「プレイステーション オールスター・バトルロイヤル」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

プレイステーション オールスター・バトルロイヤル - (2024/05/01 (水) 11:50:09) のソース

*プレイステーション オールスター・バトルロイヤル
【ぷれいすてーしょん おーるすたー ばとるろいやる】
|ジャンル|アクション|CENTER:&amazon(B00A2M24TG)&amazon(B00A2M278E)|
|対応機種|プレイステーション3&br()プレイステーション・ヴィータ|~|
|メディア|【PS3】Blu-ray Disc&br;【PSV】PSV専用カード|~|
|発売元|ソニー・コンピュータエンタテインメント|~|
|開発元|【PS3】SuperBot Entertainment&br()SCEサンタモニカスタジオ&br;【PSV】Bluepoint Games|~|
|発売日|2013年1月31日|~|
|価格(税込)|【PS3】&br; パッケージ版:5,980円&br; ダウンロード版:4,900円&br;【PSV】&br; パッケージ版:4,980円&br; ダウンロード版:3,900円|~|
|プレイ人数|1人~4人|~|
|レーティング|CERO:B(12才以上対象)|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|『スマブラ』ライクではないリスペクト作&br()対戦アクションとしてはなかなか楽しい&br()それと同時に問題点も多い|~|
|>|>|CENTER:''[[SIEワールドワイド・スタジオ作品]]''|
----
#contents(fromhere)
----
**概要
プレイステーションで発売されたゲームのキャラが集まりバトルを行う、2D対戦アクションゲーム。PSVのクロスプレイに対応しており、両機種間で対戦可能。~
「オールスターが集結し最大4人での対戦が可能な2Dアクション」という要素、及び周辺システムが任天堂の『[[大乱闘スマッシュブラザーズ>大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ]]』シリーズと酷似している。~
その他、日本では参戦キャラの知名度がかなり低かったこともあり、発売前はもちろん発売後も複雑な評価を得た作品となった。

----
**システム
***ゲームモード
主なゲームモードとして以下の4つがある。
-''シングルプレイ''
--CPUキャラと連続で戦っていく「アーケードモード」を始め、決められた課題をこなす「コンバットトライアル」や、練習などができる「プラクティスモード」などがある。
--アーケードモードにはキャラ毎に簡単なストーリーのようなものがある。

-''トーナメント''
--オンライン専用のモード。バトル条件固定(ステージはランダム)で、勝敗によってランクが上下する「ランクマッチ」と、バトル条件を指定してバトルを行う「クイックマッチ」がある。
--ランクマッチの成績で決まるランクは1ヶ月毎にリセットされ、リセット時のランクによって称号が貰える(ただし後述の問題点あり)。
--いずれのモードも、フレンドを呼んで一緒にチーム戦を行うことが可能。

-''対戦マッチ''
--オフライン、またはフレンドを呼んでオンラインでバトルを行うモード。
--CPUの有無やアイテム、ステージの指定など細かくルールを決められる。

-''カスタマイズ''
--各キャラのコスチューム、挑発、勝利ポーズなどを決めたり、対戦時に自分が使うアイコン、称号などを決めることが出来る。
--コスチューム、挑発などはそのキャラを使用してレベルを上げていくことで入手できるが、一部のコスチュームはDLCになっている。

***バトルシステム
-□・△・○ボタン + 方向(横・上・下・ニュートラルの4つ)の組み合わせにそれぞれ攻撃技が設定されており、これらを相手に当てることでAPを溜めることができる。
--また、その他の操作として(2段)ジャンプ・ガード・回避・投げ技・空中回避など、概ね『スマブラ』などのサイドビュー2D対戦アクションの様式を採用している。

-APが一定以上溜まるとそれを消費してスーパーアタック(以下、SA)という攻撃を使うことができ、これを相手に当てて倒す(キルする)ことがバトルの目的である。
--SAは消費AP量に応じてレベル1、2、3の3種類があり、レベルが高いものほど強力。特にレベル3は一定時間相手を一撃でキルできるようになったり、画面全体攻撃で相手を全員キルしたりと、非常に強力。
--SAのLvはAPの溜まり具合によって自動で決まる。

