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Fallout 4 - (2020/07/18 (土) 20:20:23) の編集履歴(バックアップ)


Fallout 4

【ふぉーるあうと ふぉー】

ジャンル RPG



対応機種 Windows
プレイステーション4
XboxOne
発売元 ゼニマックス アジア
開発元 Bethesda Game Studio
発売日 2015年12月17日
定価 通常版:8,618円
Pip-Boyエディション:18,144円
レーティング CERO:Z(18才以上対象)
判定 良作
ポイント シューター&ハクスラ&建築要素の強化
ロールプレイの自由度に陰りあり
今回は規制での変更なし
相変わらずの誤訳、超訳
ゼニアジの対応悪し
Falloutシリーズリンク



人は過ちを繰り返す



ストーリー

2077年10月23日
ボストンのサンクチュアリ・ヒルズに住む若い夫婦の元にVault-Tec社からの使者が現れた。付近に設置された地下シェルターVault 111への入居が一家全員に認められたという通知を告げに来たのであった。
その通知を受け取った直後、アメリカ本土に核が落とされているというニュースが流れ、夫婦は赤子の息子、ショーンを連れてさっそくVaultに避難する。
Vault-Tecのスタッフの誘導で夫婦はそれぞれ冷凍冬眠装置カプセルに入れられ、赤子はパートナーと共にカプセルに入ることに。
すぐに装置が起動し、彼らは意識を失った。

核が落とされどのくらい過ぎたのかがわからないくらいの時間が過ぎたある日、外部からの操作によって一時的に冷凍冬眠が解除される。
目覚めた主人公がカプセル越しに目にしたのは、謎の男と女が主人公のパートナーと共にいる赤子を強引に奪い、パートナーが銃殺される場面であった。
主人公は再び冷凍冬眠に入ってしまい、謎の男は意識を失いかけた主人公に向けて意味深な言葉を呟く——「まだ代わりはある」。

核戦争からちょうど210年後の2287年10月23日。主人公は目を醒ましカプセルから出る。
変わり果てたパートナーの遺体の前で仇討ちとショーンを連れ戻すことを誓い、唯一の生存者(Sole Survivor)としてVault 111から脱出したのであった。

概要

『The Elder Scrolls』シリーズと双璧を成すベセスダの人気オープンワールドRPG。
同じくベセスダ開発の『Fallout 3』の直接的な続編だが、ストーリー上の繋がりはかなり薄い。 同様に、実質的な前作にあたるオブシディアン開発の『Fallout New Vegas』とも物語がほぼ関連していないため、本作は単品でも楽しむことができる。

核戦争で崩壊したレトロフューチャーなアメリカが舞台という独特な世界観は健在。
そしてWin版恒例のMODコミュニティも相変わらず活発。公式の製作キットがまだリリースされていない時期から多数のMODが製作され、現在でもその勢いは衰えていない。
更に今回からCS版でのMOD対応をも本格的に開始し、より自由に遊べるゲームとしての魅力が強まった。

Skyrim』が『Fallout 3』『Fallout New Vegas?』のシステムを多数取り入れていたのと同じように、武具のCNDシステム廃止・キルムーブの大幅な増加・ロード画面の演出等、本作もまた『Skyrim』の影響を強く受けている。

前作からの変更点

  • レベルシステムの変化
    • 今回はレベルの上限が廃止された。また、スキル値の概念も無くなり、Perk取得条件はSPECIALの数値のみとなっている。
      • これに伴い低スキル時に銃がまともに当たらないといった問題はなくなった。
  • 武器・防具関連
    • 武器は『New Vegas』から大幅に減少し『Fallout 3』と同程度の数になったが、その代わり『New Vegas』の武器改造システムが本格的に導入された。
    • グリップ・レシーバー・サイト・マガジンと豊富なパーツが用意され、これを好きなように組み合わせて好みの武器を制作可能。
      更に、同じ武器でも改造によって特性そのものが変化もする。例えば「パイプピストル」という武器は、ストックの装着で「パイプライフル」に、オートレシーバーの装着で「パイプサブマシンガン」に、スコープ+ストックで「パイプスナイパーライフル」に変化する。武器1つにも多面性があり、実質的に武器種は『Fallout 3』から大きく増加したと言っていい。
    • 同様に防具も改造で防御力の上昇や隠密性の向上、所持重量増加等、様々な効果を付与できる。
      また、防具は前作までの「全身+頭部+顔」ではなく、「服+胴+右腕+左腕+右脚+左脚+頭部+顔」と大きく細分化された。
      これによって様々な防具を好きなように装着可能になり、実用面だけでなく外観的もある程度カスタマイズできるように。
    • 「武器・防具の耐久度システムの廃止」という『Skyrim』の仕様が輸入された。
      これによって「耐久度の関係でレア武器などが気軽に使えない」という従来の不満が解消された。
  • シューター要素の更なる強化
    • 『New Vegas』の武器MODやアイアンサイトは勿論、前述の銃撃やCND廃止、敵AIの能力向上によって戦闘はよりFPS・TPSらしい調整が行われている。
    • 『Fallout 3』ではあまりに強力すぎていた、『New Vegas』では逆に弱体化しすぎたV.A.T.Sも、程良いバランスに調整されている。
  • クリティカルの仕様変更
    • クリティカルが従来の「Luck依存のランダム発生」から「V.A.T.S使用時限定のアクティブスキル」に変更された。
      敵をV.A.T.Sで攻撃した際に上昇するクリティカルゲージを満タンにする事で、任意に一度だけ確実に使用できる。
    • 発動すると壁等で邪魔されない以外は必中になるので、必勝を期す際にはうってつけ。Perkで複数回分メーターを溜める事もできる。
  • ハクスラ要素の追加
    • 時折現れる"伝説(Legendary)"と付いた敵は特殊な効果の付いた武具を持っている。効果は役に立たないものからぶっ壊れまで多種多様。
      • 伝説の敵だけあって通常の個体より手強い為、十分な下準備が必要。他にも、伝説装備の一部はお宝として固定配置されていたり報酬として貰えたり、果ては店売りされていたりもする。
  • RAD(放射能汚染)の仕様変更
    • これまで*1と異なり、汚染されると即座に体力の最大値を削られるためステータス異常としての脅威度が上昇。
      今回は一部クリーチャーやフェラル・グールの攻撃にRADダメージも追加され、体力の低い序盤はかなりの脅威となる。
      一部の敵はRADダメージのみの銃で攻撃してくる上にその威力も高く、これまで以上にRADアウェイ等の重要性が増した。
    • 一方でNPCにもRADダメージが有効となったため、汚染区域にRAD耐性の無い敵を誘い込んだり、NPCの謀殺に利用できるようになった。
  • コンパニオン
    • 数だけ多くて無個性だった『Skyrim』の反省か、本作では『New Vegas』と同じくバックストーリーが用意された様々なキャラを仲間にできる。
      また、コンパニオンのほとんどに、固有クエスト・関連クエストが用意されている。
    • 連れ歩いている際に友好値が増減する様になり、一定以上友好になる事で各仲間からPerkを得られるようになった。
      連れ歩いている時のみ有効だった『New Vegas』と違い、今回は一度取得したら永続的に効果を発揮する。
    • 今作の仲間はロケーション毎の会話が豊富にあり、共に旅をする事でどの様な性格か、何を知っているかがなんとなく見えてくる。
    • 例外を除き不死属性となったため、安心して連れまわせる。
    • 口説く事で恋人関係にもなる。同性同士でもロマンスが可能なので、女性同士で百合百合するもよし、男性同士でアド・ヴィクトリアムするもよし。
      • 『Skyrim』でも同性との結婚は可能だったが『Fallout』シリーズでは初。
  • カルマ制の廃止
    • 善行・悪行はコンパニオンの好感度に影響する一時的な物になった。
  • 動作の安定化
    • MODなしなら『Skyrim』の時点でかなり安定した動作だったが、今回はスペックさえ満たせば更にCTD*2の発生率が低下している。
    • CS版もwin版ほどではないにせよ、従来と比較して「プレイ時間に比例して発生頻度が高まるフリーズ」「操作不能になるまでコマ落ちする」「ガクガクなフレームレート」等の問題点は大きく改善されている。絶対に発生しないというわけではないが。
  • 規制無し
    • 今までは規制により、日本語版では不可能だった人体欠損表現の描写が可能になった。
      ただ完全な規制無しという訳ではなく、歩兵用核バズーカのFat Manが引き続きヌカランチャーになっていたり、人食いPerkのカニバルがミスティックパワーになっていたりと細かい表現は異なっている。
    • なお、PC版についてはパッケージ版/DL版ともCEROの審査は通さずに発売している*3

