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ソルダム - (2023/03/15 (水) 17:45:46) の編集履歴(バックアップ)


※この項目ではアーケード版『ソルダム』とそのリメイク作品『そるだむ 開花宣言』を紹介する。



SOLDAM

【そるだむ】

ジャンル 落ち物パズルゲーム
対応機種 アーケード
発売・開発元 ジャレコ
発売日 1992年9月
プレイ人数 1~2人
レーティング CERO:B (12才以上対象)
※アーケードアーカイブス版より付与
配信 アーケードアーカイブス
【Switch】2021年9月16日/838円(税込)
【PS4】2021年9月16日/837円(税込)
判定 スルメゲー
ポイント リバーシの要素を持つ落ち物パズル
プレイヤーに求められるスキルが高く難しい
やり込めば見えてくる面白さと快感

概要

  • 1992年にジャレコより稼働された落ち物パズルゲーム。リバーシ(いわゆるオセロ)の要素が取り入れられており、ブロックを同じ色で挟むと間の色を変える事ができる。
  • 同社『妖精物語ロッドランド』(1990年)の世界観を引き継いでおり、プレイヤーキャラクターであるリットとタムをはじめ、『ロッドランド』に登場した多くのキャラクターが登場する。

特徴・システム

  • フィールドは10列×13段で構成。2×2の「ソルダムの実」がブロックピースとして落ちてくる。レバーでブロックピースの動かし、2つのボタンで左回転、右回転を行う。他の落ち物パズルゲームのような「ちぎり」「連鎖」といった要素はない。
  • ソルダムの実は最大「赤」「青」「緑」「黄」の4色で構成。前述のようにリバーシの要素が取り入れられており、接地してあるソルダムの実を同じ色のソルダムの実で挟むと、その間にあるソルダムの実を同じ色に変える事ができる。変える事のできる方向は縦、横、斜めの3方向。ガイドが付いており、ブロックピースを落とした時どのように色が変わるかがエフェクトで分かるようになっている。
  • 横1段を同じ色にする事でその段を消す事ができる。消した段は「クリアソルダム」となってフィールドの最下層に落ち、それを使って挟む事ができるが、クリアソルダムは一度挟むのに使うと消えてしまう。複数の段を同時に消す事により入るスコアが増加する。段を消す事によりゲームレベルは上昇していき、ブロックピースの落下速度が高速化していく。
    • 高得点を狙う場合は縦1列だけ今消している実の色と違う色にしておき、クリアソルダムを使い挟んで一気に色を変え複数の段を消していくというのが基本となる。
    • クリアソルダムを使って色を変えて段を消すと、クリアソルダムが消えたそばからさっき消した段が補充され、すぐにクリアソルダムを使う事ができる。クリアソルダムをいかにキープするかが攻略の鍵となっている。
  • 出現するソルダムの実はフィールド内に存在する実の色に比重している。フィールド内に多くある色ほどよく出現する。
  • 最上段の上(フィールドからはみ出した部分)にソルダムの実が積みあがるか、フィールド中央部のブロックピースの出現する場所のみはみ出していなくても空いている箇所が無くなるとゲームオーバーとなる。