-いわゆるHPなどは無いうえ、画面下に落下してもステージ内に戻されAPを少し失うだけである。相手を倒す方法はSAを当てることだけ。

-勝敗についてのルールは、一定時間以内に一番ポイント(キル数×2 - デス数)を稼いだものが勝ちとなる「タイムリミット」と、一番早く規定のキル数に到達したものが勝ちとなる「キルリミット」に加え、規定数分だけキルされた人から負け抜けとなる「ストックリミット」の3つがある。また2vs2などのチームバトルも可能。

-アイテムや各ステージのギミック、投げ技などでダメージを受けるとAPを失うことがある。この失ったAPはAPボールとして放出され、拾ったキャラがAPを獲得することができる。

----
**参戦キャラクター
プレイアブルキャラクターを以下に挙げる。カッコ内は原作のゲームタイトル。

#region(キャラクター一覧)
-''クレイトス'' (『[[ゴッド・オブ・ウォー>ゴッド・オブ・ウォーシリーズ]]』シリーズ)
--神々への復讐の道を突き進むスパルタの戦士。容赦の無い性格と圧倒的な強さを誇る。国外人気が非常に高いこともあり、実質的に本作の主役と言っても過言ではない扱いを受けている。
--リーチや獲得APに優れる攻撃を多く持つ、近~中距離を得意とするキャラ。SAもオーソドックスな性能で使い易い。

-''パラッパ'' (『[[パラッパラッパー]]』シリーズ)
--「I Gotta Believe(僕ならできるさ)!」が口癖の、犬の少年。ラップの力で色々な困難を解決していく。今回はタマネギ先生から教わった技や、スケボー・マイクなどを駆使して戦う。
--遠距離攻撃はほぼ無いが、コンボ性能が高く近距離戦を得意とするキャラ。レベル2SAが強力。

-''ぽっちゃりプリンセス'' (『ぽっちゃり☆プリンセス』)
--ケーキが大好きなタイタニア王国のプリンセス。原作は彼女を運び出すのを競い合うゲームである。
--兵士、魔法使いなどを召喚し一緒に攻撃ができるキャラ。%%見た目とは裏腹に%%扱いやすい攻撃が多くコンボもし易い。

-''スウィート・トゥース'' (『Twisted Metal』シリーズ)
--暴力とアイスクリームを愛し武装したアイス販売車を乗り回す狂ったピエロ。こう見えてもレースゲーム出身である。
--ショットガン、地雷などを使ったヒット&アウェイを得意とするキャラ。レベル1SAの消費が少ないのでガンガン使っていける。

-''ラデック'' (『KILLZONE』シリーズ)
--ヘルガスト軍屈指の強さを誇る兵士。原作ではボスキャラクターで、冷酷で殺戮を好む性格。
--銃火器による遠距離戦を得意とするキャラ。反面、コンボ性能は低く近距離戦は苦手。

-''スライ・クーパー'' (『怪盗スライ・クーパー』シリーズ)
--義賊の血を引くアライグマの青年。カバの「マーレー」やカメの「ベントレー」((マーレーはLv1、ベントレーはLv3のSAで登場する。))といった仲間がいる。
--ガード、回避が一切できないが、その代わりボタンを押している間姿を消すことが可能。その性質上、4人対戦などでは強いがタイマンは苦手。

-''ネイサン・ドレイク'' (『[[アンチャーテッド>アンチャーテッドシリーズ]]』シリーズ)
--海洋冒険家「フランシス・ドレイク」の子孫を自称し、歴史の謎を解き明かすトレジャーハンター。愛称はネイト。
--格闘や銃火器攻撃などが揃っており、どの距離でも戦うことができるキャラ。

