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ZOIDS2 ヘリック共和国VSガイロス帝国 - (2021/11/18 (木) 04:15:32) のソース

*ZOIDS2 ヘリック共和国VSガイロス帝国 
【ぞいどつー へりっくきょうわこく ぶいえす がいろすていこく】

|ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B00005U0LW)|
|対応機種|プレイステーション|~|
|発売元|トミー|~|
|開発元|ウィル|~|
|発売日|2002年2月21日|~|
|価格|5,800円(税抜)|~|
|判定|なし|~|
|>|>|CENTER:''[[ゾイドシリーズリンク>ゾイドシリーズ]]''|

#contents(fromhere)

**概要
''共和国と帝国の覇権を巡る戦争が再び繰り返される・・・!''
 太陽系から、はるか数万光年の彼方に存在する惑星Zi(ズィー)。
 そこに生息する巨大な金属生命体「ゾイド」は、「メカ生体・ゾイド」に改造され、戦争に投入されていた。
 ガイロス帝国とヘリック共和国の覇権を巡る果てしなき抗争は再び幕を開けたのである……。
(説明書より引用)

ゾイドのアニメが『/0』へと代替わりを果たした2002年((しかし、発売された時点では放送は既に終了していた。))、満を持して発売されたPS版ゾイドシミュレーションゲームの2作目である。基本は前作を踏襲しつつ、物語に重点が置かれている。~
今回はアニメのストーリーとバトルストーリーが適度にミックスされた内容であり、バトルストーリーから取られた部分もあればアニメから取られた内容もある。~
一方、前作ほどミリタリーに重点は置かれてなく、子供向けアニメ作品らしくとっつきやすいつくりになっている。

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**評価点
//あって当たり前のことは書かない。

***登場ゾイドの種類
今作では前作に登場しなかった新世代ゾイドが多数登場し、共和国・帝国あわせてその数100体以上。~
その中にはアニメで活躍したブレードライガー、ライガーゼロ、ジェノザウラーだけでなく、「ZOIDS SAGA」からオリジナルゾイドが2体登場し、前作で未登場が嘆かれたグレートサーベルもグレートセイバーという名前で登場し、さらにはライジャーの勇姿も。
-ゾイドは前作と同じくすべて3DCGで再現されていて、戦闘では変わらず軽快な動きを見せてくれる。
-改造のバリエーションが前作よりも増え、新型機は勿論、旧型機も多くのバリエーションを持つ。
-新世代ゾイドはもちろん強力だが、だからといって旧型機相手に無双ができるほどではなく、戦略次第であっさり墜ちる。シミュレーションゲームとしてのバランスは破綻していない。

***ストーリー・設定
賛否両論部分もあるが、固有名詞を持った登場人物が登場するようになり、より深く作品に没頭できるようなった。~
帝国、共和国いずれもただの軍人だった主人公が戦いを通じて、その裏で暗躍する陰謀に気づき、国家の枠を超えて惑星のために真の敵と戦うという王道の物語が展開される。

-当然、ストーリーに絡んでイベントも多く、プレイヤーは多くの選択をしなければならない。選択によって支給されるゾイドの種類が変わったり、一見寄り道のようなイベントを通過することで入手できるゾイドやアイテムがある。~
前作のように只言われるがまま、戦場を渡り歩くのとは一味違う。
-バトルストーリーやアニメとのクロスオーバー
--バトルストーリーに登場する人物の名前が出るだけでなく、バトルストーリーと同様のイベントが進行するステージが存在する。
---前作でもバトルストーリー上の地名が登場するなどしていたが、今作はイベントの当事者として行動することになる。
---帝国基地に忍び込んでゾイドを盗むステージや、ライガーゼロを入手した主人公を宿敵と見なして追い回すライバル登場など。
--ライガー系ゾイド乗り最高の称号であるレオマスターの名を冠するアイテムが登場。ライガー系ゾイドに装備させると、アニメや漫画でも登場した強力な必殺技が使用可能になる。
--アニメとの繋がりを示唆するゾイド(ジェノザウラーRS(恐らくはレイヴンスペシャルの略))が登場する。


