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キャディラックス 恐竜新世紀 - (2021/11/02 (火) 00:58:28) のソース

//文体が冗長だったので全体に書き換えてみました
//「余談」の「かつて特定人物(荒らし)に高く評価され、記事を私物化されていた」という意味の記述を削除しました。理由は「ゲーム自体とは関係ない話である」「自分の存在の痕跡が記事に残ることで、荒らしを喜ばせて活力を与える可能性がある」からです。
*キャディラックス 恐竜新世紀 
【きゃでぃらっくす きょうりゅうしんせいき】
|ジャンル|ベルトアクション|~|
|対応機種|アーケード(CPシステムダッシュ)|~|
|販売・開発元|カプコン|~|
|稼動開始日|1993年|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|恐竜の保護?&br敵も味方も攻撃力高い&br米国アニメが原作なので、日本では原作の知名度が薄い|~|
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#contents(fromhere)
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**概要
米国生まれのコミック「Xenozic Tails」と同コミックが原作の1993年にアメリカで放映されていたアニメ「Cadillacs and Dinosaurs」が原作のベルトスクロールアクション。~
人類と恐竜が共存する世界を舞台に、恐竜を利用して悪事を働く組織を壊滅する為、4人の戦士が戦いに挑むという設定。~
全8面。3面は実質ボーナスステージ。

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**システム
-基本操作は同社の他のベルトアクションに準じている。
--ボタンは攻撃とジャンプの2ボタン。それに加えてコマンド入力で固有技を出すことが可能。
--『[[キャプテンコマンドー]]』同様、8方向への自由なダッシュが可能。~
本作の特徴としては、レバー2度入れのダッシュの2度目を入れっぱなしにする必要が無いこと、どの方向にダッシュしてもダッシュ攻撃が真横のみである事くらいであろうか。
--連続攻撃を当てると追加でダメージが入る。
--一部の破壊可能オブジェクトは持ち上げる事が出来る。
--銃器の弾が切れると投擲や打撃武器に変化するなど芸の細かい所もある。

-プレイヤーキャラクターは「ジャック」「ハンナ」「ムスタファ」「メス」の4人。~
それぞれバランスキャラ、武器の扱いが得意、スピードキャラ、パワーキャラ。~
ハンナの「武器の扱いが得意」の具体的な内容は、銃器類の連射速度上昇や一度に発射できる弾数の増加、ナイフでの接近攻撃が3連続になるというもの。
-可能筐体の設定次第で3人まで同時プレイ可能。
//弾薬の補充はエイプレでもできたぞ
//プレイヤーの紹介は無駄な部分なので削除しました。

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**評価点
-プレイヤーの攻撃力の高さ
--プレイヤーの基本攻撃力は非常に高く、連続技1セットで敵の体力を半ゲージは奪える。ダッシュ攻撃と併せ、敵をなぎ倒していく感覚はかなり爽快である。
--『[[ファイナルファイト ONE]]』のZERO仕様の2人に良く似ていると言える。

-回復アイテムの種類が多い
--カプコンベルトゲーの中でも回復アイテムの種類が非常に多く、見た目が楽しい。

-非常にシンプルなシステム
--従来の[[ファイナルファイト]]タイプのベルトアクションに準じたシステムで構成されており、同期の『[[エイリアンVS.プレデター>エイリアンVSプレデター (SFC)]]』等の複雑なシステムやコマンド技が少なく、非常に取っつき易いシステムになっている。
--そのため熟練者はすぐに操作に慣れる事ができ、ベルトアクション初心者にも勧められる作品となっている。

-BGMが非常にかっこいい
--カプコン作品の中でも埋もれてしまった作品だが、耳に残る曲が多く、正に隠れた名曲群と言える出来。
--特に人気なのは、1-1の曲『キャディラックス~4人のヒーロー達』。ゲーム中のパートはわずか((一応エンディングのシメでもかかる。やはり使われる時間は短いが。))だが、非常に爽快な一曲。

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**問題点
''難易度の高さ''~
システムがシンプルでプレイヤーキャラクターが強い反面、難易度は高く設定されている。詳細は以下の通り。

-回復アイテムの少なさ
--後半戦以降は回復アイテムの量が少なくなる。例えば5面は開幕のシーンで肉が2つあるが、それ以降は後半に入るまで回復はお預けになっている為、立て直しが非常に厳しい。

-敵の攻撃力が非常に高い
--プレイヤーの攻撃力は高いが、敵の攻撃力も高く設定されている。敵の連続攻撃を食らうとメガクラッシュで脱出しない限り一気に半分以下にされてしまう。
--その上同じく攻撃力が高い『[[パワード ギア]]』と違って根性補正での防御力上昇が無い為、連続攻撃を食らい続けると体力を一気にゼロにされる事も。

-強敵ボスが多い
--非常に強いボスが多く、1面ボスの「バイス」から苦戦を強いられる。
--2面の「アトミック」やラストボスの「Dr.フェッセンデン」など弱いボスも存在する。

