「アルバートオデッセイ」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
アルバートオデッセイ - (2011/09/20 (火) 16:37:18) の編集履歴(バックアップ)
アルバートオデッセイ
【あるばーとおでっせい】
ジャンル
|
S・RPG
|
|
対応機種
|
スーパーファミコン
|
発売元
|
サンソフト(サン電子)
|
開発元
|
サンソフト、東海エンジニアリング
|
発売日
|
1993年3月5日
|
定価
|
9,600円
|
ポイント
|
SFCのRPG史上最狂のトラウマエンディング 物語 終了時、 ノイマン は、しんでしまった
|
プロローグ
その昔、世界を我が物にしようと企んだ魔術師オズワルドは、魔法の力を秘めた幼い少女ソフィアによって世界の果てに飛ばされた。
しかし、10年の時を経て、さらなる力を得るとともに戻ってきたオズワルドは再び世界征服を開始した。
これに立ち向かうべく、王族の血をひく勇者アルバート、アルバートの親友である僧侶見習いのノイマン、かつての少女ソフィアの三人はチペリスの村を後に旅立つのであった・・・。
特徴
サンソフトの発売したS・RPG。同社開発ゲームの例にもれず、一風変わったシステムが採用されている。
-
フィールドマップの移動はS・RPGのHEX戦形式(地形効果・ユニット方向補正などを搭載)になっており、ターン毎にユニットを動かし敵と戦いながら目的地へ進む。
-
一方で町や城などは通常のRPGのような構成になっている。ちなみに序盤の町にはサンソフトの看板キャラである「へべれけ」からメインキャラクターがゲストで登場し店を開いている。
-
プレイヤーは最大4人のキャラを操作でき、それぞれ移動・通常攻撃・特殊行動を順不同で毎ターン一回ずつ行うことができる自由度の高いシステムを採用している。全員が『行動終了』するかターンエンドを選択すると敵のターンになる。
-
『移動』は途中で止まって別の行動を挟んでもさらに移動力の続く限り移動することが可能。例えば『攻撃』→『移動』→『特殊』→『残った移動力を使ってさらに移動』など。
-
MPのシステムが無く、『特殊』コマンドは毎ターン一回ずつだが無制限に使うことができる。
-
この4人は完全にバラバラに行動することができる。例えば一人がラストダンジョンにいて他の三人が最初の町にいてターン終了、等も可能。また仲間が増えれば主人公であるアルバートをこの4人の中から外して控えに入れてしまうことも可能。
問題点
-
カーソルの動きとキャラの移動に不便な点がかなり多い。
-
山や海にはカーソルを合わせることもできないためそのHEXにいる敵の情報が見られない。
-
キャラを中心とした一定の範囲内しか見ることができないため、長距離を移動する際に迷いがちになる。キャラ同士が大きく離れている場合、一度メニューを経由しないとカーソルを移せない。
-
移動地点を選ぶ際、移動不可なHEXは暗く表示される。地形を確かめながら移動することができない。
-
ZOCが無い一方で、なぜか味方のいるHEXを通過できず移動の障害になる。先行させたキャラをうっかり橋などの1HEXの通路に待機させると、後発のキャラが阻まれて通過できなくなる。
-
キャラが移動中に方向転換する際、なぜかマップの方が回る(例えば右方向に移動しているキャラが右上に方向転換すると、キャラが向きを変えるのではなくマップが右下45°に回転する)。このせいで頻繁に方向転換すると画面がぐるぐる回って軽く酔う。ちなみにドット絵は斜め向きのものもちゃんとあるのだが、なぜこうなっているのかは不明。
-
