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オレは少女漫画家 - (2019/02/12 (火) 00:50:39) のソース

*オレは少女漫画家
【おれはしょうじょまんがか】
|ジャンル|ドタバタ漫画家アドベンチャー|&amazon(B006FCXB1C)|
|対応機種|プレイステーション・ポータブル|~|
|発売元|PotatoSoftware|~|
|販売元|ホビボックス|~|
|開発元|Giza10|~|
|発売日|UMD版:2012年2月23日/DL版:2012年5月31日|~|
|定価|UMD版:6,090円/DL版:5,000円(UMDパスポート使用の場合は1,000円)|~|
|レーティング|CERO:D(17歳以上対象)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|ポイント|笑えて熱い少年漫画のようなシナリオ&br()実は女装シーン少なめ&br()パロディ大盛り|~|
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#contents(fromhere)
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**概要
崖っぷちな状況にある少女漫画家の主人公「神尾賢二」が、テコ入れ企画の一環として女装させられつつも自らの夢である「全人漫画家」を目指していくADV。~
前情報の段階では女装部分が強調されていたが、実際にはそうでもなかった。~
また、アダルトゲームメーカー「メイビーソフト」のコンシューマ向けレーベル第一作としても注目された。

**ストーリー
>漫画家、あなた。
>
>一見普通の男子学生である主人公(自分)が、社会現象にもなる大ヒット少女漫画家になっていくというアドベンチャーゲーム。~
漫画家業をしつつヒロインと交流を深め、恋仲になり、ヒロインとともに作品を作り上げていくというのが本筋。~
途中、漫画を売り出すために主人公が女装させられたり、サイン会や出版社の謝恩会に参加するなど、~
漫画家ならではのエピソードを、ドタバタなコメディタッチで進行していくぞ。~
(Amazon記事より)

**キャラクター
#region(close,クリックで開閉(本編のネタバレ込み))
-神尾賢二(ペンネーム:伊集院アリス)
--本編の主人公。性別も年齢も問わずに楽しめる「全人漫画家」を目指している。
--一部の人間以外には正体を隠し、天才作家としてデビューしたものの、筆がのると厨二展開に走ったり、思いついたことを次から次へと盛り込もうとする悪癖のおかげで現在は打ち切りの常連と化し、テコ入れの一環として千佳によって女装させられて公の場に顔を出していく事に。
--事前に勘違いされていることが多かったが、女装は決して本人としては乗り気ではなかった。性格も所謂男の娘とは程遠い。
--大体ヒスイのせいで「打ち切りクソ野郎」「暴走期間者」などの悪意のこもったニックネーム多数。

-秋月凛菜
--賢二と同じ雑誌で活躍する売れっ子漫画家。自他共に認める、看板作家の一人。
--アリス以前から素顔をさらして漫画家活動をおこなってきていた。その為、ある種アイドル的な人気も有している。
--しかし自分の連載について大きな悩みを抱えており、そのせいで自己嫌悪に陥りがち。
--実は非常に負けず嫌いで、脚光を浴びる伊集院アリスに嫉妬することもしばしば。

-羽鳥ヒスイ
--賢二の幼馴染で、たった一人で週刊連載のアシスタントをこなす超技能の持ち主。
--建築デザイナーを志しているが、現在は賢二のアシに集中するためにそっちへの興味を断とうとしている。
--賢二限定の鬼畜属性をもち、酷いニックネームを付けたり外道な仕打ちを繰り返したりもする。
--小柄だが作中屈指の巨乳。ジト目になったりドヤ顔になったりなど表情豊か。

-神尾千佳
--賢二の姉で編集者。公私混同はしないように心がけているが…。
--かつては漫画家を志していたが、現在はサポートという形で漫画に関わることに喜びを感じている。
--おうちモードでのダラケっぷりはすさまじく、キャラ崩壊と弟に言われるほど。
--ヒロインの一人だが、立場が立場だけに彼女のルートは恋愛ではなく家族愛が主題となる。

-紫堂楓
--学校近くの書店の跡継ぎ娘。賢二のクラスメイトでもある。
--基本的に無表情で何を考えているのかわからない。しかし実は様々な分野の超技能ホルダー。
--漫画…というかイラスト全般が嫌い。挿絵があるラノベも受け付けない。店を継いだ暁には、漫画やラノベを廃した理想の書店を作るつもり。
--意外な人物とのつながりがあるが、本人のルート以外でもそれを示唆するネタがちらほらある。

-高杉ハルカ
--ド貧乏声優。好物はもやし。「世の中なんでもー!?」「高すぎるー!!」
--実力はあるがなかなか売れないタイプの典型だが、ふとしたきっかけで賢二と仲良くなった後、一気に大ブレイクを果たす。
--細かな部分では設定のブレが激しい。もっともそれを含めてヒロインの中では一番コミカルなシナリオになっているのだが。

-黛沙耶香
--伊集院アリスの大ファンの一人。自分も漫画家志望。非攻略キャラ。
--公式設定ですでに「恐ろしいほど元気でやかましい」と言われている。

-勝丘十三
--賢二のクラスメートでテニス部部員。イフリートの異名を持つ熱い男。
--本作の発売が予定されていた2010年の時点で某動画サイトで大人気だったことによるせいか、どう見ても修造です。ありがとうございます。
--伊集院アリスに一目惚れした結果、少女漫画を読むようになる。
--本家同様、ハイスペックのお坊ちゃま。作中はっきりと顔の出る唯一の親友として意外と貢献度は高い。

-編集長
--賢二や凛菜が漫画を載せている、週刊コミックチャームの敏腕編集長。和ロリな衣装が特徴。
--少女漫画が週刊誌と言うのはおかしな設定に思えるが、周囲の反対を乗り切って無事成功させたため。
--身長と身内に関する話はタブー。

