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ジョジョの奇妙な冒険 アイズオブヘブン - (2016/04/16 (土) 11:52:07) の編集履歴(バックアップ)


ジョジョの奇妙な冒険 アイズオブヘブン

【じょじょのきみょうなぼうけん あいずおぶへぶん】

ジャンル スタイリッシュタッグジョジョアクション(3Dタッグアクション)


対応機種 プレイステーション3
プレイステーション4
発売元 バンダイナムコエンターテインメント
開発元 サイバーコネクトツー
発売日 2015年12月17日
定価 【PS3】7,776円
【PS4】8,856円(いずれも税8%込)
プレイ人数 オフライン:1人
オンライン:2~4人
判定 なし
ポイント 『ASB』の遺産を使った3Dアクション
3部まではTVアニメ基準のキャストに総入れ替え
キャラゲーとしてはかなり躍進
ゲームとしては平凡
ASBの悪評が足を引っ張った
惜しまれた羽多野版仗助の最後
ジョジョの奇妙な冒険関連リンク


概要

荒木飛呂彦の人気バトル漫画『ジョジョの奇妙な冒険』を題材とした3Dタッグアクションゲーム。
略称は『ジョジョEOH』、『EOH』など。 『ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル(以下『ASB』)』を担当したサイバーコネクトツー(CC2)が引き続き開発を担当。
そのため、キャラクターの基本モデリング、一部ボイス、台詞脚本などは『ASB』のものを流用している部分が非常に多い。

システム的には2D視点の『ASB』と異なり、3Dでフィールドを駆けまわる3D対戦アクション。
そのため技の発動コマンドがかなり簡略化されており、2ボタンの同時押しだけで発動することが出来る。
強いて言うならガンダムVS.シリーズに近いが、マップ上にはギミックなども存在するため厳密には異なる内容である。

ストーリーモードは本作のタイトルともなっている「アイズオブヘブン」というオリジナルストーリーで、空条承太郎を主人公としている。

オンライン対戦では、2対2のバトル、4人ともプレイヤー入りというのも可能。


特徴

登場キャラクター

『ASB』と同様、連載中の第8部を含む全作品からキャラクターが登場している。

+ 参戦キャラクター一覧

太字は今作で新たに追加されたキャラクター。

シナリオ キャラクター 声優
第1部 ファントムブラッド
(4体)
ジョナサン・ジョースター 興津和幸
ウィル・アントニオ・ツェペリ 塩屋翼
ロバート・E・O・スピードワゴン 上田燿司
ディオ・ブランドー 子安武人
第2部 戦闘潮流
(7体)
ジョセフ・ジョースター 杉田智和
シーザー・アントニオ・ツェペリ 佐藤拓也
リサリサ 田中敦子
ルドル・フォン・シュトロハイム 伊丸岡篤
ワムウ 大塚明夫
エシディシ 藤原啓治
カーズ 井上和彦
第3部 スターダストクルセイダース
(12体)
空条承太郎 小野大輔
老ジョセフ・ジョースター 石塚運昇
花京院典明 平川大輔
ジャン・ピエール・ポルナレフ 小松史法
モハメド・アブドゥル 三宅健太
イギー 福圓美里
ホル・ホース 木内秀信
ンドゥール 伊藤健太郎
マライア 高垣彩陽
ペットショップ なし
ヴァニラ・アイス 速水奨
DIO 子安武人
第4部 ダイヤモンドは砕けない
(10人)
東方仗助 羽多野渉
虹村億泰 高木渉
広瀬康一 朴ロ美(ロは王に路)
岸辺露伴 神谷浩史
山岸由花子 赤﨑千夏
矢安宮重清 山口勝平
音石明 森久保祥太郎
川尻浩作 小山力也
吉良吉影
4部空条承太郎(初回特典/ストーリーでは使用不可) 小野大輔
第5部 黄金の風
(7人)
ジョルノ・ジョバァーナ 浪川大輔
ブローノ・ブチャラティ 杉山紀彰
グイード・ミスタ 赤羽根健治
ナランチャ・ギルガ 三瓶由布子
パンナコッタ・フーゴ 小田久史
トリッシュ・ウナ 東山奈央
ディアボロ 森川智之
第6部 ストーンオーシャン
(6人)
空条徐倫 沢城みゆき
エルメェス・コステロ 米本千珠
ナルシソ・アナスイ 中村悠一
ウェザー・リポート 大川透
エンリコ・プッチ 中田譲治
新月の時を待つプッチ
第7部 スティール・ボール・ラン
(5人)
ジョニィ・ジョースター 梶裕貴
ジャイロ・ツェペリ 三木眞一郎
ファニー・ヴァレンタイン 加瀬康之
ディエゴ・ブランドー 子安武人
並行世界から来たディエゴ
第8部 ジョジョリオン
(2人)
東方定助 真殿光昭
東方常秀 三浦祥朗
ゲームオリジナル 天国に到達したDIO(CPU専用) 子安武人

