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ファイナルファンタジーXIII-2 - (2014/06/21 (土) 12:39:35) のソース

*ファイナルファンタジーXIII-2
【ふぁいなるふぁんたじー さーてぃーんつー】
|ジャンル|RPG|&amazon(B004K6L0DG)|&amazon(B004K6L0E0)|&amazon(B00CR9WQMC)|
|対応機種|プレイステーション3、Xbox360|~|~|~|
|発売・開発元|スクウェア・エニックス|~|~|~|
|発売日|2011年12月15日&br()DCS:2013年7月18日|~|~|~|
|価格|7,980円&br()DCS:5,040円|~|~|~|
|ポイント|FF13で指摘された欠点を解消&br()高い自由度と洗練されたシステム&br()投げっぱなしのエンディング&br()DLC・続編前提のゲーム構成|~|~|~|
|>|>|>|>|CENTER:''[[ファイナルファンタジーシリーズ関連作品リンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/267.html]]''|

#contents(fromhere)
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*概要・特徴
-2009年に発売された『[[ファイナルファンタジーXIII]]』の世界観・システムを汲んだ正統続編。&br()前作のエンディングから3年後の世界を舞台としており、ライトニングの妹である「セラ」と新キャラクターの「ノエル」が、時空を超えた旅を繰り広げる。
--2013年には『アサシンクリード』『マスエフェクト』コラボ衣装を除く全DLCをディスクに内包した『ファイナルファンタジーXIII-2 デジタルコンテンツセレクション』が発売。

-今作の特徴としては、前作の世界観やバトルシステムを引き継ぎつつ、「プレイヤードリブン」すなわちプレイヤーが主体となって遊べるような構成となっている点が挙げられる。

-『13』は、美しいグラフィックや爽快感のあるバトルシステムなどが好評だった一方で、極端な「一本道」構成や厳しい難易度設定などが非難されることが多かった。&br()そのため、続編である『13-2』は、それらの不満点を改善しつつ良い点は伸ばすという、更なる磨き上げが為されるという触れ込みであった。

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*評価点
**システム
-戦闘システム
--基本的に、前作『13』と同じバトルシステムが用いられており、前作と同じ気持ちで楽しんでいくことができる。
--もちろん、前作からの仕様変更や新システムなども登場しているため、新鮮味が無いというわけではない。
--オプティマを保存できたり、「クロス」「ワイド」のタイプ設定により集中攻撃と散開攻撃を指示できたりと、遊びやすくなっている。
--今回の主要な新システムである「仲間モンスター」は、全150種と豊富であり、仲間にする過程やプレイスタイルに合わせて活躍させていくことができる。 
--今回のライバルキャラクターである「カイアス」は、素早いHP回復&連続攻撃と前作には無かったタイプの強敵であり評価されている。
--細かいことだが重要な点として、パラダイムシフト(前作のオプティマチェンジ)時の冗長な演出がなくなり、バトルのテンポがよくなった。
--その他、各種インターフェイスが大幅に改良がなされた。

-フラグメントスキルの導入
--ゲームをやり込めばやり込むほど、「アイテムのドロップ率が上がる」「エンカウント率を上下させる」など、ゲームを快適にプレイするための機能が次々と解放される。

-前作と比べバトル難易度がマイルドになったため、ボス以外の敵はサクサクと倒しやすくなった。
--もちろん上記のカイアスなど、手強い敵も散見される。

-モンスター育成
--本作ではパーティの3人目は必ずモンスター(ライトニングやスノウなど人間も含む)であり、3体を各々のロールによって使い分ける。
--それぞれのモンスターに攻撃方法や必殺技、成長の速度など個性があるため、好みに応じて豊富な選択肢が用意されている。今作におけるやり込みポイントの一つである。
--戦闘中の見た目に反映されるだけだが、デコレーション(アクセサリ)をつけて可愛がることも可能。デコレーションの種類は約200と、非常に豊富。

-ダウンロードコンテンツが配信されており、戦闘方面のやりこみ要素を増強してくれる。
--発売後数週間はオメガを無料で配信。モンスターの作り込み自体も上出来。
--特にオルトロス以降のDLCモンスターは本編中の敵とは比べ物にならないほど強力で、難易度の低下に不満を抱いていた人の要望を叶えることとなった。
--これにより、奥深いが本編をクリアするだけならあまり必要ないシステムだったモンスター育成が、ただの自己満足では終わらなくなった。