評価点

  • 高い移動の自由度と作りこまれた世界観
    • 『New Vegas』でいの一番に指摘された一本道を強いる方向性は無くなり、『Skyrim』のようにスタート地点から遠くなる&レベルが上がる毎に敵が徐々に強くなるという設定になった。
    • グラフィックが格段に進化しており、荒廃しながらも美しい世界を堪能できる。
      • 光の射し込みをシミュレートするゴッドレイ機能が搭載され、太陽の存在感が増した。
      • 『Skyrim』までは雨が屋根を貫通して降っていたが、今作ではレインオクルージョンという機能が追加され、貫通しなくなった*4などリアリティが強化。
    • パワーアーマーに飛行モジュールを取り付けると短時間だが空を飛べる。中に入れない建物の屋根から狙撃といった事ができる様になり、普段と異なるプレイスタイルで遊ぶことができる。
  • ロケーションの豊富さ
    • 独立戦争博物館の中でミニッツメンを手助けしたりフリーダムトレイルを歩いてレールロードを探したりと、マサチューセッツの歴史と結びついた場所やクエストがある。
    • 某2199とその原作をリスペクトしたネタとして登場する、ビルの上に座礁した帆船*5等、小ネタも歴史要素が多い。
    • 中盤で訪れるダイアモンドシティー周辺は『Fallout 3』の議事堂周辺に似た荒れ模様だがロケーションが豊富で、立ち並ぶ高層ビルの屋上から眺めを楽しむことができる他高速道路に陣取る敵集団との戦闘等、3からさらに高さを活かしたMAP作りがされ、なんといっても封鎖されておらず迷いにくい為散策が容易。
    • OPの核の爆心地周辺は作中で「輝きの海」と呼ばれ、本作中盤で訪れる地域となる。常に放射能嵐が発生する非常に危険な環境であるのみならず、高レベルモンスターも数多く生息する難関。
  • 派閥と物語
    • 『Fallout 3』の一部で登場した「人間と見分けのつかない人造人間」が今作では大々的なテーマとなっている。
    • 民兵組織である「ミニッツメン*6」、テクノロジーの収拾を目的とする「B.O.S(ブラザーフッド・オブ・スティール)」、人造人間の自由と解放のために戦う地下組織「レールロード*7」、人造人間の製造者である科学者集団「インスティチュート」の4つの派閥が登場し、主人公はそのすべてかいずれかに所属することになる。
  • クラフト
    • 今作から登場したシステム。
    • 素材を集め拠点となる場所でベッドや椅子、建物から水道など建築物のほか冒険に役立つ様々なアイテムも作れる。
      • 今まではただの換金アイテムだったジャンク品が重要素材に一転し、ほとんどがクラフト材料として有用になった。
      • 素材そのものも買う事は出来るが、一部の素材はそもそも売ってなかったり直接買うより対応するジャンク品を買って分解する方が安くて早くて楽だったりもする為、ジャンク屋の価値も急上昇。
    • 武器・防具の改造が可能となり、好きな名前を付けることも可能に。
    • パワーアーマーもそれぞれの部品を改造したり、スキンの変更ができるようになった。
  • 街づくり
    • 「荒れ果てた大地の再建」もテーマの一つに据えられており、本作はクラフトの一環として村や街を作ることができる。
      • 必須要素ではないのでほぼスルーすることも可能。しかし実用性も自由度も高すぎて、冒険そっちのけで街づくりに専念する人は多い。屋台が立ち並ぶ歓楽街からコンクリートとタレットで固められた要塞まで自由に建築できる。
    • 『Skyrim』のDLC「Hearthfire」を大きく発展させたような要素。「TES Construction Set/Fallout 3 SDK(通称GECK)」や「Creation Kit」等、公式提供しているMOD制作ツールのノウハウがゲーム内に組み込まれている。
    • 各地には居住地とできる場所が存在しており、そういった土地の問題を解決することで建設が可能となる。
    • 集落に住み着いた入植者に店を任せたり、拠点防衛を任命したりできる。
    • 持ち物を自由に交換して装備させられる。奇麗なスーツで身なりを整えたり、レイダーの装備で世紀末感を演出したりもできる。
    • 発展した町は襲撃されることもあるので防備を整えたり、時には自ら防衛に向かわなければならないことも。
  • パワーアーマー
    • 本シリーズの世界観設定において「単独で街1つを破壊できる」と言われていた重要装備。『Fallout 3』『New Vegas』では正直ちょっと硬い鎧くらいの扱いだったが今回はかなり強化されている。
    • パワーアーマーフレームの各部にパーツを付け、乗り込む事で起動するパワードスーツになった。動力が必要なので序盤はおいそれと使えないが、無改造状態でも極めて頑丈。
    • アーマー着脱のモーションも非常に凝ったものになっている。起動にはフュージョン・コアが必要であり、各地で入手して本体に装着する必要がある。
    • 頭・胴・右腕・左腕・右足・左足の部位に分かれており、それぞれが別個のパーツとして耐久値が設定されている。
    • パワーアーマーステーションにて部位ごとにカスタマイズが可能であり、修理もここで行う。街中やちょっとした小屋にもステーションがあるので、素材さえ所持していればいちいち拠点に帰らなくてもその場で修理できる。
      • たまにレイダー集団が自力で建造した独自のパワーアーマーを装備している事があり、序盤で出会うとかなりの強敵となる。
  • 演出の強化
    • OPの映画の様な場面変化に加え、序盤のチュートリアルを兼ねたクエストではコンコードに放棄されていたパワーアーマーとミニガンで敵を蹴散らしたりと、様々な場面で記憶に残る演出がなされている。
    • ただしこれらの、特にOPのシーンによりRP要素に一部問題が発生してしまう場合も。
    • 天候が大幅に変わるようになった。晴れや雨、くもりに霧といった普通な物に加え、Falloutらしく範囲内を汚染する放射能嵐という恐ろしい物まで。
  • コンパニオン
    • 『Fallout 3』以上に個性的なコンパニオンが数多く登場する。
      • 正義に燃える女新聞記者パイパー・ライト、特徴的な外見を持つ探偵ニック・バレンタイン、主人に忠実なロボット執事のコズワース等々。
      • 前作とは別キャラだが、ドッグミートも犬種を変えて続投。人間以上に作り込まれており、可愛らしくて飽きない。
  • 成長システム
    • 前作のスキルポイントがIntに依存する仕様は廃止され、それぞれのS.P.E.C.I.A.Lの数値を上げていくことで取得できるPerkも増える仕様に変更された。そのためInt極振りでキャラメイクする必要がなくなり、取り返しのつかない要素も減った。

