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ウィザーズハーモニー - (2012/02/18 (土) 21:26:22) のソース

*ウィザーズ・ハーモニー
【うぃざーず・はーもにー】
|ジャンル|そだベンチャー&br()(アドベンチャー+育成シミュレーション)|&image(31z89ZpXvgL.jpg,width=160,http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000069UQ1/ggmatome-22/ref=nosim)|
|対応機種|プレイステーション、セガサターン|~|
|発売元|アークシステムワークス|~|
|発売日|1995年12月29日|~|
|定価|¥4900(税抜)|~|
|ポイント|声優への評価だけでクソゲー扱いされた悲劇のタイトル|~|

**概要
-プレイヤーは主人公・ルーファスとして、天才だが大問題児のデイル・マース先輩のせいで廃部寸前になった名門魔法クラブ「ウィザーズアカデミー」を立て直すことになる。
-学年男女を問わず新部員を集めて鍛え上げ、テストに合格することが目的。
-『ときめきメモリアル』の大ヒットを受け、当時のパソコン通信内ではポスト『ときメモ』として期待されていた。が、実際のゲームシステムは『卒業』に近いため、似て非なるゲームである。
-発売当時のプレイステーションでは、数少ないギャルゲーであり価格も安めであったため、それなりに注目を集めた。

**ゲームシステム
-基本的にはオーソドックスな育成SLG。1回のクリアまでは4~5時間程度。
--育成対象が主人公+5人の部員というユニークな構成になっている。
---勧誘という形で、育成する対象をプレイヤーが自由に選ぶことができたのも大きな特徴。
-ゲーム期間は4月から年明けの3月までの1年間。
-ゲーム開始時にまず、育成するキャラクターを5人勧誘する。
-平日には主人公自身と部員を育成する。
-平日では部室で噂を聞くと発生する「自発イベント」と、該当キャラが所属していて特定の日付を迎えると発生する「突発イベント」が発生する。
-週末は自由行動。
-各学期ごとに期末テストがあり、合格しないとゲームオーバーになる。
-基本的には仲良くなった部員(もしくは特定の条件を満たした相手)とエンディングを迎える。
--誰ともくっつかなかった場合のルーファスと、ルーファスとくっつかなかった3年生達は、パラメーターに応じてエンディングが分岐する。
---ルーファスと男性部員とのエンディングもある。

**特徴
-主人公(プレイヤー)が育成の指揮を取って第三者達を育成するというのは、実は『卒業』や『メルティランサー』が最も近い。
--本作でも、1年生達など初期能力が低いキャラクターが結構いるので、主人公以外のキャラクターの育成がゲームの鍵を握る。
---またルーファスを含む3年生達の、パラメーターによるエンディング分岐も『卒業』的な要素である。
-操作性とテンポの良さ。
--操作性も上々で、育成シーンのアニメスキップをしていくと、2周目以降もテンポよく遊ぶ事ができる。
---慣れてくるとクリアまで2時間弱。手軽に楽しめる。
-よくイベントが起きる。
--「自発イベント」と「突発イベント」の配置が絶妙で、頻繁(約2週間に一回ペース)にサークル全体を巻き込むイベントがおこるので飽きさせない。体感としては次のイベントがすぐに発生するゲームである。
-イベント時の作り込み。
--自発イベントや突発イベントでは展開が選択肢で大きく分岐する。何周遊んでいても、こんな展開あったんだ!と驚かされることがある。もちろん成功選択肢も複数。
---また同じイベントでも、キャラクター毎に展開が根本的に違うことも多い。
-独特の雰囲気。
--イベントの頻繁さと様々な展開に支えられ、唯我独尊のデイルの造詣やそれに翻弄されるルーファスをはじめ、アカデミーの部員達の一体感をよく表現できている。
---さらに清潔感・清涼感を加わった、本作独特の雰囲気を愛するファンは多い。
-女性キャラとのエンディングも、男性キャラとのエンディングも用意されている。
--これも本作独特の、主人公を中心としたアカデミーの一体感の表現に少なからず貢献している。
-浅乃一氏による音楽も、世界観によくマッチしていると好評で、サントラも発売された。

**問題点
-''「声優」これに尽きる''。ファンの間ですら総じて評価が悪かったほどのヘタクソさ加減。
--本作がクソゲー扱いされるに当たって声優への評価がどれだけ強い影響を与えたかについては、続編の『ウィザーズハーモニー2』『ウィザーズハーモニーR』は本作のマイナーチェンジに過ぎないにも関わらず、本作のようにクソゲー扱いされるといった話は皆無であるあたりからも伺える。
---&bold(){本作も声優がまともだったらクソゲー扱いされていなかった可能性が高い。}
-最大の問題点が、声というすぐにわかる部分の欠点なので、そこをさして「クソゲーだ」という評価は早い段階からあった。
--『ときメモ』も「素人を起用して成功を収めた」と曲解されているが、そのレベルにすら遠く及ばない下手さは筆舌に尽くしがたい(実際は『ときメモ』同様、開発費の問題に因るものだろうが……)。
---そもそも声を担当した人物が、本当にプロであったかどうかすら疑惑がもたれていた。社員やその関係者、専門学校生などの噂があった。実際『ストリートファイターII』シリーズなど、そのような例は多いので十分ありえる話だとされていた。
-不親切な部分がちらほらある。
--休日イベントや冬祭り等は雑な作り。
-グラフィックの質があまり褒められたものではない。
--村瀬将人(後のMOO)氏の絵はこの当時は未熟でありそれがそのまま反映されている。

*その後の展開
-直接の続編として『2』と『R』がある。
--『2』や『R』でキャラデザが変更されたのは不評だったが、声優に有名声優や劇団員を起用したのは好意的に評価された。
-声優以外では出来がいい部分も多いゲームで、熱烈なファンを生むだけのパワーを持ったゲームである。
--そのパワーが、本作を起点に「復刻版」を始めとした『ウィザーズハーモニー』シリーズと、『[[エターナルメロディ]]』『[[悠久幻想曲]]』という二つの流れを作る原動力になった。
-この作品のスタッフは独立しスターライトマリーを設立。『悠久』シリーズがヒットするがその後経営破綻。
--そういう事情も相まってか、本作とウィザーズハーモニーシリーズは後々ゲームアーカイブスで配信されたのだが、悠久シリーズはゲームアーカイブスでの配信の見込みすら難しくスターライトマリーのファンを落胆させている。
---ちなみにスターライトマリーのスタッフは後にブリッジを設立、『此花』シリーズや『[[らき☆すた ~陵桜学園 桜藤祭~]]』の下請けに関わりギャルゲー業界で生き残っていくこととなる。そのしぶとさは『ウィザーズハーモニー』時代からの、ネットのクソゲー評を気にもしないパワフルな支持者がいるためか。