「ディジャブ 悪夢は本当にやって来た」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
ディジャブ 悪夢は本当にやって来た - (2011/01/06 (木) 01:55:29) の編集履歴(バックアップ)
ディジャブ 悪夢は本当にやって来た
【でぃじゃぶ あくむはほんとうにやってきた】
ジャンル
|
アドベンチャー
|
|
対応機種
|
ファミリーコンピュータ
|
発売・開発元
|
ケムコ
|
発売日
|
1988年11月22日
|
定価
|
9800円
|
ポイント
|
ケムコ印の即死ADV 3部作中唯一のシリアス派
|
概要
-
海外のパソコン(オリジナルはMac)用推理ADVゲームのFC移植作にして、ケムコ即死ADVシリーズの1作目。
-
ゲーム開始直後、主人公は自分の顔も名前も、それまで何をしていたのかも、一切の記憶を失っている。どこかのトイレの個室でただ1人目覚めて途方に暮れるが、彼はある殺人事件の濡れ衣を着せられようとしていた。
特徴
-
行動と目的語を選ぶ事でコマンドを実行していく。目的語は画面右に表示されるメニュー内だけでなく、グラフィックウィンドウ内をカーソルで直接指定する事もできる。
※画像は「あける→コート」を実行したところ。右にコートの中身が表示されている。
-
画面右下に、目的語として使用できる「セルフ」というコマンドがある。これは自分自身を意味し、アイテム使用や「調べる」コマンドなどを自分に対して実行する時に使う。
-
拳銃や危なそうな薬をセルフに使うとゲームオーバーになる。
-
アイテム周りの仕様は、他のFCのADVと比べるとやや異質。
-
やたらたくさんのアイテムがあるが、その内ゲームクリアに必要なものは限られていて、大半はダミー。また、アイテム単体だけでなく、「さいふ」や「バッグ」といった入れ物自体もアイテムとして手に入る。
-
不要なアイテムは特定の場所で捨てられる(クリアに必要なものは捨てられない、または再度入手可能)。安心して画面中を調べまくってほしい。
-
「調べる」コマンドを使って自分で調べないと詳細のわからないアイテム名が多い(「カギ1」「カギ2」など)。
-
元が洋ゲーだけあって、グラフィックは濃ゆい。
評価点
-
主人公が記憶喪失というミステリアスな設定から始まる、ハードボイルドな世界観。
-
ちょっとした事で即死(ゲームオーバー)するゲームだが、コンティニューがその場復活方式なのでペナルティは実質無し。詰みシーンも、多分無い。
-
またゲームオーバーになる際の理由も、「必要もなく他人を撃ち殺して逮捕される」などといった明らかに本筋と外れた行動である事が多く、理不尽さは少ない。殺人の濡れ衣を晴らそうとしているのだから当然の流れだろう。
問題点
-
シリーズ共通の問題だが、操作性がイマイチ。画面全体をカーソルでウロつかなければならないマウス操作前提のようなレイアウトなので、もう少し移動速度を早くできればと思う事が多い。
-
シリーズ3作品の中ではもっともメッセージスピードが遅い。一般的なADVと比較した場合でも、タイプライターをイメージしたテキスト表示演出のせいで余分な時間がかかっている形なので、気になるという人は多い。
-
物語の導入としては面白いシチュエーション設定だが、ゲームとしては「まず何をすればいいのかわからない」という状況に陥りやすい。
-
ゲーム開始直後に判明する主人公の顔が怖い。タイトル画面で銃を構えているイケメン風とは画風が違いすぎる。
総評
古き良き「面倒くさいが面白い」ADVゲームの典型例。いや、「面白いが面倒くさい」と言うべきか。
記憶喪失の主人公が自分の置かれた状況を理解し、濡れ衣を晴らす証拠を集めて反撃に転じていくというストーリーは、FCにおける「推理といえば殺人トリックと犯人探し」が主体のADVシーンでは貴重な存在である。しかし本作のシナリオはこの通りシリアス路線であり、『シャドウゲイト』のように笑いが生じるようなタイプでは無く、大量に存在するダミーアイテム絡みのお遊びも少ない。
正統派故の地味さにも耐えられる、コマンド総当りゲーに飽き足らなくなったADV好きの人ならお勧めできるソフト(当時基準。今やるのはさすがに辛いだろう)。
余談
-
1941年12月8日にアメリカ合衆国のシカゴで起きた実際の事件を元に作成されたシナリオであり、内容の危険性のためシカゴ当局からは販売数を抑制するよう要請された――というのがケムコによる
法螺話
宣伝文句であるが、「実話を元にした」という部分がひとり歩きしたのかモデルになった事件が実在すると見なされることがある。しかし英語版のNES・原典のパソコン版ともにそのような記述は見受けられず、海外サイト等でも特に触れられている様子はない。真偽については各自判断されたし。
-
セルフコマンドは、後に発売される同メーカー発のADV2作にも実装されている。が、2作目で「面白自殺コマンド」としての立ち位置を確立してしまい、ホラーテイストの3作目すらお笑い路線を踏襲するという異様な事態になった。
-
続編である「Deja Vu II: Lost in Las Vegas」も移植の予定があり、ゲーム雑誌などで告知されていたものの、発売中止になってしまった。後の1999年にゲームボーイカラーで『ディジャブI&II』というカップリングのリメイク作品が発売された。
-
発売時期を考えると大容量の3M+64KRAMを使用している。定価が高いのはこのせいか?