賛否両論点

  • 『New Vegas』より続く「主人公の設定追加」
    • 本作も『New Vegas』と同じく、主人公にはっきりとした個性やバックストーリー等が設定されており、感情移入やロールプレイを妨げている。
      しかも本作の場合、男性主人公は退役軍人のエンジニア、女性主人公は元弁護士と、経歴がより明確にされている。
      選択しなかった配偶者は夫がネイト、妻がノーラという名前に設定され、子供は必ずショーンとなりいずれも変更できない。
    • 容姿・性別はスタート時に設定できるのでプレイに大きな影響はないが、一部クエストでその設定が語られる。
      「バックボーンからしっかり作ってロールプレイングしたい」と考えているプレイヤーには気になる点となっている。
      前述の通りコンパニオンとは恋仲になれるが、既婚者かつ配偶者を亡くしたばかりなのに…と抵抗を受けるプレイヤーも少なくない
      • 一応これにはDLC「Far Harbor」において示唆される"主人公"のある裏設定により、本来OPで語られていた者とは別の存在でまっさらな人間なのではないかという疑問が提示されており、そちらの設定に基づくならばもう少しRPの幅が広がるかもしれない。
    • 加えて本作では主人公毎に固有ボイスが存在する上、1パターンしかなく変更も不可。プレイヤーによっては違和感を覚える事も。
      とは言え主人公のボイスは男女合わせて3万近くあるため、ボイスバリエーションについてはどう足掻いても不可能である。
      これについては(残念がられてはいるものの)仕方のない事だとして、プレイヤーからは概ね許容されている。
    • ただし、『New Vegas』とは違って「プレイヤーも主人公と同じく真っ白な知識量でゲームが始まる」点については、従来作を踏襲している。
      一例を挙げると、ゲーム序盤に「ドルに代わる通貨CAP*8について何も知らない主人公が不思議がる」という会話イベントが用意されている。
      明確な経歴やバックストーリー等がある事を受け入れられさすれば、RPはしにくいものの感情移入は比較的しやすい。
  • ストーリー
    • 一部強引だったりゲームの都合を強く意識させられる展開がある。
      • 特に作中に登場する勢力の1つが、作中内で問題点になっているスーパーミュータント*9を過去生産していたことや、入植者に人造人間を紛れ込ませ居住地襲撃を引き起こした件などについて、理由を問いただせないまま協力か敵対(施設ごと破壊)しなければならない。
      • いわゆる話のできない勢力ではなく主人公に対してリーダーが極めて親身に接してくれる上に、後継者に主人公を指名するので余計違和感が強くなる。*10
    • 過去作に比べ悪人プレイに徹しにくいストーリーデザインになっている。
      • 悪行を積極的に行うクエストや選択肢が無い。精々悪人を見逃す、脅迫する程度。
      • メインストーリーも4つのルートのいずれも建前上は「正義の味方」であり、過去作にあったような破滅的な未来を招いたり、全てを敵に回すようなルートは存在しない。
      • これらの不満はDLC「Far Harbor」「Nuka-World」によってある程度解消された。後者に至っては悪人ルートが正規ルートである。
  • 成長要素
    • 比較的レベルが上がりやすく、有益なPerkとそうでないPerkの差が激しい。中盤からはどれも似たようなビルドになりがち。そのため人によっては「個性がなくなる」という声も。
      • レベル上限がないため、プレイ時間が長くなるにつれ最終的には全Perkを最大にまであげられる。もっとも、すべてのS.P.E.C.I.A.Lを最大まで上げ全てのPerkを取得するまでには、『Skyrim』のLegendary Skillよろしくとてつもなく長い時間と手間がかかるので簡単に無個性化する訳ではない。
    • 3ではS.P.E.C.I.A.Lを全て10にするにはボブルヘッド*11というアイテムをあえて取得せず進めなければならないなど、予め調べておかなければ取り返しのつかない育成方法をたどる必要があったため、余計なことを気にせず育成できるという点では長所である。
    • また、各クリーチャーの最上級種はプレイヤーのレベルと連動して上限なしにレベルが上がるため(具体的にはHPが上昇する)、レベルを上げれば上げるほど強敵になる。そのため「レベルが上がり過ぎたら敵が雑魚になってしまった」という問題をある程度防いでいる。
  • 会話の選択肢
    • これまでのシリーズと異なり会話の選択肢は上下左右の4方向となった。大雑把に言って、上が質問、右が否定、下が肯定、左が曖昧*12となっている。
    • 直感的に選べるようになった反面、これから言うセリフが直接表示されないためプレイヤーの意図した内容と違う発言が出ることも多い。とくに曖昧・皮肉の場合。
    • 4つのうちどれを選んでも相手の反応が少し変わるだけでクエストが分岐することもあまりなく、実質的には一択になりがち。これもロールプレイを重視する層からは不評。
    • 説得の成功率がパーセントから色の変化によるざっくりとした表示に変更されたため、やはり具体的な成功率を知ることができない。
