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BeatStream - (2017/09/01 (金) 11:57:44) の編集履歴(バックアップ)


注意:このページでは、
『BeatStream』(判定なし)と『BeatStream アニムトライヴ』(判定なし)についてについて紹介する。



BeatStream

【びーとすとりーむ】

ジャンル 音楽シミュレーション pkg.jpg
対応機種 アーケード
発売元・開発元 コナミデジタルエンタテインメント
稼動開始日 2014年7月17日
判定 なし
ポイント BEMANI屈指の萌えビジュアル特化
マルチモニタによるムービー
偏りすぎた曲ラインナップ
あまり良くない視認性
過去最悪といわれた連動イベント
BEMANIシリーズリンク

概要

BEMANIブランドではREFLEC BEATシリーズに続くタッチパネル式の音ゲー。略称は「ビースト」。
プロデュースはDJ YOSHITAKA、サウンドディレクターはQrispy Joyboxが担当。
マルチモニターによる大画面ムービーが一番の特徴。

ゲームシステム

  • ノーツの種類
    • ノーマルノーツ
      • 中央の八角形をしたジャッジリングに飛んでくるノーツ。タイミングを合わせてタッチ。
      • 普段は赤だが、同時押しは黄色→青→黄色…と色が変わる。
    • ロングノーツ
      • 長押し。終点で手を離す必要は無い。
    • スラッシュノーツ。
      • 四角いノーツ、いわゆるフリック操作のようにスライドさせる。スライドさせないと評価が下がる。
    • ストリームノーツ
      • ジャッジリングの外側に表示される矢印が連なったようなノーツ。三角形に合わせてスライドさせる。
    • リップルノーツ
      • ジャッジリング外側に配置された6つの円に重なる瞬間にタッチ。
  • 判定は、良い順にFantastic、Great、Fine、Missの4段階。1回もMiss判定を出さなければFULL COMBO、全部Fantasticを出すとPERFECTとなる。
  • クリアの可否は、『beatmania IIDX』シリーズや『pop'n music』シリーズと同じくグルーヴゲージ方式で判定する。
    • ゲージ(画面中央に表示)は30%からスタートし、楽曲終了時に70%以上残っていればクリアとなる。
  • 譜面区分は、簡単な順にLIGHT、MEDIUM、BEAST、NIGHTMAREの4種類となっている。
    • NIGHTMARE譜面は一部楽曲に存在し、BEASTHACKER(後述)というモードで解禁およびプレー可能となる。
  • TEAM BATTLE
    • 特徴的なマッチングシステム。SDVXやjubeatのように、一曲ごとにマッチングするのではなく、1クレジットごとにマッチングする。
    • エントリー後、1曲目の選曲画面移行前にマッチング画面へ移行し、最大8人とマッチングし4VS4のチームに分かれる。
      • ローカルマッチングをした場合も、同じ店舗でマッチングした相手を同じチームとして一緒に上記のマッチングにエントリーする。
      • マッチング人数が奇数であったり、ローカルマッチングでチームの人数に偏りが出た場合はCPUが席を埋める。マッチング人数が少ない場合3VS3、2VS2、1VS1でマッチングが成立となる。
    • 全員が3曲プレイし、そのスコアの合計でチームの勝敗が決まる。勝ったチームのメンバーと、各チームで最も3曲の合計点が高いプレイヤーにはVolt(曲解禁などに用いるいわゆる通貨)の追加ボーナスが与えられる。
    • マッチング中や各自の選曲を待つ間、あらかじめ用意された短文や顔文字、LINEのスタンプのような「キャラシール」を用いたチャットが可能。
