「BeatStream」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

BeatStream - (2017/02/27 (月) 00:07:53) の編集履歴(バックアップ)


BeatStream

【びーとすとりーむ】

ジャンル 音楽シミュレーション pkg.jpg
対応機種 アーケード
発売元・開発元 コナミデジタルエンタテインメント
稼動開始日 2014年7月17日
『アニムトライヴ』稼動日 2015年12月21日
稼働終了日 2017年3月1日に『ノスタルジア』へアップコンバート
2017年8月31日にサービス終了
判定 なし
ポイント BEMANI屈指の萌えビジュアル特化
マルチモニタによるムービー
偏りすぎた曲ラインナップ
あまり良くない視認性
過去最悪といわれた連動イベント
BEMANIシリーズリンク


概要

BEMANIブランドではREFLEC BEATシリーズに続くタッチパネル式の音ゲー。略称は「ビースト」。
プロデュースはDJ YOSHITAKA、サウンドディレクターはQrispy Joyboxが担当。
マルチモニターによる大画面ムービーが一番の特徴。

ゲームシステム

  • ノーツの種類
    • ノーマルノーツ
      • 中央の八角形をしたジャッジリングに飛んでくるノーツ。タイミングを合わせてタッチ。
      • 普段は赤だが、同時押しは黄色→青→黄色…と色が変わる。
    • ロングノーツ
      • 長押し。終点で手を離す必要は無い。
    • スラッシュノーツ。
      • 四角いノーツ、いわゆるフリック操作のようにスライドさせる。スライドさせないと評価が下がる。
    • ストリームノーツ
      • ジャッジリングの外側に表示される矢印が連なったようなノーツ。三角形に合わせてスライドさせる。
    • リップルノーツ
      • ジャッジリング外側に配置された6つの円に重なる瞬間にタッチ。
  • 判定は、良い順にFantastic、Great、Fine、Missの4段階。1回もMiss判定を出さなければFULL COMBO、全部Fantasticを出すとPERFECTとなる。
  • クリアの可否は、『beatmania IIDX』シリーズや『pop'n music』シリーズと同じくグルーヴゲージ方式で判定する。
    • ゲージ(画面中央に表示)は30%からスタートし、楽曲終了時に70%以上残っていればクリアとなる。
  • 譜面区分は、簡単な順にLIGHT、MEDIUM、BEAST、NIGHTMAREの4種類となっている。
    • NIGHTMARE譜面は一部楽曲に存在し、BEASTHACKER(後述)というモードで解禁およびプレー可能となる。
  • TEAM BATTLE
    • 特徴的なマッチングシステム。SDVXやjubeatのように、一曲ごとにマッチングするのではなく、1クレジットごとにマッチングする。
    • エントリー後、1曲目の選曲画面移行前にマッチング画面へ移行し、最大8人とマッチングし4VS4のチームに分かれる。
      • ローカルマッチングをした場合も、同じ店舗でマッチングした相手を同じチームとして一緒に上記のマッチングにエントリーする。
      • マッチング人数が奇数であったり、ローカルマッチングでチームの人数に偏りが出た場合はCPUが席を埋める。マッチング人数が少ない場合3VS3、2VS2、1VS1でマッチングが成立となる。
    • 全員が3曲プレイし、そのスコアの合計でチームの勝敗が決まる。勝ったチームのメンバーと、各チームで最も3曲の合計点が高いプレイヤーにはVolt(曲解禁などに用いるいわゆる通貨)の追加ボーナスが与えられる。
    • マッチング中や各自の選曲を待つ間、あらかじめ用意された短文や顔文字、LINEのスタンプのような「キャラシール」を用いたチャットが可能。
      • このチャットに使えるパーツはイベントや曲解禁に伴って増えていく仕組み。
  • BEAST CHALLENGE
    • 提示されたお題をクリアしてプレイヤーの「ランク」を上げる、いわばやりこみ要素。ランク15までが存在する。
    • ランクを上げることで、前述のVoltの貯蓄上限が増えていく他、マッチング時のアバターの猫が変化したりコインプレー時に発生するレベルによる選曲制限が緩和される。
    • ランごとに決められた「Lv○以上の楽曲を○回クリア*1」などといった「ノルマ」を達成すると、「(楽曲名)の○○譜面を~~*2でクリア」といった条件を持つ「トライアル」が出現。これをクリアすることでランクが一つ上がる。
      • トライアルは「トライアルに挑戦する」ボタンから挑戦しなければ条件を達成してもランクは上がらない。
      • ランク9までは何も考えずに受験してもよいが、ランク10以降はトライアルに失敗するとノルマの達成状況もリセットされる。ランク11以降はさらに挑戦料としてVoltも要求されるようになる*3
  • タカハシサンラボ
    • メインの解禁システム。既に何度か文中に登場している「Volt」を使って楽曲を解禁する。
      • タカハシサンラボでの解禁対象になっている楽曲はすべてLIGHT譜面は無条件解禁されており、こちらで解禁するのはMEDIUM・BEAST譜面である。
    • 各楽曲の対応する「メール」を選択して所持しているVoltを注いでいく。メールを選択すると手持ちのVoltがなくなるかメールごとに規定されたVoltの必要量を満たすまでVoltを消費する。
      • 楽曲を解禁してまだVoltが残っているならば、続けて他の楽曲の解禁を進めることも可。また逆に前回Voltが不足して解禁途中の楽曲があってもほかの楽曲の解禁が可能。
    • 楽曲解禁の途中、一定Volt毎にTEAM BATTLEのチャットで使用できるアイテムが配置されている場合がある。これらのチャット用アイテムの内容はその楽曲にちなんだものであることも多い。
  • BEASTHACKER
    • 2015/02/19実装。BEAST譜面のさらに上に位置する難易度、NIGHTMARE譜面を解禁するためのモード。
    • 1プレーにつき1度だけ、選曲画面から専用の画面へ移動して挑戦することができる。NIGHTMARE譜面一つに対して5つの課題が設定され、それらを順に達成していくとNIGHTMARE譜面が解禁される。
      • 課題は主に「課題曲を○○点以上でクリアせよ」というもの。スコアの代わりにフルコンボを要求するお題もある。
      • 解禁したNIGHTMARE譜面への挑戦もこのモードからとなる。NIGHTMARE譜面への挑戦も同様に1プレー1回の制限を受けるため、最短で課題の5プレー+1の6プレー目からでないと挑戦できないことになる。
      • 稼働末期にはBEASTHACKERへの挑戦回数が無制限、NIGHTMARE譜面は通常選曲画面に表示されるようになり1プレー内の挑戦回数については緩和された
    • NIGHTMARE譜面では通常上下左右の外周にのみ出現するストリームノートが四隅や左右とジャッジリング付近を結ぶ放射状に出現したり、リップルノートが画面中央のゲージ上に出現するようになる。
  • COURSE MODE
    • 2014/12/22より実装。決められた4曲を連続でプレーするモード。
    • コースには一定のテーマに基づいて選曲されているものと、レベル表記のある腕前の目安となるコースがある。
      • beatmaniaIIDXでいうEXPERTモードと段位認定モードが一緒になったようなモードといえる。
    • 完走してクリアすることで、マッチング時に表示されるアバターの猫にパーツがコースごとに追加される。

