「イースI・II」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
イースI・II - (2017/10/05 (木) 13:21:51) の編集履歴(バックアップ)
イースI・II
【いーすわんつー】
ジャンル
|
アクションRPG
|
|
対応機種
|
PCエンジン CD-ROM2
|
発売元
|
ハドソン
|
開発元
|
ハドソン アルファ・システム
|
発売日
|
1989年12月21日
|
価格
|
7,800円(税別)
|
配信
|
バーチャルコンソール:2007年10月16日/800Wiiポイント PCエンジンアーカイブス:2010年11月17日/800円
|
判定
|
良作
|
イースシリーズリンク
|
概要
多数の機種に移植されてきた『イース』『イースII』の初となるカップリング移植。
CD-ROMの大容量を活かした演出から歴代最高の移植として語り継がれてきた作品である。
グラフィックに原作のスタッフが参加し、CD-DAによる豪華な音楽、豪華声優陣によりほぼフルボイスで展開するイベント等、当時の移植の中でもひときわ高いクオリティと完成度を誇っていた。
特徴・評価点
-
ビジュアル面の強化。
-
グラフィックは美麗になり、背景の演出も追加。
-
重要キャラとの会話ではフェイスアップのグラフィックが表示され、音声に合わせて口パクをする。
-
この演出は後の『イースエターナル』などでも取り入れられる定番演出となった。
-
当時としては美麗なビジュアルシーンも用意され、OPでは銀河万丈氏のナレーションに合わせてイースの衰退の歴史が語られるデモが用意されている。
-
CD-ROMながらロードもほとんどないため快適なプレイが可能。
-
CD-DAによる音楽。
-
当然ながらオリジナルより高音質で収録されており、非常に聴き応えがある。米光亮氏によるアレンジも好評。
-
パスワード入力画面である名前を入れるとサウンドテストが出来るおまけも。
-
後のカップリング移植と異なり、ストーリーを完全に一本化。
-
元々前・後編として製作されており、いきなり『II』をプレイしても分かりにくい展開があるため、この措置は英断と言えよう。
-
また、この仕様により装備や所持金を除くステータスが『II』に引き継がれるようになったため、ゲームバランスは大きく変更されている。
-
『I』は早々にレベルがカンストするので終盤はシビアなアクションゲームとなるが、本作ではレベルアップという救済措置がある。
-
レベルもそのまま引き継がれるため、『II』になるとまたレベル1から…という不自然な描写がだいぶ緩和された。
-
ゲームシステム的な変更は存在しないが、ダンジョンの演出などは変更されており新鮮味がある。ダームの塔の鏡の階の床など、以降のイースリメイクに輸入された演出も。
-
特に『II』後半の舞台となるサルモン神殿の「女神の王宮」は外観が独立し、敵が一定距離以内に近付いてこないようになった。
問題点
-
前述の通り、いきなり『II』から始める事が出来ない。
-
この弊害として、原作で話題となった『II』のOPが『I』クリア直後にしか見られなくなった。いつでも見たい場合は、『I』のラスボス直前のデータを取っておく必要がある。
-
ほぼ原作を踏襲しつつオリジナルカットを加えており、当時の移植版の中でも見ごたえのあるものになっているだけに残念な点である。
容量及び技術上の問題
-
『I』のエンディングが収録されていない。BGMの「THE MORNING GROW」も未収録。
-
ボイス付のイベントの際、音楽と音声を同時に鳴らせなかったため、苦肉の策として音声の裏に音量を絞ったBGMを収録するという手法を使っている。
-
このため、ボイスが流れる直前にBGMがストップしてしまい不自然になってしまった。しかし、音声の裏のBGMは盛り上がるタイミングが選ばれている。
-
『II』のOP部分、リリアと初対面の場面がボイスイベントになっていて使用BGM単体の収録はされておらず、サウンドテストで聴けるこの場面のBGMは内蔵音源バージョンである。イベントで流れるBGMがサウンドテストで聴けず、かといって内蔵音源バージョンはゲーム中では聴けない……という何ともいえない状態になっている。
-
ボイスイベント中はセリフが文字では表示されないので、音声を聞き取らないと内容がわからない。
-
これは顔グラフィックと文字ウィンドウを両立できなかったため。しかし顔グラが出ないボイスにも文字が付かない。
-
いずれも、当時としては仕方のなかった部分である。後のシリーズでは改善されている。
総評
当時の移植の中でも群を抜いたビジュアルと『I』『II』を同時に楽しめることから良移植として多くのプレイヤーに評価された。
本作以降、二作を同梱した移植は『イースI・II完全版』まで出ていなかったため、長い間人気がつづく一作となった。