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デッドムーン 月世界の悪夢 - (2012/10/08 (月) 05:31:09) のソース

*デッドムーン 月世界の悪夢
【でっどむーん つきせかいのあくむ】
|ジャンル|シューティング|~|
|対応機種|PCエンジン|~|
|メディア|4MbitHuカード|~|
|発売元|TSS|~|
//|開発元||~|
|発売日|1991年2月22日|~|
|定価|7,400円|~|
|ポイント|シューティングの出来は良好&br()ハード性能を超越した(?)多重スクロール演出&br()ボスが骨ばかりの謎|~|
|備考|バーチャルコンソール:2007年7月17日/600Wiiポイント|~|

**概要
-PCエンジンにて無名メーカーの1つであるTSSがリリースした横スクロールシューティング。
--後にバーチャルコンソールに配信されるが、配信元は何故かナツメが担当している(VC版はゲームタイトル画面のメーカークレジットなどが「NATSUME」に改変されている)。
-一人プレイ専用。全6ステージ構成の周回制。裏技にて難易度を二種類から選択可能。

**主なルール
-操作系統。
--十字キーにて自機の八方向移動操作。ボタンは各自、ショットボタンとボムボタンに使用する。
---ショットボタン押しっぱなしでオート発射のメインショットとサブウエポン(ホーミング)を同時に放つ。ゲーム開始時はメインショットしか放てない。
---ボムボタンで回数制限のあるボムを放つ。ボムには高い攻撃力と敵弾かき消し能力があるが、攻撃範囲はあまり大きくなく、従来のボンバーの様な自機無敵効果はない。
---RUNボタンでポーズをかけると、ポーズ中にて最大4段階までの自機スピード調整ができる。
---中ボス戦・ボス戦では、ボスの位置によって自機の向きが自動的に左右へ切り替わる((他のゲームで例えるならば『ダライアスII』と同じ仕様。))。

-アイテム・ショットの種類について。
--自機には4種類のメインショットと2種類のサブショットが用意されており、アイテム取得によってショットの切り替えができる。
---本作には単独のパワーアップアイテムは存在せず、同色のメインショットアイテムを連続して取得すると3段階までのパワーアップができる。
---サブウエポンアイテムに関しても同様で、同じサブウエポンアイテムを取得すると4段階までのパワーアップができる。
---パワーアップ最大時に同色メインショットアイテムを取得するとボムストックが1つ増える。
---メインショットがパワーアップしている状態で自機がダメージをもらうと、パワーが1ランクダウンしてしまうペナルティとなる。よって本作のメインショットのパワーアップはシールドの効果も兼ねる。
--アイテムキャリアーを破壊すると以下のアイテムを落とす。

--メインショット系。
---「バルカン」(黄)…ゲーム開始時はこのメインショットとなる。連射が効き多方向に攻撃が可能な性能のバルカンを放てる。
---「ウェーブ」(緑)…射程方向は前方のみだが、攻撃判定・攻撃力・連射力共に高く、すべての敵や壁をも貫通する性能のウェーブレーザーを放てる。
---「レーザー」(青)…やや連射が効きにくく射程方向は前方のみだが、全ショット中最大の攻撃力を誇り、広い攻撃範囲と敵や壁の貫通力を持つ性能のレーザーを放てる。
---「リングビーム」(赤)…前方と後方に攻撃可能で、前方に関しては全ショット中最も攻撃範囲が広い性能のリングビームを放てる。
--サブウエポン系。
---「ホーミング」…ショットと同時に2発のホーミングミサイルを放つ。パワーアップすればミサイルの発射スピードが増す。
---「バリア」…自機上下に攻撃判定と敵弾かき消し能力を持つバリアを装備する。パワーアップすればバリアがローリングしてシールド性能がより強化される。
--その他アイテム。
---「敵全滅」…画面内の敵を全滅させる。

-ミス条件について。
--敵や敵弾に触れる事でダメージの残機制。ミス後はその場復活となる。
---上記でも述べた通り、メインショットをパワーアップさせている状態でダメージをもらっても、パワーランクが下がるだけでミスにはならない。
---ミス後は前に取得していたメインショットの初期(非パワーアップ)段階からの再開、及びサブウエポンは消滅してしまうペナルティ。ボムストックに関してはミス前から一切増減はしない。
---コンティニューは無限に可能だが、そのステージの最初からのやり直しとなってしまう。
--中ボス戦やボス戦では一定時間毎にアイテムキャリアーが出現する救済処置がある。これを利用すればミス後の復活が多少は楽になりやすい。

