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ずっといっしょ - (2013/09/17 (火) 18:16:00) の編集履歴(バックアップ)


ずっといっしょ

【ずっといっしょ】

ジャンル 恋愛シミュレーション
対応機種 プレイステーション
発売元 東芝EMI
発売日 1998年3月12日
ポイント 飽和時代に高クオリティだったが

概要

  • ときめきメモリアルの大ヒット以降、コンシューマーゲーム業界には恋愛シミュレーションブームが発生した。96年から大量の恋愛シミュレーションが登場。恋愛要素を取り入れた他ジャンルも珍しくなくなって行った。
    • 本作はその「ギャルゲーを撃てば当る時代」に作られたゲームである。が、企画立案から資金調達・開発難航で計画開始からかなりの時間がたち、大規模なブームから少し遅れた発売になっている。
  • キャラクターデザイナーは当時無名だった「渡辺明夫」を起用している。
    • 「渡辺明夫」は「ぽよよん♥ろっく」名義でも活躍している人気イラストレーター。『ナースウィッチ小麦ちゃんマジカルて』『ぽぽたん』『スーチーパイIV』『化物語』で有名。
  • メインヒロイン3人の内1人をゲーム開始時に選択する。選ばなかったヒロインも一人だけ後半に登場し、非同居時専用のイベントもある。
  • 2000年に発売された廉価版は発売元が株式会社ハムスター。現在も版権は同社が管理している。

システム

  • スケジュールに手を加えてキャラクターを成長させるタイプ。だが、スケジュールの大半は学校・家事・アルバイトで月頭に決定される。
    • 予習や緊急バイト、家の改装等で毎月10~20のスケジュールを追加する事になる。これにより学校や家事を潰してステータスを操作する。
      • また5月・6月のノルマをわざと失敗することで登場するヒロインや、最初の部活選択の時に文化系の部活を選び、かつ8月のノルマを達成しないと登場しないヒロインなどもいるので意外と重要。
    • 他にも女の子とのデートや友人から遊びの誘いでスケジュールを調節可能。意図的に月頭のイベントスケジュールを潰して、バイト先で怒られたり予習を潰して補修を受けたりする事もできる。
    • ゲーム内時間で毎週天使が登場。天使はセーブをしたりステータスを補強してくれたりする。金が欲しいと言えば現金もくれる。
      • 現金はアルバイトスケジュールを実行する事で月頭に補填される。
  • トライエモーションシステム。女の子に限らず友人にも喜・怒・哀の三つの感情ゲージがあり、いずれかが満タンまで貯まるとレベルアップイベントが発生する。
    • このレベルアップイベントでの選択肢によってはレベルが低下する事もある。更に、怒や哀を頂点に上げないと一つ上の段階に上がる選択肢が出ないキャラクターや、わざとレベルを下げてからイベントを発生させ無いと上位に上がらないキャラクターもいる。
      • それ故他のギャルゲーでは「ご法度」とされる「デートのすっぽかし」も「怒」を大きく上げたいのなら有効な手になる。
    • 男女問わず、好感度レベルが最低まで下がると同居がバラされて学校を退学させられる事になり、ゲームオーバーになる。
      • 余程性格の悪い選択肢を選ばなければゲームオーバーになる事は無いが。
  • デートや日常会話、レベルアップイベントの選択肢には制限時間が設けられており、制限時間内に答えないと怒・哀のどちらかが上昇する。レベルアップイベントの場合はワンランクダウンしてしまう。
    • この制限時間はキャラクターによって異なる。気が短い相手ならば制限時間は短い。

特徴・評価点

  • 進行速度が速く、サクサク進む。スキップがいらないぐらい速い。速すぎて困るところがあるほどに。
  • ただ喜ばせるだけでは進行しないトライエモーションシステムも斬新。レベルの違いで、同じ会話でも結果が異なるなど、割とイイ作り込み。
    • いわゆる好感度が低い時に「気になる子がいる」と話のネタを振ると応援されたり無関心だったりするが、好感度が高いと、悲しんだり怒ったりする。
  • ギャルゲーには珍しいバッティングシステムがあり、デートが他のキャラクターに見つかる事がある。見つかった時に選択を間違うと一発アウトの時も。
  • 声優陣はかなり豪華。折笠愛、笠原弘子、根谷美智子、篠原恵美、氷川恭子、瀧本富士子に岩田光央、塩沢兼人等々。サブキャラ(かなりちょい役)に鈴木真仁が居たりもする。(敬称略)
  • 同居するヒロインには、寝顔覗き、トイレバッティング、風呂バッティング等、同居ネタならではの壺(?)がきちんとついてある。
    • 同居しなかったヒロインは、他のヒロイン同様の専用ストーリーイベントが発生する。
  • OP、EDの歌には賛否あるが、当時のギャルゲオリジナルソングとしては、なかなかのクォリティかと。BGMも割とイイ。ただSEはちょっと軽い。