**映像・音楽
-グラフィック
--前作で評価の高かったグラフィックは健在で、今作でも美しいグラフィックを楽しむことができる。
--あまり進化が無いと評されがちだが今作では風に靡く髪や、太陽光の照り付けや影などの細かい描写にかなり力を入れているようで、より自然なグラフィックに近づけるような工夫がされてある。

-音楽
--今作では、前作のBGMを担当した浜渦氏に加え、水田氏・鈴木氏の計3人で作曲されている。
--前作で好評だった浜渦氏ソロでは無いと言うことで、発売前は物議を醸し出したが、実際にゲームが出てみると3人とも区別が付かないほどに合っており、音楽に関しては非常に好評である。
--ボーカル曲も前作より増え、効果的な使われ方をしている。
--前作BGMを聞く機会も多く、中には意外な使われ方をしている曲もある。((前作のヤシャス山のBGMが新都アカデミア、つまり町のBGMとして使われているなど。))

**キャラクター
-今回のメインキャラはセラとノエルの二人であるが、「プレイヤードリブン」であることを意識してか、両者とも過剰な自己主張をしないタイプである。
--基本的に二人とも、嫌みのない爽やかな性格設定であり、多くのプレイヤーにとって取っ付きやすい。
--自分で発言を選択する「ライブトリガー」がイベント中に発生するため、細かい個性付けはプレイヤーの手に委ねられているとも言える。

**寄り道要素
-前作で最も批判された一本道展開(自由度の大幅な減少)を受け、本作では様々なやりこみ要素が導入された。
--攻略する順番は1から10まで決まっている訳ではなく、FFX-2やKHのようなエリア・ステージ選択式のような表現を取り込んでいるため、自由なタイミングで寄り道ができる。
--中にはクイズやパズルなど、一般的なRPGにはあまり縁の無いようなものも。エリア選択画面から行ける「逸楽の宮殿ザナドゥ」ではカジノゲームで遊ぶことも出来る。
--また、様々なタイミングで物語が終了する、「パラドクスエンディング」が多数存在する。いわゆるマルチエンディングである。
-「リバースロック」を使った、エリアやり直しシステム
--該当エリアの時間を一時的に巻き戻し、イベントなどを最初からもう一度見られるというシステム。
--2度目以降でしか発生しない選択肢もあるなど、やり込み派には嬉しい仕様。
--また、上記のパラドクスエンディングを見る際にもこれを利用する。

--ゲーム中では主に時空の歪み(パラドクス)を解消するために3種類のパズルゲームをプレイすることになる。
---「クリスタルの絆」:狭いMAPを走り回って同じ色のクリスタルを結びつけるパズル。
---「時計盤の針」:時計の針をモデルとしたパズル。変わった形のパズルであり、盤が増えると非常に難しくなる。
---「消え去る床」:いわゆる「一筆書き」のパズルである。単純明快な王道のパズル。

--ザナドゥで遊べるカジノゲームは基本的に二種類。DLCを購入することで更に二つが追加される。
---「チョコボダービー」:仲間にしたチョコボを育ててレースに参加させることができる。
---「スロット」:何の変哲もない我々のよく知るスロット。違うのはフィーバー時に「閃光」と「ブレイズエッジ」が流れることくらい。

-その他、何処でもセーブ出来る、ノースアップ方式のマップが追加されるなど、探索において前作の細かい不満も取り除いている。

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*ゲーム内の問題点

**バトル
-中盤の敵が前作に比べ弱く、しっかり育てていれば攻撃系ロールで○連打するだけで倒せてしまうことも。
--前作は、敵が強いからこそ戦略を練る必要があるというゲームバランスであり、今作のバランスは、特に前作を楽しんだヘビーユーザーから非難されている。
--今作では、前作のPS3版ではアップデート対応、Xbox360版では最初から実装されていた「イージーモード」を最初から使うことができるが、前作ファンからはむしろハードモードをよこせと言う意見が噴出するほど。
--敵のHPが下がり、逆にブレイク耐性が大きく上がっているため、ブレイクできない敵も多く、爽快感が大きく下がっている。