    • 選択肢が4つ縛りなので、過去のシリーズにあった自分のスキルやステータスで選択肢が変化・増減する要素も無くなってしまった。
      • 非常に細かい選択肢やクエストの分岐のあった『New Vegas』からはもとより、『Skyrim』や『Fallout 3』などよりも自由度は後退してしまっている。
  • 大きな街が少ない
    • 『Fallout 3』と比べると街らしい街が少なく、ダイアモンド・シティやグッドネイバー以外は集落レベルのものが点在しているのみ。
    • プレイヤー自身の手で好きなように大きな街を作れるとはいえ、前作までのような用意されたマップを探索する要素は薄まってしまっている。
  • ルート分岐が分かりづらい
    • BOSは他の勢力に比べて序盤で登場する上にエンディングまでのクエストが半分以下で数個クエストを少し進めるだけでBOSルートに突入する、そのため意図してBOSクエストを避けない限りだいたいこのルートになってしまう。前情報がない発売直後はBOSルート直行する人が大半であった。
      • 特にこのルートは『Fallout 3』では善性の派閥でその後継で同じ善性のルートだと思う人も多かった。しかし、今作では過激な組織になってしまっており、エンディングは敵派閥の非戦闘員も無差別に皆殺しにするという非常に後味の悪いもので、主人公たちが偽善的だとバッシングされ初期のこのゲームの評価を下げる一因になってしまった。
    • 逆にレールロードは秘密組織であるがゆえに導線となる人物もおらず参加方法が分かりづらい。その上ストーリー上全く絡まなくても進行できる、そのため前情報がないと参加時期を逃してしまいやすい。
  • 八方美人になりがち
    • それぞれの勢力のクエストを進めることによって何かしらの特典が得られるが、それらが強力すぎる、もしくは無ければキツい。
      • 特にレールロードのクエストを進めることで得られる「バリスティック・ウィーブ」は全裸縛りでもない限り全てのプレイスタイルに影響を与える強力なもの。
  • 服・防具関連
    • 様々な服や防具が存在するものの、種類や分類ごとに汎用性の面で極端な格差がある。
    • まず防御力をそれなりに確保したい序盤では防具と同時に着用できるインナー系の服しか選択肢に入らない。
      • 他の服は防具がほぼ着用できないため、運搬・戦闘・探索のいずれにも全く向かず、普段からの常用はしづらい。
    • 先述したバリスティックウィーブも服の物理/エネルギー耐性以外は強化できないため、お洒落の幅は広がってもやや融通が利きにくい。
      • 上記のインナー系に含まれる「Vaultスーツ」など一部が強化対象外のため、痒いところに微妙に手が届かない。
      • 合理性を考えると強化できるインナー+帽子&防具5か所という構成になりがちで、それ以外は防具のモジュールや伝説の効果を失ってしまいやすく、いろいろ不便を感じてしまう。
    • 敵が装備している防具のモジュールがバリエーションに欠ける。
      • 敵のレベルがいくつでも低ランクモジュールしか装備せず、武器と比べてドロップ品漁りの面白みに欠ける。
    • いくつかの衣類の基準が不統一。
      • 運動用の服&ガンナー防護服:脚防具が着用不可。にも関わらずNPCがこれらを着る→脚防具を読み込み着る→脚防具に服が弾かれて裸になる、という妙なバグも発生する。
      • Tシャツ&スラックス:肌着&ジーンズとかなり近い外見だが、インナーにはならず、防具が着用できない。
      • きれいなブラックスーツ:キーワード設定にミスがあるため、他の全スーツと異なりバリスティックウィーブ不可。Mk1だけ販売していることがある。
      • Vault-Tecの白衣:きれいなブラックスーツ同様、他の白衣と異なりウィーブ不可。こういう1種だけハブられるパターンは結構多い。
  • コンシューマへのmod導入
    • これまでも『Skyrim』においてトッド・ハワード氏が「出来ればCSにも導入したい」と語っていた様に、以前からwin版で親しまれているMODだが、アップデートにより2016年7月1日より、Xbox One日本語版もMOD対応化され楽しめるようになった。PS4版は2016年9月9日に無期限延期が発表された*13
      • PS4版のMODが無期限延期が発表された1ヶ月後にユーザーの声に押されてMOD対応されると発表。ただしOne版と比べると制限が強く数が非常に少ない状態である。
      • ただ、業界的にもあまり例の無い物なので手探り感が強い他、制約もPC版に比べて大きめ*14。やろうと思えば自らMODのバグを修正できたwin版と異なり修正不可能、そもそもCS版特有のMODによるバグが発生する為製作者も何が原因か分からない、といった問題が起こり、ソニーが危惧していたどおりの結果となってしまった。
      • 他にも無茶な要求を繰り返すユーザーの増加*15や他者のMODを勝手に登録するユーザー*16等の問題、3Dモデル制作に有償ソフトが必要になるほどのMOD制作環境の高度化*17問題も出てきており、PCユーザーの中には「Modder(MOD製作者)がやる気無くしていなくなるのでは」と危惧する声もある。