      • このチャットに使えるパーツはイベントや曲解禁に伴って増えていく仕組み。
  • BEAST CHALLENGE
    • 提示されたお題をクリアしてプレイヤーの「ランク」を上げる、いわばやりこみ要素。ランク15までが存在する。
    • ランクを上げることで、前述のVoltの貯蓄上限が増えていく他、マッチング時のアバターの猫が変化したりコインプレー時に発生するレベルによる選曲制限が緩和される。
    • ランごとに決められた「Lv○以上の楽曲を○回クリア*1」などといった「ノルマ」を達成すると、「(楽曲名)の○○譜面を~~*2でクリア」といった条件を持つ「トライアル」が出現。これをクリアすることでランクが一つ上がる。
      • トライアルは「トライアルに挑戦する」ボタンから挑戦しなければ条件を達成してもランクは上がらない。
      • ランク9までは何も考えずに受験してもよいが、ランク10以降はトライアルに失敗するとノルマの達成状況もリセットされる。ランク11以降はさらに挑戦料としてVoltも要求されるようになる*3
  • タカハシサンラボ
    • メインの解禁システム。既に何度か文中に登場している「Volt」を使って楽曲を解禁する。
      • タカハシサンラボでの解禁対象になっている楽曲はすべてLIGHT譜面は無条件解禁されており、こちらで解禁するのはMEDIUM・BEAST譜面である。
    • 各楽曲の対応する「メール」を選択して所持しているVoltを注いでいく。メールを選択すると手持ちのVoltがなくなるかメールごとに規定されたVoltの必要量を満たすまでVoltを消費する。
      • 楽曲を解禁してまだVoltが残っているならば、続けて他の楽曲の解禁を進めることも可。また逆に前回Voltが不足して解禁途中の楽曲があってもほかの楽曲の解禁が可能。
    • 楽曲解禁の途中、一定Volt毎にTEAM BATTLEのチャットで使用できるアイテムが配置されている場合がある。これらのチャット用アイテムの内容はその楽曲にちなんだものであることも多い。
  • BEASTHACKER
    • 2015/02/19実装。BEAST譜面のさらに上に位置する難易度、NIGHTMARE譜面を解禁するためのモード。
    • 1プレーにつき1度だけ、選曲画面から専用の画面へ移動して挑戦することができる。NIGHTMARE譜面一つに対して5つの課題が設定され、それらを順に達成していくとNIGHTMARE譜面が解禁される。
      • 課題は主に「課題曲を○○点以上でクリアせよ」というもの。スコアの代わりにフルコンボを要求するお題もある。
      • 解禁したNIGHTMARE譜面への挑戦もこのモードからとなる。NIGHTMARE譜面への挑戦も同様に1プレー1回の制限を受けるため、最短で課題の5プレー+1の6プレー目からでないと挑戦できないことになる。
      • 稼働末期にはBEASTHACKERへの挑戦回数が無制限、NIGHTMARE譜面は通常選曲画面に表示されるようになり1プレー内の挑戦回数については緩和された
    • NIGHTMARE譜面では通常上下左右の外周にのみ出現するストリームノーツが四隅や左右とジャッジリング付近を結ぶ放射状に出現したり、リップルノーツが画面中央のゲージ上に出現するようになる。
  • COURSE MODE
    • 2014/12/22より実装。決められた4曲を連続でプレーするモード。
    • コースには一定のテーマに基づいて選曲されているものと、レベル表記のある腕前の目安となるコースがある。
      • beatmaniaIIDXでいうEXPERTモードと段位認定モードが一緒になったようなモードといえる。
    • 完走してクリアすることで、マッチング時に表示されるアバターの猫にパーツがコースごとに追加される。