ゲームモードは以下の3つから選択する事ができる。

  • ソルダムモード
    • 通常モード。ゲームオーバーになるまでゲームをプレイし続ける。レベルは最大999。
    • 最初に難易度選択をし、難易度EASY(レベル1からスタート)から始めた際は最初はソルダムの実の色は2色だが、レベル10に上がると3色、レベル30に上がると4色に増える。
    • 難易度NORMAL(レベル10からスタート)から始めた際はスコア50万点、難易度HARD(レベル30からスタート)から始めた際はスコア200万点が最初から入った状態でゲームがスタートする。
  • セキーロモード
    • いわゆるストーリーモード。60階建ての塔「マブーツの塔」を登っていく。レベルが1上がるごとに塔を1階登った事になり、レベル60になるとエンディング。このモードはソルダムの実の色が2色に固定されている。
    • ソルダムモードと異なりお邪魔キャラクターやお助けキャラクターが登場する。また特定の階ではボスキャラクターが登場し、プレイヤーを妨害してくる。
      + お邪魔及びお助けキャラクター一覧
    • セキーロ
      • 『ロッドランド』や『プラスアルファ』(1989年)にも登場した「王」のような文字の書かれた球体。2×2の大きさを持ち、間にあるとソルダムの実を同じ色で挟んでも色を変える事ができなくなる。セキーロの横の2段を全て同じ色にする事で消す事ができる。
    • プチ・セキーロ
      • ソルダムの実1個分の大きさの小さなセキーロ。やはり間にあるとソルダムの実を同じ色で挟んでも色を変える事ができなくなる。プチ・セキーロの横の1段を全て同じ色にする事で消す事ができる。
    • デカブラ
      • 2×2分の大きさを持つソルダムの実。落とすと2×2の単色のソルダムの実になる。セキーロやプチ・セキーロのそばに置くと、隣接するセキーロをデカブラと同じ色のソルダムの実(セキーロなら2×2、プチ・セキーロなら1個)に変える力を持つ。
    • EXTRA
      • それぞれに「E」「X」「T」「R」「A」の文字が書かれたソルダムの実。挙動は通常のソルダムの実と同様だが、文字の書かれた実を消すか挟んで色を変える事により文字を取る事ができる。文字を5つ全部集めると妖精が登場、フィールド上の全てのオブジェクトを消してくれるのと同時に、ボーナススコアが入る。
  • VSモード
    • プレイヤー同士で対戦をするモード。6列×13段のフィールドにて対戦を行う。1P側(リット)は赤色を、2P側(タム)は青色を消す。複数段を同時に消す事で相手を攻撃する事ができる。1クレジットにつき2戦する事が可能。

問題点

プレイヤーに求められるスキルが高く、難易度が高くそして取っつきづらい。本作最大の問題点といえる。

  • クリアソルダムは一度挟むのに使うと消えてしまう。そのためクリアソルダムを使って段を消す場合、「またクリアソルダムを作るにはどうするか」といった段を消した後の対応を常に求められる。フィールドの上の方に「今消している色と同じ実」を積むもしくは作っていく事である程度消した後の対応を取りやすくなるが、この場合「上に積んである今消している色と違う色の実」を誤って斜め方向に挟んで色を変えてしまい、窮地に陥る事がある。
    • 一度挟むとクリアソルダムは消えてしまうという特性上、一段ずつチマチマと段を消していくという方法はかなり取り辛い。必然的に上の方に「今消している色と同じ実」を積むもしくは作っていく戦法となる。
    • 得点稼ぎのため複数の段をクリアソルダムを使って同時に消した後は、いかにまた同じ色を横1段に並べて消し再びクリアソルダムを作れるか、いかにまた同じ色をフィールドに多く置けるかが重要になる。これができないと満足に色を変える事もできずそのままゲームオーバーとなりかねない。
  • ソルダムの実は縦、横だけでなく斜めに挟んだ場合も色が変わる。これが曲者で、前述したように「上の方に積んである今消している実と違う色の実」を斜め方向に挟んで色を変えてしまう、また「下の方の今消している色と違う、色を変え損ねた実」を斜め方向に挟んで色を変えてしまうという事故が良く起こる。ソルダムの実は段を同じ色に変えないと消せないので、斜め方向に色が変わって横1段の実の色が一つでも違うようになると段を消せなくなる。斜め方向に色が変わるのはどちらかと言えばテクニックとして使えるというより、不意に色が変わり段が消せなくなるという事故の原因としての側面が強い。
  • 初心者は「今消している色の実が対角線状に配置されたブロックピース」*1の処理に手こずる事になる。今消している色の実が邪魔をして、今消している色と違う色の実を上から挟んで色を変える事ができなくなるからである。対処法として、横から挟んで色を変える、もしくは後述するような今消している色の実を一旦邪魔になっている実と同じ色に変え、再び今消している色と同じ色の実のブロックピースを上に落として色を変えるといった事をしなければならない。この「今消している色の実が対角線状に配置されたブロックピース」を難なく処理できるようになったら立派な中級者以上である。
  • トドメとばかりに早い段階でブロックピースの落ちる速度が高速化し(大体レベル20ほどで)、初心者や慣れ始めたプレイヤーを容赦なくふるいにかける。
  • 通常モードである「ソルダムモード」でもこの通り難しいのだが、ストーリーモードである「セキーロモード」はそれに輪をかけて難しい。ソルダムの実の色は2色で固定だが、お邪魔キャラクターである「セキーロ」が間にあるとソルダムの実を同じ色で挟んでも色を変える事ができなくなるので、下手な場所に置いてしまうと段を消す事ができなくなり非常に邪魔になる。複数の段を同時消しした際などセキーロが一気に出る場面もあり、対処に慣れないと満足に段を消せずそのままゲームオーバー、という事も。更に特定の階ではボスキャラクターが登場しプレイヤーを妨害してくるのだが、この行動も厄介なものが多い。
    • レベル26~29に登場する「ウジラ」は潮を噴いてNEXTのブロックピースを見えなくするという行動をとり、丁度ブロックピースが高速落下するレベル帯なのも合わせてかなり厄介である。
    • ラスボスである「バイソンホード」は雷を発射し落とすブロックピースをセキーロに変えてしまう。セキーロの厄介さは前述の通りで、更にこのボスはレベル51~60とかなり長い間戦う事となるので、その点も手ごわく、1コインクリアもしくはエンディングを拝もうとするプレイヤーの高い壁となっている。