問題点

  • バグとフリーズ
    • 細かなものからクエストが進行不能になるものまで、バグはハードを問わず多数報告されている。
    • 現在ベセスダは致命的なバグやセーブデータそのものが壊れるバグを優先して修正しており、「報告が多数ある物を優先して修正していく」と宣言し、報告を呼びかけている。
      • とはいえ、膨大なストーリー・フラグを管理する本シリーズにおいて、バグを完全に取りきるというのは、残念ながら不可能であろう。
      • 「バグがあってもよい」と言い切れるものではないが、上記のような致命的なバグを除けば、ある程度目をつぶる必要があるのはやむを得ないことかもしれない。
    • アニメーションも『Skyrim』から改悪している部分が多く、特定の操作や三人称視点のときの動作が明らかにおかしい。
      • 三人称の着地モーションが一人称と違って異様に長く行動を制御される、方向転換が鈍くなる、一人称でボルトアクションのコッキング中に三人称視点に変えるとなぜか強制的にリロードされるなど。
      • 作業台のアニメーションも『Skyrim』より中断が遅くなっており、キャンセルしても数秒間待たされる場合がある。
  • 相変わらずの誤訳・珍訳
    • 野球のベースを「基地」と、腕を「武器」と訳する等、細かな誤訳が随所に見られる。中には「大量の砂と砂利」*18等の思わず脱力しそうな珍訳も。
    • シンス(Synth)という略語を「人造人間」と訳しているため、いくつかの違和感・問題が生じてしまっている。
      シンスは原語版における「Synthetic Humanoid」の略語であり、これを人造人間と訳するのは一種の意訳である。元が略語で我々日本人には伝わりにくいため、シンス=人造人間としたのだが、原語で分けられているシンスとアンドロイドが一纏めで人造人間とされてしまっているため原語版とニュアンスが少し異なってしまっている。本シリーズは以前より「アトミック・パルヴァライザー」を「原子破壊光線銃」と訳す等、シリーズ特有のレトロSF風な世界観を強調する意訳が行われてきたので、人造人間もその一環であると判断されている。
      問題なのはその派生種の名称であり、「人造人間パトローラー」「人造人間アサルター」とおかしな事になっている。ここは「警備兵」「突撃兵」等と略した方が自然であった。また、普段は人造人間なのに、たまに元単語の「シンス」と訳されているという表記ぶれの方も問題視されている。
    • 字幕とセリフがうまくリンクされないバグも時々起こる。大半は比較的早期に修正されたが、それでもまだ特定の場所で発生している。
    • 一応、『Skyrim』序盤の例のアレのような、会話やストーリーが根本からちんぷんかんぷんになるような誤訳は殆ど無いあたり、一応の改善を見せてはいるようだ。
    • 翻訳チームはネタバレ防止のため具体的なストーリーやその固有名詞が何を意味するものなのかを知らされずに、本国から断片的にテキストだけ送られて翻訳するらしく、ある程度の誤訳が発生するのは避けられないようだ。
      • 逆を言えば、背景事情等の各種情報をきちんと読み込めてさえいれば、誤訳の少ない高レベルの翻訳を提供できるという事でもある。
        事実、各S.P.E.C.I.A.L.の紹介ムービーやヌカワールドの日本語トレイラーは、非常に高いレベルで翻訳されている。
      • これについては『Fallout 3』『New Vegas』『The Elder Scrolls』シリーズを通じてプレイヤー側にも認知されており、ある程度の誤訳・珍訳はやむなし…とされている。
  • 練り込み不足の居住地要素
    • 麻薬的な魅力を持つ建築要素だが、欠点も多い。
    • 基本建材である木材がたいへん不足する。商人からも購入できるが、高価で序盤は難しい。ある程度の大規模な建築をしようとすると、どうしても資源が揃う中盤以降になる。
      • 木製武器を解体することである程度は供給できるが、正直言って焼け石に水。
    • 樹木は解体できるが雑草や背の高い草は除去できず、床を設置しても消えずに床パーツのモデリングと重なってはみ出すため、地上に家を作ると中が草だらけになる。土台で覆うこともできるが容量に引っかかりやすくなる
    • 人間やグールの消えない死体がある居住地が存在。敷地外に出してもご丁寧に新品の死体が再設置される。何の嫌がらせだ。
    • 床や壁は互いに接近させると勝手にスナップ(接合面同士で張り付く)するため、思うようなレイアウトでの建築が極めて困難。スナップの一時的な解除も不可。
    • 少しでも衝突判定が重なると配置できない。途中で斜めになっているような雑多な雰囲気が出せず、直線的に壁と床を繋げていくいわゆる豆腐建築になりがち。
      • 半壊状態の建築物がデフォルトで存在する場合も多いが、これらは修理も撤去もできない。上記の仕様もあるため、壁で囲うか屋根を大雑把に取り付ける大味な対処になりがち。
      • 判定そのものが不可解である例も多く、道具箱や木箱の類はオブジェクトの上にしか置けない。つまり棚を作ってもその最上段にしか箱は置けない。逆にテーブルランプはテーブルに設置できず、床にしか置けない。
    • 光源アイテムは殆どが狭い範囲を照らすものばかりで、実用面を考えると、光の届く範囲が広い裸電球か工業用壁照明の二択になってしまう。
      • 一部の居住地では裸電球を設置しても殆ど明るくならないバグがあったがver1.5で修正された。しかし上記の問題はそのままである。
    • 建築物のパーツのうち、壁には「床パーツの側面」にスナップする「外壁型」と「床パーツの上面」にスナップする「屋内の区切り型」があり、それぞれ高さが違う。どちらのタイプも一緒くたに壁カテゴリに放り込まれている上に、違いについて何の説明もない。
      • 屋内に扉付きの部屋を作れない。ドアのパーツが外壁としか接続できないため。
    • ショップが屋台タイプしか作れない。屋内にも設置可能だが看板が上に飛び出ているせいで天井の高さによっては設置できない。
    • 作れるアイテムに偏りがありすぎる。
      • ゲームで散々目にする救急箱、弾薬箱は作れない。
      • テレビやジュークボックスのような精密機械すら作れるのに、ドレッサーやキャビネットは壊れかけ、汚れたものしか作れない。
      • vanilla環境では、電球、ランプなどは作れるのに、ランタンやロウソクは作れない。居住地のテーブルに乗っているようなロウソクは土台を解体するとまとめて消滅し、再利用できない。
    • 居住地の入植者の発言がネガティブで、プレイヤーの気分を損なうものが多い。「敵のスパイじゃないだろうな」「余計なことをしに来たんじゃないだろうな」「君の危険な一面を見た。目的が自分じゃないことを祈る」などなど。入植者の住んでいる土地、家、寝床、店はすべてこちらが与えた物なのだが…恩知らず過ぎないか。
      • とある仲間を連れて行くと主人公と違って極めて親しげに話しかける為余計にイラっとする人も。