そもそも長距離の旅もターン制で駒を動かすというSRPGのシステム上で行わなければならないという点には面倒臭さを感じることもある。ただし、一度行ったことのある街にはソフィアの瞬間移動や各街で買える「○○の思い」を使うことで戻ることが出来るため後戻りをする分には問題ない。
-
後半に進むにつれ、ゲームバランスは大味になっていく。ソフィアとマージンのように攻撃力の低いキャラでない限り、中盤以降は大抵の敵が1・2撃で倒せる。その二人の場合でも、魔法を使えばやはり大抵の敵は1・2撃である。
-
自由度の高いシステムの代償か、シナリオにおいて味方キャラは一切喋らない。イベントで喋るのはどのキャラも加入時とエンディングのみである。
-
ダッシュ・マージン・ガリオクの三人に至っては、説明書に大層な紹介文が書いてあるもののそもそも本筋には全く関わってこない。
-
グラフィックに関しては賛否あり。戦闘アニメなどは小気味よく動くが、そもそものドット絵の質がやや粗い。
総評
当時の知名度はさほど高くはないものの、プレイヤーの評価は高め。
-
S・RPGとしては自由度の高いシステム、小高直樹氏作曲のBGMなどが特に好評。
-
OPシーンはSFC屈指の出来栄え。
-
プレイヤーキャラが死亡したときの演出が、短いながらもプレイヤーの印象に残るものになっており、よくネタにされる。
-
[午前 4じ、ノイマン は、しんでしまった]のように、キャラ名と死亡時刻が文章で表示される。余談だが、システムの関係上宿敵オズワルドが死ぬ場面でもこのテロップが流れる。
-
キャラが死ぬ悲痛な場面は多い。特にシンやライアモスは、倒すと己の過ちに気付いた後アルバート達にオズワルド打倒を託して死ぬ。家族や配下にかける別れの言葉はゲーム中屈指の名場面である。
総じていわゆる「隠れた良作」タイプのゲームであり、上記のような悲痛な場面も多いものの全体の王道的設定・展開も相まって本来なら鬱ゲーとまでは言えない存在である。
エンディングでも、ヒロインのソフィアが勇者アルバートに自分の想いを伝えそれを親友ノイマンが茶化すシーンなどは定番のファンタジーを思わせるつくりになっている。
ノイマン「おあついねぇ おふたりさん それじゃあ さきにいくぜ!」
+
|
…と見せかけておいて、この直後とんでもない展開が待ち受けていた。
|
-
町から出ようとするノイマンが、謎の攻撃を受けて吹き飛ばされ、瞬殺される。
-
何事かと思い町の外に出たアルバートが見たものは、マップを埋めつくさんばかりに町を取り囲むラスボス姿の魔物の軍団((続編『2』の説明書には、まだ最終ボスは死んでいなかったとある。))。
-
ソフィアが悲痛な叫びをあげると白い閃光が走り、町中に、マップ全体に、画面いっぱいに広がっていく。
-
ここで突如スタッフロール
-
再び町の画面に切り替わり、昏倒しているソフィアにアルバートが駆け寄る。
-
アルバート「ソフィア めをさましてくれよ。ソフィア」
-
アルバート「オレたちの手で このくにを つくり上げて いくって やくそくしたじゃないか!」
-
ソフィア「・・・・・・」
-
ソフィアが返事をしないまま画面がブラックアウトし、物悲しい音楽とともに中央にENDの文字が表示される。
最後に現れた敵は何なのか、その後どうなってしまったのか、ソフィアは死んだのか、ノイマン(涙)等、プレイヤーもそれまでの展開も何もかも置き去りにする凶悪なエンディングが、本作が鬱ゲーと呼ばれる所以である。
-
一応、プロローグや敵の姿を考慮すれば、超展開の理由を断片的に推測することはできる。
|
続編の存在を示唆し購買意欲を煽る演出と言えなくもないが、そうだとしてもあまりに無情かつ意味不明な展開である。実際、翌年に続編『2』が発売されておりそのプロローグは本作のエンディングから始まるのだが
展開が大幅に改ざんされている。
かくして、本作のエンディングは
公式になかったことにされたのであった。
-END-