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GROOVE COASTER 2 HEAVENLY FESTIVAL - (2016/07/23 (土) 18:35:41) の編集履歴(バックアップ)


GROOVE COASTER 2 HEAVENLY FESTIVAL

【ぐるーヴこーすたーつーへヴんりーふぇすてぃばる】

ジャンル 音楽体感アトラクションゲーム imageプラグインエラー : 画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。
対応機種 アーケード
発売・開発元 タイトー
稼働開始日 2015年1月22日
判定 良作
スペースインベーダーシリーズリンク
グルーヴコースターシリーズ
1~EX / 2:HEAVENLY FESTIVAL / 3:LINK FEVER


概要

タイトーの音楽ゲーム『GROOVE COASTER』がアーケードで稼働開始してから約一年(Ver1.5アップデートである『~EX』稼働から8ヶ月)経ち、Ver2.00へのメジャーバージョンアップに伴いついにタイトルリニューアルが行われた。
iOS版から一貫して黒背景に青系統の色調をベースにしたサイバーな雰囲気だったのに対し、本作では白背景に緑・黄色の色調&幾何学花型を中心としたポップなモチーフへと外観を大きく変更させる。
同時に、システム面でも大きな追加と変更が行われた。

  • ゲーム内通貨「GC(グルコ)」とショップ機能が導入
    • プレイごとにもらえるグルコを用いて楽曲、アイテム、スキン、アバターを購入できるようになった。
    • ショップの解禁曲はミュージックパネルでの解禁曲とは別に用意されており、総じて一癖あるラインナップ。今作のラスボス格であるあの曲もこの中の一つ。
    • これまでレベルアップやプレイごとにランダムで入手出来ていた各種アイテムは通常プレイでは一切手に入らなくなり、任意選択でグルコと引き換え購入するかイベント報酬で手に入れるかのどちらかになった。
    • ミュージックパネル解禁曲を全て解禁していた場合、そのプレイで手に入れたパネル一枚ごとに20グルコが手に入る。
    • スキン・アバターやアイテムにも新しい種類が追加されている。高額またはイベントの上位報酬だが、プレイヤーの操作に関係なくキー音とアドリブ音が再生される*1アイテム「PERFECT PLAYER」や同時押しターゲットを片押しターゲットに変更する「ONE HAND」、Ver2.0.4では10MISSでプレイを打ち切るがクリア時のボーナスグルコがやや大きめ*2の「BREAK」が追加されている。
  • 各種やりこみ要素の拡充
    • S、S+、S++、ノーミス、フルチェインを達成した譜面の数がリワード画面に表示され一目で確認できるようになった。
    • 楽曲ソート機能に平均スコア順が追加。スコアを詰め切れていない曲を選びやすくなっている。
    • 「全譜面S評価」のMaster/先生称号、「全譜面S++評価」のKing/大王称号、「全譜面で理論値達成」のGod/神称号、「累計プレイ数100回」のI▽称号が、殆どの楽曲ごとに追加。
      • 基本的には楽曲名の一部と組み合わせた簡素なものだが、極稀に例外もある。なお、曲毎のスコア称号にEXTRA譜面は関係しない。
      • 例)女々しい先生、独りんぼ大王、アキバ神、Burst MASTER、Origin KING、Genesis GOD、GAIDEN MASTER
  • 楽曲ジャンルの細分化
    • J-POPが「ポップス」「アニメ」に、GAMEが「ゲーム」「東方アレンジ」へと分離し合計7ジャンルに。
  • 曲別ランキングの実装
    • マイページの追加機能として、各曲の譜面ごとの順位を確認できるようになった。
  • 「本日のスタンプカード」
    • 日毎のプレイ回数に応じてアイテムやグルコ、ミュージックパネルなどが追加でもらえる。
    • 基本的に内容は一定期間ごとに変更されており、ある期間中は全マスがミュージックパネル…といったときもあった。
      • いわゆるログインボーナスに類するものだが、ほぼ共通して日毎の初回プレイだけは何ももらえないようになっている。
  • 既存ステージの判定調整
    • 楽曲ごとに設定されていた判定時間が一定範囲より狭くならないよう調整された。
    • 前作で指摘されていた判定ズレと呼ばれていた問題も、アップデート毎に随時調整されていった。
  • もちろん前作までと同様に、早めのペースでの楽曲追加、多様なコンテンツとのイベントプレイが定期的に開催されている。

