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グリザイアの果実 - LE FRUIT DE LA GRISAIA - - (2013/05/18 (土) 12:48:35) のソース

*グリザイアの果実
【ぐりざいあのかじつ】
|ジャンル|ADV|&amazon(B004184Q2K)|
|対応機種|Windows XP~7|~|
|発売・開発元|フロントウイング|~|
|発売日|2011年2月25日|~|
|価格|9,240円|~|
|レーティング|ソフ倫:18歳未満禁止|~|
|ポイント|秀逸かつ予想だにしないシナリオがウリ&br萌えゲーアワード2011金賞および最多部門受賞&br細かいシステムの粗が目立つ&brシナリオに格差あり|~|
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#contents(fromhere)
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#center{&size(35){''WARNING!!!!!!!''}&br&size(20){''本作および関連作品は18歳以上のみ対象のアダルトゲームです。''}}
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**概要
『魔界天使 ジブリール』等で著名なブランド「フロントウイング」の10周年記念作品。『化物語』のアニメーターを原画に起用したり、声優も超有名所を起用するなど、完全新規作品にしては力の入れ具合が半端ではなかったことから、~
ユーザーからの期待度は非常に高かった。尤も、発売後の評価もそれに劣ることはなかったのだが…。

**ストーリー
物語の舞台は、「三嶋崎」という名の海辺の町である。三嶋崎には2011年5月現在、約1年前に設立された「私立美浜学園」という全寮制の学校が存在している。同月24日、主人公の少年「風見雄二」がここへ転入生として訪れることから物語は始まる。
 
外界から隠すように、そして守るように高くそびえる塀に囲まれた美浜学園。生徒は僅か5名しか在籍しておらず、そのいずれもが女子であった。唯一の男子生徒となった雄二は、個性豊かな女生徒達に囲まれ、賑やかで平和な毎日を過ごしてゆく。
 
だが、そうした一見明るい日常とは裏腹に、美浜学園の生徒達には、それぞれ他人には話すことのできない暗い過去が秘められていた。雄二は学園生活を送るうち、その中の一人の少女の抱える秘密を知ることになる。

**登場キャラクター
#region(クリックで開閉)
-風見 雄二
--主人公。一見すると、老成しつつ達観した年不相応の青年に見える、が。
--実は本校へ入学する以前は合衆国にて傭兵紛いの仕事をしていた。その腕前は組織の中でも群を抜いており、実戦、こと銃器における扱いはプロ以上の腕前。
--読書家ということもあり、普段あまり使わない単語や、詩的な言い回しが多い。恐らくこれのせいで先の『達観』しているように見えるのだろう。
--実際は割りとKYだったり、非常識な側面も持つ。わかりやすい例でいえば『フルメタル・パニック!』の相良宗介に近い。
--合衆国滞在が長かったせいもあり、アメリカンジョークもよく言う。が、ウケはすこぶる悪い。
--またミリタリーに富んだ生活を送っていたため、鬼軍曹のようなノリも持ち合わせている。

-榊 由美子
--黒髪の美少女。果たしてその正体はカッターを振り回す危険な少女。
--大手会社の社長の娘ということもあり、あまり他者と関わりを持とうとしない。
--だが、パソコンにかなり精通しており(それこそねらーレベルで)、毎晩いかがわしいブログ等を閲覧しているムッツリさんである。
--こういうキャラにはありがちだが、怖がり屋である。
--原画家のせいなのか、はたまたキャラ設定のせいなのか、スカートから文房具を撒き散らす某ライトノベルのヒロインに似ているところがある。
--バッドエンドがあまりバッドエンドらしくない。詳細は後述。

-周防 天音
--巨乳キャラ。そして自他共に認める「ビッチ」((英語のスラングで「売女」のこと。))。
--京都出身のせいか、感情が高ぶると方言で喋りだす。
--料理が得意で、蒔菜の良い姉(母?)。
--いきなり雄二に一目惚れし、身の世話をしてくれる正に「都合の良すぎる女」((当然、これには深い理由があるのだが、判明するのは本キャラルートのみ。))。
--ちなみに、お楽しみシーンが全キャラぶっちぎりで最多。

-松嶋 みちる
--金髪ツンデレツインテール。果たしてそれは、全部みちるの作り物だった。
--実際は黒髪で、おとなしい性格なのだが、とある理由により上記のテンプレキャラを形成している。
--それだけならまだしも、みちるには一般教養が著しく欠如しており、一言で言ってしまえば「バカ」「浅学」これに尽きる。
--なので、度々後輩である蒔菜や幸にバカにされる。
--更に空気を読めないアホの子で、耳に響く高音ボイス((声優の熱演もあってか、非常に耳と印象に残る。))のため、プレイしていると本気でウザったく感じてしまうこともある。~
個性の強い本作で最も好き嫌いが分かれるキャラだろう。
//エロゲでは表の名義には言及しないのがマナーだから、そこを考慮して削りました。