      • 普通の入植者なら僻地に移動させるなり我慢できなければ殺してしまうことも出来るが、とある不死属性持ちのキャラクターが入植者以上に口が悪くプレイヤーが作業中に接近してきてわざわざ悪態をついてくる上に仕事を任せてもサボって家の修理に精を出し、どんなに拠点を発展させてもやっぱり悪態をついてくるなどプレイヤーの神経を逆撫でしてくるので余計にイラッとする*19
      • 一応擁護するならば、「昨日まで人間だった家族や友人が消えて人造人間にすり替えられている」と言う事件が多発している*20と言う舞台設定を考えれば、ここまで疑心暗鬼にならざるを得ないのも理解は出来なくはないが…プレイヤーに言うのは相手が悪かった。
    • 各拠点には設置物の限界容量が設定されており、常にカツカツ。広めの拠点はどれも敷地の広さに対して限界容量が全く足りない。
      • 水や畑、発電機の設置と電線、防衛施設だけでも結構な容量を食う。DLCを導入しないと大容量の浄水機や発電機が作れないので数を作って補うことになり容量を圧迫する。
      • 風景にこだわるとあっという間に限界が来る。住人の人数分の屋内ベッドや畑、タレットも作らなければいけないため景観と機能性の両立が困難。そして住民が増えるほど必要な屋内ベッドと畑の面積が増えるため、景観に割く余裕などなくなっていく。
      • 満足度の数値を重視し無駄なく容量を活用すると、インフラと防衛に容量を割き、街中は畑とタレットまみれ、住人は仕切りも家具も無い巨大な建物に全員分のベッドをずらりと並べて寝泊まりさせるという逆に劣悪な環境になってしまう。
      • 特にDLC「vault-tec workshop」で追加されるVault88は広大なフロア3つとその間の通路という膨大な洞窟だが、限界容量はフロア1つをみっちり作り込めるかどうか程度の容量しかない。
    • 拠点の防衛では、タレット類は長射程で高威力なのに対し、トラップ系は敵が近づかないと動かず作動の度に壊れてしまい、さらに低威力なので完全に死にカテゴリ。
      • 資源やエネルギーの問題はアップデートやDLCで幾分改善されたものの、防衛システムは改善どころか上位タレットの追加も無い。むしろインフラの改善により上昇した襲撃率に対応するため街中がタレットだらけになり容量と景観を損ねる事態に。
      • DLC「Automatron」をクリアすれば武装したロボットを拠点に常駐させられるようになる。ただし、まともに戦えるものを1体作るのに大量のジャンクが必要。
    • 自分用の物入れを用意して武器を保管していても、敵の襲撃があると入植者が勝手に武器を持ち出してしまうことがある。店で購入できたり敵NPCが普通にドロップする武器ならそれほど気にならないが一点物のユニーク武器やレジェンダリ効果がついた武器なども普通に持ちだす。こうなると全員を呼び出して持ち物を一つ一つ調べるしかない。更にパワーアーマーまで持ち出すので注意が必要。
      • 一応、パワーアーマーはフュージョンコアを取り外しておけば勝手に使われないが、この場合は乗りこむたびにいちいちフュージョンコアを取り付ける手間が生まれる。
      • 解決策としては最初から入植者を呼ばず自分だけの土地と割り切って使用するか、ゲーム中唯一買える自宅で保管するかのどちらかになる。
      • もう1つの解決策としてDLC「Automatron」を導入し人間の入植者を全て追放してロボットに置き換えるという手がある。ロボットは内蔵武器で戦うため盗難の心配が無く、ショップに店員として配置することも可能で、水も食料もベッドも不要。ただし元からいる住人は移動不可・不死属性なので初期状態が無人の拠点でしか使えない手段。
    • 居住地襲撃イベントが時を選ばず発生する。もう少しでダンジョンクリアという所で引き返さなければならないという事態がしばしばおこる。
      • 頻繁に起こり煩雑なこのイベントを回避する為、慣れてくるとあえて拠点を増やさないという本末転倒なプレイスタイルになる。
      • 完全な新規マップで展開される「Far Harbor」ではさらに深刻な問題に。長いロードを挟んで島についたと思ったら襲撃イベント発生で引き返す事になる。何の意味もない2回分のロードを待つストレスはかなりのもの。
      • 防衛力を上げる事で頻度を減らせるが決して0にはならない、拠点を多く持つほどその分そのストレスの確率が上がる。
      • 襲撃防衛を放置した場合、撃退が成功するかどうかはランダム。たとえ失敗しても居住地の設備が壊れるくらいなので、面倒くさがって完全無視するプレイヤーも。
    • 人数やベッドなど各種パラメーターの数値がおかしくなったり、店が機能しなかったり、農作物が壊れたまま撤去できなかったり、襲撃イベントが起きているのに現地に敵がおらず失敗になったり…と細かいバグも多い。
      • 特にパラメーターの数値バグは、表示上の問題ではなく実際にその数値で満足度が計算される為 、人口が何十人も増えていたりベッドが0になっている事に気づかないままゲームを進めていると、気付いた時には満足度が極端に低下していたなんて事もある。しかもその居住地に行きクラフト画面を開くまで元に戻らないためかなり厄介。
    • 「満足度(拠点の生産性)が下がるベッドが削除できない」バグに対して「決定ボタン長押しで強制移動、削除バグ」で対抗できたのが例によって後者のみ修正される始末である。特にスロッグという拠点では建物の半分がこの満足度が下がるベッドで埋まっている。回避するには新たに設置したベッドに一人一人割り当てる必要があるのだが、面倒な上にデッドスペースが半端無く上記の限界容量に達しやすい。
      • 有志の調査で複数のセル*21をまたぐ拠点を行き来して全てのセル読み込ませずに拠点から離れると発生するバグで、ゲームエンジンに手を加えるレベルの大規模な改修が必要であることが判明した。特に店バグは建築を済ませ人を配置して初めて気づく、そのセルでは永久的に店が機能しなくなる、そのせいでせっかく思い描いた建築プランを捨てなければならない…とひたすら酷く、建築要素全体の魅力を削いでいる。
    • その居住地に初めから設置されている建物が、内部処理上建物とは見なされず屋外として判定される不具合がある。そのような建物の中にあるベッドで入植者が寝起きしていても満足度が上がらない。
    • 2016年4月17日配信のDLC第二弾「Wasteland Workshop」により、ランタンやロウソクの制作、物の上におけるテーブルランプ等が実装された。
      • コンクリ製のパーツが追加された上に各地の商人がコンクリを大量に取り扱うようになったため、木材の偏重もある程度は解消されている。
  • 仲間の言動
    • 本作はクラフトや拠点建築用にジャンクを回収する必要があるのだが、何故か拾う度に同行する仲間が否定的な言動を投げかけてくる。
      例としては「クズですね*22」「えーと、それをやる理由は?」「ゴミを漁るような人でも、そんなものは持っていかない」等。
    • 普通の現地民や兵士のようなコンパニオンならまだしも、「街を再建していこう!」と応援・協力する側の仲間でも何でそれ拾うんだ?と投げかけてくるのは如何なものか。
    • 批判が多かったせいか、DLC第1・2弾で追加された仲間はジャンク回収に賛同してくれ、特に前者は定期的にジャンクをくれるようになった。ふり幅が極端ではなかろうか。