評価点

  • マルチモニターによるムービーのアピール。
    • 筐体は演奏などのゲームを行う下画面とゲームには関与せず、ムービー等を流すための上画面の2画面制になっている。
    • jubeat以降、REFLEC BEAT・SDVXとムービーの概念が無い機種が続いたため、ビジュアル面で華があるという点では評価された。
      • プレイヤーだけでなく、ギャラリーもムービーで楽しめるというアピールを大きく打ち出していたのは斬新。
    • 新しいアニメの主題歌を原作同様のOPアニメとともに楽しめるという、アニメファンにとっては嬉しい仕様。
    • ひなビタ♪の人気曲「めうめうぺったんたん!」や一部東方アレンジ楽曲に完全新規のムービーが作られる等、初期~中期にかけては力も入っていた。
      • ひなビタ♪楽曲に関しては、現在でもビーストに収録される際には新規ムービーが製作されることがお約束になっている。
    • 他機種で汎用ムービーだった曲が、こちらで専用ムービーを作られることが多い。後に輸出されることもある。
  • 萌えとゆるさが混合したイメージキャラクター
    • イメージキャラクターのBisCo(CV:洲崎綾)や猫型ロボットのタカハシサン・にゃん等の今作のキャラクター達はポップンやSDVXとも違う、若干レトロフューチャー寄りなキャラクター造形となっている。
    • ただし台詞に顔文字の多用が目立つ点など、良くも悪くもネット文化に影響を受けているのは事実。

賛否両論点

  • 収録楽曲の偏り
    • 稼動当初は最新アニメの主題歌・EXIT TUNESのVOCALOID版権・東方Project・マジカルハロウィン(KPE開発のスロット機、いわゆる萌えスロ)やラブプラスといった美少女推しのKONAMI作品のみ。書き下ろし楽曲はおろか、BEMANI移植楽曲すらなかった。
    • 稼動からしばらくして他機種にも入ってる楽曲が移植されたが、ひなビタ♪やPrimの電波ハードコアばかりで、とにかく萌え一辺倒なラインナップだった。
    • もちろん、アニメ楽曲は版権扱いなので、削除による入れ替わりの可能性が常に付きまとう。
      • 実際、本作稼働中、それも新規作にして楽曲の削除があった。もっとも、楽曲追加時点で大まかな削除期日は予告されていたが…。
    • 稼動中期以降には本機種書き下ろしの楽曲は追加されている。
      • Qrispy JoyboxやDJ TOTTO、OSTER PROJECTの他、ヒゲドライバー、SOUND HOLIC、ビートまりお等がコンポーザーとして参戦しており、本作独自の雰囲気は完成している。洲崎綾が歌うBisCoのイメージソングも存在。
      • 特に、ヒゲドライバーの「パ→ピ→プ→Yeah!」は初出から1年ほどでBEMANIシリーズの半数の機種に収録されるなど初代ビーストの代表曲とも言える。