-バトル面での「やり込み要素」も乏しい。
--前作では計64個あったミッションであるが、今作の「フラグメント」で敵と戦うものは10体程度しかない。
--「ヨミ(ウェルキンゲトリクス)」「ロングイ」など、前作の強敵をそのまま使い回したようなモンスターも多い。
---一応DLCで、これらの敵よりも強いモンスターが配信されている。戦闘パターンはどれも個性的で歯ごたえもある。

-AIが前作に引き続き、リーダー以外は自動的に行動を選ぶシステムとなっているが、どうしても「思った通りの技を使ってくれない」という、前作と同じ問題点が存在する。

-バージョンアップによって「フラグメントエナジー」という強力な武器の攻撃力の計算方法が変わる現象が報告されており、こちらは縛りプレイを行う上級プレイヤーから激しい抗議の声が上がった。
--ゲームバランスが大きく変わる仕様変更であったのに、''事前のアナウンスがなかった''ことが問題視されている。

**シナリオ

-エンディングがとにかく投げっぱなしであると非難されている。
--ネタバレなので詳しくは伏せるが、簡潔に言えば運命的に予見されていた結末に抗いもむなしくそのまま向かってしまう。
--今作でも『X-2』のように達成度を100%にすることで追加エンディングを見ることもできるが、そちらも1分程度シーンが追加されるだけ。
---X-2のように救いがあるどころか反ってプレイヤーの努力を否定するものと言っても過言ではなく、『X-2』のような真EDを期待したプレイヤーをガッカリさせた。
--売りにしていたマルチエンディングも、大半が打ち切りエンドかギャグエンドでありおまけの範疇を出ない。

-本編クリア後に見られるエンディングムービーは、最後に「to be continued...」(つづく)と表示されて終了する。
--このことから、多くの人は「達成度100%でハッピーエンディングが見られるんだな」と解釈し、達成度を上げていったが、上記の通り「真のエンディング」でも展開はまるで変わらない。
--この「to be continued...」の意味は、「DLCで真のエンディングが配信される」「13-3に続く」「時のループを示しているだけでシナリオとしては完結である」などと、様々な解釈が存在した。
--何にせよ、このように「シナリオが未完結」などということは発売前に全く述べられておらず、下記のDLC商法も併せて、今作を象徴する出来事として非難されている。

-さらに、発売日から半年が経って、物語の核心部に迫る「ライトニング編」(有料)が配信されたが、それも本編エンディングを補足する程度の内容でしかなく、多くの人を落胆させてしまった。
--「全くの意味不明だったラストシーン」が、「かろうじて理解できるものになる」という程度であり、全体の展開は少しも変化しない。本編シナリオに入っていて当然の内容である。
--そして、満足の行く形での「完結」は訪れないまま、DLCのタイトル脇には「Next Prologue」と記され、ラストも明らかに続編を匂わせるような場面が挿入されて終了。
---余談だが、このDLCは物語の核心部分を切り売りする「未完成DLC」、わずか2回のバトルのみに600円の金を支払わせる「高価なDLC」であり、その「核心部分」の内容も決してプレイヤーを満足させてはいないとあって、''ダメなDLCの見本''と言っても過言ではないものになっている。

-前作キャラの扱い
--前作の操作キャラクターであったサッズ・ヴァニラ・ファングは、トレイラーにて意味深な演出が為されていたものの、本編への登場はわずかなものであった。特に、ヴァニラ・ファングは、前作のEDで煮え切らない終わり方をしていたため、「彼女らを本当の形で救ってやって欲しい」というファンの声は多かったのであるが…。


**やり込み要素
-「逸楽の宮殿ザナドゥ」(カジノ)
--収集要素の「フラグメント」があるのだが、その中の一つ「ラッキーコイン」は絶不評。
--ラッキーコインはスロットマシンで他のコインに混じってごく稀に出てくるフラグメントなのだが、当然スロットゲーム故リアルラックが要求される。
--また、カジノは「未完成」であるということが作中で宣言されており、本編中で「DLCにご期待ください!」という旨のメッセージが表示される。