評価点

  • マルチモニターによるムービーのアピール
    • 筐体は演奏などのゲームを行う下画面とゲームには関与せず、ムービー等を流すための上画面の2画面制になっている。
    • jubeat以降、REFLEC BEAT・SDVXとムービーの概念が無い機種が続いたため、ビジュアル面で華があるという点では評価された。
      • プレイヤーだけでなく、ギャラリーもムービーで楽しめるというアピールを大きく打ち出していたのは斬新。
    • 新しいアニメの主題歌を原作同様のOPアニメとともに楽しめるという、アニメファンにとっては嬉しい仕様。
    • ひなビタ♪の人気曲「めうめうぺったんたん!」や一部東方アレンジ楽曲、移植曲*4に完全新規のムービーが作られる等、初期~中期にかけては力も入っていた。
      • ひなビタ♪楽曲に関しては、アニムトライヴでもビーストに収録される際には新規ムービーが製作されることがお約束になっている。
    • 他機種で汎用ムービーだった曲が、こちらで専用ムービーを作られることが多い。後に輸出されることもある。
  • 萌えとゆるさが混合したイメージキャラクター
    • イメージキャラクターのBisCo(CV:洲崎綾)や猫型ロボットのタカハシサン・にゃん等の今作のキャラクター達はポップンやSDVXとも違う、若干レトロフューチャー寄りなキャラクター造形となっている。
    • ただし台詞に顔文字の多用が目立つ点など、良くも悪くもネット文化に影響を受けているのは事実。

賛否両論点

  • 収録楽曲の偏り
    • 稼動当初は最新アニメの主題歌・EXIT TUNESのVOCALOID版権・東方Project・マジカルハロウィン(KPE開発のスロット機、いわゆる萌えスロ)や『ラブプラス』といった美少女推しのKONAMI作品のみ。書き下ろし楽曲はおろか、BEMANI移植楽曲すらなかった。
    • 稼動からしばらくして他機種にも入ってる楽曲が移植されたが、ひなビタ♪やPrimの電波ハードコアばかりで、とにかく萌え一辺倒なラインナップだった。
    • もちろん、アニメ楽曲は版権曲扱いなので、削除による入れ替わりの可能性が常に付きまとう。
      • 実際、本作稼働中、それも新規作にして楽曲の削除があった。もっとも、楽曲追加時点で大まかな削除期日は予告されていたが…。
    • 稼動中期以降には本機種書き下ろしの楽曲は追加されている。
      • Qrispy JoyboxやDJ TOTTO、OSTER PROJECTの他、ヒゲドライバー、SOUND HOLIC、ビートまりお等がコンポーザーとして参戦しており、本作独自の雰囲気は完成している。洲崎綾が歌うBisCoのイメージソングも存在。
      • 特に、ヒゲドライバーの「パ→ピ→プ→Yeah!」は初出から1年ほどでBEMANIシリーズの半数の機種に収録されるなど初代ビーストの代表曲とも言える。
    • 稼働終盤の2015年12月3日よりコナミオリジナル曲の大半が無条件解禁へと緩和された。収録楽曲の偏りについてはこの時点である程度改善されたとも言える。

問題点

ゲーム面

  • はっきりいって良好とは言えない視覚性やゲーム性
    • ジャッジリングの近くに手を置くと手に隠れてリップル出現場所が見えない地味に嫌らしい仕様。
    • ラインに向かって飛んでくるノーツと、jubeatのマーカーのようなその場に出現するタイプのノーツが混在しており、リズムや叩く順番が認識しづらい場合がある。
    • ジャッジリングに飛んでくるタイプのノーツも縦・横の画面比の差から見切りづらく、ハイスピの設定が難しい。
      • 画面は横長のワイド画面のため、横方向には画面のサイズが余裕があり、ノーツの接近を察知しやすい。しかし、真上や真下方向は画面上の余白がほとんどなく、ハイスピを上げていると唐突にノーツが現れるように感じることもある。
      • 下側3方向に関しては死角になりやすいこともあり、ジャッジリング内に矢印が表示されるという配慮はある。ただし、それでもまだまだ見切りづらい。
    • また、譜面側も露骨な初見殺し要素が複数存在する
      • 「月に叢雲花に風」のMEDIUM譜面で有名になった、リップルノートが消える前に同じ場所に次のリップルノートが現れる通称「叢雲連打」*5。前後のリップルノートが重なって表示されているため、後ろのリップルノートを見落としやすい*6
      • 複数のロングノート(左側と右側に分かれていることが多い)を押している間にストリームノートが現れる配置。ロングノートを押さえるのに両手を使っているとストリームノートをなぞる手が足りなくなる。
    • ただ、こうした認識難や覚え要素の多さがビーストらしさであるとも言える。このゲームが想定していたと思われるアニメファンなどの層にマッチしているかは別問題だが…。
  • 冗長でスキップできない演出がそれなりの頻度発生する
    • コインプレイの場合BEAST CHALLENGEによるランク等に応じて1曲目、2曲目に選曲Lv制限がかかるが、選曲画面移行時に毎回BisCoが「Lv○まで遊べるよ!」と知らせる演出がテンポを阻害している。前述の通りスキップ不可。
    • プレイ終了後の「タカハシサンラボ」画面でも、楽曲解禁時のVolt注入演出でメーターの溜まる速度が遅く(こちらもスキップ不可)、また「タカハシサンラボ」を終了するボタンが存在しないため特に解禁したい曲がない、Voltを温存したい場合は制限時間切れまで待たなければならない。

