価はされていない。なお、BGMに関してはいずれも好評である。
    • 本作の開発スタッフインタビューによればジニアス曰く「ポケモンのエキスパートがうちの会社にはいなかった」とのこと。本作の出来の微妙さを裏付ける発言ではあるが、この作品だけでは済んでないようなのであまり笑えない発言かもしれない。
    • しかしながら反省すべきところは確実に反省しており、徐々に作品の質は上がっているようなので今後は期待できるだろう。
  • 現在の本作のポケモン収集ツールとしての価値について
    • 第三世代では『RS』と本作の後に発売された『FRLG』『エメラルド』だけで全国図鑑完成に必要なすべてのポケモンが入手可能になり、本作がなくても全国図鑑完成ができるようになっている。
      • ただし、ジョウト御三家入手には『エメラルド』でホウエン図鑑完成を3周、三犬入手には『FRLG』でネットワークマシン完成を計3周しなければならないため、効率では本作を組み合わせたほうが勝っている。
    • 第四世代以降では『金銀』のリメイク『HGSS』が発売されたことで図鑑完成における本作の価値は完全になくなった
    • 三犬は注釈にある通り第三世代では本作でしか厳選できない事情がある。そのため『エメラルド』のバトルフロンティア攻略をする際には未だに需要がある。
      また、ホウオウ・セレビィは図鑑完成に必須ではないものの、ホウオウは第三世代のソフトでは本作が唯一、セレビィは幻のポケモンゆえに第三世代以降も予約特典連動ディスクさえあれば確実に入手できるため、まったく価値がないというわけではない。
    • 後に発売された第六世代『XY』で♀のボールが遺伝するようになったため、ポケモンをモンスターボールではないオシャレなボールに入れて使う、いわゆるオシャボ愛好家から、ジョウト御三家の♀を捕獲できる唯一の作品ということで本作に新たな需要が生まれた。
      • ただし、『SM』にて野生のジョウト御三家を入手できるようになったので現在ではこちらの価値も無くなってしまった。