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プロ野球ファミリースタジアム'87年度版 - (2016/06/30 (木) 10:26:29) のソース

*プロ野球ファミリースタジアム'87年度版
【ぷろやきゅうふぁみりーすたじあむ はちじゅうななねんどばん】

|ジャンル|SPG|&image(FamilyStadium87-01.gif)|
|対応機種|ファミリーコンピュータ|~|
|メディア|256kb+256kbROMカートリッジ|~|
|発売・開発元|ナムコ|~|
|発売日|1987年12月22日|~|
|定価|3,900円|~|
|プレイ人数|1~2人|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|打てなくなった選手達&br()シール|~|
|>|>|CENTER:''[[ファミスタシリーズリンク>ファミスタシリーズ]]''|
-データを変更したマイナーチェンジ版であるため、各項目の詳細は『[[プロ野球ファミリースタジアム]]』を参照。各項に於ける記述は相違点に留める。

**概要
1986年12月に発売された大人気野球ゲーム『プロ野球ファミリースタジアム』(以下『前作』と表記)のデータリニューアル版。基本システムはそのままに、「ホーナー旋風」を巻き起こしたB.ホーナー、三振かホームランの大砲R.ランス、トレンディエースと呼ばれた西崎とそのライバル阿波野、世紀の大トレードで移籍した中日落合など選手データを1987年度のものに更新、チーム数も2チーム増え12チームとなった。この他ユニフォームのパレット変更、選手データの表記方法、球場の外観など細部のグラフィックが変更されている。

&image2(FamilyStadium87-02.gif,width=700,center)
#center(){主な変更箇所・共に左前作/右本作}

**ゲーム内容
-「バース・落合クラスだと当たればホームラン」((ファミコン通信1987年11月5日号より。))と評されたように打球が飛びすぎた前作の内容を考慮され、本作では飛距離が抑えられ投高打低となった。
-球団は前作10球団に加え、Bチーム(ブラボーズ)が連合チーム「レイルウェイズ」より独立し単独チーム化、さらに当時のMLB一流選手が揃ったMチーム(メジャーリーガーズ)の2球団が新たに参入し12球団となった。なおデモ画面にのみOチーム(オリエンツ)が登場するが、どのような手法を使ってもプレイヤーが操作することは出来ない。
-前作では王・安田2名のOB選手が登場していたが、本作では全選手が日本プロ野球1987年ペナントレース終了時の現役選手で構成され、OB選手は1人もいなくなった。
&image2(FamilyStadium87-03.gif,center)
#center(){MチームとBチーム}

**評価点
-投手有利となり、よりテクニックが重視され、上級者同士の対戦では僅かなミスが命取りとなる。
-チートレベルのMチーム。スタミナの鬼剛球王N.ライアン、130キロのフォーク(実際はSFF)を投ずるM.スコット、3割60本M.マグワイア、控えに甘んじる3割8分40本のD.マッティングリーなど他の11球団とは明らかに一線を画す顔ぶれは、「暴力的な強さ」とまで評された。((ファミコン通信1987年12月10日号/発売直前緊急特集12球団レビューより。))しかしその実情は打てなくなった本作の不満点を解消するために設定された「ナムコの気遣い」であった。

**問題点
-打てなくなった選手達。打球の飛距離が抑えられたため、地味な試合展開となりがちでゲームの爽快感が薄れてしまった。対COM戦では改善されていないお粗末な守備から貰ったチャンスで得点を重ねるという、釈然としない展開。対人戦に於ける1点を争う「緻密な野球」も裏を返せば、「チマチマとヒットで繋ぐ野球」である。
-バッターボックスの前方(ゲーム画面では上部)に移動できなくなった。前作では打席前方に打者を移動させ、変化球の曲がり初めを叩くという相手投手の攻略が可能であったが、本作では前方への移動が不可能となり、先の「飛ばない仕様」と合わせ、打者不利というゲーム内容に拍車をかけている。
&image2(FamilyStadium87-04.gif,center)
#center(){左・前作の移動限界/右・本作の移動限界}

-手抜きのパッケージとカセット。本作の箱・カートリッジ・説明書はそれぞれ前作のハードケースとカセットラベルをそのまま使用し((但し、箱裏面の「160人」が「192人」に、カートリッジ裏面の「10球団」が「12球団」になっているなど細かい変更はされている。))、タイトル部分の横に「87年度版」と書かれたシールを貼っただけ、取扱説明書にいたっては、ゲーム画像と文章を数箇所変えただけという手抜き仕様である。その大胆な手の抜きようをゲーム雑誌が好意的に受け取る筈もなく「手抜きのパッケージとカセット」((ファミコン通信1988年6月号付録、ゲームカタログ1988より。))「馬鹿野郎、シール貼っただけ」((ファミコン必勝本・バグボーイデラックスより。))と嘲笑やネタの対象物となってしまった。[[参考画像(googleイメ検)>http://www.google.co.jp/search?q=%E3%83%97%E3%83%AD%E9%87%8E%E7%90%83%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%9F%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%82%B8%E3%82%A2%E3%83%A0+%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%9F%E3%82%B3%E3%83%B3&hl=ja&rlz=1I7DBJP_ja&prmd=imvns&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=XnB9UO3AEu2cmQW7lYHIBw&ved=0CAoQ_AUoAQ&biw=1024&bih=567]]
-なぜか右投げのBチーム「ふるみそ」。モデルとなった阪急・古溝克之は左投げである。データ間違いを犯してまで彼を入れるなら、この年規定投球回に達し7勝3セーブを挙げた佐藤義則を入れたほうがよかったのではという声も聞かれた。((ファミコンチャンピオンより。))
-妙な色使いのSチームユニフォーム。Dチームのモデル球団である中日のユニフォームが1987年より変更されたことを受け、前作のSチームのユニフォームカラーがそのままDチームに転用された。そのためSチームのユニフォームも変更されたが、モデル球団であるヤクルトのユニフォームから大きく乖離した「深緑+紫」という奇妙なもの((このカラーリングについては、当時のヤクルトのユニフォームに使用されていた赤と青を混ぜて紫とし、それに加えて球団旗に使われていた緑も使用した、と解釈することも出来なくはないが…。))に変更されている。
&image2(FamilyStadium87-05.gif,center)
#center(){左・本作Sチーム/中・前作Sチーム/右・本作Dチーム}

**総評
-打高投低で本塁打を連発でき、よく言えば「派手で豪快な試合内容」、悪く言えば「大味なゲーム展開」だった前作を反省し、打球の伸びを抑えた本作であったが、ユーザーやゲームライターからは「ホームランが出にくくてつまらない」((ファミリーコンピュータMagazineより。))「地味な試合になりがち」((ファミコン通信ゲームカタログ1991より。))「弱くなった阪神をこれ以上いじめてどうする」((ファミコン通信ライター・浜村通信談。))((ただしデータ的に言えば、掛布、バースなど現実の成績より上積みされているので、むしろ阪神には優遇している方である))など概ね不評であった。この評価を受け'88からは再び打者有利の内容に戻り、「飛ばないファミスタ」は後にも先にもこの1作だけという結果に終わった。