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ファザナドゥ - (2012/08/25 (土) 01:12:50) のソース

*ファザナドゥ
【ふぁざなどぅ】
|ジャンル|アクションRPG|&amazon(B0027C80VA)|
|対応機種|ファミリーコンピュータ|~|
|発売元|ハドソン|~|
|発売日|1987年11月16日|~|
|ポイント|ドラスレファンにはガッカリゲー&br()ザナドゥの名前が足枷に&br()単体で見れば佳作|~|
|配信|Wiiバーチャルコンソール:2010年10月5日/500Wiiポイント |~|
|>|>|CENTER:''[[ドラゴンスレイヤーシリーズリンク>ドラゴンスレイヤー&英雄伝説シリーズ]]''|

**ストーリー
世界樹を中心とした世界のお話。~
エルフ族とドワーフ族が共に仲良く暮らしていた。ところがある日のこと、流星が世界樹にぶつかり、そのバランスが崩れることとなる。エルフ族とドワーフ族は戦い、麓の都エオリスも水が枯れてしまった。~
そんな中、ある1人の男が自分の生まれ故郷エオリスに戻ってきたところから物語は始まる。再び平和を取り戻すには、狂ったモンスターたちがあちこちで暴れ出している巨大な世界樹の中をつき進み、魔界丘に棲む悪の魔王を倒さなければならない。人々の期待を背負い、一人の勇士が今、旅に出る。

**概要
本作は、ファルコムからライセンスを受けてハドソンが製作した((高橋名人曰く「ハドソンがザナドゥの名を騙って勝手に作った」という風説もあるが、「紛れもなく日本ファルコムからライセンスを受けて製作された作品です」との事。))、あのパソコンゲーム史に残る空前の大ヒット作となったパズル要素のあるアクションRPG『[[ザナドゥ>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/818.html]]』の「移植版」である。~
ファミコンで「移植版」を発売するにあたって「ファザナドゥ」なる改題がされたのだが…。

出来上がったのは横視点のいわゆる探索型アクションゲームであった。

本作は、出てくるアイテム名や主人公の「称号」など、ごく一部に共通点が見られるのみで、''ゲームとしては正真正銘全く完璧に疑いなく根本から別物である。''
-「称号」は敵を倒して得た経験値に応じて教会で授けられるが、いくら高い称号をもらってもプレイヤーのパラメーターは変化しない。パスワードコンティニューで再開した時の手持ちの金額が増え、方向キー押しっぱなしで移動速度やジャンプ距離が少しだけ向上する「ダッシュ状態」になるまでの時間が短くなるくらいのものである。

魔法やアイテム等のほかにも、元のゲームから継承しようとしたらしいが、結果的には断念・変更したと思われる要素がゲーム中にいくつか見られる。開発当時の雑誌記事なども参考になるだろう。
-「食糧」は食糧店で購入するが、ストックは出来ず、その場で使用して魔法ゲージと体力ゲージを一定量回復させるものとなっている。
-最初の町には「武道の道場」「魔法の道場」があり、説明書でも「旅立つ主人公に武器の使い方を教えてくれる」「旅立つ主人公に魔法の使い方を教えてくれる」と書かれているが、実際はそれぞれ''体力ゲージ、魔法ゲージが一定量回復するだけであり、ゲーム攻略にあたっては殆ど意味の無い施設である。''

本作におけるプレイヤーのパワーアップはプレイヤーが新たな武器防具、及び魔法を購入する事によって行われる。よって、レベルを上げてゴリ押しでクリア出来る部類のゲームではなく、クリアにはアクションの腕前が求められる。また「称号」が上がっていくと一定時間空を飛べるようになるアイテム「ウィングブーツ」の効果時間が何故か短くなっていくので、「称号」の上げすぎはゲーム進行上不利になる場合もある。

**評
上述のように、本作は『ザナドゥ』から継承したばかりに完成度が低くなったり、かえって意味不明になってしまった要素がある(経験値による「レベルアップ」に相当する「称号」では攻撃力などが一切変化しないなど)。むしろ別タイトルで出した方が良かったんじゃ?という話もよく聞かれる。

中途半端な要素が散見されるものの、独自のゲームであることをきちんと踏まえれば、難易度やボリューム、背景世界の設定やシナリオ、フォントが大きく見やすいメッセージウィンドウ等、当時としてはかなり高いレベルでまとめられた良作ではある(ただ、やや難解な部分が多く、本作品のターゲット層を考えると成功しているとは言い難い)。しかし『ザナドゥ』と同等、ないしは類似のものを期待していた元のゲームファンにとっては文字通りのガッカリゲーであり、「こんなのザナドゥじゃない」という一点のみで叩く理由たるに十分だったようだ。~
高橋名人によると「ファミコンなんだからもっとアクションを」という上の声に応えていく内に、どんどんオリジナルから乖離していったようだ。一方で、せっかく得たファルコムからの許諾を捨てたくないという考えが、この作品の誤解させるきっかけとなってしまったのだろう。~
実際のところ、現在でもプレイに耐え得る内容のゲームである。しかし看板と中身の相違は否めない。『ザナドゥ』の名前が悲劇を生んでしまった。~
本作の仕上がりにファルコムの人が激怒したのは事実らしく、その後『イースI・II』の移植許可を得るための交渉はかなり難航したという。