評価点

以上のように難易度は高いが、それを乗り越えた先に本作の面白さと快感が見えてくる。

  • 複数段を同時消しする快感。ブロックピースを上手い事積み上げ、周りの色を1色にし、最後に残った縦1列をクリアソルダムを使って一気に色を変えて複数段を一気に消す、慣れない内は難しく、消した後の対処が求められるのは前述の通りだが、上手く決まった時の快感はかなりのもの。
  • 早い段階でブロックピースの落下速度が高速化するのは前述の通りだが、この中で落ちてくるブロックピースを上手い事制御し、挟んで色を変え、クリアソルダムを作り、そして複数段を一気に消す。高速化した中でこの一連の手順ができるようになると、まるでトリップしたかのような快感を味わえる。
  • 予期せぬ色の実を挟んでしまって斜めに色が変わっても諦めるのはまだ早かったりする。「斜めに色が変わってしまった実と同じ色の実のブロックピースを上に落とす→さっきまで消していた色の実が斜めに変わった色の実と同じになる→再びさっきまで消していた色と同じ色の実のブロックピースを上に落とす」といった手順を踏む事で色を元に戻す事ができる。「下の方の今消している色と違う、色を変え損ねた実」や「今消している色の実が対角線状に配置されたブロックピース」を処理する際にもこの手順は有効で、これが上手く決まった時もまた気持ちがいい。また、斜めに色が変わってしまった際に一段ずつ段の色を揃えて消すのも時間が掛かるが可能。以上の点から、ミスした際にいかにリカバリーするかという点がアツい。
    • デッドラインの攻防も同様にアツく、斜めに色を変えての段消し、前述の今消している色の実とは違う色に一旦変え、再び今消している色と同じ色の実にするやり方、複数段消しなどで上手く窮地を切り抜けた際の快感もやはりかなりのもの。
  • 難易度の高い「セキーロモード」だが、セキーロを変化させる事のできる「デカブラ」、フィールド上の全てのオブジェクトを消し去る「EXTRA」などお助け要素もあり、これらが上手く噛み合い窮地を脱せた際はかなり気持ちいい。また、これらお助け要素、特に全てのオブジェクトを消す「EXTRA」アイテムがあるおかげで、どんなに追い詰められても諦めないモチベーションをプレイヤーに与えてくれる。
  • 良質なBGM群。「ソルダムモード」、「セキーロモード」、「VSモード」とどのモードにもゲームの雰囲気に合ったBGMが用意されており、そのどれもが聴きごたえのあるものへと仕上がっている。
    • 「ソルダムモード」では3曲ほど用意されており、一定数レベルが上がるたびに変更される。
    • BGMばかり耳が行きがちだが、SEに関しても聴き逃せない。ブロックピースと置いた時の「カチッ」という音、ソルダムの実の色が変わった際の音、そして複数の段を消した際のファンファーレなど、どれも聴き心地のよいゲームを捗らせるSEが揃っている。
  • ソルダムの実は「ソルダムモード」、「セキーロモード」、「VSモード」と全て見た目が異なっており、地味ながらグラフィック周りもよく作ってある。

総評

難易度が高くとっつきづらい本作。人によっては1段消すのも苦労するかもしれない。しかしやり込み腕前を上げると見えてくる本作独自の面白さと快感がある。惜しむらくはアーケードという媒体ゆえ本作の面白さが分かる前に脱落していったプレイヤーが多かったのではないかという所か。
後述するようにリメイクが発売されたりアーケード版に忠実な移植がアーケードアーカイブスにて配信されたのは本作にとって非常に幸運な事だったと思える。家庭用なら一度購入してしまえば何回プレイしようがいつまでプレイしようがあとはタダ。腕に自信のある落ち物パズルゲーマーは本作の面白さが分かるまでプレイし続けてみてはいかがだろうか。