-''コール・マグラス'' (『[[INFAMOUS>INFAMOUS ~悪名高き男~]]』シリーズ)
--元はバイクメッセンジャーだったが、ある事故の影響で電気を操る力と卓越した身体能力を手に入れた青年。エンパイアシティーを悪の手から守る。
--電撃や氷による中~遠距離攻撃が得意なキャラ。機動力もある。

-''コール・マグラス(悪)'' (『[[INFAMOUS>INFAMOUS ~悪名高き男~]]』シリーズ)
--自らの超能力を悪の道に使うようになったコール。原作では「カルマ」という値が存在し、プレイ次第でコールが善か悪かに変化する。
--通常のコールと比べて、全体的に攻撃の獲得APが多いが発生が遅いパワータイプになっている。

-''ラチェット'' (『[[ラチェット&クランク>ラチェット&クランクシリーズ]]』シリーズ)
--「ガラメカ」を操る獣人ロンバックス族の少年。相棒ロボットのクランクと共に銀河の危機を何度も救ってきた。
--様々なガラメカを使った中~遠距離戦が得意なキャラ。投げ技が特殊で、相手を捕らえたあと移動することができる。

-''ジャック'' (『[[ジャック×ダクスター>ジャック×ダクスター 旧世界の遺産]]』シリーズ)
--エルフの青年。過去・現在と時空を超え、生命の源である「エコ」を操り戦った。イタチのダクスターは唯一無二の相棒。
--空中での機動力に長けるキャラ。コンボ性能は低いが、場を制圧するような技が多い。

-''ビッグダディ'' (『[[BioShock]]』シリーズ)
--海底都市ラプチャーを徘徊する人造人間。初代作のボスキャラだが、リトルシスターを護衛する姿はファンに愛されている。『2』での主人公。
--優秀な突進技を持ち、いくつかの攻撃にスーパーアーマーが付いている近距離主体のキャラ。混戦に強い。

-''ダンテ'' (『[[DmC Devil May Cry]]』)
--天使と悪魔のハーフであるデーモンハンター。%%''って名倉やないかい!''%%
--□→△→○と技をキャンセルして繋いでいくことができるテクニカルなコンボキャラ。操作に慣れると絶え間なく攻撃し続けることが可能。

-''三島平八'' (『[[鉄拳>鉄拳シリーズ]]』シリーズ)
--驚異的に堅固な体を持つ格闘家にして、三島財閥の頭首。『鉄拳タッグトーナメント2』にて薬を飲んで若返った姿で参戦。
--浮かせ技を数多く持ち近距離でのコンボが得意なキャラ。ただし攻撃のリーチが短いため混戦が苦手。

-''ナリコ'' (『Heavenly Sword』)
--神の剣「ヘブンリーソード」を操る%%DmCプロデューサーの彼女%%女性。元々剣の使い手には男子がなる宿命だったが、自らの運命を変えるため戦士として戦う。
--攻撃のリーチが長くコンボ性能も高いキャラ。SAはどれも癖がありやや使い難い。

-''雷電'' (『[[メタルギアライジング リベンジェンス]]』)
--『メタルギア』シリーズの登場人物。『メタルギアソリッド2』の主人公だが、最新作と本作での姿は『メタルギアソリッド4』にて強化手術を施されサイボーグ化したあとのもの。
--遠距離攻撃は一切無いが、強力な突進技及び近距離技を持つキャラ。SAも全体的に優秀。

-''リビッツ'' (『[[リトルビッグプラネット]]』シリーズ)
--夢の世界「リトルビッグプラネット」の住人。ステージや敵キャラを自由に「クリエイト」して作り変えてしまうことが出来る。
--設置系の技や飛び道具を使ったトリッキーな戦いができるキャラ。レベル3SAの性能は全キャラの中でもトップクラス。

-''ダニエル・フォーテスク'' (『[[メディーバル>メディーバル 甦ったガロメアの勇者]]』シリーズ)
--悪の魔法使いザロックを倒すため白骨のまま蘇った騎士。顎の骨が欠けておりフゴフゴとしか話せない。
--剣による攻撃はやや隙が大きいがカバーする範囲が広く複数の敵を巻き込みやすい。相手の飛び道具を吸収できる盾を持つ。