コンセプト面

  • アニメソング等に汎用ムービーを使用している楽曲、16:9画面を生かしきれていない楽曲がどちらもそれなりに存在する
    • 後日追加されたアニメソング「Daydream café(ご注文はうさぎですか?)」「sister's noise(とある科学の超電磁砲S)」などはアニメ映像付きかと期待されたがまさかの汎用ムービーが使用されている。
      • 「Daydream café」に関してはビーストに1年半ほど遅れてmaimaiに収録された際にはアニメ映像付きとなっており、本作で汎用ムービーとなっていることが余計に悔やまれる。
      • 一応、これらアニメ曲についてはBisCo達が活躍するオリジナルの新規汎用ムービーを使っており、ムービー自体のクオリティは悪くはないのだが、アニメの曲なのに関係ないBisCo達が悪目立ちする側面もあり賛否両論。
    • 上記を皮切りにボカロや東方、果ては後述の連動イベントでコナミオリジナルにも、つまり全てのジャンルで汎用ムービーを採用した楽曲が登場。ムービーを重視した機種というコンセプトを真っ向から否定する仕様。
      • コナミオリジナル楽曲以外は基本的に版権が絡むという事情(例としてボカロ曲は本作が契約していない初音ミクや鏡音リン等クリプトン系VOCALOIDの姿が出せない)もあるとはいえ、もう少し何とかならないかという声もある。
      • なお、東方楽曲で使用される汎用ムービーはキャラクターのデザインや原作で使用する弾幕の意匠を取り入れており、それそのものの評価は高い。
    • 主に他機種からの移植曲でムービーもそのまま移植しているものの問題として、元々16:9画面用に作られたムービーはごく一部なのでこれらをプレー時は背景左右が黒帯となってしまう。特に「恋する☆宇宙戦争っ!!」等の4:3サイズよりさらに細いムービーでは余計に目立つ。
      • GITADORA』シリーズでは主に復活したロングバージョン曲で旧作で使用されていたムービーを画面に3つ並べることで全画面表示になるようにしている。本機種でも上記の楽曲で同様の表示形式にしてほしかったものである。*7
    • 他にはカスタマイズ設定で画面の明るさを100%にしても背景ムービーが薄暗いまま(デフォルト以上の明るさにはできない)なのも、映像をウリにしている機種としてはいかがなものかと思われる。
      • 同じく譜面が流れる後ろで16:9全画面表示のムービーが流れる『GITADORA』シリーズでは100%設定で背景ムービーがちゃんと明るくなる。これだと当然プレイに支障が出るわけだが、本機種では『GITADORA』よりもノーツの大きさが大きく前述の通り同時押しが目立つ色合いとなるため、同機種ほど支障が出るものではなかったはずである。

運営面

  • 過去最悪の連動解禁
    • 稼動後から約11ヶ月後に開催された大型連動イベント「怪盗BisCoの予告状!!」は、ビースト以外の7機種をも巻き込んだ大イベントだったにも関わらず、「連動」どころかビーストをプレーしないと何も解禁できない(イベント進行手段がビーストのみ)という、連動イベントの体をなしていないことをはじめとして問題だらけのイベントになってしまった。
    • 主催のビースト側についても解禁が非常に重く、他機種の楽曲をコンプしないとビーストの曲が解禁できないという事態。一応、ビースト側としては「萌え」要素の無い楽曲が移植され楽曲の幅が広がったという側面もあるが、コンセプトからしてブレブレで賛否両論だった。