***前作からの改善点
''搭載武装の再現度向上''
-前作では標準装備も含めて6つまでしかパーツが装備出来ず、設定上強力なはずの重武装ゾイドが装甲板を装備した骨ゾイドよりも弱い…と言うことがよくあった。~
今作では固定装備とは別に管理されるようになり、種類を問わず4つまでパーツを装備ができる仕様に変更された。~
これにより、前作では設定だけで存在していなかった補助的な役割の武装が一つ一つ可能な限り再現されるようになり、ゾイドの個性が大きくなった。
--シールドライガー等のEシールドがON/OFF切り換え型の特殊能力として登場。戦闘中のダメージの減少だけでなく、マップ上で発動させて範囲攻撃や奇襲攻撃のダメージを減少させることが出来る。~
ただし、ターン毎にエネルギーを消費するため燃費が悪く、こればかりに頼ることはできない。
--マッドサンダーの反荷電粒子シールドも再現され、荷電粒子砲を完全に無効化できるようになった。こちらは無効化する度にエネルギーを消費する。
--ゴルドスやディメトロドン等の電子戦ゾイドには索敵範囲の広いレーダーが標準搭載となり、射撃戦以外の強みをもつことができた。
--ブースターを搭載したゾイドには「加速」という特殊能力が与えられ、一時的にマップでの移動範囲を強化することができる。高い機動力を戦闘中だけでなく、マップ上でも移動力として再現した。
--前作でマップ兵器でしか使えなかった武器が戦闘でも使用可能に。いずれも長射程で高火力。弾数は範囲攻撃用と戦闘用で別々に管理されている。
---この中でもデスザウラーの大口径荷電粒子砲は、エネルギー消費量が凄まじいが長射程・高火力・高クリティカル率。設定通り小型・中型ゾイドなら一発で蒸発させられるほどの凶悪な武装となった。~
ジェノザウラー系やデススティンガー等も荷電粒子砲を同じように使用可能。帝国ゾイドの射撃戦において大きなアドバンテージとなっている。
--再生能力に優れているという特徴のある『ハイドッカー』は、HP再生をデフォルトで持つようになるなど装備以外でも特徴づけられている。
--また、前作にはなかったゾイド固有の機動性と装甲値が再現され、高機動ゾイドは回避率が高く、重装甲のゾイドはそれだけダメージを受けづらくなっている。
---ただし、あくまでゲーム用の調整や機体サイズ補正が掛けられており、原作設定とは異なる部分がある。((マーダ(最高500km/h)の機動性が70に対してライトニングサイクス(最高325km/h)の機動性が80))
---実は前作でも機動性は隠しパラメーターとして存在していた。((同じ攻撃でも相手によって命中率が変化する。))
---装甲値については及ぼす影響が低めの為((最終的なダメージ値から装甲値分が減算される程度))、無いよりはマシな程度である。
--ゴルドスやウルトラザウルス、ブラキオスやゲーターといった本来鈍重なゾイドの格闘兵器も使用可能。大きく首を下ろして噛みつくウルトラザウルスや、首をしならせて頭突きのような噛みつき攻撃をかますブラキオスは必見。
---これは原作再現でもあり、旧大戦時代は格闘兵器を持っていなかったこれらの機体が現大戦で改良されたと設定されている。

''戦闘AIの改善''
-行動順がまず一般のゾイド、最後に隊長機に変更された。このため、隊長機がやみくもに突撃して真っ先に撃墜されることが少なくなった。((敵味方共に隊長機が撃墜されると、その小隊の機体が無条件で撤退するため。))
-しかしあいかわらず砲撃主体のゾイドが接近戦を挑んできてあっさり返り討ちなんて事も多発する。((射程の長い武器を弾切れやエネルギー切れで使えないようにさせるとよく発生する))

''ゾイドの改造バリエーション''
-前作に登場した改造キットのバリエーションが増え、より多くの種類の派生機体を作成できるようになった。
--セイバータイガー系、レッドホーン系、シールドライガー系、ジェノザウラー系などなど。
-一部の改造機体はバトルストーリーでつけられていたコードネーム((シャイアン、マーキュリーなど))がつけられ、また色も変化するようになった。
-さらに改造に加えて、装備品を取り替えることで能力が変化する『換装』が一部のゾイドの機能として追加された。
--ライガーゼロの売りであるCAS(チェンジング・アーマー・システム)を再現した機能だが、旧世代ゾイドのマーダなどもこの換装機能により能力と外見が変化する。改造と違って、純粋な強化ではなくある性能に特化させるものが多い。
--改造とは異なり元に戻すことも出来るため、気軽に変更することが出来る。搭載機能を持ったゾイドから出撃させるときにも変更ができるため、任務中でも状況によって使い分けが出来る。

''スキルポイント・特殊能力の見直し''
-遠距離射撃、近距離射撃と別れていたのが射撃に統合され、より分かりやすく、そして無駄なくポイントを割り振れるようになった。特殊能力にポイントを振る余裕も作りやすくなった。
-特殊能力の名称も変更され(「精神集中」→「猛進特攻」など)、それぞれの特徴を捉えた個性的な名称になった。