問題点

ゲーム面

  • はっきりいって良好とは言えない視覚性やゲーム性
    • ジャッジリングの近くに手を置くと手に隠れてリップル出現場所が見えない地味に嫌らしい仕様。
    • ラインに向かって飛んでくるノーツと、jubeatのマーカーのようなその場に出現するタイプのノーツが混在しており、リズムや叩く順番が認識しづらい場合がある。
    • ジャッジリングに飛んでくるタイプのノーツも縦・横の画面比の差から見切りづらく、ハイスピの設定が難しい。
      • 画面は横長のワイド画面のため、横方向には画面のサイズが余裕があり、ノーツの接近を察知しやすい。しかし、真上や真下方向は画面上の余白がほとんどなく、ハイスピを上げていると唐突にノーツが現れるように感じることもある。
      • 下側3方向に関しては死角になりやすいこともあり、ジャッジリング内に矢印が表示されるという配慮はある。ただし、それでもまだまだ見切りづらい。
    • また、譜面側も露骨な初見殺し要素が複数存在する
      • 「月に叢雲花に風」のMEDIUM譜面で有名になった、リップルノートが消える前に同じ場所に次のリップルノートが現れる通称「叢雲連打」*4。前後のリップルノートが重なって表示されているため、後ろのリップルノートを見落としやすい*5
      • 複数のロングノート(左側と右側に分かれていることが多い)を押している間にストリームノートが現れる配置。ロングノートを押さえるのに両手を使っているとストリームノートをなぞる手が足りなくなる。
    • ただ、こうした認識難や覚え要素の多さがビーストらしさであるとも言える。このゲームが想定していたと思われるアニメファンなどの層にマッチしているかは別問題だが…。

コンセプト面

  • ムービーがコンセプトのはずなのに汎用ムービーを使用している楽曲が存在する。
    • 後日追加されたアニメソング「Daydream café(ご注文はうさぎですか?)」「sister's noise(とある科学の超電磁砲S)」などはアニメ映像付きかと期待されたがまさかの汎用ムービーが使用されている。
      • 「Daydream café」に関してはビーストに1年半ほど遅れてmaimaiに収録された際にはアニメ映像付きとなっており、本作で汎用ムービーとなっていることが余計に悔やまれる。
      • 一応、これらアニメ曲についてはBisCo達が活躍するオリジナルの新規汎用ムービーを使っており、ムービー自体のクオリティは悪くはないのだが、アニメの曲なのに関係ないBisCo達が悪目立ちする側面もあり賛否両論。
    • 上記を皮切りにボカロや東方、果ては後述の連動イベントでコナミオリジナルにも、つまり全てのジャンルで汎用ムービーを採用した楽曲が登場。ムービーを重視した機種というコンセプトを真っ向から否定する仕様。
      • コナミオリジナル楽曲以外は基本的に版権が絡むという事情(例としてボカロ曲は本作が契約していない初音ミクや鏡音リン等クリプトン系VOCALOIDの姿が出せない)もあるとはいえ、もう少し何とかならないかという声もある。
      • なお、東方楽曲で使用される汎用ムービーはキャラクターのデザインや原作で使用する弾幕の意匠を取り入れており、それそのものの評価は高い。

運営面

  • 過去最悪の連動解禁
    • 稼動後から約11ヶ月後に開催された大型連動イベント「怪盗BisCoの予告状!!」は、ビースト以外の7機種をも巻き込んだ大イベントだったにも関わらず、「連動」どころかビーストをプレーしないと何も解禁できない(イベント進行手段がビーストのみ)という、連動イベントの体をなしていないことをはじめとして問題だらけのイベントになってしまった。
    • 主催のビースト側についても解禁が非常に重く、他機種の楽曲をコンプしないとビーストの曲が解禁できないという事態。一応、ビースト側としては「萌え」要素の無い楽曲が移植され楽曲の幅が広がったという側面もあるが、コンセプトからしてブレブレで賛否両論だった。