-''カケル'' (〔[[サルゲッチュ>サルゲッチュシリーズ]]』シリーズ)
--『サルゲッチュ』シリーズの初代主人公。様々な時代に逃げ込んだピポサル達を捕まえ、スペクターの野望を阻止するために奮闘した。
--様々なガチャメカで戦う、近~中距離戦が得意なキャラ。SAはどれも使い易い性能だが他のキャラに比べるとキル数を稼ぎにくい。

-''トロ'' (『[[どこでもいっしょ>どこでもいっしょシリーズ]]』シリーズ)
--国内での知名度バツグンな白い猫。いつの日か人間になるのが夢。
--格闘家、ニンジャ、雷様の3つのスタイルで戦うキャラ。スタイルによって得意な距離が異なる。

以下、DLCキャラクター
-''キトゥン'' (『[[GRAVITY DAZE>GRAVITY DAZE 重力的眩暈:上層への帰還において、彼女の内宇宙に生じた摂動]]』シリーズ)
--「重力嵐」に覆われた街・ヘキサヴィルを駆ける少女。同伴する黒猫ダスティの力で重力を操る。
--空中ジャンプの代わりに任意の方向へ空中ダッシュが可能なキャラ。空中コンボ性能が高い。
--本作随一の萌えキャラとされる。

-''エメット'' (『STAR HAWK』)
--ダスト星に埋まっていた「リフトエネルギー」にさらされた雇われガンマン。採掘作業を妨害するアウトキャストとの紛争に身を投じる。
--武器をステージ内に設置し、回収して使うという特殊なキャラ。回収した武器による遠距離戦が得意。

-''ゼウス'' (『ゴッド・オブ・ウォー』シリーズ)
--全ての神を統べる存在で、クレイトスの復讐の対象となっており、彼の実の父親でもある。
--動きは鈍重だがほとんどの攻撃がスーパーアーマー付きで、かつ獲得AP量が非常に多い。

-''アイザック'' (『[[Dead Space]]』シリーズ)
--宇宙船舶担当のシステムエンジニア。エンジニアと思えないほどの戦闘能力の高さから一部ファンから「アイザックさん」の愛称で親しまれる。
--設置技や飛び道具を数多く持ち、中~遠距離が得意なキャラ。投げの掴み動作で飛び道具を跳ね返すことができる。

#endregion

----
**評価点
-対戦アクションとしての出来はそこそこ良い。
--操作性が良く、コンボなども(一部を除き)比較的簡単にできるため取っ付き易い。SAで相手をまとめて倒したときなどはかなり爽快感がある。
--4人でのバトルロイヤルが基本のゲームなのでやや大味な面があるが、タイマンでじっくり相手の攻撃を読み合うなどの戦い方も出来る。
--ステージのギミックやアイテムなども強すぎず弱すぎずちょうど良いバランス。一部のレアアイテムは強力だが、それでも戦況を引っくり返す程ではない。
--攻撃の種類も簡略化されているスマブラと違ってそれなりに多く、通常の格ゲー並にコマンドを熟知する必要がある。
--各キャラ毎のSAも千差万別であり、スマブラの必殺技と違い相手を倒すのに必要不可欠なためSAの活用を前提とした戦い方を組み立てることが必須となる。

