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ドラキュラII 呪いの封印 - (2013/05/09 (木) 17:58:00) の編集履歴(バックアップ)


ドラキュラII 呪いの封印

【どらきゅらつー のろいのふういん】

ジャンル アクションRPG
対応機種 ファミリーコンピュータ ディスクシステム
発売元 コナミ
発売日 1987年8月28日
定価 2980円
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2008年10月28日/500Wiiポイント
【3DS】2013年3月27日/500円
ポイント 早すぎた探索型ドラキュラ
アクション面は単調
嘘つきばっかの町人
悪魔城ドラキュラシリーズリンク

概要

悪魔城ドラキュラシリーズの2作目。
前作(悪魔城ドラキュラ)でドラキュラとの戦いで呪いを受けたシモン・ベルモンドが自分の呪いを解くために各地の館にあるドラキュラの遺骸を集め、蘇ったドラキュラを倒して封印する話。
純粋なアクションゲームであった前作と比べると、『メトロイド』に代表される探索要素や成長要素などのRPG的な要素が強くなっている。

特徴

基本的な操作システムは前作と変わらないが、RPG色が強くなった影響が各所に見られる。
大まかなゲームの流れは、「各地を転戦しながら情報を集めたり自身を強化する→館でドラキュラの遺骸を集める→全ての遺骸を集めたらドラキュラ城廃墟に向かい、ドラキュラをあえて復活させた後に完全に滅する」という感じになっている。
ライフ制+残機制で、残機ゼロになるとゲームオーバー。コンティニュー可能だが、金と経験値がゼロになるペナルティを負う(アイテムやレベルはそのまま)。

  • 冒険の舞台は、人々が住む「街」とドラキュラの遺骸が安置されている「館」、そしてそれらをつなぐ「フィールド」に分かれ、比較的自由に行き来できる。前作のようなステージクリア型ではなくなった。
    • 街では人々と会話して情報を集めたり、道具屋からアイテムを購入したりできる。
    • 館は前作のような完全アクション特化のステージと思えばよい。ただし、壊せたりすり抜けられる床や壁が大幅に増えているので、探索の要素が大幅に増えている。
  • 敵を倒して経験値や金(ハート)を稼ぎ、レベルを上げたり武器やアイテムを購入するというRPG的な要素が強まっている。
  • 時間の概念があり、一定時間経つと昼夜が切り替わる。夜間は「街の施設が一切利用することができなくなる」「街の中にも敵が出る」「敵の耐久力が2倍になる」といった制約を追う。ただし、敵を倒したときに得られるハート量が多くなる。
    • 館(建物内)にいる時以外はプレイヤーを放置していると時間が経過していく。また敵と戦っている最中でもお構いなしに時間がくると昼から夜(あるいはその逆)の移り変わりを知らせるメッセージが出る。
    • なお、本作はマルチエンディング制を導入しており、時間の経過具合によってエンディングが変化する。具体的には、7日以内にクリアするとグッドエンド、15日以上かかるとバッドエンド。

問題点

  • アクション面
    • 残念ながら前作よりもアクション性は劣ってしまっている。操作性は前作を踏襲しているためその点には問題なく、炎のムチなど武器を強くするに連れ爽快感は増すが、一方でマップのギミックがあまり凝っていなかったり、敵の行動パターンも単調なものばかりなので、作業感が浮き出てしまっている。
    • ボスは一部の館にしか出てこない。その上ラスボスのドラキュラも含めハメられるので緊迫感が無い。
  • 謎解き面
    • 自力攻略の難易度が高い。完全ノーヒントという訳ではないのだが、街の住人に嘘情報を吐く輩が多い。これが混乱のもとになっている。なお、説明書には嘘吐きもいることは記載されている。
      • たとえば、行く手を阻む「デボラの崖」では、「崖の前で赤水晶をかかげ風を待つ(崖の前でアイテム「赤水晶」を選択して10秒間しゃがむ)」のが正解で、このヒントは別の場所で入手できる文献に記載されている。しかしその一方で、とある街の人は「デボラの崖を頭突きで切り開け。すると大きな穴が開く」と嘘を吐くのだ。
    • 容量を削減するため、メッセージはカタカナオンリー。少々分かりにくい。
  • システム面
    • 本作の評価を下げた要因のひとつとして、場所を移動するごとに頻繁にディスクのロードが起こったことも挙げられる。後年になって「ROMであれば楽しかったかもしれない」と振り返る意見もあった。
      • NES版も発売されたが、こちらはROMカセットなのでロード時間は皆無。ただしNES版ではバッテリーバックアップ機能が無いので、ゲーム再開時にパスワードを入力しなければならず、再開が少々面倒である。

総評

RPGの要素を無理なく取り込むことに成功しているため、アクションRPGとしてはそれなりにまとまっている作品。
理不尽な謎解きやゲームバランス面での練り込みの甘さが問題視されており、そこの調整さえ完璧だったら名作たりえた点が残念なところである。
後の月下の夜想曲以降のシリーズが探索型アクションRPGとしての性質を強めていったことも考えると、本作は「マンネリ化を防ぐための試金石、実験作」として定義できるかもしれない。

余談

  • BGM「Bloody Tears」は定番曲として何度も何度もアレンジされて登場している。他の曲も悪くは無いのだが、「Bloody Tears」が神曲すぎてその影に隠れてしまった印象は否めない。
  • ドラキュラの遺骸(=魔導器)やメッセージ等、設定面において後のシリーズに継承されたものは多い。
  • 後にバーチャルコンソールで復刻され、公式サイトに謎解きの一部が紹介されているので、昔よりは難易度は低下したといえる。
  • 米国在住のコメディアンであるジェームズ・ロルフがクソゲーのレビューをする動画、AVGN(The Angry Video Game Nerd)の記念すべき最初のレビューはこの作品である。
    • 当時は「ANN; The Angry Nintendo Nerd」名義だった。レビューの際にはアクション性の不自由さ、謎解きの理不尽さ等を淡々と、しかし時に口汚く罵っている。しかし上記のように擁護意見も絶えないため、ロルフ氏には今でも本作のレビューに対する批判が来るという。これに関してロルフ氏は「AVGNはコメディだから」とコメントしている。
    • なお、ロルフ氏は2009年に行った「悪魔城シリーズマラソン」において本作を再度レビューしている。