移植

  • 1993年8月6日にゲームボーイに移植されている。
    • アーケードに忠実な移植になっており、ソルダムモード・セキーロモード共に搭載されている。
    • 「ソルダムモード」のみ変更点があり、ゲームボーイの白黒画面に合わせて色が白・黒・斑点と最大3色に減少している。3色目である斑点は、高レベルにならないと出現しない。
      • 3種類あった「ソルダムモード」のBGMが1つに減少している劣化点もある。
  • 2021年9月16日にアーケードアーカイブスの1作品としてSwitchとPS4に移植。国内版と海外版を収録してある。HI SCORE MODE及びCARAVAN MODEではソルダムモードとセキーロモード両方を選ぶ事ができる。
    • のちのアップデートにて9桁目以降(億)のスコアもオンライン登録できるように修正がなされた。
    • セキーロモードの「EXTRA」に表示される妖精の一枚絵に問題があったのか、ゲーム内容に合わずCERO:Bとなっている。
  • ほか、ファミリーコンピュータ版も制作されていたが、未発売へと終わった。ゲーム自体は完成状態まで制作されていたらしく、2016年12月に開催された「ジャレコ展」にてこのFC版をプレイする事ができた。
    • この未発売に終わったFC版『ソルダム』を収録するとしたレトロゲームのオムニバス作品「ロムカセットコレクション」(第1弾は『忍者じゃじゃ丸 コレクション』)の第2弾『ジャレコ コレクション』(仮題)が「週間ファミ通 2019年9月5日号」の13頁に掲載されたが、2023年2月現在、FC版『ソルダム』及び『ジャレコ コレクション』の続報はない。

その後の展開

  • 2017年3月3日にジャレコの版権を保有しているシティコネクションより、本作のリメイクである『そるだむ 開花宣言』がNintendo Switchダウンロードソフトのローンチタイトルとして配信された(後にPS4でも配信)。詳細は下記にて。

そるだむ 開花宣言

【そるだむ かいかせんげん】

ジャンル 落ち物パズルゲーム
対応機種 Nintendo Switch
プレイステーション4
メディア ダウンロード専売ソフト
発売元 シティコネクション
開発元 ノーティ
甲南電機製作所
発売日 【Switch】2017年3月3日
【PS4】2019年7月25日
定価 1,528円(税込)
プレイ人数 1~2人
レーティング CERO:A (全年齢対象)
判定 なし
ポイント 『ソルダム』のリメイク作品
原作に比べ難易度が低下し遊びやすく
ボリュームがやや不足気味なのが難点

概要(開花宣言)

  • 上記『ソルダム』のリメイク作品。Nintendo Switchダウンロードソフトのローンチタイトルの一つであり、後にプレイステーション4でも配信がなされた。
  • 発売元はジャレコの版権を引き継いだシティコネクション。Switch版はシティコネクションの自社パブリッシングソフト第1弾でもある。
  • 難易度が高く取っつきづらかった原作に比べいくらか難易度が落とされており、初心者向けのモードも搭載されるなど、慣れていないプレイヤーにも取っつきやすい工夫や配慮がなされている。

特徴・システム(開花宣言)

  • 10列×13段のフィールドにてブロックである「そるだむの実」を積んでいく。2×2のブロックピースが落ちてくる、そるだむの実の色は最大4色、挟める方向は縦、横、斜めの3方向、横1段の色を揃える事によりその段を消す事ができる、フィールド内に多くある色の実ほどよく出現するようになる、複数段を同時に消す事により入るスコアが増加する、など基本的なシステムは原作と同様である。
    • ただひとつ原作との大きな違いとして、クリアソルダムは何回使っても消える事はないという点が挙げられる。
  • 原作と同様、ブロックピースを落とすとどのように色が変わるかが分かる「ガイド」がついている。ただし、原作に比べより細かくどのように色が変わるか分かるようになっている。なお、ガイドはオプションにてON/OFFする事が可能。
  • リット、タムをはじめ、原作に登場したキャラクター達のイラストは現代風に一新されている。