評価点

  • カスタマイズ要素増加
    • 前作まではイベントに積極的に参加しない限り、クリア曲数やプレイ回数などといったやりこみ部分を評価するものしか用意されていなかった。
    • 本作からはグルコによってアバターやヒットエフェクトの解禁がある程度自由になった他、好きな曲の名前を使った称号という形でカスタマイズの幅も広がっている。
    • 一方でイベントで得られる称号も装飾が派手になったりその内容の濃さも以前より増している。
      • イベント報酬が大半とはいえ、ジャケットやコース演出に出てくるキャラの多くもアバターとして使用可能。
  • 深化したオリジナル楽曲
    • 前作ほどのペースではなかったものの、追加されたオリジナル曲はいずれも特徴的。
    • HARDCORE TANO*CのメンバーであるMassive New Krewやaranによる重厚な楽曲から始まり、M.S.S Projectのキャッチーなインスト、また天下一音ゲ祭第二弾では"BMS勢"のxiによるアートコア、終期では佐野電磁・加藤浩義(ノイジークローク・NRG factory)のタッグによるEDMなど、書き下ろし楽曲の面子はなかなかに豪華。
    • t+pazolite、Tatsh、IOSYSの面々なども前作から引き続き新曲を提供している。
  • 曲解禁の大幅緩和
    • もともと楽曲解禁のハードルに関しては全音ゲー機種の中でも低めだった*3方だが、本作でミュージックパネルは通常2枚・別モードで3枚という設定が確立されている。終期はなんと1プレイ4~5枚という大サービス。
      • ただしグルコの収入に関しては腕前に大きく依存しやすく、グルコ購入曲に関してもパネル解禁曲より平均的に高難易度でマニアック向けという傾向が強い。
        難化アイテム使用によるクリア時のボーナスや、イベント報酬としてグルコ取得値を倍増させるアイテムは健在。
    • 後期は人気のあるオリジナル曲や、隠しだった一部の東方アレンジ・ボーカロイド楽曲がなんと無条件開放。40曲近くがカード未使用者でも触れられるようになった。
  • 譜面の演出性の強化
    • 当初から他の音ゲーにはできない演出性の高さが評価されている本シリーズだが、開発側の慣れもあるのか、前作以上に大胆かつ繊細な表現をしているコースが増えている。
      • このVerの新曲として登場した、『ダライアスバースト』シリーズが誇る名曲「The world of spirit」もその一つ。アナザークロニクルのシルバーホーク4機種全てとボス戦艦達の多くがワイヤーフレーム姿ながら勢揃いして同作の魅力を明確に表現し、好評を得たコースの一つとなった。
    • 問題とされている譜面の視認性については、「極端にカメラが寄ったり回転する」といった手法を平均的には少なくしていっている。
  • 判定調整によるプレイ感覚の向上
    • 目で頼れる部分の少ない本作では楽曲にノッて直感的に押せる事が前提である。そのため判定タイミングのズレや狭さは理不尽とも取れる面があったが、
      本作アップデートで判定幅が必ず一定範囲確保されたことによって大きく緩和された。
    • 仮にも一度世に出した譜面を変えるのはどうなのだ、それまでの努力はどうなるのだという不満の声もあるが、それよりも正常な判定のもとでプレイする楽しさや快適さを重視するプレイヤーは多かったことだろう。

賛否両論点

  • レベル制廃止
    • プレイ回数とプレイ内容で経験値を得て各種アバターやアイテムを手に入れるレベル制は完全に廃止となった。
      • やりこみ指標のひとつでもあったが、名前や称号などと一緒に表示されていたため、「クレジット数を晒されているようだ」と不満に思う声もあった。 とはいえなにかしらの腕前の指標が欲しいという人もいれば、隠せたとしても数値で測られるのは嫌*4という人もおり賛否両論の要素だったことは否めない。
    • なお、2になってからアバターとスキンのショップが解放されるVer2.0.4まで4ヶ月の開きがあり、その間イベントのアバターと称号以外にカスタマイズ要素を増やす手段がなかった。Ver1.xxのプレイ回数が少なかった者にとってはかなり手痛い。
    • 前作までが過剰供給だったともいえるが、アイテム自体も自由に選択できるとはいえ入手効率は大きく下がっている。