総評

アニメや萌え方面に偏ったラインナップに加えてムービー特化という点では、若いアニメファン層をターゲットにした「BEMANIシリーズの穴を埋める」音ゲーと評価できる。が、視覚性の悪さを始めとする遊び易いようで遊びにくいゲーム性、ムービーというコンセプトに反してしまう展開など、様々な面において練り込み不足を感じさせてしまう。
萌えに特化しているため一見ライト層向けかと思いきや、初見殺しの影響を受けやすいゲージシステムの採用、既存ユーザー側にしても楽曲面で難ありと、どの層をターゲットとしたかったか不明瞭な所が目に付く。
稼動初期の時点でアニメソング含めた楽曲のほとんどがBEMANI内外問わず他機種でできることもあり、ムービーが見たいアニメ・ボカロ・東方ファン以外にはほとんどそっぽを向かれてしまった。これに追い打ちをかけるかのように、半ば無理やりな連動イベントが本作の評価をさらに厳しくしたのは否定できない。実際、「ビーストそのものに興味は無かったが怪盗で嫌いになった」という音ゲープレイヤーも少なくはない。

アニメソング等がjubeat、REFLEC BEATやポップンなどとムービーの無い機種に収録されてきた中、「ムービーと一緒にゲームを楽しめる」という本作独自の魅力は確かにあるのだったが…。


後続作

  • 固定ファンが多かったのか、はたまた無茶なイベントが功をなしてか、それともテコ入れのつもりなのか2015年12月21日にメジャーアップデートバージョン「BeatStream アニムトライヴ」が稼動。
    • 既存ノーツの仕様変更や多少の視覚性改善・楽曲ラインナップにグラディウス等コナミレトロタイトルや萌え以外のアニメソング、ネタ方面で大人気なSUPER STAR 満-mitsuru-「She is my wife」、硬派とも萌えともいえる黒猫ダンジョン楽曲*6等のBEMANI移植楽曲も入って多少はバラエティ化している。
    • ちなみにコナミレトロタイトルはQrispyさんの実録プレイ動画付き
    • 稼働後半年ほどは比較的積極的なアップデートが行われたが、その後やはりインカムが振るわなかったのか急速に縮小。他機種の人気曲を新規ムービーの追加なしに移植したり、既存曲の追加譜面を少数追加するだけのアップデートが続いている。
      • 極めつけにKAC6th(2016年公表)では現稼働にもかかわらず、選考機種から省かれている。なおKAC5thには含まれている機種では唯一の事態である。
      • 2016年12月に『REFLEC BEAT 悠久のリフレシア』の稼働を記念してBEMANI Fan Siteにサウンドスタッフへのインタビュー記事が掲載されたのだが、何とその中で本作育ての親であるQrispy Joybox氏が故郷のリフレクに帰還していた事が判明した。嗚呼ビーストよ、どこへ行く。
      • そんないざこざの最中にJAEPO 2017にて新機種「ノスタルジア」の着荷予定が2017年3月1日と決定したのだが、
        『「ノスタルジア」はBSの筐体をコンバート改造して稼働するという』『コンバートしない場合の最長稼働は2017年8月31日で、以後起動不能になる』とアナウンスされており、本作は更新打ち切りどころか絶滅が確定した状況に置かれてしまった。
        ---なお、全曲解禁やFLOOR INFECTION/POLICY BREAK曲の処遇については今の所不明だが、アニムトライブ稼働時の書き下ろし楽曲や移植曲の新規ムービーの大半は長らく他機種に移植されない事態が続いていた。しかし、beatmaniaIIDX 24 SINOBUZに朧と打打打打打打打打打打のムービーが移植された事を皮切りに様々な機種へアニトラ産ムービーや楽曲が移植され始めた。
      • BS自体のサントラも初代を含めて未だに発売されておらず、CD音源化された楽曲も連動や移植関連の物ばかりであった。
        一応現時点ではBeatStreamオリジナル曲のほとんどはYouTube、ニコニコ動画それぞれに公式アップロードされており、いずれもゲームサイズ音源をフル試聴できるようになってはいるが。

余談

  • ムービー特化や楽曲ラインナップ、放射状に移動するノーツ・なぞって操作するノーツ等、maimaiを意識しているのではないかと言われることが多かった。
    • 尚、向こうは初期こそニコニコ動画方面特化だったが早いうちにバラエティ寄りに転化していた。
    • 現在はゲーム性・入るアニメ版権の方向性・イメージキャラクターのモチーフ被り(「女性型アンドロイド」と「猫型ロボット」の組み合わせ)などからcrossbeats REV.シリーズと比較されることが多い。
  • イメージキャラクター「Bisco」は登場の時点でpop'nのキャラクター「Bis子」と名前被りを起こしていたが、ポップンカードのレアイラストにて2名の共演を果たしている。
  • 本作ではその略称を意識したのか、とあるビデオ作品*7のスラング的な顔文字を多用している。なんだこれは・・・。たまげたなあ。テキスト面ではその方面のスラングを臭わせることはほとんどない。