総評

アニメや萌え方面に偏ったラインナップに加えてムービー特化という点では、若いアニメファン層をターゲットにした「BEMANIシリーズの穴を埋める」音ゲーと評価できる。が、視覚性の悪さを始めとする遊び易いようで遊びにくいゲーム性、そしてムービー特化というコンセプトを捨てたと言わざるを得ない稼働後期の展開など、様々な面において練り込み不足を感じさせてしまう。
萌えに特化しているため一見ライト層向けかと思いきや、初見殺しの影響を受けやすいゲージシステムの採用、既存ユーザー側にしても楽曲面で難ありと、どの層をターゲットとしたかったか不明瞭な所が目に付く。
稼動初期の時点でアニメソング含めた楽曲のほとんどがBEMANI内外問わず他機種でできることもあり、ムービーが見たいアニメ・ボカロ・東方ファン以外にはほとんどそっぽを向かれてしまった。これに追い打ちをかけるかのように、半ば無理やりな連動イベントが本作の評価をさらに厳しくしたのは否定できない。実際、「ビーストそのものに興味は無かったが怪盗で嫌いになった」という音ゲープレイヤーも少なくはない。

アニメソング等がjubeat、REFLEC BEATやポップンなどとムービーの無い機種に収録されてきた中、「ムービーと一緒にゲームを楽しめる」という本作独自の魅力は確かに存在していた、のだが…。


BeatStream アニムトライヴ

【びーとすとりーむ あにむとらいぶ】

ジャンル 音楽シミュレーション
対応機種 アーケード
発売元・開発元 コナミデジタルエンタテインメント
→コナミアミューズメント
稼動開始日 2015年12月21日
稼働終了日 2017年3月1日より『ノスタルジア』へ筐体コンバート開始
2017年9月1日に稼働完全終了
判定 なし
ポイント バラエティ豊かになった収録曲
ゲーム性もより多彩に
反面前作に比べ中途半端になったコンセプト
前作の問題点、不満点改善に努めてはいたがその甲斐虚しく…
BEMANIシリーズリンク

概要

2015年12月21日から稼働開始したメジャーアップデートバージョン。「アニムトライヴ」には「アニメとゲームの集合体(tribe)」という意味が込められている。英語で表記する場合は「Animtribe」となる。

新要素、変更点

  • 譜面レベル細分化
    • Lv9の中で9-と9+、Lv10の中で10-と10+が追加され、さらにその上にLv神が存在する15段階表記となった。それに伴い旧曲のレベル区分も変更されている。
  • ストリームノーツ、ロングノーツ仕様変更
    • 前作では画面の外側を曲線状になぞるタイプ、ジャッジリングを通る放射6方向×内外2方向の直線タイプしかなかったが、今作より画面随所にストリームノーツが出現するようになり、途中で方向転換するストリームノーツも新たに搭載された。
      • これらにより『jubeat』シリーズのように曲の歌詞に合わせた譜面や楽曲ジャケット等で見られるその曲を象徴するマークをストリームノーツで形作る譜面が登場するようになり見た目、ゲーム性ともに多彩になった。
      • また、前作ではNIGHTMARE譜面限定だった中央リップルノーツも新曲では全譜面で出現するようになっている。
    • 操作性の面では上記の曲線、直線タイプについてはノーツの始点からある程度勢いを付けて指をなぞるだけで終点までカーソルが移動するようになり、例として前作での右利きプレイヤーが「画面下に出た左から右への曲線ノーツをうまくスライドできない」といった問題が解消された。
    • また、ロングノーツを押している際の判定が甘くなり『REFLEC BEAT』シリーズのように押しっぱなし中に指を入れ替えてもコンボ継続できるようになった。
      • ただし方向転換するストリームノーツについては方向転換部分で毎回タッチ判定が行われているため、形作られたストリームノーツ通りに終点までなぞりきる必要がある。
  • 新要素「ハイテンションタイム」
    • おおよそ楽曲の盛り上がる部分に置かれているゾーン。発動中はノーツ処理時に楽曲ごとに異なる追加エフェクトが表示されるようになる。
  • ハイスピード設定周り
    • エントリー画面、ロード画面中以外ならいつでもハイスピード設定可能になった。また、プレイ中に手が触れてしまって誤作動しないようにロック機能がついた。
      • 画面右下の鍵マークを長押しすることでロックのON、OFFが可能。
  • Volt、Magneが廃止され楽曲解禁方式が単純明快に
    • 1プレイ毎に1曲必ず解禁できる単純でわかりやすいものになった。解禁画面では新たに配信された楽曲がまず表示されるが、画面端の矢印をタッチすることで過去配信の解禁曲ページへ遡ることができる。