批判点

  • 追加曲のジャンルの偏り・シリーズ初の削除曲
    • AC版稼働開始から収録されていた「JUMPER」「アルクアラウンド」の2曲が削除された。
      開始して以来初めての削除曲であり、やはり権利関係上の問題だと思われるが、悲しむ声もある。
    • このアニメ・ポップスジャンルには、本バージョン開始の2015年1月22日以降から次回リニューアルまで1曲も追加されることはなかった。
      そのこともあり、全体的に版権曲の収録は主にボーカロイド・ゲーム・東方アレンジジャンルへの偏りが著しい。
    • 版権管理などの複雑な事情が伴うためにハードルは高いほか、開発側も削除曲はなるべく作りたくないとしていることから、この先もアニメ・ポップスジャンルの充実は難しいものと考えられる。それでも、もう少し何とかならないのかという声も大きい。
  • ショップ自体のとっつきにくさ
    • ショップ機能はインターネット上のマイページからしかアクセスできない。
      • さらにセキュリティの観点上から、本作以降マイページ利用にはNESiCA.netへの登録が必須となっており、導入がやや煩雑になっている。
    • ゲーム筐体上でGCを消費できず、楽曲購入すら行えないという点が問題視されている。
  • 視認性の向上による既存曲と新曲の難易度表記にできた乖離
    • 2の新曲における譜面の視認性は向上したが、それによって、旧曲の難易度表記に差が生まれてしまっている。
      例えば、2で追加された低難度曲の「morning haze」、「待チ人ハ来ズ。」は激しいカメラ移動が少ないコースになっている。
      またSIMPLE/NORMAL譜面ではカメラ移動やコースの変則性をやや控えめにしたり、ノーツの色を種類ごとに固定するといった、初心者がとっつきやすくするための措置が行われるようになった。
      一方、旧曲の「ブリキノダンス」、「ウサテイ2013」についてはカメラ移動が激しく、飛来ノーツなどの演出も多い。
      上記の四曲はいずれもSIMPLE難易度は2。実際にプレイしてみても譜面の難易度は明らかに差がある。
    • 曲によっては難易度1の譜面が難易度4の譜面より演出が激しく難しいなど、初見プレイヤーには混乱する難易度表記が少なくない*5
    • このことから、旧曲のSIMPLE/NORMAL譜面を中心に難易度の改正・演出やカメラワークの改善などを行ってほしいという意見もある。
  • チュートリアルが前作から変更されていない
    • 前作同様、AD-LIBについての説明が曲間のTIPSで仄めかされる程度。一応の隠し要素ということにはなっているものの、存在を知らないままにプレイし続ける人も少なくない。

総評

前作の評価された部分をより強化し、問題とされていた部分も改善していった順当なバージョンアップといえる。
増えに増えた解禁要素も各種緩和を図っており、新規にも優しい構成を盤石のものとしている。

余談

  • iOS版の開発から携わり、ハード面でのサポートもしていたサウンドディレクターのCOSIOこと小塩広和氏は、本作や『ダライアスバースト クロニクルセイバーズ』などの制作を最後に、10月いっぱいでタイトーを退社しフリーランスとなった。
    • フリーランスになっても関係は継続するようで、その場で口約束ではあるもののVer3に向けた新曲の依頼を行っていた。
    • 後任はZUNTATAの新メンバーMASAKIこと森正樹。完全な新人というわけではなく、以前から本作のキー音制作などという形で関わっていたらしい。
  • AC版開始以降、新曲の追加以外大きな動きのなかったiOSアプリの「グルーヴコースターゼロ」だったが、本作稼働中に「グルーヴコースター2 オリジナルスタイル」として大幅リニューアルを果たした。同時にAndroid版も配信。
    • 様々な仕様改善がなされた大型アップデートだが、中でもAC版からの譜面を含めた様々な要素が逆輸入されており、スマートデバイス上でもアーケード版の譜面を楽しむことができるようになった点は大きい。