-入巣 蒔菜
--ロリポジション。雄二の影響を色濃く受ける悲劇(?)のキャラ((個別ルートに入れば正真正銘の悲劇キャラの一角になるのだが。))。
--みちるよりは教養があるが、蒔菜の場合は単純に口が悪い。淫語も暴言もあっけらかんと言い放ち、天音によく咎められる。
--パン、特にメロンパンへのこだわりが半端なく、様々なメロンパンを試作していく。
--『鮮魚超人マグロマン』という番組の大ファンである。内容は、手足のついたマグロが文字通り身を粉にして宿敵「カルビ将軍」と戦う話。

-小嶺 幸
--学業以外のときは常にメイド服を着用している自称『淫乱メイド』。
---ちなみに、どれも同じに見えるメイド服は状況に応じて様々にカスタマイズされている…らしい。
--頼まれた事は絶対に断らずに「はい、わかりました」と請け負う。そして確実に完遂するというサイボーグ顔負けのポテンシャルを秘めている。
--言葉遣いは丁寧だが、発する言葉の端々は辛辣なものが多い。特にみちるに対して。
--余談だが、幸の髪色は両親のどちらにも遺伝されていない。隔世遺伝か何かだろうか。

以下はサブキャラクター

-橘 千鶴
--美浜学園の学園長。成人女性なのだが、童顔のため中学生に間違われることも。
--いい歳して処女なため、キャラに幾度と無く突っ込まれる。
--とあるシナリオではそのことをひっきりなしに指摘され、学園長型なしに至るほど哀れな扱いをされる。
--要するに弄りやすい年上キャラである。

-春寺 由梨亜
--本名はジュリア・バルデラ(Julia Bardera)であったが、仕事の都合で帰化した。通称JB。
--雄二曰く「典型的なドイツ人」で、雄二の現保護役であり直属の上司。
--ただし、雄二には明らかに保護者以上の感情を醸し出しているが、当の雄二は鬱陶しいとしか思っていない。
--千鶴と共に、続編(後述)では攻略ヒロインに昇格する予定。

-風見 一姫
--雄二の実姉だが、現在では既に死亡((ただし、明確に死んだという描写がされていないため、詳細は不明。続編にも登場。))している。
--将来を有望視された天才児で、ブラコン。
--とあるキャラルートで、彼女の全容が明らかになる。

-日下部 麻子
--雄二の師匠。現在の雄二の原型ともいえる、雄二を超えた破天荒キャラ。
--既に他界しており、どのシナリオでも顔見せすらしないことから、具体的にどういったキャラなのかは不明。
--特定のキャラルートで、ある程度の説明は成される。
--続編ではキャラ紹介がされているため、何らかの形で登場するようだ。

-キアラ・ファレル
--JBの後輩で、3分の2が日本人で、残りの3分の1がアフリカ系という混血児。
--JB以上にフランクな性格で、JBの清涼剤でもあり困った後輩でもある。
--ヒップサイズが大きいと指摘されているが、立ち絵が正面のものしかないため確認が出来ない。

#endregion

**評価点
-キャラ別のエンドロール
--グッドエンドのエンドロールは、キャラクターによってその演出が180度変わる。まるで全く別のゲームのように見え、エンディング含め最後までゲームを楽しむことができる。
-やや独特な分岐方法
--本作は共通日常シーンが非常に長く、シナリオ全体の半分ほど進むとルート分岐が現れる。序盤からフラグが必要なキャラもいるが、ADVでありがちな所々のフラグ管理をしなくて済むため、スムーズに周回を重ねることができる。
---よって、本作ではスキップを使う機会は非常に少ない珍しいゲームともいえる。
-見ていて飽きない日常シーン
--日常シーンはまず主人公の前置きから始まり、それが1シーンの総まとめになっている。それにより、主人公の前置きでどんなシナリオになるのか気になる憎い演出を表している。~
シナリオはギャグが多めだが、訓戒のあるオチだったり、個性の強いキャラの新たな一面が見れたりと、どれも鑑賞していて飽きない。
---更に、一度見た((厳密には、1キャラ攻略し終えれば大体の日常シーンは網羅する。))シナリオはシーン回想で何度も見ることができるため、無駄にセーブポイントを作る必要がない。