***その他システム
-前作のセーブデータがあると、それをロードして前作で鍛えたゾイドを引き継ぐことが出来る。シナリオを進めるごとに、前作データの各部隊長のゾイドが増援として支給される。本来なら終盤やクリア後でしか手に入らないゾイドも容易に入手できる。((ただし、強力なゾイドほど加入時期が遅くなる))
-セーブデータを持ち寄ってチーム対戦が可能。
--友人・知人相手に自慢の部隊でゾイドバトルを行うことができ、結果問わず本編でも使えるゾイドや資金などを入手できる。
--審判として『ゾイド新世紀スラッシュゼロ』からジャッジマンが登場。さらにそこそこの確率でダークジャッジマンが乱入し、プレイヤー同士で突然共闘することになるイベントが発生する。
-設定を変えることで戦闘アニメを簡略化できるようになった。

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**問題点(前作との比較部分有り)
***戦力の偏り
登場するゾイドの基本性能は、今作でも共和国に有利となっている。
-前作同様、帝国側には飛行ゾイドが少ない。
--帝国の空中戦は今作でも『レドラー』を主力に戦わないといけない。ただし、今作ではレドラーは改造可能であり、運動性は若干落ちるが射撃戦も可能な『レドラーキャノン』に改造することが出来る。
--もっとも共和国側も新たな飛行ゾイドが登場しないため、前作と同じくサラマンダーやレイノス、プテラスを主力として使っていくことになる。
-地味に響いてくる点としては、帝国ゾイドの武器は全体的に火力が高いかわりに命中率が低いものが多い。共和国ゾイドの小型・中型の機動力重視なメンツも相まって、序盤で結構苦戦するポイント。
-帝国側に与えられたアドバンテージとしては、上記の荷電粒子砲や、ステルス・隠蔽機能を持つ大型ゾイドが挙げられるが、いずれも搭載ゾイドが与えられるのは後半から。
-とはいえ、ストーリー上同じ陣営のゾイドを相手にすることもかなりあるため、実際はそこまで気にはならない。

***未登場ゾイド
念願叶って登場したゾイドもいる一方、両軍の編成バランスを調整するためか未登場に終わってしまったゾイドもいくつか存在する。
-共和国側はストームソーダー、ハンマーヘッド、ガンスナイパー、シャドーフォックスなど。
-帝国側はレブラプター、エレファンダー、ザバットなど。
--飛行ゾイドであるストームソーダーや、水空両用のハンマーヘッドが登場しないのは、戦力のバランスが共和国に傾くことを懸念しての未登場と思われる。
--同時参戦ならバランス的には影響が少ないはずのガンスナイパーとレブラプター、アニメ『ゾイド新世紀スラッシュゼロ』で活躍したシャドーフォックス、エレファンダー、ザバットも登場しない。恐らくは開発期間や容量の問題だと思われるが、残念である。
-また登場はするものの、ダークスパイナーが原作と同様の「背びれから発生させた強電波で敵ゾイドを操る」という能力が再現されていない。もっともこの能力はメディアによって差異があり((別のゲームでは電磁砲、TVCMでは背びれでEシールドを発生させる様に描かれていたが、アニメ『ゾイドフューザーズ』だと何の能力も無かった。))、ゲームバランス((バトルストーリーでは共和国が電波対策を完成させるまでの3年間、誇張抜きの無敵ゾイドとして君臨した。))や実装の手間等の問題もあったのだろう。

***戦闘アニメ、カットシーンが省略
OPやEDも含め、いずれも簡略化・省略化されている。
-前作は小型ゾイドにまで破壊されたときの動作があり、一部には撃破時の動作まであった。
--今作ではカメラ位置の変更もあってゾイドが小さく見え、小型・中型はゾイドが撃破されると多くはフェードアウトしてしまい、非常に味気ない物となっている。((例外的にライジャーとライトニングサイクスは、中型でありながら勝利・撃破演出のある好待遇を受けている))
-マップ兵器使用時に流れるカットシーンは今作では完全カットされ、戦闘アニメの流用とエフェクトのみで表現されるようになった。
--読み込みに少々時間がかかるため、エフェクトの時間と合わせて冗長になりがち。
-オープニングは省略され、イントロダクションのみに。エンディングも共和国・帝国で共通の物が流れるようになった(終盤の内容が同じなので当然ではあるが)。
--要所において流れるムービーは前作よりは増えている。((前作は2種、今作は4種。))

