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ハイドライド・スペシャル - (2015/08/13 (木) 16:44:19) のソース

//説明書の情報に沿って追記
//『ハイドライド3』のタイトル表記は『III』ではなく、『3』です。『ハイドライドII』は『2』ではなく『II』です。どちらか一方に統一しないで下さい。

*ハイドライド・スペシャル
【はいどらいどすぺしゃる】
|ジャンル|アクションRPG|&image(http://noujoumonogatari.sakura.ne.jp/oldfchakosetunasi.parts/haidoraidosupesyaru.jpg,height=160)|
|対応機種|ファミリーコンピュータ|~|
|発売元|東芝EMI|~|
|開発元|T&Eソフト|~|
|発売日|1986年3月18日|~|
|定価|4,900円|~|
|判定|なし|~|

**概要
魔王バラリスの手によって3人の妖精に変えられたアン王女を助け出すため、主人公・ジムは3人の妖精を助けバラリスの待つ城を目指す。~
内容的には『[[ハイドライド]]』の設定をほぼそのまま踏襲しつつ、パソコンで既に出ていた『ハイドライドII』で追加された要素である「魔法」を一部取り入れた移植作品である。~
RPGという当時のFCでは馴染みのないジャンル、ゲーム目的の不明瞭さ、PCゲーム特有の高難易度などから、発売されて長らくクソゲー呼ばわりされていたゲームであった。
//確認したら説明書はむしろちゃんとしてた方だったよ。

**システム
-シンプルなシステムのARPG。
--攻撃は体当たりのみ。"ATTACK"と"DEFENSE"の切り替えが可能。前者は攻撃力が高く、防御力が低い。後者はその逆。双方の差は大きく、使い分けが必要。
--"LIFE"(HPにあたる)と"MAGIC"は時間とともに自然に回復する。

-PC版にはない魔法が加えられた。
--"TURN"、"FIRE"、"ICE"、"WAVE"、"FLASH"がある。"TURN"以外は全て攻撃魔法。
--"MAGIC"(MPに当たる)を消費して使用する。
--ただし、魔法で敵を倒しても、経験値は得られない。

-原作になかったBGMが付いた。もっとも単調なメロディを繰り返すだけだが。

-中断機能はSAVE/LOAD方式とPASSWORD方式の2種類
--前者は電源を付けている間のみの記録方式。
--後者は電源を切る際の為の保存方式。こちらでは経験値だけは保存できない。
---レベルが上がって上昇した数値は保存できるので、レベル上げの途中までの経験値のみが無駄になる形。

**評価点
-FC最初の本格RPG。システムはシンプルで、理解さえすればプレイしやすいもの。
--RPGの基本である、キャラクターの成長や、冒険要素を楽しめるものになっている。
---PC版と違い魔法が使えるので、戦いも楽になっている。特にダンジョンでの戦闘では、かなり助かる。
--マップは掘で区切られており、その先に未踏破地域が見える。それらが冒険心をくすぐる。
--もちろん、クリアしやすいかは別の話。

-魔法で経験値が得られないので、攻撃魔法は謎解き以外にはそれほど役に立たないが、"TURN"の魔法がかなり便利。

-何気にセーブ方式が2種類も搭載されていて非常に便利。
--セーブ機能は電源を付けている間のみしか使えないが、パスワードの記述ミスなどの心配もなく、手軽に継続したプレイが可能。
--パスワード方式のおかげで日をまたいでのプレイも可能になっており、また好きなタイミングのデータも残しやすい。
---説明書でも「1(いち)とI(アイ)、(ゼロ)とO(オー)とQ(キュー)、3(さん)と8(はち)とB(ビー)、U(ユー)とV(ブイ)、6(ろく)とG(ジー)を特に注意して!!」と、見間違いやすい文字には注意もされている。

-移植という点からすれば、移植レベルは高い。

**問題点
''説明不足と理解を妨げる要素''
-''何をどうゲームを進めれば良いか遊び方が分からず投げ出すプレイヤーが続出''した。
--ゲームの最終目的はアン王女の救出と明言されているものの、当面の目的がハッキリと提示されず、何から手を付けていいかがわからない。
---自ら目標を探し出す当時のPCゲームのスタイルをそのままFCへ持ってきた結果、メインターゲットである子供は困惑してしまった。
---タイトル画面でしばらく何もせずに放っておくとアーケードゲームのようにデモプレイに切り替わり、どういったゲームなのかを伝えてはいるものの明確に分かるわけではない。

-RPGというコンシューマーではまだまだ知名度の低いジャンルのゲームをするには、説明書の出来があまりよくない。
--"ATTACK"、"DEFENSE"の各状態と攻撃力、防御力の関係、"LIFE"の回復方法、敵は正面しか攻撃しないなどが書いておらず、プレイ方法そのものを思考錯誤で見出す必要があった。
//"MAGIC"は時間が経てば回復すると書いてあります。

