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SOLAR ASSAULT - (2019/01/24 (木) 11:23:17) の編集履歴(バックアップ)




SOLAR ASSAULT

【そーらーあさると】

ジャンル 3Dシューティング
対応機種 アーケード
発売・開発元 コナミ
稼動開始日 1997年7月
判定 なし
ポイント グラディウスを題材にした3DSTG
3DSTGとしての完成度はイマイチ
グラディウスシリーズ

概要

  • グラディウスIII -伝説から神話へ-』の3Dシューティング面(4面)を元に生み出された3DSTG。
    • 『III』の該当ステージは擬似3Dだったが、本作では全編フルポリゴンで描写されている。
    • とある展示会で公開された「ビックバイパー」という名のレースゲームが元になっている。
  • 専用大型筐体のみの販売で、29インチブラウン管+ベンチシートのスタンダード版と、50インチプロジェクターとボディソニック機能内蔵シートのデラックス版の二種が存在する。
    • 元は同社のレースゲーム『スピードキング』で使用された大型稼動筐体のコンバージョンキットとして企画されたもので、初披露時はこの筐体が使用された。そして、この『スピードキング』筐体を使ったバージョンも極少数ながらも存在してた模様。
  • サブタイトルとして「ソーラーアサルト グラディウス」と表記されている。

ストーリー

バクテリアンとの最後の戦いから12年後。新たな外敵の襲来に備えるべく、惑星グラディウスにて伝説の名機「ビックバイパー」と「ロードブリティッシュ」で培われたノウハウを融合させる研究が行われていた。
その研究により最新鋭機「アルピニア」が誕生する。サイコム物理学の研究で発見された「レーザーそのものが意思を持ち、自ら物質へ衝突しに行く」部分を兵器に転用した「サイコムレーザー」を搭載し、惑星グラディウスの新たな希望と平和の象徴として開発が進められていた。
そんな中、突如正体不明の謎の「物体」が出現。「物体」が通った軌道に存在してた惑星はどれも消滅するという不可解な現象を起こしながら惑星グラディウスへの接近を試みようとしていた。果たして「物体」は敵なのか味方なのか?それともかつて死闘の末に倒されたはずのバクテリアンなのか・・・?
事態を重く見た防衛軍最高機密機構:JOHNはこの正体不明の「物体」を迎撃する命令を下す。実戦テストも兼ねたアルピニアと共にビックバイパー、ロードブリティッシュが出撃。漆黒の宇宙へ飛び立っていた・・・。

