*クロヒョウ 龍が如く新章 【くろひょう りゅうがごとくしんしょう】 |ジャンル|アクションアドベンチャー|&amazon(B003IKOIHK)| |対応機種|プレイステーション・ポータブル|~| |発売元|セガ|~| |開発元|セガ、シンソフィア|~| |発売日|2010年9月22日|~| |定価|通常版:6,279円/DL版:5,600円|~| |レーティング|CERO:D(17歳以上対象)|~| |>|>|CENTER:''[[龍が如くシリーズリンク>龍が如くシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 極道の世界を描いたアクションアドベンチャーシリーズ『[[龍が如く]]』の派生作品。~ 犯罪のもみ消しを条件に、神室町の地下格闘技場「ドラゴンヒート」でファイターとして生きることになった、暴力しか信奉できない不良少年&bold(){右京龍也}が主人公。~ シリーズプロデューサーの名越氏は「暴力という言葉は社会的にも嫌われている。しかし、暴力でしか何かを見つけられない存在もいて、納得のいく暴力もあれば、暴力を使う卑怯者もいる。社会から脱落者を都合よく出すような言葉だと思う。その想いを描きたくなった」と語っており、作品のテーマは暴力と位置付けられている。~ **特徴 -バトルシステム --周囲の様子よりも闘っている当人たちをメインに写す格闘ゲームに近いカメラワークに変更。本編より臨場感の高い戦闘が演出されている。 --ゲージの非表示。 ---体力ゲージやヒートゲージ((必殺技を使用するためのゲージ))といったゲージは一切画面に表示されない。体力は画面の端が赤くなったり心臓の鼓動音が早くなることで、ヒートは主人公の体が光る事で表現している。 --攻撃は□ボタンがパンチ、△ボタンがキック、○ボタンが掴みという3つの攻撃方法に細分化。それぞれのボタンの組み合わせや後述のスタイルによってコンボになることもある。 --スタイルシステム ---本ゲームには「スタイル」と呼ばれる概念があり、「ボクシング」「合気道」といった格闘スタイルを装備して戦闘を行う。19種類のスタイルが用意され、戦闘を繰り返すとスタイルが成長し、新たなコンボや技を習得する。 --部位ダメージ ---主人公、敵共に頭、胴、足、腕の四種の部位の概念があり、それぞれに戦闘中ダメージが蓄積していく。あまりダメージを受けると軽症、重症とダメージレベルが上がり、頭なら気絶状態になりやすくなり、腕ならば防御や攻撃にデメリットを生じさせたりする。 -イベント --CGムービーではなくコミックに音声を載せる形式のムービーで、[[メタルギアシリーズ]]の[[MPO>メタルギアソリッド ポータブル オプス]]や[[MGSPW>メタルギアソリッド ピースウォーカー]]とほぼ同様のもの。コマ割を意識したカットや擬音表現などが特徴的に使用されている。 **評価点 -爽快なバトル --殴る音蹴る音といった攻撃音が非常に凝っており、敵にダメージを与えた感覚がわきやすい。 --スタイルシステムも一つ一つのスタイルが非常に個性的で、それぞれで立ち回りも大きく変わるので戦闘がマンネリ化しにくい。 --一方、本編シリーズのような「敵中に突っ込んで大暴れする爽快感」は薄い。少人数戦に特化したバトルと言える。 -グラフィック --戦闘中のグラフィックがとても美麗で、キャラの顔がクッキリとみえる。 -本編シリーズ同様のやりこみ要素。 --シリーズ恒例のキャバクラや豊富なサブストーリーにミニゲームといった寄り道要素も充実している。 ---特に神室町の不良グループとの抗争を描くサブストーリーは大長編となっており、本編顔負けの熱いストーリーが展開される。 --シリーズ初の少年主人公という事で様々なアルバイトが可能になり、本編シリーズには無い独自のミニゲームがプレイできる。 --容量の都合上、本編シリーズに比べるとやや少なめではあるが、それでもかなりのボリュームである。 **問題点 -移動時の問題点 --神室町のマップ移動時は龍が如く1や2同様にカメラワークが自動で切り替わる形になっているが、頻繁に切り替わり見づらい箇所が多い。 --また特定の人物から逃げるイベントなどを行う際に、このカメラワークが原因で操作ミスしやすい。 --マップ全域を駆け回ることになるのに、移動手段が徒歩のみで、本編シリーズにあるタクシーといった移動手段がないのでサブストーリーの消化がやりづらい。 --一応、本作では『[[龍が如く OF THE END]]』に先駆けて、マップ上にサブストーリーの発生場所が表示されるので、絶望的に手間がかかるという程でもない。続編ではタクシーが登場した。 -キャストについて --全員が全員ではないが、棒読みの箇所が目立つ。 --特にヒロイン格といえる工藤沙紀はずば抜けた棒読み具合であるにも関わらず、要所要所で登場するのでかなり目立っている。 ---ボス戦では事あるごとに場外で喋るので、人によっては盛り上がるべきボス戦が苦痛になってしまう可能性も。 --主人公右京龍也も叩かれることが多いが、こちらは戦闘中のボイスは非常によく、イベント中の演技も気だるい感じで合っているとする声もややあるので賛否が割れる((この影響かは不明だが、続編では担当俳優がドラマ版で主演を務めた斉藤工に交代となった))。 -本作のシステム上仕方のない事だが、本編シリーズにある「敵を蹴散らしながら進むダンジョン」のステージは無い。 **総評 問題点も多々あるものの、戦闘システムの独自性や爽快感は好評を得た。~ また本編譲りのサブイベントの豊富さなど全体的な出来は安定している。~ 2012年には続編である『クロヒョウ2 龍が如く阿修羅編』が発売された。~ 危機に陥った「ドラゴンヒート」と大阪の謎の格闘技集団「阿修羅」との死闘を描く。~ 前作の要素のボリュームアップに加え、新マップ「蒼天堀」など数々の新要素が追加されたほか、システム等に改められた点もある。