これらの点から、本作は協力プレイと連コインプレイを前提とした''海外向け''にターゲットを絞った作品と思われる。&br()とは言え、コナミ等の明らかな海外向けなベルトアクション群と比べて、操作性も悪くないため、やり込めば1コインクリアも難しくないのだが…
//本作の一般的なレビューを見る限り難易度が高いという意見が多かったので変更。というか非合法マリオはヌルヌル設定でプレイした疑いがあるかも…

''その他''
-極端な強さのムスタファ
--プレイヤーキャラクター達は一見個性的な能力を持っていて様々なプレイスタイルを楽しめるように見えるが、実はムスタファが群を抜いた高性能。
--ムスタファのダッシュ攻撃の性能が非常に強いため、他のキャラクターを選ぶ意味はほとんど無くなってしまっている。
---ただ、協力プレイ時の味方投げ(2人以上で数秒重なると発動)の性能や発生無敵時間についてはムスタファの性能があまり良くなく、ジャックの味方投げが最強。その場合はジャックの方が有利と言われている。
--道中のイベント自体は各キャラクター毎に台詞が変化するので、ストーリー面ではキャラクター選択の意義はある。

-システム面等に新鮮味が少ない。
--同時期に発売された斬新なシステム((例えば『D&D TOD』ではRPG要素、『パニッシャー』では超性能プレイヤーキャラ等。))を盛り込んだ同社ベルトアクション群とは違い、これまでの『ファイナルファイト』ベースのシステムで構成されており、これと言った特徴が無い、相対的に平凡な作品になっている。
 
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**バカゲー扱いされやすい所?
-プレイヤーキャラクター達の目的は''恐竜の保護''であるが、おとなしい状態のヴェロキラプトルに対しても攻撃が可能で、保護しているように見えない。目的を考慮すると、プレイヤーが怒っていない恐竜にも攻撃できるようにする必要があったかは疑問である。とはいえ、後述のように''ヴェロキラプトルは時間経過で勝手に怒る''のだが。
--恐竜は敵でも味方でもないという立ち位置。肌が緑のときはおとなしいが、ヴェロキラプトルはプレイヤーの攻撃を受けるか''画面に出てから一定時間経過''で、ティラノサウルスはデブの敵に起こされると(直前に吹き出しが出る)、肌が紅潮して怒り出し、人間を見境無く襲う猛獣と化す。トリケラトプスとプテラノドンは最初から怒った状態で登場する。
---しばらく放っておくか、攻撃して体力を0にすれば再びおとなしくなり、どこかへ去っていく。なので必ずしも恐竜と戦う必要は無い。

-コンティニュー画面では敵がプレイヤーに銃を向けて「ここがお前の墓場だ」「それじゃあな! あばよ!」などとのたまい、コンティニューするとプレイヤーキャラクターがその敵をぶん殴るという妙に凝った演出になっている。

-手榴弾やロケットランチャーで敵を倒すと''「ガッチャ!」''と言う掛け声((当然キャラクターによってボイスは違う。この掛け声はムスタファのもの。))と共に、敵が同社作品の『[[天地を喰らうII 赤壁の戦い]]』のごとく''肉片となって爆散する''点。
--上記にもあるが、恐竜はおろか人間((このゲームでは主に密猟者なので、慈悲は必要無いと言われればそうだが))にも優しくない辺りはヒーローとしてどうなのやら。%%…ん?そう言えば[[似たようなゲーム>ルナーク]]があったような…?%%
--なお、ボスは爆発物で倒しても爆散しない。ボスの一部はステージクリア後のデモシーンにも登場するので、そのためと思われる。

-ステージ3「地獄のロード」では少し進めるとキャディラックを呼び出せるアイテムが出るのだが、それを拾った直後「ここからさきはヤバイぜ」「このクルマ(ルビ:キャディラック)で奴らをけちらすんだ!(原文ママ)」と言うセリフと共にキャディラックに搭乗。そのまま車で敵をどんどん撥ね飛ばしていく様はかなりシュール。一部のザコ敵はまるで「そのまま撥ね飛ばしてください」と言わんばかりの配置がされている辺りも笑いに拍車をかけている。

-撃破後、「恐竜の力で本気を出してくる」と言っておきながら弱体化する5面ボスの「モルガン」及び「モルギー」。
--変身前は逃げ回りながらマシンガンや武器投擲で攻撃してくる非常にいやらしい敵なのだが、変身後は目立った攻撃が突進くらいしか無い単調な動きの敵になってしまう。しかも難易度の設定が最高のときすら突進は横方向にしか動かないため、縦軸をズラせば簡単に回避できてしまう。確かに攻撃力自体は大幅アップしてはいるのだが。

-ラストボス「Dr.フェッセンデン」
--最終面直前の7面で強敵の「スライサウルス」((強敵の4面ボス「スライス」と2体同時に戦うというシチュエーションの難敵。))を差し出してくる黒幕的存在。
--しかし、最終決戦では、第一形態は前述の「モルギー」と色を除いて全く同じで、第二形態は攻撃力こそ高いが、動きが鈍く、激しい攻撃が少ないのでラストボスの割には弱い。
//ひょっとしたら、ちょっとバカゲーも妥当かもしれない。