***システム上の問題
-マップが狭くなった。
--狭い一本道が続くマップもあり、前作と同じ感じで展開していると狭くてゾイドが上手く展開できなくなっている。
-一部マップ兵器の弱体化
--一部の荷電粒子砲シリーズはまだ何とか使えるが、前作でも使えた共和国のロングレンジバスターキャノン、帝国のビームランチャーは軒並み円形から細い直線範囲になり、使い物にならなくなった。((ただし、どちらも通常戦闘時では強力な遠距離武器になっている。))
-ステルス・隠蔽能力を持つゾイドの弱体化
--ステルスゾイドは前作で猛威をふるっていたが、今作ではレーダーを標準搭載したゾイドが増えたため、その脅威が薄れている。
--さらに、マップ画面で敵ゾイドにカーソルを合わせて△ボタンを押すと、そのゾイドのステータスを閲覧できる機能があり、これがステルスで不可視状態であるはずの敵ゾイドにも使用可能で、レーダー無しでも位置がわかる。((ただし、位置がわかるだけでステルス状態が解除されるわけではない。))
-&bold(){回避は可能だが、進行不能になる致命的なバグがある。}
-前作からそのまま残っている問題点
--前作で強すぎた特殊能力がそのまま残っている。特に猛進特攻(前作では精神集中)は名前が変わっただけで、相変わらずの壊れた性能をしている。今作ではレオマスター専用技をはじめとした強力な格闘攻撃が増えたので、格闘武器を持つ多くの機体でとんでもないダメージを叩き出すことが可能。
--今作でもレベリングが訓練頼りでなかなか進まない。その代わりに次から次へと新しいゾイドが支給されるのだが、それまで鍛えていたものよりレベルの高い同じゾイドが配備され、それなら別のゾイドのレベルを上げれば良かった…となることもしばしば。~
前作同様に、下手にゾイドを戦いで鍛えるより、捕獲用ゾイドを使って捕まえた方がより強いゾイドを簡単に入手できてしまう。
---とはいえ、相手のレベルが高いほど得られる経験値は多く、いいパーツを装備して上記の強力なスキルを利用すれば、レベル差はそこまで苦にはならない。
--金策に関しては、今作は無償で一定数のゾイドが支給されるので、まずゾイドが購入できずに頭数不足…ということにはなりにくい。アイテム補充に関しては、フィールドで丁寧に残骸・財宝の回収を行い、あとは上記のような理由で前線に立てなくなったゾイドを売却したりすれば何とかなるはず。

**賛否両論部
***ゾイド支援システム
-戦闘アニメ有効時のみだが、戦闘中に指定されたボタンを連打することで攻撃力が1~2割ほど増加する。
--親切な機能であることは間違いないが、戦闘アニメ省略時には使えない機能であるため、戦闘アニメを省略したくても出来ない…という人も。
-アニメ省略中は一部の特殊能力の成功率が0%になってしまう。

***水中のゾイドを地上から攻撃可能
-前作では武器に対潜適応がないと水中にいるゾイドは攻撃できなかったが、今作ではダメージ半分になるものの、攻撃できるようになった。~
その気になれば地上からゴリ押しで撃破可能になっており、戦略性においては若干薄れてしまった。

***状態異常の回復率
状態異常の種類は前作と同様だが、『ショート』『炎上』『サビ』からの回復が非常に早くなった。ほぼ1ターンであっさり回復してしまう。
-帝国ゾイドの有用性と特徴が低下。
--この影響で帝国側の多くの大型ゾイドに装備された、「高圧濃硫酸噴射砲」が脅威ではなくなり、接近戦を挑むリスクが小さくなり、ゾイドの配置や距離をそこまで考慮しなくとも良くなった。~
これにより、通常戦闘が前作にもましてどちらかが倒れるまで強力な攻撃をひたすら当てるだけの状態になってしまった。
---ただし、前作においての「高圧濃硫酸噴射砲」による『ショート』状態は、受けた側の行動を数ターン封じる効果を持っており((ついでに一部の属性武器のダメージも上昇する))、使い方次第ではハメ殺し状態にできる強力な兵器である。~
こちらが使用するなら頼もしい兵器であるが、相手から使われるとストレスにしかならず、弱体化によってむしろ陣営間のバランスが取れたとも考えられる。
--前作ではマップ兵器の多い共和国と状態変化系武器の多い帝国という特徴があったものの、どちらも仕様の変更や同じようなレベルになったことで違いが少なくなった。
---それぞれの個性がなくなったとも思えるが、陣営にとらわれることなくゾイドを使えるようになったとも考えられる。