-中盤のおまけイベントである「クイズ」が冗長かつ出来が悪い。
--ゲーム内の世界をテーマとしたクイズであるが、10連続で正解するまでクリア扱いにならない。
--問題も、ゲーム内の世界でのテレビ番組を問うようなものから、何故かプレイヤー目線でのものもあって統一感が無いため、世界観の演出にもなっていない。
--また、「ラッキー問題」と呼ばれる完全なる2択の運ゲーも存在する。一応、問題の出される形式によって正答が決まっているのだが、あと一問…!というタイミングでこれに遭遇すると徒労感と絶望感に襲われることになる。
--しかも、この10連続での正解を4つ繰り返し、さらにその後、だだっ広い街のどこかにランダムで出現する人間を追いかけてクイズをするなど、しつこいまでにクイズを繰り返さなければ完全達成できない。

-これらの「やり込み要素」は、あまり積極的に楽しめる類のものではないため、不満の声が上がった。

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*ゲーム外の問題点

**DLC商法

-今作では、前作『13』では無かった、ダウンロードコンテンツによるモンスター・シナリオ・衣装の追加が行われている。
--しかし大半が有料であり、また本編のボリュームが少ないため、そのような状況で有料コンテンツを配信するというのは、DLC前提の商法ではないかと強く非難されている。
-DLCを買わなければ何も表示されない(=利用できない)コロシアムやコスチュームなど、ゲームデザインからして未完成・DLC前提となっている点も不満が強い。
--内容も、スタッフの大言壮語と半年間の配信期間に見合っているとは言えず、期待していた多くのユーザーをガッカリさせてしまった。
---スタッフによると、「無料アップデートでやり込み要素を追加する」とのことであったが、結局最後までそのようなものは何一つとして配信されなかった。
//ソース/2月の時点のインタビュー:
//http://www.famitsu.com/news/201202/06009506.html


**発売前の宣伝方法

-今作では、発売前に「JUDGE13」という公式宣伝サイトが開設され、13人のテストプレイヤーが発売前に感想を掲載するという感じになっていた。
-しかしその中に、「パルスのファルシのルシがコクーンでパージ((前作で使われた用語を並べたて、取っつき辛い外国語・造語が多用される傾向にあったという前作の批判点を揶揄したもの。言うまでもなく、前作ファンには禁句である。))」「前作のバトルは面倒」などという、まるで前作を馬鹿にするような記事が載せられており、波紋を呼んだ。
--もちろん、これは「13がイマイチだと思った人でも13-2を楽しめるよ」というアピールなのかもしれないが、前作が失敗作であったと断じるようなその書き方は、多くの前作ファンの感情を逆撫でした。
-なお、上記の宣伝サイトは、現在では削除されている。

**スタッフの発言

-今作のスタッフの発言にも多くの問題があるが、一番大きいものは、「XIII-2はDLC無しでは完結しない」というものであろう。
--このようなことは、発売前には全く述べられていない。
//この発言をはじめ未完成を肯定するような発言、未完成の物語がDLCで完成していくという"シナリオ"を自画自賛するような発言が目立った。
--しかも、半年掛けて配信されたDLCを全て買っても、シナリオが完結したとは言い難い状況であった。&br()このような態度は、「完結を装ってまずはDLCを売り、その後に真エンドを餌に続編を買わせるためのもの」として、強くユーザーに不信を抱かせるに至った。

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*総評
-新要素が大量に追加された点や、システムが洗練され自由度が増した点などは大きく評価できる。その甲斐あって、「自由度が増した」「キャラクターに好感が持てた」「前作よりずっと遊びやすくなった」など評価する声がある。
-しかし、未完で売り出したという感触が拭えない構成およびDLC商法がかなり悪い印象を与えているという、なんとも惜しい作品となっている。
-確かに前作に対する批判的な声は大きいが、それでも高評価をつける人も少なくなかった。&br()続編である以上そういった人たちを満足させる作品が期待されたが、本作は欠点潰しに躍起になりすぎて、バトル・シナリオともに前作ファンを蔑ろにしたと言わざるを得ないものになっている。

*続編
-2013年11月21日にFF13シリーズの完結編である、「[[ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII]]」が発売されている。
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