作戦コード名「ソーラーアサルト」発動。

ゲームシステム

  • 操作方法はショット発射用の「トリガーボタン」とミサイル発射用の「ミサイルボタン」がついたアナログジョイスティックと、シート左側にあるパワーアップボタン。視点変更も自機後ろとコクピット視点に切り替え可能。
  • 基本システムは歴代グラディウスと同様で、敵を倒して出現したカプセルを回収、消費する事でパワーアップする。
    • パワーアップカプセルは自機と同じ距離で暫く停滞する。回収は容易。
    • 本作ではスピードアップが消滅。移動速度(上下左右移動)は機体によって異なる。
    • ミサイルは2段階パワーアップ可能で、一度装備した後に再びミサイルに合わせてパワーアップするとミサイルが強化される。
    • カプセル1個につき100点。メーターを1周させる毎に5000点のボーナス点が入る。
    • 自機選択後にパワーアップ方式を自動的に適切なパワーアップが行われる「オート」と従来通りパワーアップボタンで任意でパワーアップを行う「マニュアル」から選択する。「オート」を選択した場合は、トリガーボタンを押すことでショットとミサイルが同時に発射されるようになる。
  • 溜め撃ち。レーザー装備後にトリガーボタンとミサイルボタンを両方長押ししてから放すと機体毎に異なった特殊攻撃が可能。溜め撃ち発射後は一時的にショットとミサイルの発射が不能になる。
  • 自機選択システム搭載。本作では3種類の自機から1機選択してプレイする事ができる。おなじみ「ビックバイパー」「ロードブリティッシュ」と新機体「アルピニア」。それぞれパワーアップ内容と移動速度が異なる。
+ 自機の詳細。クリックで開閉
  • WC-672H アルピニア:シリーズ初登場の新機体。ビックバイパーに似た外見でカラーリングは黒めのボディに橙のストライプ。移動速度は遅い。ミサイルと溜め撃ちが敵を自動追尾するため、避けに専念しやすい。
    • サイコムミサイル(サイコムII):発射後敵を追尾するホーミングミサイル。強化版の「サイコムII」は最大2連射から3連射になる。
    • マインドブラスト:正面ショットと同時に反時計回りに2方向ショットが発射される。
    • ツインレーザー:連射可能な細切れの2連装レーザー。溜め撃ちは敵を追尾しつつ一定時間画面中を飛び交う「サイコムレーザー」に変化する。
  • BP-592A ビックバイパー:シリーズおなじみの主役機体。カラーは白いボディに青のストライプ。移動速度は中間。装備は初代のものをほぼ踏襲している。
    • ミサイル(フォトントゥーピド):下方向に発射され、地面を滑走する。強化すると「フォトントゥーピド」に変化し、敵に対して貫通する性質を持つようになる。
    • ダブル:正面と斜め上にショットを同時発射する。
    • レーザー:耐久度の低い敵を貫通する細いレーザーを長時間照射する。発射後の隙は長め。溜め撃ちはレーザーのサイズが極太に強化される。
  • LS-379G ロードブリティッシュ:『沙羅曼蛇』で2P側自機として初登場した機体。カラーリングは白いボディに赤のストライプ。移動速度は速い。装備は『沙羅曼蛇』や『グラディウスII』の4番装備に近い。
    • 2ウェイ(3ウェイ):左右同時にミサイルを発射。強化すると「3ウェイ」になり、下方向にも発射されるようになる。
    • フリーウェイ:正面に加えてレバーを倒した方向にもショットを同時発射する。
    • リップルレーザー:連射可能なリング状のレーザー。溜め撃ちは着弾後、一定時間攻撃範囲が球状に広がるものに変化。
  • 全機体共通の装備はオプションとシールドの2つ。オプションは最大4つまで装備可能。シールドは見た目は初代のシールドと同じく前方に壁を張るもので耐久値は3。
  • シールドが装備されてない状態で敵機や敵弾、地形に当たるとミス。ミス後の復活はその場復活制でミスした時の装備から半分程度剥奪されて復帰する。残機がない状態でミスをするとゲームオーバー。
    • 残機のエクステンドは点数により1度だけ行われる。
  • コンティニュー方式は工場出荷設定の「その場で再開」以外に「ステージの最初に戻る」「ステージ5(10)のみステージの最初に戻る、それ以外はその場で再開」の3種類。これらはテストモードで選択可能。
  • 全5ステージ構成。工場出荷設定では1周エンドだが、2周エンドにすることも可能。2周目では敵を倒した時に撃ち返し弾が撃たれるようになる。

特徴

  • 描写能力の限界か、世界観を守るためか。おそらくパイロットの姿を描写しないためにビックバイパー及びロードブリティッシュの設定サイズが100m程に巨大化している。
  • 筐体カラーはアルピニアを意識した黒地のオレンジ色になっている。
  • ビッグコアは後の『グラディウスV』では平べったいデザインになったが、本作では円筒形。Mk-IIの方もカバーが2枚ではなく3枚の立体的な物となっている。

評価点

  • グラフィックは大変リアルに描写されており、プレイ感覚やオブジェのデザインから『スターフォックス』を彷彿とさせるものの、モアイやザブなど、グラディウスシリーズおなじみのギミックを見る事ができる。
  • シリーズでおなじみのミサイルやダブル、レーザー、そして支援武装のオプションの存在により自機側の火力は3DSTGの中でもかなりのもの。フルパワー状態ではトリガーを一度引くだけで広範囲を焼き払う事が出来る。防御面も装備すれば3発まで耐えられるシールドがあるがため抜かりなし。
    • しかし、敵側は敵側で撃ってくる敵弾の数もシリーズ作の中で多めの調整となっており、パワーアップを重ねてランクが上がると目に見えて敵弾の数が増加する。後半面や撃ち返し弾が加わる2周目での弾量はまさに「弾幕」。これらの猛攻やギミックを画面中を縦横無尽に駆け巡りながら捌いていく様はなかなか脳汁が出る。
      • 現状ではシリーズで唯一の3D作品のため、他のシリーズ作品とは色々と勝手が違う。一方でオプションを駆使した戦略性は他の3DSTGでは味わえない、本作独自のプレイ感覚を生み出している。
  • 泉陸奥彦の手がけたBGMは非常に評価が高い。
    • 長らくサントラ化はされていなかったが、2011年発売のグラディウス アルティメットコレクションに収録されている。