ゲームモードは以下の4つから選択する事ができる。原作にあった「セキーロモード」は存在しない。

  • そるだむモード
    • 通常モード。ゲームオーバーになるまでゲームをプレイし続ける。原作と同様、レベル1から始めた場合は最初は実の色は2色だが、レベル10で3色、レベル30で4色となる。レベルセレクトができ、一度到達したレベルであれば1、30、50、70、100、150、200から選んで始める事が可能。ハイスコアが記録される。
    • 基本的な内容は原作の「ソルダムモード」と同様だが、独自要素として「プラミー」というキャラクターを育てる要素がある。プラミーは同じ色のそるだむの実を消し続ける、複数段消しを何回も行うといった行為で様々な形態へ変化する。特定の複数のプラミーを出現される事でエンディングを見る事ができる。なお、メニュー内にある「プラミー図鑑」という項目を選ぶ事で、プラミーの解説を見たり連れていくプラミーを変更する事が可能。
  • らくだむモード
    • ブロックピースの自由落下がない練習用のモード。制限時間がなく止めるかゲームオーバーになるまでエンドレスにプレイするモードと、5分間の制限時間の中でプレイするモードの2つがある。制限時間があるモードはハイスコアが記録される。
  • つめだむモード
    • 『なぞぷよ』のように決められた手数とブロックピースで出題される問題をクリアしていくモード。お題の内容は「○列以上消そう」「○列同時に消そう」「全部消そう」など。このモードもブロックピースの自由落下がない。全50問。
  • たいけつモード
    • プレイヤー同士で対戦をするモード。6列×13段のフィールドにて対戦を行う、1P側(リット)は赤色を、2P側(タム)は青色を消す、複数ラインを同時に消す事で相手を攻撃する事ができるなど、仕様は原作と同様である。

評価点(開花宣言)

原作に比べ難易度が下がり、また初心者用のモードがあるなど取っつきやすくなっている。

  • クリアソルダムが何回使っても消えなくなった。そのためクリアソルダムを使って実を挟んだ後、いかにクリアソルダムをまた作るかという事を気にしなくてもよくなった。同様に複数段を同時に消した後いかにまたクリアソルダムを作るかという事も気にする必要もなくなり、気兼ねなく大量の段を同時消しする事が可能になった。またクリアソルダムが消えなくなったので、一段ずつチマチマ消していくような安全性を重視したプレイも可能になっている。
  • 原作では早い段階でブロックピースの落ちる速度が高速化していたが、本作ではその落下速度の上昇が緩やかで、原作に比べかなり緩和されている。さすがに最終的には原作と同様凄まじい落下速度となるが、レベル50後半辺りまでは初心者から中級者でも十分対応可能な速度となっている。
  • 原作にもあった、ブロックピースを落とした時どのようにブロックの色が変わるか分かるガイドの存在。接地してあるそるだむの実に線のマークが付き、原作に比べよりどのように変わるか分かりやすくなっている。更にガイドが邪魔くさいと感じたらオプションにてON/OFFする事が可能。ゲームに慣れてきた中級者への配慮も忘れていない。
  • 始めたてのプレイヤーなどに対する初心者向けモードである「らくだむモード」の存在。自由落下が無いためじっくり考えながらブロックピースを積む事ができ、更にこの状態でガイド機能をONにすれば多くのプレイヤーは本作のコツを掴む事ができると思われる。これの存在で初心者でも原作に比べ本作に対し取っつきやすくなった。
    • なお、ただの初心者向けモードに終わらず、5分間の制限時間のあるスコアアタックモードも用意されている。ハイスコアを叩き出すには高速でブロックピースを落とし素早く複数の段を同時消ししていく必要があり、通常モードとはまた異なった、上級者もプレイし甲斐のあるモードへと仕上がっている。
  • 『なぞぷよ』のように決められた手数とブロックピースで出題される問題をクリアしていくモードである「つめだむモード」の存在。本家『なぞぷよ』同様に「コロンブスの卵」的な発想で解ける問題が多々あり、『ソルダム』というパズルを上手く詰めパズルに落とし込んでいる。
  • BGMは原作に忠実な、奇をてらわないアレンジ。原作のBGMを知っているプレイヤーでもすんなり受け入れる事ができると思われる。またなくなった「セキーロモード」で使われていた曲は、「らくだむモード」や「つめだむモード」できちんと使用されている点も評価できる。更に一度エンディングを見た後は原作のBGMをゲーム中に使う事も出来るようになり、アレンジ曲より原曲派のプレイヤーに対しても配慮の行き届いた仕様となっている。
    • 原作の評価点であったブロックピースを落とした時の「カチッ」という音、ソルダムの実の色が変わった際の音などの子気味いい各種SEも本作にて健在。これらの事からも「分かっている」音作りをしているといえるだろう。

賛否両論点(開花宣言)

