「PRINCESS WALTZ」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

PRINCESS WALTZ - (2016/09/12 (月) 22:56:16) のソース

「[[要強化記事>要強化記事一覧]]」に修正依頼が出ています。加筆できる方は修正をお願いします。~
依頼内容は判定なしになりうる根拠の追記、判定なしに相応しい総評への書き換えです。~
&color(red){''16年12月4日までに改善されない場合は削除対応します。''}
// 16/9/12 色々修正や加筆してみました。
----
*PRINCESS WALTZ
【ぷりんせす わるつ】
|ジャンル|AVG+SLG|&amazon(B000E7PABS,image);|
|対応機種|Windows98/Me/2000/XP|~|
|発売・開発元|PULLTOP(ウィル)|~|
|発売日|2006年4月28日|~|
|定価|8,800円(税別)|~|
|レーティング|ソフ倫:&color(crimson){''18歳未満禁止''}|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|魅力的なキャラ設定と舞台設定&br;後半の展開が大問題|~|
----
#center{&size(35){''WARNING!!!!!!!''}&br;&size(20){''18歳以上のみ対象のアダルトゲームです。''}}
----
#contents(fromhere)
----

**概要
-本作は他のアダルトゲームの例に漏れずノベル形式となっている。しかし物語内での戦闘シーンの多くはカードバトル形式になっており、負けると基本的にそのままゲームオーバーとなる。
--カードバトルを大まかに説明すると、1ターン内2ラウンド制で1ラウンド目に競り勝った側が2ラウンド目に攻撃権を得るという形。
---攻防結果は三竦みとなっている『斬』『突』『薙』のカードの相性と合計値によるもので決まる。また、色々なスキルもある。
--敵を早く倒すほど、また大きなダメージで止めを刺すほど大きな経験値が貰える。これを使って自分を強化していく。
---強化は取得した経験値を元に、自分でステ―テスやスキルを割り振りする仕組み。

-本ゲームは『第一部』と『第二部』に別れており、ルート分岐があるのは『二部』の終盤のみ。
--部の中では『○話』と分けられて進んでいくが、戦闘中に減る体力が回復するのはあくまで『日付』が進む毎である。

**あらすじ
#blockquote(){
時は現代、所は日本。~
平凡に暮らしていた主人公『深森 新』の前に、一人の金髪の少年が現れる。~
少年の名は『クリス=ノースフィールド』。「七央城の王子だ」と彼は言った。~
運命か偶然か。クリスの指輪をはめてしまった新は、彼と行動を共にすることになる。~
クリスの周りに集い来るは、いずれ劣らぬ美しさを持つ姫君たち。~
きらびやかなドレスに身を包んだ姫君たちは、驚く新のことなどお構いなしに、苛烈に、華麗に、戦闘を開始する。~
それは、『プリンセスワルツ』。~
立った一人の王子を巡る、世界で一番華やかな戦い───
}
(パッケージ裏より引用)

**評価点
-魅力的なキャラ
--あくまでクリスがメインヒロインという扱いだが、それ以外の各ヒロインもそれぞれ特徴やバックボーンがしっかり描かれていて作品に引き込まれやすい。
---姫達は姫らしい独特な衣装((作中では見た目通り『ドレス』と呼ばれているが、これが攻防兼ね備えた武装となっている))を身にまとい見た目も華やかで、内面も非常に誇り高い。
--主人公は取り乱す場面や、力不足のまま頑張ろうとして邪魔になるような場面も多いが((元は剣道を多少嗜んでいるだけの普通の学生なので自然な描写ではある。))、頑張りもので男前な部分もちゃんと描かれている。

-姫達が戦い合う殺伐とした舞台設定
--戦うヒロインものというのは珍しくないが、ヒロイン同士でしかもほぼ全員がここまでストレートに戦い合う作品は珍しい。
---流石に日常場面でも殺伐としているわけではない…が、設定が設定だけにこの時点から策謀が張りめぐらされていたりもする。
--ADVでも戦闘描写は描かれており、これも熱いものになっている。特にアンジェラ対リリアーナ戦はこれはラストバトルか?と思える程に熾烈なものになっている。

-キャラクターの描写以外にもかなり多くの伏線や設定があり、ユーザーを飽きさせない工夫が為されている。

**賛否両論点
-カードバトルは雑魚キャラである『ガードナー』(モンスターみたいなの)との戦いが主であり、華やかさにかけるせいで面倒くさい印象が強い。
--ただこの戦闘があるので、成長要素に色々な余地が生まれている必要悪みたいな面もある。

-現実世界側に立ち絵付きのキャラが結構居るのだが、導入部以外にはほとんど存在意義があるの?という状態((モブキャラではない義姉の静と育ての親の七重は除く))。後半はのどか以外出番は無い。
--要するに異世界のエルディラントの話ばかりがメインで、現実世界の扱いはかなり軽い。大体がモブキャラなので問題無いと言えば問題無いが。
---一応日常場面や戦いの舞台はほとんどが現実世界(似た様な世界やら、結界が張られているやらの説明はされているが)である。

