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ゲッターロボ大決戦! - (2017/03/02 (木) 17:47:34) のソース

*ゲッターロボ大決戦!
【げったーろぼ だいけっせん!】
|ジャンル|SRPG|&amazon(B00005OVTN)|
|対応機種|プレイステーション|~|
|発売元|バンダイビジュアル|~|
|開発元|テクノソフト|~|
|発売日|1999年9月9日|~|
|定価|6,800円(税別)|~|
|プレイ人数|1人|~|
|セーブデータ|最大15個|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|珍しいゲッターロボ単独のゲーム作品&br;溢れるゲッター愛、しかし声はアニメと違う|~|
|>|>|CENTER:&color(black)''[[少年サンデー関連作品リンク>少年サンデーシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
-人気作品であるが単独でゲーム化される機会があまりなかった((そもそもファミコン発売(1983年)より古い(ゲッター:1974年)巨大ロボットアニメでゲーム化に恵まれた作品は無い(ガンダム(1979年)もゲーム化となると当時はSDガンダム(1985年)がメイン)。一応ゲッターは『クリックまんが』というデジタルコミック風のものがPSで出てはいるが…。))、『ゲッターロボ』のゲーム版。

-ストーリーは、『ゲッターロボ』から始まるゲッターサーガの作品群をベースにした新規エピソード。~
クロスオーバーというわけではなく、独立した一つの作品になっている。~
原作コミックやアニメ版、ゲームオリジナル設定も織り交ぜた独特の雰囲気をもっている。


**『スパロボ』とは少々異なるシステム
-ユニットの性能が、パイロットのステータスで大きく変動する。
--低レベルパイロットが乗る「真」よりも、使い込んだメンバーの旧ゲッターのほうが強いということはザラ。

-ユニットの武器の使用コストは全てエネルギー制。また、ゲッター2系の分身技は全て武器になっている。

-ゲッター1のような空陸両用ユニットは普段陸を歩き、他の陸上ユニットが立てない地形(山や海の上など)に位置した時のみ自動的に空中判定になる。空にいる敵を殴りに行く場合は飛ぶが、自分で空中に浮かび上がるコマンドは無い((原作アニメでは陸戦も多い。))。

-乗り換えは基本的に自由。「號」メンバーを「G」に乗せたり、3号機パイロットだけを集めて1チーム作ったりも出来る。
--ただし、「斬」は女性用なので女性パイロットしか乗れない。また、主人公は後述する「合体テスト」にパスしないとゲッターに乗れない。

-合体したままの変形は不可。一回ごとに分離して再合体しなければチェンジできない。
--これは原作どおりの設定。フルパワーの真ゲッターは分離ナシでも変形が可能だが、それ以外は分離して順番を変えて再合体するのがゲッターロボの常。しかし『スパロボ』ではこの辺は省略されている((合体アニメが入ってその分を補っている。))。
--マップの開始時点では斜め配置になっているため動かして並べないと合体できず、移動力は多くの場合ゲッターロボ<ゲットマシンなので長距離移動向き。またゲッター線で動く機体はターン初めにエネルギーが回復するが、この回復量は固定なので最大値の小さいゲットマシンでいた方が微量ながら回復幅が大きい((本作の母艦は格納数に上限がある。))。ゲッターは各形態が一長一短だが、本作ではこのようにゲットマシンにも活用法がある。

-戦闘システムは『スパロボ』寄りだが、「精神コマンド」の類が存在しない。回避率なども表示されないため、思わぬ反撃で落とされることも。
--「回避」を選ばない限りは必ずダメージを受けるようになっている。また、こちらが攻撃した場合は必ず敵反撃時に当たってしまう。
--「反撃を受けずに一気呵成に倒すのが好ましい」ということなのか、範囲攻撃が出来るいわゆる「MAP兵器」が多い。また、同系統の機体の同じ立ち位置の武装でもまるで射程範囲が違うケースがあり、単純な互換にはならず差別化されている。