評価点

  • 劇的に改善されたキャラゲー面
    • やはり各部ごとに偏りこそ見られるが、全ての部において追加キャラクターが存在。スピードワゴンやシュトロハイムなど、「主要人物と戦闘力は大きく水を開けられているが戦うことは出来る」といった人気キャラクターも参戦した。
      • 『ASB』からリストラされたキャラは『バオー来訪者』の主人公・橋沢育朗ぐらい。ゲスト参戦だったので、致し方無いだろう。
    • キャラクターの追加に伴い、戦闘前後を始め掛け合いが大幅に増加。特に老ジョセフなどは、6部までの全ての部のキャラクターと最低一人は何かしら関わりがある故に、かなりの量が用意されている。
      • 掛け合いは『ASB』の使い回しが若干あるものの、大量に追加されている。3部で変更となった声優などは、そのままの台詞でも新たに収録されている。
      • タッグバトルという基本設計を活かして、タッグ+対○○用など限定的な掛け合いも用意されている。
      • 世代を超えた組み合わせも大量にあり、DLCである第4部承太郎と第3部メンバーとの掛け合いまである。
    • 膨大な量のコスチュームが用意され、カスタマイズ要素もある。
      • 女装ジョセフなど、そのコスチュームになることで掛け合いが変わるキャラクターも居る。かつての自分を「客観的に」見た老ジョセフの台詞も必見。
    • タッグ故に、味方が倒された際の台詞も搭載。こちらでも一部のキャラクターに対しては特殊な台詞が出ることがある。ただし戦闘前後の掛け合いに比べると条件がかなり限られている。
    • またゲームジャンルが違うこともあって、『ASB』ではシステム的にイマイチだった性能のキャラクターも大いに活躍できる(逆もまたしかりだが)。強キャラはいるものの、露骨に弱いキャラもいない。
    • 前作のHHAなどに当たるDHAは、パートナーによる崩し→決め技という攻撃を仕掛けるのだが、キャラの組み合わせによっては特殊な技に変化する。特殊パターンの場合、原作で描かれた描写を元にほぼ完全オリジナルのコンビネーションを決める。
      • 基本的には各部の組み合わせがほとんどなのだが、同じ部の仲間同士は結構実装されている他、世代を超えた組み合わせなども実装されている。
        承太郎&徐倫やDIO&ジョルノの親子コンビ、第1部DIO&第3部DIOという何ともカオスな組み合わせなど、なかなか心躍る演出を見ることができる。試合前の掛け合いに関しても同様。
      • 一方で、よくできているからこそ、アナスイなど「なんでこの組み合わせでできないんだ」というものもある。そもそもコンビが組めない3部承太郎&4部承太郎など残念なパターンも。
  • 簡単な操作
    • L1+各種ボタンで簡単に技を出すことが出来る。ゲームが苦手なプレイヤーでも難しいコマンドを覚える必要がなく、プレイハードルはかなり低い。
      • 流石にオンラインにおいて気軽に「アクションゲーム苦手!」というプレイヤーが入れるやりあえる程ではないが、一人でプレイするうえではほぼ問題ないだろう。
    • 難しいことを考えずプレイ出来るというのは、キャラゲーにおいては評価されるポイントに一つと言って良いだろう。
    • 代わりに、一度使った技は各技に設定されたインターバルを経ないと再使用できない。
  • 課金要素の撤廃
    • 『ASB』で批判された課金面は軒並み撤廃。初回限定すら特典として4部承太郎とレアコスチュームが入手出来る5種類のミッションがついてくる程度で、反省はしっかり活かされている。
      • そのレアコスチュームは初回限定特典と勘違いされがちだが、ゲーム本編で大量のポイントと引き換えに入手が可能になっている。
    • 本作発売の半年近く前から、DLC要素一切なしと発表されていたことから、相当反省したであろうことがうかがえる。
    • 最も、『ASB』の批判の影響もあり多くのユーザーから「嘘に決まってるだろ」「またキャンペーンモードが入ってるんだろうな」と不信感を拭い去る事が出来なかった感は否めないが。
  • 過去の遺産の有効活用
    • モデルは優秀と言われていた『ASB』の遺産は上手く流用されている。新規キャラクターとコラボする演出も多いが、ほぼ問題なく合っている。
      • 下記の通り使い回しによる弊害もゼロではないが、別ジャンルにちゃんと対応して新造された要素もそれぞれ最低一つは盛り込まれているので、安易に使いまわしているわけではない。正に「遺産を有効活用をしている」と十分評価出来る流用方法である。
    • 前作のサブキャラクター達も3部の大半を除きほぼ全員が続投。殆どはボイスを前作から流用しているが、ストーリーモードに関わるキャラに関しては新録がされている。
      • また、先の通り声優変更が行われたキャラは、前作とほぼ同じ台詞で新声優による再録が行われている。
  • その他、原作愛はしっかり感じ取れる要素
    • シーザーが若ジョセフと組んだ時、シーザーが倒されると原作通りの最期のシーンが忠実に再現される。他にも特殊な台詞や演出のあるタッグはあるが、この二人だけやたら気合が入っている。
      • 他には、DIOを倒されると、他のキャラと違い専用演出でプッツンするヴァニラ・アイスなど見ていて面白いものも。