-ゲーム中の少ない情報はフォント等の都合上『すべて英語表記』。
--説明書にはアイテムや敵がイラストと共に日本語で説明されているが、やはり子供向けのゲームとしてはハードルが高い。

-ゲームの攻略が異常に難しい。
--元がユーザーの年齢層が高いPCゲームであり、PCゲーマー向けの難易度をそのまま持ってきてしまっている。
//--攻略の難易度にアーケードゲーム『[[ドルアーガの塔]]』を参考にしているのだから当然である。今ほど積極的に攻略本まで買おうという者もあまり居なかった為、そこで詰んでしまうのだ。
//これはどこかにソースある情報?
---それでもPCで有名だっただけに本作は攻略本が発売されただけでなく、雑誌で漫画連載も始まり攻略情報を入手しやすい方ではあった。
--一応、謎解きの難易度はPC版より心持ち下がっている。
//難易度自体は問題点なので、それの付記に変更

''その他''
-BGMがアクションRPGに合っていない。
--パッケージが伝えているメルヘン的な世界観のイメージには合っているが、単調さの際立つ牧歌的BGMは眠くなるだけだった。

//--魔法こそ追加されたもののインターフェイスや音楽などはオリジナル版と大差なくイマイチ貧弱。多少は改善されているとは言え、当時の他のゲームと比べても肯定的な評価はできない。
//メニューはウインドウタイプなので、当時のゲームと比べて、そう問題があるように思えない。あえて言えば、全て英語表記な点くらいだろうか。そもそも当時FCではRPGは出ていない。比較のしようがないが。
//間にコメントアウト挟むと空行になるのでコメント行移動
//Windows95登場以前でもHDDを用いないFDベースのソフトやROMカートリッジを使用するMSX、さらにはCD-ROMから直接起動するFM-TOWNSなど既に多くの実例が国産PCにはあった。


**総評
結局、「RPGに初めて触れる子供たち」をターゲットにしていながら、その層に対する配慮が足りないのがクソゲー扱いされる大きな理由と言える。~
PCでの人気から自信を持って移植したのかもしれないが、結局は子供には理解しづらいソフトになってしまった。~
とはいえ、元がPCのキラータイトルだっただけに、アクションRPGとしての出来は良い。

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**余談
-T&E製のPSソフト『Sonata』(恋愛RPG)にて、ギャラリーを全て埋めると『ハイドライド・スペシャル』がプレイできるので、興味がある人はそれ経由でプレイしてみるのも一興だろう。
--ただし『Sonata』ではアルバムを埋めることが難しい(特に「徳川学園編」のプール・初詣のCG(全ヒロイン分ある)と全員分のエンディングムービー)ため、その苦労に見合ったおまけと言えるかは微妙だが。
-『ハイドライドII』はファミコン未発売だが『ハイドライド3』は移植され、1989年2月17日にナムコから発売している。

//--とは言え、少しでも良いBGMを付けようと『ハイドライドII』のタイトル音楽を使用している訳であるのだが……。((ゲーム音楽の重要性にPCソフトが気付き始めた頃であるためか、BGMの選曲が二転三転しており機種によっては差し替えられこのファミコン版を含めると最終的に3バージョン存在することになった。))
//何を基準に3バージョン存在するかが不明。IIのタイトル曲がって事なら、ここはあくまでFCソフトのページなので、余談かIIのページに書くべきかと。

//AVGNの話題はゲーム評価に直接関係ないので余談へ。
-AVGNことジェームズ・ロルフが『ゼルダ』と比べながらこのゲームをクソゲー扱いしたせいで、欧米のゲーマー及びこのゲームを知らない世代はこのゲームをクソゲー扱いしやすいが、実はパソコン初期の名作RPG。当時は総てのパソコンゲーム誌で年間大賞を受賞している。
--AVGNでは''事実と異なった叩き''(ゲームオーバー毎に毎回パスワードを入力しないといけない→実際はクイックSAVE機能を使えば入力の必要はない)をしていたのも問題である。
//--日本語の実況動画では[[こちら>http://www.nicovideo.jp/watch/sm10754468]]から始まる一連のプレイ動画にも「クソゲー」タグが。ニコニコ動画アカウント非所持者は[[こちら>http://dic.nicovideo.jp/v/sm10754468]]。
//動画が削除されているのでCO

-本作の2ヶ月後に発売された''『[[ドラゴンクエスト]]』の遊びやすさの印象が本作の悪評に拍車''をかけた。
--ひらがなとカタカナ文字を使い、今では常識となったRPGの基本を「ゲーム内で」出来る限り懇切丁寧にルールを教えている。ノリだけでプレイできるアクションゲームと同じ感覚で説明書を読まないユーザーに配慮したものである。