-同陣営のユニットも移動の妨げになり、そのマスはスキル移動補助が無いと通過できず迂回する必要がある。これは敵も同様。
--行動していないゲッターは分離して合体指示を出すユニットを変えることで登場するマスを、同じく行動前の母艦は隣接するユニットを無制限に出し入れできるので、これらを活用すると擬似的に通過できる。

-合体シミュレーター
--パイロット候補生である主人公がゲッターに乗るために必要な合体テスト((各難易度をクリアすると同じ難易度の『合体練習』に切り替わる。))で、流竜馬が教官を務める。声はもちろん''神谷明''氏。
--試作真ゲッターの真ベアー号に乗り込み、フライトシミュレーターの要領で合体に挑むという内容になっている。
--時間制限もあるし風が吹いたり隕石が飛んできたりもする。ミスると教官に「何やってるんだ!」「馬鹿野郎!!」と喝を入れられてしまう。

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**評価点
-溢れるゲッター愛
--原作で披露した変則的な二体合体やコミック版『真』に僅かに登場したゲッターエンペラー((正確には、エンペラーに合体するゲットマシン1号機。なのだが、本作ではゲッターエンペラーと呼ぶ))など、マニアックな部分がかなり多い。
--アニメパートの出来も素晴らしく良く、しかも原作を踏襲したデザインに仕上がっている。
--他のゲームとの兼ね合いもあるが、メモリーカードの容量をフルに使うとセーブデータはシナリオ最中や終了後共通で最大15個。メモリーカードをチェックすると、セーブデータの配置番号に応じて旧、G、真、號、斬の各ゲットマシンがアイコンとして表示される(例えば1番目はイーグル号、15番目は金剛号となる)。
--真ゲッター1のみ、主人公のネーミングで「げんき」にすると、『世界最後の日』バージョンのデザインになり、性能も少し上がる。

-本作オリジナルの機体
--ゲッターロボ斬、真ゲッタードラゴン(真ゲッターロボG)、ブラックゲッターの三体。
--真ドラゴンとブラックゲッターは原作・OVAに同名の機体が登場しているが、それとは別のデザインで登場。
--ゲッターロボ斬は完全オリジナルの女性型ゲッター。パイロット三名も女性である。

-合体シミュレーター
--要するに「前の機体の後部にまっすぐ突っ込む」という単純なものだが、意外と熱中できる。&bold(){本編よりもやり込める}と言う人もいるくらい。
--ゲッターロボといえば変幻自在の変形合体。自分でそれを行える素晴らしさはファンなら感動ものだろう。
--ストーリー上は各難易度一回ずつクリアすれば充分だが、かかった時間は難易度ごとに記録されるのでタイムアタックを楽しむこともできる。
--原作ではこれを敵の攻撃を掻い潜りながら行うことを考えると、パイロット達の化け物っぷりが身に染みて分かる。
--機体が試作真ゲッター1だけしかないのが惜しい。

**問題点
-ボリュームのなさと詰め込みすぎのシナリオ
--全21話というのは、当時としても短い部類に入る。また、シナリオデモがほとんどなく「戦闘終了→即次回予告」ということもある。
--第五話で早くも恐竜帝国が滅亡して百鬼帝国に取って代わられ、さらに第七話では昆虫軍団が登場。忙しい。
---機体参入についても同様で、第三話で「G」が、第五話で「斬」が加入する。さらに続く六話目では「號」が加入。

-主人公の存在が微妙
--特殊スキルをキャラメイク時につけられるが、スキルの中に役に立たないものがある。
---「移動溜め」は、「移動も攻撃もしないで待機すると移動力が増加する」のだが、増加量が最大でも2倍なのでまったく意味がない。攻撃はできないが1ターンで最大2倍の距離を移動できる「2回移動」の下位互換である(こちらもあまり使えるとは言いがたいが……)。
---「EN回復」も「移動も攻撃もしないで待機するとENがわずかに回復する(ゲッター線で動くユニットは自然回復量が増える)」というものだが、「収集」は移動も攻撃もOKで回復量はEN回復と同じ。「収集」はゲッター線で動くユニットにしか効果がないという差はあるが、このゲームの主力は言わずもがなゲッターロボなので……((ただし號だけは動力がゲッター線ではない(そのため漫画版だと後半に「本物のゲッターロボ」である真が出てくるのだが…。なおアニメ版はゲッター線自体が存在しないパラレルワールドである)。))。
--前述の試験をパスできなければ、レディコマンドなどでの出撃を余儀なくされる。そうなるとレベルが立ち遅れ、活躍の機会がさらになくなっていく。
--アクの強すぎるキャラに囲まれ、シナリオでの出番は少ない。なのに肝心なところで、「お前はどう思うんだ」と突然選択を迫られる。