-副編集長
--週刊コミックチャームの強面副編集長。通称、鬼の副編。
--編集や作家に対して本当に容赦がないタイプ。
--過去に千佳と何かあったとされている。

-岩原龍那
--ヒスイも大ファンな人気アニメ監督。
--言動がちょっとアレな人であり、賢二からはやたら掌底を浴びせられている。

#endregion

**特徴
***システム
-プレイヤーからシナリオへの介入の余地が少ない
--基本は読むだけのノベルゲーム。
--個別ルート突入まで5人のヒロインの誰とのイベントを見るかを数回選択する。
--同じヒロインを選び続けるだけで攻略できるので、難易度は極端に低い。
--一人のヒロインに絞らず選択肢を散らし続けるとバッドエンドとなる。特に一枚絵などはない。

-表紙デザインシステム
--広告で最も推されていたシステム。読んで字のごとく、作中に登場する表紙イラストをユーザーが作成できる。
--プリセットされている画像や画面効果を組み合わせることもできるが、メモリースティックに入っている画像を使用することももちろん出来る。
---形式はBMP/PNGのみで大きさは176x240固定とかなり制約はあるものの、実際に自作絵がイベントCGで出てくるとかなり嬉しい。
--もちろん、タイトルも自分でつけることが出来る。 

-ボキャ典
--&bold(){一応、}本作の用語集。文中に登場した用語が自動的に登録されていく。
--一般的な漫画用語や、事細かな設定、果ては漫画・ゲーム・芸人・映画などから集められたパロディネタや、本作のネタに絡めたものなど、かなり多くの用語が収録されており、文章もしっかりと書かれている。
//--後述する賛否両論点でも大きなウェイトを持つ。

***その他
-「メイビーソフト」の過去作のキャラクターが数人ゲスト出演する。
--元作品を知っている人には実にうれしいサプライズ。また漫画家志望だったキャラが漫画家になっていたりする。
--ただし、数の多さもあり人によっては全く付いてこれなくなる恐れもある。

-女装分
--主人公はテコ入れ企画の一環として女装するだけなので、話には大きく絡むものの、女装に関する扱いはかなり寂しい。そしてルート突入頃には正体を明かし、以降はまったく女装しなくなる……と、タイトルとなっている割には若干扱いが悪く、女装男子や男の娘好きな人にはあまり合わない。
--なお、元々シナリオからして主人公がやむを得ずに女装していることがはっきりしているため、元々そこまでそちらに重点が置かれていないことを感じ取っていた層は多いため、物足りなく感じる層はいても、大きな批判点とまでは見られていない。


**評価点
-笑いと熱さを両立したシナリオ
--基本的にはパロディ満載のドタバタコメディで笑いを取りつつ、少年漫画レベルのお色気要素によるお楽しみ要素もある。
---ギャグ漫画のように派手に吹っ飛んだりするSD絵もコメディ要素を盛り上げている。
--個別ルート突入後からは創作活動を中心とした展開となる。主人公やヒロインだけでなくサブキャラも、創作への情熱や各自の信念が感じられ、しっかりとキャラが立っている。
--このように中盤から主義主張のぶつかり合いやそこから生まれるドラマが多い中、ハルカルートのみはギャグ寄り。1ルートだけやや他とは違う展開であるため良いアクセントとなっている。
--個別ルートの出来が全体的に高水準にまとまっているため、購入の決め手となったヒロインのルートが微妙だったということになりにくい。

-快適なプレイ環境
--文字の速度やスキップの設定が非常に細かい。音声もキャラ単位で細かく設定できる。
--媒体読み込みが非常に早い上に頻度も最低限で、PSPソフト全体で見ても屈指の快適さ。
---データインストールすればそれこそDL版となんら変わらないレベルになり、読み込み云々の理由でDL版をチョイスする必要が無いほど。
--便利なバックログ
---オープニングからエンディングまで、完全に保存される。ロードしたからリセットされるようなことはない。

**賛否両論点
-自重しなさすぎるパロディ
--前述のボキャ典の内容からシナリオにいたるまで、そこかしこにパロディが満載されている。
--商業作品でのパロディ要素は嫌悪する人も多いのだが、好き嫌いを抜きにしても量自体が多すぎな嫌いはある。
---一応、同時期に家庭用移植されている『真剣に私に恋しなさい!』ほどではないので、そちらが大丈夫だったのであれば問題ないだろうが。
---そもそも『遊撃警艦パトベセル』(2007年)で知られるメイビーソフトの芸風((パトベセルがナデ〇コっぽかったり、メインヒロインがハ〇ヒっぽかったりなど。))である。

**問題点
-一部のキャラクターが常識のない行動をする。
--一応ギャグシーンではあるが、それでもやりすぎと感じられることも。

**総評
一味違う漫画家ストーリーで、笑いと熱さを両立したシナリオの評価が高い。~
女装が少なくても大丈夫な人、パロディ特盛りが平気なADV好きはぜひ一度お試しを。~

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**余談
-同日に話題作『[[テイルズ オブ ザ ヒーローズ ツインブレイヴ]]』『ねんどろいど じぇねれ~しょん』が発売されたこともあり、完全に影に隠れてしまった。ちなみに『[[僕は友達が少ない ぽーたぶる]]』も同じ日((かつ全てバンナム製品。))。~

-DL版をPS Vitaで起動した場合、表紙デザイン時にユーザーデータを読み込めない((公式サイトでも明記されている。))。 その点はご注意を。

-2013年3月29日にPC移植版となる『オレは少女漫画家R』が発売された。全年齢対象で17歳以上推奨扱い。
--解像度の違いに伴う既存の一枚絵表示変更やイベントイラストの追加などがあるが、シナリオ面での変更はない。