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デッドムーン 月世界の悪夢 - (2011/05/03 (火) 12:06:20) のソース

*デッドムーン 月世界の悪夢
【でっどむーん つきせかいのあくむ】
|ジャンル|シューティング|~|
|対応機種|PCエンジン|~|
|メディア|4MbitHuカード|~|
|発売元|TSS~|~|
//|開発元||~|
|発売日|1991年2月22日|~|
|定価|7,400円|~|
|ポイント|システムがまんまキャラバンシューティング&br()謎の骨ボスゲー&br()シューティングの出来は良好&br()ハード性能を超越した(?)多重スクロール演出|~|
|備考|バーチャルコンソールは2007年7月17日配信開始/600Wiiポイント|~|

**概要
-PCエンジンにて無名メーカーの一つTSSが放った横シューティング。後にバーチャルコンソールに配信されるが、配信元は何故かナツメが担当している。
-一人プレイ専用、全6ステージ構成、周回あり、裏技にて難易度を二種類から選択可能。

**主なルール
-十字キーにて自機の移動、主なボタンは各自、ショットボタンとボムボタンに使用する。ショットボタンは押しっぱなしで発射できるオート式である。
--ボムとはいわゆるストック制限のある、大ダメージと敵弾かき消し効力を持つ強力な攻撃に該当する。ボムボタンにてストック消費と引き換えに自機前方にボムが爆発するが、射程距離と攻撃範囲が狭い上に、爆発までの発生時間が遅いので緊急回避としてはまず使えない。どちらかといえば、先読みするような感じで耐久度の固い敵メインで当てていく使い方が好ましいと思われる。
--ボムはショットランクが最高時に同じ色のパワーアップアイテム(下記)を取る事で一つ増やす事が可能。
-パワーアップアイテムは色違いの4種類あり、それぞれに大きな性能差が図られている。現状ショットと同じ色のアイテムを連続で取る事によりパワーアップするが、別の色のアイテムを取ってもショットが変わるだけでパワーアップはしないので注意。
--パワーアップ中に敵のダメージを食らうとパワーが1ランクダウン、初期パワーランクの状態でダメージをもらうと1ミスとなる。ミス後はその場復活で、残機がすべてなくなるとゲームオーバー。
--メインのパワーアップの他にサブパワーアップアイテムがあり、これも連続で同じ種類をとっていく事でランクアップする。
-ゲーム中にポーズすると、自機の4段階のスピード調整が可能。
-その他詳しいルールは[[バーチャルコンソールオフィシャルサイト>http://vc-pce.com/jpn/j/title/deadmoon.html]]にて確認されたし。

**賛否が分かれそうな点
-このゲームのパワーアップ方式が、本作の前年にハドソンからリリースされた名作シューティング『スーパースターソルジャー(以下SSSと表記)』と非常に酷似している。ちょっと似ているというレベルではなく、本当酷似している点が多い。
--SSSはパワーアイテムが4種あり、同じアイテムを取り続ける事でパワーアップしていく方式であり、本作と完全に一致している。しかもアイテムの色が「赤青黄緑」なのも両者共通。さらには本作の黄ショットとSSSの赤ショット、赤ショットとSSS青ショットは、攻撃範囲からグラフィックまで驚く位に似ている。
--SSSもサブウエポンが存在し、その二種類のホーミングミサイルと自機を囲むバリアも、本作とほぼ完全に性能が同じである。
--本作にて光るアイテムを取ると画面内の敵を全滅させる効果があるのだが、これもSSSに存在している(しかもSSSも光る系のアイテムだった)。
--本作のボムにあたるシステムはSSSには存在しないのだが、SSSの一年前にハドソンからリリースされた名作シューティング『ガンヘッド』に存在したボムとそっくり。攻撃判定から爆発の仕方まで見事なまでに類似している。
--おそらくはSSSなどのキャラバンシューティングのオマージュとしての位置付けでこのようなシステムにしたと思われるが、あまりにも似すぎている影響で、当時は「これは横スクロールのSSSではないのか?」と突っ込むプレイヤーも結構いた模様。
-各ステージにて待ち構えるボスのデザインが''何故か骨体系''である。骨の鳥型、骨の亀型、骨の魚型など、本当に骨系のボスばっかり。ラスボスにいたっては''骨の人型''であり、ラスボス最終形態は''骨の人頭型が自機に向かって体当たりをかます''という何ともシュールな存在となっている。
--ボス以外(雑魚や中ボス)のデザインは特に骨とは無関係なSFシューティングなものであり、その辺は普通なのだが、何故ボスが骨一色なのかがいまいちわからない。ストーリー上の敵の正体は「異星人の宇宙戦艦」らしいが、その異星人の中枢が骨体系だったのだろうか?…謎だ。

**評価点
-グラフィックは当時のPCエンジンソフトの中でもかなり綺麗な方。ぱっと見は中期のスーパーファミコン並といっていい程で、当時からゲーム雑誌などで評価されていた。
--また、多重スクロールの力の入れようが尋常じゃなく、やたらと奥行き感が凄いのも特徴。特にステージ3の多重スクロールっぷりは、「本当にPCエンジンか?」と思わせる位に滑らか、かつ繊細に動く。
-BGMもかなり頑張っており、ゲームの雰囲気とぴったりマッチしている。裏技でサウンドテストが可能である。
-概ね良好なゲームバランス、適度な爽快感、絶妙な長さのステージ構造、などゲームとしての作りはしっかりしている。

**問題点
-これはオマージュ元(?)のSSSにも言えた事だが、ミスするとパワーランクが初期状態になってしまい、連鎖ミスを引き起こす状態になりやすい。下手すると、多く存在した残機が一瞬で全部消滅、なんて事もあり得る。
--中ボス、及びボス戦において、たまに同じ色のパワーアップアイテムが登場するので、取るまでに粘れば何とか戦況を持ちこたえる事は一応可能。
-クリアすると周回にてステージ1からの再スタートとなるのだが、前周との違いは敵が硬くなるというもの。単に難しくなるのならまだしも、敵の撃ちこぼれが多くなり、評価点で述べたゲームバランスや爽快感の良さが劣化してしまっている。
--しかも、スコア、残機やボムのストック、パワーアップ状態のすべてが初期化されてしまい、続ける楽しさが失われている。

**総評
-ゲームとしての出来は意外な程良く、良作に近いレベルのシューティングといっても過言ではないであろう一作。
-ただ、SSSに類似したシステムのせいでパクりと言われ、骨ボスの存在のせいで敵デザインの統一感が無いと言われ、「出来は悪くないけどなんかセンス悪い」という印象が付きまわっているのが実情だと思われる。
-マイナーシューティングとしてはまさかのバーチャルコンソール配信でプレイする機会に恵まれている本作。シューティング好きはもちろん、SSS好きや骨好きな人も興味本位でプレイしてみるのもいいかもしれない。