  • 前述のように難易度が緩和された事で、原作のストイックな難しさが失われた側面がある。特にクリアソルダムが何回使っても消えなくなったという変更点により、原作とはほぼ別物になってしまった感もある。更に原作では通常モードより難しいストーリーモードである「セキーロモード」があったのだが、本作ではそれがなくなったことにより、やはり上級者にはやや物足りない内容であるといえる。
    • 本作が上達したからといって、原作『ソルダム』を上手くプレイできるとは限らない、むしろ本作との違いにより原作の難しさを痛感する可能性もある。本作は原作の「入門」や「練習」にはなるかもしれないが、「実戦」にはならないと言える。

問題点(開花宣言)

  • ボリュームがやや物足りない。前述のようにモードは4つあり、「そるだむモード」はハイスコアを目指しつつ「プラミー」を集める、「らくだむモード」は制限時間ありのモードでハイスコアを目指す、「つめだむモード」は全問クリアを目指すと、対人戦である「たいけつモード」を含めやる事はあるのだが、これらを全て足してもボリュームが豊富とは言い難い。「らくだむモード」のエンドレスモードを卒業したような中級者以上なら尚更である。
    • 「そるだむモード」の「プラミー」は色々な成長パターンを持ち、それらを成長させ集める楽しみがあるのだが、やる事は結局「そるだむモード」をひたすらプレイする事であり、プレイする人によっては「そるだむモード」のプレイ時間を増やすためだけの要素とも捉えかねない。
    • 「つめだむモード」は前述の通り良質な問題で占められているのだが、全50問とやはりボリュームはそれほど多くなく、全問解くのにとても時間が掛かる、という事はない。
    • 原作にあったストーリーモードである「セキーロモード」がなくなってしまったのも大きい。お邪魔キャラクターやお助けキャラクターが登場し、原作『ソルダム』において通常モードとはまた違ったプレイ感覚を提供していただけに、これが無くなってしまったのは惜しい。
  • 「そるだむモード」や制限時間ありの「らくだむモード」はハイスコアが記録されるが、インターネットスコアランキングはない。非常に競技性の高いゲーム内容なだけに、これがないのは極めて惜しい。

総評(開花宣言)

原作の難易度の高さを緩和し、初心者向けモードも用意する事で取っつきやすくした本作。事実、原作に比べかなり遊びやすくはなっている。しかしボリューム面がやや不足しており、高難易度ゆえに乗り越える楽しさがあった原作の要素が薄まった面もある。難易度が下がったなりにネットランキングがあれば他のプレイヤーと競い合えたのだが、それがないのもマイナスである。
現在はネットランキングのある原作『ソルダム』がアーケードアーカイブスで配信されており、本作の存在はやや薄まった感はあるが、難易度の低さ故原作に比べ取っつきやすいという利点のある本作。原作をプレイする前に「入門」または「練習」として本作に触れてみるのも大いにありかと思われる。

余談(開花宣言)

  • 隠しプラミーとして、DSiウェア『おでかけタコりん』及びニンテンドー3DSダウンロードソフト『おでかけタコりん ちょいがえ』の主人公「タコりん」と、『シティコネクション』に登場する「おじゃまネコ」が登場する。なお、「そるだむモード」にて連れていくプラミーとして選択すると、前者は最初から200万点、後者は最初から400万点入った状態でゲームがスタートする。
  • 公式サイトの「プラミー図鑑のヒント」に抜けがある。
    • ゲーム自体の問題点ではないのだが、公式サイトの「すぺしゃる」の項目にどのようにそるだむの実を消せばプラミーが変化するかを示した図が載せてあるのだが、この図に一部抜けがある。そのため、公式サイトの図だけをみてプラミー図鑑を埋めようとした場合、空欄が残る事になる(参考:『そるだむ 開花宣言』公式サイトの「すぺしゃる」の項目)。
      + 具体的には…
    • 「ヘベス」というプラミーに黄色の実を与え続ける事で変化する「ゾーサン」というプラミー、およびその「ゾーサン」に黄色の実を与える事で変化する「ガネーサン」というプラミーについて抜けている。
    • また、エンディングを出現させた状態かつ「つめだむモード」の問題を45問以上解いた状態で、「アオフル」というプラミーを連れていき複数段の同時消しでVERY GOODを1回出すと出現する隠しプラミー「おじゃまネコ」についての情報も載っていない。
  • 海外では『Soldam : Drop, Connect, Erase』の名称でパッケージ版ソフトとして発売されており、国内版にはないオンライン対戦に対応している。