#region(エンディングについて)
-国内版のみあてはまることだが、スタッフロール後のエンディングの会話(特に後半)がややギャグっぽくなっている。
--ムスタファとメスが(スタッフロールからずっと)歩きながら、ジャックとハンナが死んでしまったのかと嘆いたあと、2人が車(キャディラック)に乗って登場し、ジャックが「キャデ''イ''ラックを探してたのさ」「さてと ハンナ2人でドライブとしゃれこもうか」と言う。車は2人乗りなので((もっとも、3面で3人プレイ時に車に乗るときは1人が車のボディの後方側に乗るが))、メスに「おいおい 俺たち(ムスタファとメス)はどうなるんだ」とつっこまれるも、ハンナは「たまには走るのも体に良いわよ」と返し、車が加速。ムスタファが「シャレになんねェぞ!」と抗議し、メスと共に走り出したところで終わる。
--海外版では、ムスタファの台詞は合流時の「ジャック、ハンナ、無事だったのか!」だけで、メスは無言。ジャックが「フェッセンデンの狂った計画が現実になるところだった。フェッセンデンは(自然の)バランスを崩そうとしていた。自然はいつもバランスを保つのさ」と言ったあとにハンナが「家に帰りましょ」と言う。その間、ムスタファとメスは車の真横を歩き、最後は一瞬追い抜かれてから走り出す。
--海外版の会話では上述したように、フェッセンデンの計画が自然のバランスを崩すことだったというストーリーのより奥に触れるような話が出てくるのだが、国内版ではそんなシリアスな話はされない。
#endregion

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**総評
グラフィックの描き込みやBGMの評価が高いのだが、ゲームのバランスが大味であった事やベルトアクション乱発期に発売してしまったことが重なり、他のベルトアクションと比べてパッとしない印象に終わってしまった作品。「知る人ぞ知る名作」である。~
とはいえ本来海外向けにリリースした作品なので、日本での知名度が低かったり、バランスがあちら向けに調整されているのも不思議はない。~
ちなみにアメリカでは原作が有名作品であり、アニメの方も大ヒットしたことからPCとセガCDで同原作の3Dシューティングゲームがリリースされている。

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**何故埋もれてしまったのか
同時期にリリースされていた『[[パニッシャー]]』等と比較して、ゲームバランスがやや大味である点と、『パニッシャー』と比べて原作の国内での知名度も皆無((本作の原作はアメリカでしか知られておらず、アニメの放送も国内では未放映。))で稼働していた店舗も少なかったことが敬遠された原因と思われる。~
また斬新さや魅力的なシステムが少なく、同じく埋もれてしまった『パワード ギア』とは違い、根強いファンも少ないという事も一因だろう。

**海外版
-海外版ではクレジット投入前のOPの構成が大幅に異なっている(BGMは一緒)。また敵の名称が国内版と異なっている。

**余談
-『パニッシャー』と同時収録でサントラが出ているが、ボス2イントロの曲が収録されていない。ボス1と共通と説明されているが、本当はボス2にも固有のイントロが流れる。

-本作に登場するザコ敵「ファントム」の姿が『[[ストリートファイターII]]』のブランカと見た目が似ている((こちらの方が本家よりもスマートで尻尾が生えている。当然だが電撃は出せない。))事から、当時のプレイヤーが「ゲスト出演したのか?」と勘違いした声も一部であった。

-『カプコン ベルトアクション コレクション』にて『パワード ギア』と『[[バトルサーキット]]』が初めて家庭用ハードに移植されることになり、翌年には『Capcom home Arcade』にて『エイリアンVS.プレデター』が収録され、事実上初めて家庭用への移植が実現した。
--3作の移植に伴い、アーケードでリリースされたカプコン製ベルトスクロールアクションゲームで家庭用ハードに移植されてないタイトルは、ついに本作を残すのみになった。
--しかし、本作はエリプレ以上に版権がかなり複雑で((原作コミックの版権、アニメの版権が絡んでいることやアニメと本作の海外版タイトルでもある「Cadillacs and Dinosaurs」が元々コミック再販時に複数の版元から発売された際にも使われていたタイトルなので権利上使えず、ゲームに登場するキャディラックも改造車とは言え、実在する車がモチーフなのでゼネラル・モータースから関連する権利の許諾を得る必要がある。実際、AC版のタイトル画面でも英語で「キャディラックのロゴ、エンブレム、車体デザイン等はゼネラル・モータースの商標です」という旨の文言が書かれているので無断使用ではないことがわかる。))、家庭用ハードへの移植は絶望的といっても良いかも知れない。
--とはいえ、上述の様に同じく版権の複雑さから長年移植はされていなかったエリプレが初めて移植されたため、こちらの移植の可能性も僅かながらに出てきた。カプコンの今後の動きに注目したい所である。

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