難点

  • 視点が非常に悪い。
    • 遠近感が把握し難いため、敵弾の当り判定やカプセルの回収タイミングが非常に解り難い。
    • 特に自機の機影に隠れて敵機や敵弾が見えなくなるのは3DSTGとしては致命的な欠点。
  • 難易度にムラがある。
    • シリーズ伝統の高速ステージであるステージ4の存在が主な要員。高速で複雑な地形やギミックが迫って来るため、凄まじい量で飛び交う敵弾と共に回避しなければならない。3Dシューティングと言うジャンルの特性故に、このステージだけ難易度が高く、後のステージはここと比べると見劣りする。
      • 敵の攻撃が全体的に激しい本作だが、パワーアップメーター1周ボーナスを無視すれば、メーターをシールドに合わせた状態を維持しておき、剥がれたら即座に次のシールドを張って再びメーターをシールドに…という戦術が使えるため、一旦装備を整えれば長い時間生き残りやすい。ただし、シールドで被弾した時の無敵時間は非常に短く、場合によってはあっという間に剥がされる事もあるため油断は禁物。

総評

  • 幾多のギミックから見受けられる脈々と受け継がれたグラディウスの血統。だがそれらを3DSTGに落とし込むにはノウハウが足りなかったようだ。後の『リバイズド』(下記参照)ではサブタイトルも消されてしまった。

SOLAR ASSAULT REVISED

【そーらーあさるとりばいずど】

ジャンル 3Dシューティング
対応機種 アーケード
発売・開発元 コナミ
稼動開始日 1997年12月
判定 なし
  • 基板差し替えのバージョンアップ版。
    • ステージ2に『沙羅曼蛇』のステージ3を髣髴とさせる新規ステージが追加されて、全6ステージ構成に。それに伴って無印のステージ2はステージ4に移動。背景が白から黒に変わり地形が追加されるなど、雰囲気が変化している。
      • それ以外の既存ステージも新規の敵やボスの攻撃パターンが追加されている。特にステージ5ボスのビッグコアMk-IIはレーザー一斉発射と体当たりを繰り返すだけだった無印から一新され、別物と言えるほどに多彩な攻撃を行い、大幅に強化された。
    • ラストボス直前にシリーズおなじみの敵、クラブが登場するようになった。本作では脚3本と本体のコアを破壊する事で撃破可能。
    • アルピニアの機体速度の上昇やビックバイパーのレーザー発射後の隙の短縮化の調整が施された。
    • なぜかタイトル画面からグラディウスの文字が消えている。
    • 本作の海外版はタイトルこそ無印と同じく「ソーラーアサルト」(ただし国内版にはあったサブタイトルのグラディウスはついていない)だが、内容はこちらのバージョンに準じている。また、タイトル画面は国内のどのバージョンとも異なる独自のものとなっている。

余談

  • 本作は出回りが悪い。
    • 不況不況と言われ始め、ゲームセンターバブルがはじけるか否かと言う折に登場した大型筐体。更に絶世の格闘ゲームブームの真っ只中。加えてグラディウスシリーズアーケードの前作『沙羅曼蛇2』の評価が微妙という条件が重なった事が原因か。
      • 更に同年は『ときめきメモリアルドラマシリーズ』や、『ときめきメモリアル2』の制作発表。そして年末にはあの『ビートマニア』と、コナミ自身の手で本作の存在を影におとしてしまったと言う経緯もある。
  • 本作で初登場となった自機アルピニアは印象的な外見をしているにもかかわらず、その知名度の低さ故か『オトメディウスX』しか外部出演がない。