**賛否が分かれそうな点
-あのゲームのリスペクト…?
--本作のパワーアップ方式が前年にハドソンからリリースされた名作シューティング『スーパースターソルジャー』(以下SSSと表記)と非常に似ている。
---「メインショット系のアイテムが4種類」「サブウエポン系のアイテムが2種類」「同じアイテムを取り続ける事でパワーアップしていく」といったシステム面が完全に一致している。
---しかもアイテムの色が「黄・緑・青・赤」なのも両者共通。さらには「本作の黄ショットとSSSの赤ショット」「本作の赤ショットとSSS青ショット」は攻撃範囲からグラフィックに至るまで驚く位に似ている。
---サブウエポンに関しても「敵を追尾するホーミングミサイル」「自機を囲むバリア」と両者共に性能が同じ。もちろんホーミングミサイルなどのグラフィックもかなり似ている。
---本作のボムにあたるシステムはSSSには存在しない。しかし、SSSの1年前にハドソンからリリースされた名作シューティング『[[ガンヘッド]]』のボムと性能から形までそっくりである。
--おそらくはSSSなどのキャラバンシューティングのオマージュとしての位置付けでこの様なシステムにしたと思われる。
---あまりにもSSS似のシステム故に、当時は「これは横スクロール版のSSSではないのか?」「ひょっとしてキャラバンシューティングの新作なのか?」と突っ込むプレイヤーも結構いた模様。

-骨だらけのボス敵達。
--何故かボスのデザインすべてが''骨のデザイン''という異色の外見となっている。
---「骨の鳥型」「骨の亀型」「骨の魚型」など、全編通して本当に骨系のボスばっかりであり、色んな意味で不気味なホラー色を覚える雰囲気を醸し出している。
---ラスボスに至っては「''骨の人型''」であり、ラスボス最終形態は''骨の人頭型が自機に向かって体当たりをかます''という何ともシュールな攻撃手段で襲ってくる有様。
--ボスは骨だが、ボス以外(雑魚や中ボス)のデザインは特に骨とは無関係なSFシューティングなもので収まっている。
---ボス以外は割とまともなデザインなのに、何故ボスが骨一色で統一されているのかがいまいちわからない。
---ストーリー設定上の敵の正体は「異星人の宇宙戦艦」らしいが、その異星人の親玉が骨体系だったのだろうか?

**評価点
-Huカードとしては抜群に綺麗なグラフィックとBGM周り。
--ぱっと見は中期のスーパーファミコン並といっていい程の繊細なグラフィックで、当時からゲーム雑誌などで評価されていた。
--多重スクロールの力の入れようが神レベル。
---奥行き感がもはやPCEのものとは思えない程に凄い表現がなされている。特にステージ3のぬるぬる動く多重スクロールっぷりは一見の価値あり。
--BGMに関しても評価高し。
---かっこいいものから壮大なものまで、様々な楽曲が用意されておりゲームを盛り上げてくれる。裏技でサウンドテストが可能なのも嬉しい。

-シューティングとしての完成度は普通高い部類。
--決してSSSを%%パクっ%%オマージュしただけではなく、ちゃんと1つのシューティングとして丁寧に作られている。
--「概ね良好なゲームバランス」「適度な爽快感」「絶妙な長さのステージ構造」など、ちゃんと「分かっている」スタッフが関わっている感が伝わる内容である。

**問題点
-ゲームとしての荒も無い訳ではない。
--ミス後の復活がやや困難。
---これは本家のSSSにもいえた事だが、ミスするとパワーランクが初期状態になってしまい、連鎖ミスを引き起こす状態になりやすい。下手すると、多く存在した残機が一瞬で全部消滅なんて事もあり得る。
---とはいえ、本作は中ボス戦やボス戦においてアイテムキャリアーが定期的に登場するので、それまでに粘れば何とか戦況を持ちこたえる事は一応可能。
--周回の難易度調整が手抜き臭い。
---周回プレイは前周に比べ敵が極端に硬くなる。これが正当に難しくなるのならやりがいがあるのだろうが、無駄に硬いせいで敵の撃ちこぼれが多くなり、評価点で述べたゲームバランスなどのの良さが劣化する。
---しかも周回プレイは何故か「スコア・残機やボムのストック・パワーアップ状態のすべて」が初期化されてしまい、データを引き継いで続ける楽しさすらも失われる。
---この「ただ敵を硬くしただけの難易度調整」は同年にPCEにリリースした『[[ファイナルソルシャー]]』と共通している。奇しくもこれまたキャラバンシューティング繋がりの共通点である。

**総評
-ゲームとしての出来は意外な程良く、良作に近いレベルのシューティングといっても過言ではないであろう一作。
-ただ、SSSに類似したシステムのせいでパクりと言われ、骨ボスの存在のせいで敵デザインの統一感が無いと言われ、「出来は悪くないけどなんかセンス悪い」という印象が付きまわっているのが実情だと思われる。
-マイナーシューティングとしてはまさかのバーチャルコンソール配信でプレイする機会に恵まれている本作。シューティング好きはもちろん、キャラバンシューティング好きや骨好き(?)な人も、興味があればプレイしてみるのもいいかもしれない。