評価点

  • コインプレーでも選曲難易度制限なしで必ず3曲プレイできるように
  • 前作に比べバラエティ豊かになった収録曲
    • 楽曲ラインナップに『グラディウス』等コナミレトロタイトルや萌え以外のアニメソング、ネタ方面で大人気なSUPER STAR 満-mitsuru-「She is my wife」、硬派とも萌えともいえる黒猫ダンジョン楽曲*8等のBEMANI移植曲等を収録。
    • 前作同様アニムトライヴオリジナル曲は全て専用ムービー付き。各アニメ作品OP、ED映像のようなフルアニメーションのムービーは皆無なものの、いずれもクオリティは決して低くない。
      • コナミレトロタイトル楽曲それぞれのQrispyさんの実録プレイ動画ムービーについては、該当ゲームのトライ&エラーなプレイ動画を流しているだけなので賛否が分かれる所であるが…。
  • 譜面多様化によるゲーム性向上
  • 下画面の選曲リスト上において出典アニメ名とそのOP曲、ED曲であるかが表示されるように
    • 「あのアニメのあの曲だ」と一目でわかりやすくなった。

賛否両論点

  • イメージカラー、デザイン変更により減ったキャッチーさ
    • 今作のデザインテーマは「工場」とのことでそれぞれのキャラクターも黒を基調としたコスチュームとなった作風変更であるが、ぱっと見のキャッチーさは明らかに減っておりBeatStream自体があまり良い印象を持たれていない中でのこの変更は決して追い風になるものではなかったと思われる。
  • やや狭苦しくなったプレイ画面
    • 画面内の左右に曲の進行を表すゲージ*9とハイスピード設定メモリが内蔵された装飾が配置されたが、これにより楽曲プレイ中はムービーの左右が必ず見切れるようになってしまい、人によっては狭苦しさを感じさせるデザインにもなってしまっている。

問題点

  • ムービー特化であるはずなのにやはりどこか至らない点
    • アニメ映画「クレヨンしんちゃん バカうまっ!B級グルメサバイバル!!」の主題歌やTVアニメ「進撃の巨人」の主題歌*10等よりメジャーな作品の楽曲が収録されたが、稼働初期に収録されたアニメソングのうちこれらを含む半数は汎用ムービーとなっている。後者ならOPの「巨人の弱点である脊椎を急降下しながら切り裂く」シーンを意識した譜面となっているのにあんまりな仕様である。
    • 今作移植曲の中にも搭載されているムービーが4:3画面サイズもしくは専用ムービーが存在しない楽曲が半数を占めており、相変わらず本機種が16:9画面のムービー特化な作風であることを考慮していない。賛否両論点にある「画面左右の装飾でムービーが見切れる」仕様はこれを誤魔化すためのものなのかと邪推したくなるものである。*11
      • 2016年9月14日の「スズキサンプレゼント大作戦」による移植曲配信以降、他機種の人気曲をムービーがあるなしに関わらず手当たり次第移植しだした感があり『ミライダガッキ』稼働末期を彷彿させ先行きが不安視されていたが、その不安はのちに現実のものとなってしまう。
    • 新曲のVOCALOID版権曲3曲には汎用ムービーを使用*12、画面の明るさを100%にしても背景ムービーが若干薄暗いままといった前作の問題点もそのままである。
  • それでも改善し切れなかった視覚性とゲーム性
    • 下側3方向の矢印表示に加えジャッジリング周りの半透明の角丸長方形がノーツが来る時に光るようになったが、ガイド表示としては大してあてにならない。
    • 主に高難易度譜面で起こりやすい「譜面ごとに特定のハイスピード値でノーマルノーツとリップルノーツが重なりタッチしても両方Miss判定になってしまう」問題*13が前作からそのまま継続している。
  • 稼働終了告知後もコナミオリジナル曲の無条件解禁はなし
    • 下記にある通り2017年9月1日に稼働終了の予定でアニムトライヴ稼働終盤でもある現在だが、前作稼働終盤のようにコナミオリジナル曲の無条件解禁はされていない。前作に比べ楽曲解禁は重くないが残念なことではある。