**問題点
-ボイス設定
--本作ではしばしばし「無線」や「電話」でのやり取りが発生し、その際の音声は当然そういった処理がされるのだが、一部の音声がそのまま流れている。
---つまり、電話口の相手の声が地声のまま流れるため、明らかな違和感を出してしまう。シリアスなシーンで顕著なため、臨場感が台無しである。
--また、一部ルートでの音声抜けが多い。モノローグならともかく、不自然なボイス抜けは良シナリオにおいて拍子抜けしてしまうこともあるだろう。
-テキストとボイスの齟齬
--テキストとボイスであべこべなものがある。中には、同じ台詞を2回連続で発生させるものも。
-画像
--キャラの立ち絵がないときのキャラボイスには、テキストボックスの左側にキャラ顔アイコンが表示されるのは他のADVでもよくある設計である。~
ところが、キャラ顔ではなく立ち絵の一部分((あるキャラの腰部分がアイコンになる場合すらある。))になってしまうことがある。
--また、これは本作の発売前にも話題になったが、HPにも公開されているシーンの一枚絵のCGが明らかに不自然なものがある。言葉では表現しにくいので、[[リンク先>http://frontwing.jp/product/grisaia/gallery/08.html]](※18禁)を参照願う。
--こんな無理な格好でドヤ顔立ちできるのも、合衆国の訓練の賜物なんだろうか。
--一部の不具合は後に配布されたパッチで修正可能だが、手つかずの部分も多い。

**賛否両論点
-BAD ENDでのシナリオの格差
--中々シビアなシナリオがウリであるが、その極地ともいえるBAD ENDでは、明らかに待遇の違うキャラが存在している。あまりに他のルートと差があるため、逆に違和感がある。~
ただし、シナリオの完成度はどれも素晴らしいため、一概に問題かと言われると人によるだろう。

#region(BAD ENDの格差。ネタバレ。)
--由美子ルート
---父親は由美子を跡継ぎにするのを諦め、養子を取って強引に問題を収束させた。数年後、子どもも生まれ雄二と由美子は幸せに暮らしていたが、やはり由美子はいつか父と和解したい気持ちが残っていた。
--蒔菜ルート
---雄二は蒔菜の母を殺すが、その後不覚を取って重症を負い、そのまま死亡((雄二が死亡するENDは全ENDでもこれのみ。))する。妊娠した蒔菜は雄二が生きていると錯覚し、雄二の死体をゴミ袋にいれたまま逃亡先でパン屋を経営し、兼業で雄二の代わりの傭兵となる。妹と和解なし。ちなみにGOODでも和解しない。
--天音ルート
---過去に死亡した同級生の実父によって殺害される。しかも雄二の目の前で。
--みちるルート
---背負っていたものを受け止めきれずに自殺未遂に及び、命は取り留めたものの雄二のことを認識するのがやっとという程の廃人に成り果てる。雄二は責任を取る名目で世話をしている。
--幸ルート
---過去両親が事故に遭った同じ現場にてトラックに轢かれ、雄二の腕の中で息絶える。

こうしてみると、いかに由美子ルートが''異端''か解るだろう。誰も死なないし、誰も不幸にならない。しかもあろうことか、''蒔菜のGOOD END(!)よりも幸福''なのだ。~
その煽りか不明だが、後に発売された「グリザイアの迷宮」は由美子は散々なシナリオ((あくまでギャグ寄りなので、悲惨という意味ではない。))となっている。
#endregion

**余談
-萌えゲーアワード2011において、作品賞金賞、その他5部門を受賞という快挙を成し遂げた。
-続編として『グリザイアの迷宮』『グリザイアの楽園』が制作進行中。迷宮は本編のキャラルートの後日談のようなファンディスクのような位置づけ。楽園については2013年5月発売予定。
-プロトタイプよりPSP版が発売予定。また、アニメ化も企画しているようで、フロントウイングの新たな看板タイトルになる可能性が示唆されている。

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*グリザイアの迷宮
【ぐりざいあのめいきゅう】
|ジャンル|ADV|&amazon(B005SCF6Q8)|
|対応機種|Windows XP~7|~|
|発売・開発元|フロントウイング|~|
|発売日|2012年2月24日|~|
|価格|&bold(){9,240円}|~|
|レーティング|ソフ倫:18歳未満禁止|~|
|ポイント|FD+「楽園」の序章シナリオ&br FDでこのフルプライス|~|

**概要
『果実』のキャラ別後日談シナリオ+『楽園』シナリオへの導入シナリオを収録したファンディスク。

**導入シナリオ『カプリスの繭』
導入シナリオというが、メインは雄二の過去編である。『果実』で名前のみ語られた麻子の実態が確認出来る。~
終盤で現代(全キャラのシナリオ問題を解決した前提)へ舞台は遷移するが、新たな任務にて、~
雄二はかつての宿敵を目の当たりにする…というところで幕が下りる。

**問題点
FD+メインシナリオ1本で&bold(){フルプライス}。~
しかし、『楽園』を含めた三部作完結には必須の作品であるため、仕方ないのかもしれないが…。~
中古屋では『果実』((最も、FDというものは総じて値崩れしやすい部類だが。))よりも安価で購入可能なので、財布に無理をさせたくない場合は中古で充分だろう。
//自分の調べた限りでは5000円前後で、特筆すべきほど「値崩れが激しい」とはおもえないのですが。
//↑記述を変えました。