  • レベルデザイン
    • 最初期に大きな町が無い。商店はそれなりな品揃えの雑貨屋と行商人しかなく、薬局や医者が不足している。
      • 実はメインクエスト序盤で大きな街に行く方法は分かるが、初見でそれを放置するといつまで経っても物資不足に悩まされる。
        かと言って武具やアイテムを整えずに向かうと、街付近は激戦区なので辿り着く前に死ぬ可能性が高い。
      • 薬局や品揃えの良い店を自分で作る事もできるが、それには最低でもレベル14以上、カリスマ6にまで上げなくてはならない。
        しかしレベル14だとその大きな町に十分向かえる強さである。それまででも行ける町や集落が欲しかったのだが…
      • 一応それまでにも小さな町はあるが住民と共存して施設を使うためには町のために生贄の風習を認めるような
        後味の悪い選択肢を選ばなくてはならない。人によっては抵抗が強いだろう。
    • 武器の性能差が極端。本作はダメージ計算式が少々独特なため、基礎値の低い武器はどう改造しても攻撃力が低いまま。
      炎上ダメージの付与や防御力無視効果のある改造パーツもあるが、この場合は基礎ダメージが伸び悩むため有効活用はしにくい。
      • 一方でランダムで入手できるレジェンダリー装備には、バランスブレイカーな効果が付いていることがあり、それらを手にしてしまうと適当に弾をばらまくだけで強敵集団や巨大クリーチャーを殲滅できるヌルゲーと化す。
    • レベルの上昇に伴い、一部の敵の耐久力は無尽蔵に上昇するが、プレイヤーの攻撃力は一定値より上がらない。
      そのためあまりの高レベル帯に達すると、敵が固すぎて対処に苦労する。上述のバランスブレイカーでようやくまともに捌けるレベル。
  • 死体問題
    • 『Oblivion』『Skyrim』『Fallout3』でも抱えていた問題だが、屋外では草むらに敵の死体が紛れてしまい位置が分かり辛い。
    • 時間経過で死体は消えるが、落とした武器は残り続けるので、セーブデータの肥大化に拍車がかかってしまう。
      • この落とした武器が残り続ける問題はアプデで解決したのだが、今度は落とした武器が消滅するようになったため、一点物のユニーク品をなくすと目も当てられない。
  • ロード時間
    • 従来作や『The Elder Scrolls』シリーズと同じくロード時間が長い。建物の出入りで10~30秒、ファストトラベルで40秒前後かかってしまう事も。
      一応、SSDへの換装に加え、CS版ならProやOne X、PC版ならハイスペPCやMODを使用すれば劇的に改善されるが…。
  • Pip-Boyエディション販売問題
    • 限定版として発売されたPip-Boyエディションは本作に登場するPip-Boy3000を模したスマートフォン専用のスタンドが付いてくる物で、スマートフォンに専用のアプリをDLさせることでゲーム内と連動してステータスが表示される仕組みになっている。
    • これは日本語版でも販売されたのだが、まさかの2バイト文字非対応。しかも、発表したのが発売日当日な上「それが仕様である*23」とする旨で一切謝罪等が無い発表だったので、限定版を購入したユーザーからかなり非難された。
    • 2バイト文字非対応は日本だけではないとするが、そもそも2バイト文字圏はロシア以外全部ゼニマックス・アジアの管轄なので言い訳とするには苦しい。というか問題はそこではなく「当日まで発表しなかったこと」だろう。
      • 元々日本の発売日は諸外国に比べ1ヶ月程遅れており*24その間に何かしらのアナウンスする時間的猶予はあった。この為、一部では売り逃げではないかとも言われている。
  • PC版ディスク問題
    • 本作はSteam等でもDL販売されており、昨今のPCゲーム事情から見ても日本語版パッケージをわざわざ購入する必要性は薄い*25ものの、あえて購入したユーザーからゲームがDLできない問題が報告された。
    • 必ずしもではないが正規のダウンロードキーを入力しても弾かれる、いわゆる"おま国"状態になってしまい遊ぶことができない。
  • 高い性能を求められるPC版
    • 高画質になり全体的なグラフィックが向上した半面、満足に動かすには発売当時では結構な額のゲーミングPCが必要になってしまった。
      同じCreation Engineでも、『Skyrim』は対応CS機のスペックに合わせてか、当時のミドル程度の性能でもかなり快適に動かせていた。
      しかし、CS機の世代が進んだ本作ではPC版の要求スペックもあわせて上がっており、グラボだけでもDirectX11の動くグラボが必要となっている(必須がGTX550、推奨がGTX780)。
      • この流れを汲んでか、後に『Skyrim』も同世代環境に合わせてのリマスター版が発売されている。
    • 問題は『Skyrim』からの流用が祟ってソースコードがスパゲティコードになっていることにある。
      先述の通り本作のエンジンは『Skyrim』の流用なのだが、そのCreation Engine自体が『Oblivion』以前の『The Elder Scrolls』シリーズから脈々と改良し続けてきたものである。
      そのしわ寄せなのか本作はリソースデータ流用も非常に多く、なんと『Skyrim』のドラゴンのデータ等がまるまる入っていることが発見されている。
      乱暴に言ってしまえば、流用を重ねて相当なスパゲティコードを持つ『Skyrim』を次世代機向けに改造したものに、本作という実質的な超大規模MODでゲームを別物にし、高スぺ機で強引に動かしているだけに過ぎない。
      上記のMODの項目で「製作者も何がバグの原因か分からないという問題が起こっている」と述べられたが、それもあまりに複雑化したゲームデータによって、一体何が不具合の原因か判断・究明できないためである。
      • MODを入れると指数関数的に重くなって行くのだが、MOD製作者の調査により16bit時代(初代『Fallout』の時代)のプログラムの遺物である関数が使われている事が判明し、これにより設定が書いてあるiniファイルを直接読みに行く命令が何十万回も実行される。MODを1個読む毎に使われているか分からないファイルの設定をいちいち何百回もすべて読もうとするのである。幸いにしてPC版ではこの辺の高速化や開発公式にも見放されたバグに手を入れたユーザー製のバグフィックスMODがリリースされており、バニラ*26でプレイする際でもこの辺の動作改善系MODだけは入れておけと推奨されている。
      • ちなみに、これは次回作の『Fallout 76』ではさらに悪化しており、『Fallout 76』にはドラゴンのデータだけでなく本作のプリドゥエンまでもがそっくりそのまま入っている。あまりにエンジンが古すぎて各ライブラリやHavok等が非対応になった事も相まって、従来作を遥かに超えるおびただしいバグが発生、アプデしてもまた別のバグが発生し、更には以前修正したバグの再発もザラという、開発者ですら対処しきれない事態に陥っている。