難点

  • メインヒロイン3人の内の1人、「並木智香」の声がおばさんくさい。
    • 彼女の声を当てた声優は「折笠愛」で、年上の女性役に定評のある声質*1であり、残念ながら智香には合っていなかった。
      • 他にも大学生の「南景子」の声もあてているのだが、こちらは主人公よりも年上なので違和感は無い。
  • メインヒロイン3人の内の1人、「小野寺桜子」の性格がヤバい。
    • 金持ちで我侭で素直になれないお嬢様。現在で言うところのツンデレの走りと言えなくも無いのだが、ツンデレは「何だかんだ言って博愛」等の根本部分が魅力なのに対し、彼女は「心を許した相手以外は全て僕扱い」「基本的に性格が悪い」。一応、公式設定(と言うかゲーム内メッセ)では 「全校生徒の憧れの女王様」
  • CGモードが存在しない。レアイベントを起こしてもその場で終わる。
    • 昔のゲームにアルバムモードやスキップ機能を求めること自体酷と言える…が、初代ときメモにはすでにあった訳で、渡辺氏の一枚絵が売りでもある本作には是が非でも欲しかったところ。
    • 裏技で主人公の名前に「みさき ことね」と入れ、夜の時間にセレクトボタンを押すとCG閲覧モードになる。これは再販版でも可能。
  • 上記の選択肢を選ぶ時間が短い。本当に短い。一つ一つの選択肢を見る暇もなく一瞬で制限時間になって怒られる理不尽仕様はほとんどアクションゲームの域。短気な洋子だと、一番最初の選択肢を普通に読み終わったら時間切れレベル。
    • レベルチェンジイベントでは時間切れになると強制的に好感度レベルが1下がるので、レベルが大きく下がる選択肢を取るよりは時間切れにした方が安全な時もある。
  • イベントの可否も、ノルマを処理出来るかどうかのみ(ステータス不問)。パラメータの成長も、育成と呼べるほどのゲーム性かは疑問が残る(結局、天使頼み)。ステータス上限が低いと言うのも、成長を感じにくいところ。
    • 文化系部活の8月、11月(6月にノルマを達成して江藤和代が登場、かつ漫画部に所属していない時)、12月、2月(14日までにノルマ達成でその後もバイトの継続or14日までにノルマ失敗で追加のノルマを達成)でノルマを達成すると選んだ相手の好感度レベルを1上げるアイテムが手に入るので、ノルマを達成した方が基本的には有利になる。
    • しかし今井沙也加は5月のノルマを失敗(代償として部活の男子キャラの好感度レベルが1下がる)、桑原いずみは6月のノルマを失敗(代償として同居人に選んだキャラの好感度レベルが1下がる)しないと出てこないので、ノルマを失敗する事に意味のある月も一部存在する。
    • パラメータ自体はデートのお誘いやストーリーイベントなどのキャラクターの出現確率に影響し、全てのパラメータが4以上ないと出現しない桜子や(感性・野性は相反するパラメータで、放っておくと初期に選んだ部活のものだけが上がるのでそこに注意)、逆に知性が6以下でないと出てこない洋子のような例もある。
      • 相反するパラメータを上げるには週末の天使のお願いか、大森君と遊びに行く(ただしイベント自体ランダム性が高い)事を上手く使う事。
  • 基本的に、こちらからデートに誘えず、全般に受け身進行なのも、意見が分かれるところか。

総評

 後に人気イラストレーターとなる渡辺明夫を発掘し、声優陣も豪華でBGMのクオリティも高いのだが、よりにもよってメインヒロインに難点があると言うとんでもないギャルゲーである。
 この難点を難点と感じない・気にしない人にとっては、システム面においてもキャラクターの個性を出している等、比較的出来の良い平凡なギャルゲーである。詰まるところ、ツボにはまるキャラが居るか、イベントがあるかが評価の分かれ目のキャラ萌えゲーと言える。
 ちなみにプレイヤーの人気は石塚美樹(ロリ巨乳)と今井沙也加(ロリ貧乳)に集中し、後に出た同人誌「ずっといっしょの物語2000」ではこの2人の作品が大半を占めるという事態につながった。

余談

ソフト発売から半年後、同作のファンが自作していた大貧民のフリーソフトに東芝EMI(現EMIミュージック・ジャパン)から許可を受けキャラのミニグラフィックを利用した通称ずっと大貧民をフリーソフトとして配布し始めた。本当ならば数年で配布もとまり製作者も忘れそうなものだが2008年にはVista対応を行うなど現在も配布が続けられている。現行の最新OSであるWin7でもこちらでプレイ可能。

ディレクターの佐々木氏は本作の美樹を深く愛しており、その深さは某同人誌などで再三ネタにされているほど。
ちなみに美樹はB84程度を佐々木氏は考えていたそうだが、インパクトに欠けるとB93にされてしまったという。ついたあだ名がホルスタインナkルル(ずっといっしょの物語より)。