#region(close,ネタバレ(クリックで開閉))
-モブキャラの存在意義は変身系ヒロインでもある、金田理子の存在を森の中に隠すためのものとも言える。恐らくこれが一番大きい。

-モブキャラの内でものどかだけは主人公に近しい存在だが、あまり存在意義はない。
--要所要所で少女向け童話ちっくなナレーションが入っている為、恐らく『普通の少女』(読み手)の象徴的な存在なのだと思われるが…。EDの後日談は彼女の視点で描かれる。

#endregion


**問題点
-カードバトルなんてどうでも良いと思っている場合はゲーム進行が面倒くさい。
--イージーモードもあるが戦闘をスキップ出来る訳ではなく、取得経験値も減るので特に初回では選択し辛い。

#region(close,ネタバレ(クリックで開閉))
-後半の大幅な失速。
--ゲームの第一部は姫同士が戦う熱い物語が展開される…のだが、その第一部が唐突な終わり方''(正確には少し違うが、メインヒロインが死ぬ。)''を見せる。
--第二部では伏線は十分張られていたのだが、それを考えても『黒幕』が唐突な現れ方をして(伏線の消化方法が良くない)、姫達が一丸となってそれに立ち向かうという展開になる。
--第二部にもカードバトルでの戦闘シーンはもちろんあるが、敵はワンパターンな上に第一部と比べると圧倒的に''弱い。''第二部は全く経験値を使わなくても楽勝で勝ち進めるほど。
---しかも黒幕との最終戦も無いままゲームは終わる。最後に戦う敵はたしかに頭一つ出た強さを持っているが、ターンが進めば自動的に勝つという有り様。
---戦闘シーンのクライマックスは第一部中盤のリーゼル戦であり、それ以降は見栄えもしなければ強くもない敵と戦い続ける作業的な戦闘シーンが続く。

-何だかんだで憎み切れないところのあるラスボスよりも、はるかにいらっとするキャラとは戦わない・決着をつけないまま終わる。
--一応悪役ではないみたいなことを匂わせているが、ユーザーからは「こいつうぜぇー」って思うこと請け合いなキャラなのでイライラする。

-EDが一つだけ。
--第二部終盤に『姫を選ぶ』形式の選択肢が登場する。そこで複数回選んだ姫と後に絆を深めあいHシーンに入るのだが、''誰を選んでもエンディングにはほぼ影響しない。''
---ED以外の違いも、各ヒロイン毎による能力の違いなどはあるが物語の違いは少なく実質一本道。周回する場合は作業感がとても強い。
--EDもラスボスを倒した後はかなりあっさりと終わりので、「これで終わったの?」とポカーンとしやすい。

-各ヒロインの扱いに関しても、主人公にとってはあくまでメインヒロインが一番であり、他の姫といくら親密になってもそれをはっきり公言している。
--ではメインヒロインが優遇されているかと思えばそれも微妙であり、第一部では最も登場する機会があり、Hもするのだが『これは恋愛か?』と言える雰囲気のまま。第二部に至ってはED直前まで登場はおろか台詞も無く、再会後はすぐEDになる。
---お互い大切な存在にはなっているが、最後まで恋愛的な描写は薄い。
--また、このメインヒロインは男装キャラであり、人気投票でも5位と好みが別れるヒロインでもある。
---ただクリス票はイーリスへの票の分散が少なからずあると思われ、明らかに浮いているのは6位の清白(一人だけ超極太まゆげ・大人しそうに見えて攻撃方法が格闘・必殺技を出す時にヤ○ザの入れ墨みたいなのが浮かび上がる・本気の時の服装が姫っぽくない・クリスと旧知の仲で当初から慕っている(※女とは知らない)…などかなりのイロモノ)のみと言える。

#endregion

**総評
類を見ない個性的なヒロインを揃えて、彼女達の描写なども申し分ないのだが、~
肝心の恋愛展開は一切無く(Hシーンはクリスと2つ各ヒロイン1つずつ)、一本道なストーリーに加えてEDも非常にあっさり終わる。~
戦闘シーンも華やかだった前半に対して後半はとにかく華がない…ボス達は中々ゴツいのだが前半のヒロイン達が頑張り過ぎたせいで相対的にしょぼく見える。~
これなら開発期間を忠実に守らずに発売延期して、後半のクオリティを上げて貰った方がユーザーにとっては良かったと言えるだろう。~
第一部に関しては決して悪くない出来のため、惜しい作品と言える。