総評

核戦争後の崩壊した世界で生きる人々を描くシリーズの持ち味は健在ながら、これまでになかった「武器の改造やハクスラ要素」「街づくり」という遊びが増えたのが大きい。
月日が経つにつれ増えていくMODもあり、なかなか飽きることのできないゲームであるといえよう。

国内のファンとしては前作のCS版を問題視されていた「規制なし」というニュースや、『Skyrim』で起きた国内Win版独自実行ファイルを全世界共通化するなど確実な進歩を見せた反面、ローカライズの問題や限定版で起きた問題など不信感はまだ拭えたとは言い切れない。
またストーリー面には「作りこまれた世界観での自由度の高さ」を重視してきた方向性と衝突している点があるなど、『Fallout』シリーズやベセスダRPGらしからぬ弊害もある。
追加要素や刷新した要素を楽しめるどうかでかなり評価は変わるだろう。


余談

  • 本作の日本での発売は12月17日だが、海外では11月10日となっている。その海外の発売日当日に何故かXbox Oneのダウンロード版がプレイ可能になるという珍事が起こった。すぐさま対処されプレイできなくなったが、日本語への翻訳がされていたため、発売日が遅れるのは翻訳にかかる時間のためだというは嘘ではないのか?と噂された*27
    • 日本のメディアでは全く触れられていないが、10月初旬にアメリカのべセスダから、全言語版でのゴールド(製品版マスターアップ)のプレスリリースが出されている。
  • 作中で仲間になるプレストン・ガービーが無限にクエストを受注させてしまうバグがあった。このバグは同行中装備を変えようと話しかけたら「ところで将軍」と追加されるほか、クエストの極めて重要な局面でもお構い無しに発生するので世界中のユーザーから空気読めよと様々なネタ画像や動画が生み出された。現在は修正されている。