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ダライアスツイン - (2017/10/10 (火) 23:05:06) の編集履歴(バックアップ)
ダライアスツイン
【だらいあすついん】
概要
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スーパーファミコンが発売された間もない1991年に登場した、ダライアスシリーズとしては初となる家庭用オリジナル作品。
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ゲームとしてのベースは『ダライアスII』基準になっている、二人同時プレイ可能、全7ステージ、12ゾーン構成。
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『II』が太陽系内を舞台とするのに対し、本作は惑星ダライアスを目指すストーリーになっている。最終ステージ名もPLANET DARIUS。
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一人プレイでは緑のシルバーホークを操作する事になる。二人プレイ時は従来通り1Pが赤、2Pが青のシルバーホーク。
ゲームバランス面での問題
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『ダライアスII』同様、メイン攻撃としてショット、ボム、レーザーが存在し、各パワーアップアイテムを取る事により強化していくスタイルである。
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『II』では別武装扱いだったボムとレーザーは対地攻撃として統合されており、ボムのパワーアップが進むと敵や地形を貫通するレーザーに変化する。
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一度ミスするとほとんどの装備が初期状態に戻る『II』とは違い、本作はミスしても一切パワーダウンはしない仕様である。その為、ミスしても極端に戦況が不利になる事は少なくなった。
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上記パワーアイテム以外にも、ショットを二種類の性能の切り替えるアイテムが存在するのだが、まずこれがゲームバランスを著しく崩壊させている元になってしまった。
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このアイテムを取ると、ショットが「ウェーブ⇔ナパーム」と切り替わるのだが、ウェーブの方がすべてにおいて高性能であり、攻略を楽にしていく上でナパームは邪魔なだけの存在になっている。ゲーム開始状態のショットはナパームなので、一回このアイテムを取ってウェーブにし、以後このアイテムを取らない事こそが安全にクリアする条件になっている。ちなみにこのショット切り替えアイテムはゲーム中たったの2回しか登場しない。
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ウェーブは攻撃力がナパームより高く、攻撃範囲もこっちが上、さらにはすべての敵、壁を貫通する能力も持っており、ナパームの良い面が全く無い。これを知らずにナパームで進んでしまうと、強制的に死亡フラグへ直行してしまいがちである。
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さらに本作のバランスに問題がある点として、極端にヌルいステージと理不尽に難しいステージの差が激しいところがある。
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パワーアップを順調に取り、ショットをウェーブで固定していると、さほど難しいポイントも無く、大分ごり押しで先に進む事が可能。しかし、最終ステージであるゾーンLの道中戦だけは、まるで別のゲームの最高設定難易度に匹敵する鬼畜レベルの難しさであり、正攻法ではまず間違いなく沈没する事は必至である。
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ゾーンLは今までのステージに登場した中ボスや大型敵が大量発生し、ウェーブでも速攻撃破はできないわ、レーザーまみれで弾を避けるスペースは見当たらないわ、アイテムが一切出現せずアームの補充はできないわで、とてもテストプレイされたとは思えない酷さである。
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一応、安全地帯を利用した攻略方は存在するので、クリアできないわけではないが、初見ではこの攻略はまず思いつかない。つまり、安置とパターン把握を覚えるしかまともな攻略は存在しない事になる。
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道中を越えた後にラスボスが2体登場するが、道中の比にならない程弱く、楽に倒せてしまうというアンバランスな展開が待ち構えている。
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この様に、クリアが不安定なゲームにも関わらず、コンティニューは一切存在しない潔さであり、通常ではごり押しクリアは不可能である。
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しかし、裏技で残機を50まで増やせるので、それを使えば流石にごり押しクリアは可能。ただし、この裏技を使用するにはコントローラーを二つ接続する必要がある。
他の特徴
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登場ボスの大半は『ダライアスII』のボスのアレンジが多く、ボスのコードネームがちょっと豪華になっている。
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1面のボスは『II』でも登場した「キラーヒジア」なのだが、容量の関係か第2形態(内部機構を展開してのミサイル連射)は削除されてしまっている。
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スーパーファミコンの容量の問題なのか、ゾーン数が『ダライアスII』に比べ縮小されており(ダラIIは28ゾーン)、最終ステージは必ずゾーンLの鬼畜地帯に固定されている。また、ゾーンマップの形が魚型になっており、この辺は粋な計らいと言えなくもない?
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マルチエンディング制なのは本作にも採用、主に一定ルートに進んでいく、とあるボスを倒さずに逃すといった条件を満たす事で結末が替わる模様。
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全体的に他の同シリーズ作品のような暗い色調や哀愁さといった雰囲気が少なく、明るさを重視している節があり、BGMもメジャーコードを多用した底抜けに明るいBGMが多い。マイナー調の曲もあるが中間と言った物がなく、とにかくストレートな曲ばかりである。
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ちなみに本作のBGMはZUTATAではなく、外注の相澤静夫氏が作曲している。しかしBGMのクオリティは高く、作風こそ違いがあるものの他の同シリーズ作品の名曲と引けを取らないレベルである。
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なお、サウンドプログラムはZUNTATA(古川典裕氏、大縫一行氏)、サウンドソフトウェアはNAO.NEKO氏が担当している。
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ほとんどの曲が新曲だが、最終ステージ1つ前のゾーンKではボスのハイパーグレートシング戦で『ダライアス』のBOSS7(アレンジ)が流れる。
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後の『サーガイア』共々、少なくとも『ダライアス』の時点ではラスボスの一角に過ぎなかったグレートシングが、単独で特別なボスとして扱われるようになった作品といえる。
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後発のSNES版ではサウンドが若干作り変えられており、ステレオ出力にも対応している。逆に言えば日本版は残念ながらモノラル出力のみである。
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SFC初期タイトルにしては処理落ちが比較的少ない。
総評
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極端に性能差のあるショットと、極端に難易度差の激しいステージが災いし、かなり大味なシューティングである事は否定できない事実である。
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しかし、他のシリーズに比べ、復活が容易なところや、(裏技を使用すれば)さほど苦労もせずにクリアできる点など、それなりにシューティングとして遊べるゲームであるのも事実ではある。
その他
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同時期のスーパーファミコンにて、コナミから『グラディウスIII』が発売され、有名シリーズである両者はよく比較される傾向にある。残念ながら完成度の面では『グラIII』の方が上という声が多いが…。
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ソフトの出荷数が多いらしく、今でも中古ショップにて捨て値で購入が可能。もしゲームがいまいちだったとしても、サウンドテストでBOSS7を含め名曲が堪能できる事を考えると、十分購入価値はあるはずだ。
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続編の『ダライアスフォース』は本作とはまた違った問題点、利点を兼ね備えたゲームとして賛否が分かれる事になる。