賛否両論点

  • 声優の変更
    • 『ASB』で高評価だった声優であっても、TVアニメに合わせて変更されている。こう記してはいるが、変わったのは主に3部絡みのみ。
    • ただエンリコ・プッチだけは、TVアニメ版のヴァニラ・アイスを速水奨が担当することになったため、中田譲治へと変更になった。演技の良し悪しはともかくイメージは変わった。
      • ちなみに、中田のプッチ神父が世に出たのは、本作よりもウルトラジャンプのCMが先である。それを含めて中田の演技や、キャスティングそのもの自体に悪評は少ない。ただ、速水がはまり役だったという声も少なからずあり、賛否はある。
      • また、プッチのスタンドであるホワイトスネイクの声優も桐本拓哉がTVアニメでJ・ガイルを担当したため、本作で増谷康紀が新たに起用された。
    • 3部のサブキャラクターは、声優の変更によりボイスの流用が困難であったためか、前作からの続投者がダービー兄弟やJ・ガイル、エンヤ婆のみとなった。
    • 矢安宮重清役の山口勝平のように、TVアニメ版にゲームとは別役(本作未登場のフォーエバー役)で出演しても、前作と同じ役を続投した例もある。
  • ストーリーモードの内容
    • ストーリーは原作者が監修したオリジナルストーリー。様々なクロスオーバーやIFが存在。予測の付かない展開は評価されている。
      • 一方で空条承太郎が主人公のため3部がメインとなっており、特定の部はやや出番が少なかったりする。そのため「自分の好きな部のキャラの活躍が薄い」という理由で不評だったりすることも。オールスターゲームで扱いに偏りがあるのは流石に問題であるとは言える。

問題点

  • 部ごとのキャラクターの偏り
    • 本作では『ASB』と比較してそれなりに改善されたとはいえ、部ごとの偏りは本作でも同様である。先のキャラ表を見て頂ければわかるように、元々登場人物の少ない1部や発売時に連載中の8部を除くと引き続き3部4部が優遇されており、逆に6部7部は不遇のまま。
      • 特に3部はDIOの手下が数名ピックアップされており、「何故こんなキャラまで?」という意見も少なくない。他の部はそれなりに要所のキャラクターや主人公に近いキャラクターが配置されているのにも関わらず、3部はインパクトこそデカイがどう見ても一スタンド使いといったキャラクターが多い。
      • 3部を参考にするなら「こいつが居ても良いだろう」というキャラが6部と7部にはゴロゴロいる。特にこの二作品はほぼ同キャラを一つのキャラとして追加している関係もあって、割増感もある。
    • 概ね重要なキャラクターは揃えられているが、一方で5部主役のブチャラティチームの中で唯一サブキャラ止まりのアバッキオなど不遇な扱いのキャラクター*1も居る。
      • 本作発売後の『ウルトラジャンプ』に掲載されたインタビューにおいて、「アバッキオは参戦させる方向でモデルも既に製作済みだったが、スタンド能力をゲーム中に満足のいく形で落とし込めなかったため、泣く泣く見送った」とのコメント*2が出されている。
  • 長かったり変なところで入るロード
    • 極端に長いわけではないが、煩わしさを感じるレベルには挿入される。「何故ここで?」というものも。
  • 口パクの合う合わないが極端
    • 新規に作られたキャラクターに関してはマライアのようにしっかり合っているキャラもいる。台詞に合わせて口の形まで変えてくる凝りよう。しかし合っていないキャラは非常に適当。
    • 特に『ASB』からの流用キャラクターの多くは口パクがかなり適当で、台詞とまるで合っていないものが多数。使い回しの弊害とも言える。
      • ただし使い回しでもパクが合っていたりする場合もあるため、単純に作りこみ不足だと言える。この点は流用元の『ASB』からしっかり改善されたと言えないのが惜しい。
    • 相変わらず台詞の繋ぎがおかしいことがある。「……」という無言パートが台詞文字として入っている場合でも、口パクに合わせるためか言葉を切らずそのまま繋げているため、文字と実際の台詞が合っていないことが多々ある。
      • 一度口パクを止めれば良いのだが、そういった台詞は概ね規則的に口をパクパクさせているだけ。これでは合うはずがない。先のように凝っているキャラもいるだけにこの点は惜しい。
  • ゲームとして真新しい要素が薄い
    • 3Dアクションとしては良くも悪くも普通。ギミックがある3Dアクションというのは昨今ではやや珍しい感はあるが、斬新というものでもない。
      • 変わったギミック自体はちらほら存在する。例えば、戦闘中に杜王町のカフェで休憩すると体力が回復するのだが、休憩の仕方がキャラによって異なっている。
  • 相変わらずモード数が少ない。
    • トレーニングモードは搭載されていない。もっとも、3Dアクション対戦ゲームとは言うもののオンライン対戦はややおまけっぽい部分もあるが。
    • 対人モードもオンラインのみとなっている。その変わりオンラインは4人まで対戦参加が可能。
      • ただし、画面構成やスタミナやスキルのクールタイムゲージ、デュアルコンボ・デュアルヒートアタックの残量が見えてしまうため、オフライン対戦の実装は難しかったのかもしれない。
  • 音声のバグ
    • 一部の掛け合いにボイスが入っていなかったり、設定をミスしているものが存在する。本作の評価点だけに残念な点。