***パイロットの存在
前作とは異なり、主人公を始め固有の名前を持つ人物が登場する。
-バトルストーリー(アニメにも)に登場する人物((ギュンター=プロイツェンやルイーズ=テレサ=キャムフォード等))も名前だけではあるが登場し、ただひたすら相手の首都に向かって前進する前作と違って、ストーリーという点でも楽しむことができる。
-最大4文字のカタカナ限定ではあるが、主人公は好きな名前を付けることができ、自身で選べる選択肢が多く表示されることもあって感情移入がしやすい。
-オリジナルキャラクターも、タイガーやライガー系の高速ゾイドが好きなヒロインや、絵に描いたような嫌な上司等、顔グラがないにもかかわらず個性豊かな人物が多い。
--一方で、これらの人物の登場によって、硬派なシミュレーション感が多少薄れてしまい、前作のような雰囲気を期待した層にとっては少し残念な結果となってしまった。~
また、シナリオの関係で帝国側の主人公はかなり異例な道筋を辿ることになり、それもまた賛否両論となっている。

***シナリオの問題
-途中から帝国・共和国でシナリオがほぼ共通となってしまう。
#region(終盤のネタバレのため反転)
-物語の終盤になると、敵としてどちらの陣営にも属しないデススティンガーが大量に出現するようになり、これらの撃退が主となる。~
終盤はどちらも共通のマップを使用し、最後とその前のミッションにおいては配置されているユニットも全く同じものとなっている。
--なによりも問題なのは、このデススティンガーが非常に手強いということ。~
一体一体がボスそのものの強さであり、大量の高性能武器、広範囲マップ兵器、潜水に砂漠ステルスを備え、更にリーダー格は特殊能力『HP回復』まで持っているため、撃破は非常に困難。~
上記の「地上からでも水中のゾイドを攻撃可能」という特性を利用して戦っても、攻撃を回避されるか、当たってもEシールドの防御効果+水中補正によって雀の涙ほどのダメージしか与えられず、逆に荷電粒子砲で返り討ちに遭う。~
一番辛いのは、こんな敵が大量に出現すること。どれも部隊長機なので捕獲することもできない。
---しかし、初期位置が水中の個体はそこまで多くもなく、不用意に接近さえしなければ動かない個体も多いため各個撃破も十分に可能なので、最初からやり直すほどでもない。
---ただ、それでも同じゾイドばかりを相手にするので、多少のマンネリ感があるかもしれない。
#endregion

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**ゾイドファン限定の問題
-ゴジュラスとアイアンコングのように、本来は互角の強さを持つゾイドに差が生じている
--ただし、バトルストーリー上の設定ではアイアンコングは対ゴジュラス用のゾイドであり、その上位であるアイアンコングPKはアイアンコングの3倍の性能、ゴジュラス・ジ・オーガはゴジュラスの5~10倍の性能となっており、忠実に再現すると当然ゲームバランスは大きく崩れる。
-原作では3年以上かけて展開していたストーリーを25話前後に収めているためか、些か駆け足気味。

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**総評
-前作同様、ゾイドのゲームとしてはかなりの出来栄えを持っている。システム周りが大きく改善されたことで、前作では使いどころが難しい強力なゾイドも問題なく使用できるようになった。~
アニメとバトルストーリーをうまく融合したシナリオによって、当時子供であってもとっつきやす内容となった。
-しかし、これによってアニメにおいて人気の機体(主にライガーやザウラー系)はやや優遇されている部分があり、特にライガー系は強力な「必殺技」がアニメから輸入されて性能差に拍車をかけることに。~
これらの変更は、バトルストーリーを重視する層や「前作の雰囲気をそのまま受け継いだ続編」に期待した層にとっては受け入れられないものでもあり、前作があるからこそ賛否両論や評価が辛くなる部分が出ることとなってしまった。
-それでも、クリアデータを使って帝国・共和国とゾイドを引き継ぎながら繰り返しプレイでき、さらに敵平均レベルが80越えのハードモードとも言うべき内容で遊べたりと、長く遊べる要素は評価ポイントである。
-キャラクターゲームという特性上、前作より大味なバランスが出てきたところや細かいところの詰めの甘さがあり、万人に勧められる内容ではないが限りなく良作に近い名作ではないだろうか。
// 個人出しすぎだし、関係ない別ゲーと比較されても困るし、ライガー系とザウラー系のくだりが正直意味わからないし、派生機の数もタイガーやホーンと似たようなもんだし、必殺技もパーツが必要な上そこまで壊れでもないし、帝国寄りの内容だし、全体的にかなり偏ってないかな?

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