総評

固定ファンが多かったのかはたまた無茶なイベントが功をなしてか、それともテコ入れのつもりなのか稼働開始した次期バージョンの本作。たしかに収録曲とゲーム性は多彩になり問題点の改善もあったものの、前作に比べビジュアル特化という当初のコンセプトはどこかあやふやになった感があり、また前述の改善を以てしても前作での悪評を覆すには至らなかった。

稼働後半年ほどは比較的積極的なアップデートが行われたが、その後やはりインカムが振るわなかったのか本作は急速に縮小。極めつけに6th KAC(2016年公表)では現稼働にもかかわらず、選考機種から省かれてしまったのを皮切りにプレイヤー間に広まった懸念は後に現実のものとなり、2017年9月1日の稼働終了を迎えることとなった。


余談

  • ムービー特化や楽曲ラインナップ、放射状に移動するノーツ・なぞって操作するノーツ等、『maimai』を意識しているのではないかと言われることが多かった。
    • 尚、向こうは初期こそニコニコ動画方面特化だったが早いうちにバラエティ寄りに転化していた。
    • 現在はゲーム性・入るアニメ版権の方向性・イメージキャラクターのモチーフ被り(「女性型アンドロイド」と「猫型ロボット」の組み合わせ)などから『crossbeats REV.』シリーズと比較されることが多い。
  • イメージキャラクター「BisCo」は登場の時点でpop'nのキャラクター「Bis子」と名前被りを起こしていたが、ポップンカードのレアイラストにて2名の共演を果たしている。
  • JAEPO 2017にて新機種『ノスタルジア』の着荷予定が2017年3月1日と発表されたのだが、『「ノスタルジア」はBSの筐体をコンバート改造して稼働する』『コンバートしない場合でも最長稼働は2017年8月31日まで、以後起動不能になる』とアナウンスされており、本作は更新打ち切りどころか完全消滅が確定した状況に置かれてしまった。
    更に本作には、既に更新終了した『ミライダガッキ』や『DanceEvolution ARCADE』のようなオフライン稼働対応キットすら用意されていない。
    • これらについては、ムービーなどのライセンス問題がネックになったのではないかと推測されている。残念ながらこの有様では企画面での詰めの甘さ故に、手痛いツケを払わされる格好となったと酷評せざるを得ない。
    • 実際、実質的な更新終了日の2017年2月24日以降もアニメ「ミカグラ学園組曲」の各楽曲、アニメ「オーバーロード」のClattanoia(OPテーマ)、アニメ「NEW GAME!」のSAKURAスキップとNow Loading!!!!(OPテーマとEDテーマ)と版権曲が立て続けに削除された。
    • また、下記の「BeatStreamのあの曲達がjubeatでも遊べちゃう!」にて「メイビー初恋!? ビスケット☆大作戦」のみjubeatへ移植されていない。これは同曲はBisCoが歌っているという設定=声優の洲崎綾氏を起用している関係である。*14
  • アニムトライブ稼働時の書き下ろし楽曲や移植曲の新規ムービーの大半は長らく他機種に移植されない事態が続いていた。しかし、beatmaniaIIDX 24 SINOBUZに「朧」と「打打打打打打打打打打」のムービーが移植された事を皮切りに様々な機種へアニムトライヴ産ムービーや楽曲が移植され始めた。