総評

良くも悪くも『ASB』の影響が強い作品。
ゲームシステムこそ異なるが、前作的な立ち位置と言える『ASB』はゲームカタログの記事を見ればわかるように非常に惨憺たる評価を受けており、本作の期待値はかなり低いものとなっていた。
実際その評価に引きずられて同作もこき下ろす声も少なくはないが、『ASB』と比べれて大幅増量された掛け合いや特殊演出などから、キャラゲーの観点で言えばなかなかの内容に仕上がっている。
前評判の悪さから不当に貶められた部分が多いが、少なくともクソゲーと言えるものではない。『ASB』での反省はしっかり活かされてはいる。
一方、肝心のゲーム部分は目立った要素がなく、悪くはないが取り立てて高評価する声もなく、平凡という評価が強い。
ゲームとしての完成度は、全てにおいて改善されているとは言い難く、ジョジョ愛がなければ辛いだろう。
とはいえ、今後に期待出来る程度の完成度は誇っており、関係者の意識は大きな成長を遂げたと言って良い。
惜しむらくは、体験版を2度配信したほどのスタッフの心機一転した気合に反して、前作と比較して大幅に売上が下がったことだろうか…。


余談

  • 本作発売の8ヶ月前に上梓された『荒木飛呂彦の漫画術』内にて、ジョジョのゲームで使用するオリジナルストーリーの監修を依頼された際、渡されたプロットの内容が気に入らず、数回に渡ってアイデアを提供したと荒木は述懐している。
    • これまでに発売されたジョジョのゲームでは、いずれも完全なオリジナルストーリーは存在しなかったため、本作のことではないかとファンの間では早くから話題になっていた。
      • 一方、CC2側も本作発売直後の『ファミ通』に掲載されたインタビューにおいて、「(原作者から)主人公が物語終了時にゼロからプラスになっているという条件を厳守するためなら、原作を改変しても構わないと言われた」とコメントしている。
  • 本作発売前、テレビアニメ版第4部のキャストが発表。第3部テレビアニメ化の際と同様ほとんどの声優が入れ替えられた。2016年4月現在、億泰役の高木渉のみ続投が発表済みである。
    • 高木渉=億泰だけ続投されていることや、同じキャスティングで2作品継続していたこともあって、「今更変えるのか」とこの声優交代劇は賛否両論大きな話題を呼んだ。
      • 特に仗助に関してはウルジャンのCMでも起用されていたため、キャスト続投した億泰と同じく登場機会が多かったこともあり、声優同士がコメントを出す事態になるほど発表時は賛否両論が目立った。なお、変更はどうやら本作の収録時点で確定していたらしい。
      • 演じていた羽多野渉はブログのコメントで仗助を演じられたことに対する感謝の言葉を述べつつ、アニメ版を担当する小野友樹にエールを送った。小野友樹もこのエールに対してブログでその後応じ、以前本人と偶然会った際に正式にバトンタッチも行ったエピソードも明かしている。
      • 元々アニメ版のメインキャスト選考はオーディションが行われており、承太郎役の小野大輔もアニメ版では担当しない可能性もあったので変更理由はアニメ版の方針の関係である。