-難易度調整が甘い
--敵ユニットは「原作でゲッターと五分にわたりあった」ということからなのかどれも強い。そして自軍はユニットが少ない。
--ゲットマシンで戦うのは無謀だし、合体してしまうと数が三分の一に減る。
--ユニットを搭載できる母艦「クジラ」が入ってからは、補給と回復を兼ねて乗り降りを繰り返しながら戦うことになる。

-経験値関連の問題
--パイロットはレベル制で、上昇に必要な経験値(どのレベルでも1000ポイント固定)を超えると余った分を切り捨てる。なので、あと少しの経験値でレベルアップする時に大量の経験値を得るとかなりもったいないことになる。
--メインパイロットが交代する変形型ゲッターとステルバーは、メイン以外は取得経験値が減少する。効率の良い稼ぎを狙うなら、必然的に変形を活用することになる。
--母艦のパイロットは経験値を取得せず、マップをクリアする度に1ずつレベルアップする。よって、育成面では戦わせるだけ無駄。このへんは味方入りしないゲストキャラクターも同じなのだが…。

-迂闊に攻撃できないバランス
--「回避」コマンドを選んだとき以外の攻撃は&bold(){必中}なので、常に反撃を警戒し体力に気を配る必要がある。
--そのため反撃を受けずに多数を攻撃できるMAP兵器が最重要。次いで相手の射程外から攻撃できるユニットが使いやすい。
--このゲームでのゲッタービームは大火力のMAP兵器なので非常に頼りになる。燃費が異常なまでに悪いのが玉に瑕。
--なお、流竜馬のスキルは「&bold(){反撃時に攻撃力アップ}」なのでイマイチ使いづらい。能力値は申し分ないのだが…。

-システムまわりが雑
--「ゲットマシンが水上を移動すると、まるで水に潜ったようなSEが鳴る」「空を飛んでいるはずの空陸両用ユニットが地形の移動障害に悩まされる」など、どうも小さな部分が噛み合っていない。
--エネルギーが減っていると分離・合体の度に再計算されてエネルギーを消費するので気軽に変形できない。なぜかHPは同じことをしても一定のラインから減らないのだが。
--インターミッションでの乗り換えで確認できるのはエネルギーなどのステータスのみ。特定の武器は一定以上のレベルか特定のパイロットが乗ることが使用条件だが、ゲーム中のヒントも出ないため、予備知識がないとマップ上で(酷い時にはゲッターを2ターン目に合体させて)ようやく使用可能かがわかる始末。
--また、図鑑やムービー再生などもない。

-ストーリーとユニット運用の矛盾
--テキサスマックは母艦テキサスの護衛。ストーリー上はテキサスにつきっきりでろくに戦闘していないことになっているが、実際にはテキサスを離れて宇宙にも付いてくる。((もともと名前が似ているだけの別作品からの出展。))

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**総評
「声がアニメと違う」「ボリュームが足りない」などの気になる点こそあるが、ゲッターファンならば手にとっていただきたい作品の一つ。~
初代からOVA『真(チェンジ!!)』、加えてコミック版『真』の要素も入っており((ゲッターサーガはこの後『ゲッターアーク』へと続いていく。が、掲載誌の休刊で強制終了となり、さらに石川賢氏がお亡くなりになられたため完全に未完のままとなった。))、シリーズの中でどこかの作品が好きならばきっと楽しんでもらえるはずだ。~
ただ、単独の作品としては少々粗があるのが残念な所。