    • 特に『jubeat Qubell』稼働終盤に開催されたイベント「BeatStreamのあの曲達がjubeatでも遊べちゃう!」では、BeatStreamオリジナル曲ほぼ全てがjubeatへ移植されることとなった。jubeatと本機種は操作性、ゲーム性的に似た部分があるためと思われる。
    • BS自体のサントラも初代を含めて未だに発売されておらず、CD音源化された楽曲も連動や移植関連の物ばかりであった。
      • 一応現時点ではBeatStreamオリジナル曲のほとんどはYouTube、ニコニコ動画それぞれにムービーを含めて公式アップロードされており、いずれもゲームサイズ音源をフル試聴できるようになってはいる。前述の「メイビー初恋!? ビスケット☆大作戦」の動画も削除されることはないと思われる。*15
  • 本機種を対象としたFLOOR INFECTION/POLICY BREAKについては、稼働終了まで一度も復活開催が行われなかった
    • FLOOR INFECTION解禁曲については、一応BEASTHACKERで未解禁時でもプレーが可能だったが、モードの関係でBEAST譜面でしか挑戦できず、解禁曲のうち「Dynasty」についてはプレーはおろかムービーを見る手段すらも無い状態で稼働終了を迎える事になってしまった。
    • 一方、POLICY BREAKの方は、ビースト稼働終了後もGITADORAと同様の措置が取られる可能性が非常に高いと言える。
  • 上記の『ノスタルジア』稼働直後にネット上で本機種プレイヤーがノスタルジアならびに同機種プレイヤーを誹謗中傷する行為がわずかに見られた。
    • 「本機種と同じ筺体を使用している=ノスタルジアが稼働開始するせいでBeatStreamが終わるはめに」という短絡的かつ的外れな思考によるものと思われ*16、奇しくも「怪盗BisCoの予告状!!」開催中にBeatStreamプレイヤーが他機種プレイヤーから白い目で見られていたのとは真逆の構図になっていたと言える。
      • もちろんこれはBeatStream自体ではなく一部プレイヤー達のモラルの問題だが。
    • ちなみに『ノスタルジア』側にも「PLEASURE STREAM」という、あからさまにBeatStreamを意識した様な楽曲が存在しているのだが、本曲の配信時期がノスタルジア自体の稼働開始直後=BeatStreamシリーズの実質的な更新終了日であった事から、BS側のプレイヤーから「実質的なBeatStreamのED曲」と認識されているらしい。
  • A応P(アニメ“勝手に”応援プロジェクト)
    • 本機種を語るにはA応Pの存在が欠かせない。
      • 同ユニットは2012年の結成当初は非常にマイナーなアイドルユニットであったが、彼女らの冠番組「A応Pのあにむす!」が本機種とのコラボレーションを行った事による縁からBEMANI側に着目され、その後は大日本鉄倶楽部(あさき&96)が手掛けたTVアニメ「おそ松さん」OPテーマ「はなまるひっぴはよいこだけ」の歌唱を行った事から大ブレイクを果たす事になった。
      • 知る人ぞ知る存在から有名人に仕立て上げた事から、ビーストは彼女らの「育ての親」として語られている事もあるのだが、件の「おそ松さん」の第2期の放送開始年月が2017年10月とBeatStreamシリーズ自体のオンラインサービス終了後という事になっているのは皮肉としか言いようが無い…
  • 本作ではその略称を意識したのか、とあるビデオ作品*17のスラング的な顔文字を多用している。なんだこれは・・・。たまげたなあ。
    • テキスト面ではその方面のスラングを臭わせることはほとんどない。