-攻撃を当ててAPを溜めるというシステム。
--全体的にスマブラと似通っている点が多いこのゲームの、一番の差別点にして大きな良点の1つ。
--スマブラと違い、相手を倒すためにはどうしても「自らの攻撃を敵に当て、APを回収し、APを消費する技を当てる」必要がある。
--つまり''自発的に攻撃を当てないとスコアを稼ぐことが出来ない''ので、ひたすら画面を逃げ回ってダメージの蓄積した敵を倒す、いわゆる「ハイエナ」は成立しなくなっている。
--特にオンラインにおける4人対戦の基本ルールである時間制ルールにおいて、この点は積極的に戦闘することを促すシステムになるため、試合が冗長になりにくかったり、冷めたプレイを抑制することに繋がっている。
--勝敗を決めるキルも『スマブラ』のように画面外に吹っ飛ばすのではなく、SAが当たれば一撃死なので、''相手のAPの溜まり具合と挙動に常に気を配りつつ立ち回る独特の緊張感''を生み出している。
--この点、『スマブラ』というよりは''『[[ディシディア>ディシディア ファイナルファンタジー]]』をサイドビュー2.5Dにしたようなもの''といえるだろう。
---万が一相手のSAを喰らう直前で相手をキルしても相手のAPはそのまま残る。勿論自分も同様であり、SAが不発だったり何回もキルされたりしてもLv3までAPをため込んでSAで一気に逆転するというプレイも可能である。
---一部キャラやステージではAPを増加するアイテムを出すギミックを持つものもあるが、直接攻撃を当てた時よりも溜まるポイントはかなり少なめになっているので、基本的には精神的プレッシャーをかけるレベルに収まっている。
---逆にAPを奪うアイテムやギミックは多く、後述のようにステージ構成がめぐるましく変化するので、気を抜いているとあっという間に不利になってしまう。

-ステージの演出が賑やかで凝っており、見た目にも楽しい。
--各ステージもプレイステーションのゲームをモチーフにしているが、なんと''どのステージも必ず別作品のキャラクターが一定時間で登場して状況を動かす''ようになっており、BGMも途中で別作品のものに変わる複合メドレーとなっている。~
この脇役同士のクロスオーバーは「スマブラ」では見られない手法である。
---例えば『ゴッド・オブ・ウォー』の「冥界」というステージでは、途中で背景に『[[パタポン]]』のパタポン軍が現れ槍を投げてくる。
---『パラッパラッパー』の「ドージョー」では途中で街に『KILLZONE』のヘルガスト軍が攻めてくるが、さらに時間が経過すると''なぜか巨大化したタマネギ先生が巨大兵器をぶっ壊す。''
---『LoCoRoCo』の「フランジーア」はファンシーな雰囲気のステージだが、途中で''いきなり背景が溶断され、破壊された背景の奥からメタルギアが出現する。''
--また、背景や足場などが大きく変化していったり、背景のキャラが色々喋るなどの演出もあり非常に力が入れられていることが分かる。
---戦闘向きでないなどプレイアブルキャラの無い作品はステージ限定で出演している(『パタポン』や『みんなのGOLF』など)。
-ステージの他に、キャラが必殺技で倒された時のエフェクトがプレステのシンボルたる○・×・△・□ボタンのマークになっていたりと演出面でのこだわりが窺える。

-ファンサービスは結構多い。
--比較的マイナーなゲーム揃いではあるが、プレイした人やファンならニヤリとくるようなネタがふんだんに盛り込まれている。
---平八のLv3SAが自分の必殺技と思いきや『[[鉄拳5]]』のエンディング再現だったり、トロと平八が知り合い(『STREET FIGHTER X 鉄拳』ネタ)といったものも。
--アーケードモードでのラスボスは知る人ぞ知る没キャラ「''ポリゴンマン''」。当時のソニー・コンピュータエンターテイメント・アメリカ社長が考案したが日本側の中止要請により''お蔵入りとなった初代プレステのイメージキャラ''を起用するとは恐れ入る。他キャラ達への復讐にでも来たのだろうか…。
---ポリゴンマンと直接戦うわけではなく、ポリゴンマンが生み出したキャラの分身やポリゴンマン自身が変身した各ステージのギミックと戦う。主にステージ中の敵キャラに変身するのだが、なぜかパタポンも混じっている。

-カスタマイズの存在。
--種類がとにかく膨大でありやりこみ要素としては十分。
---コスチュームは過去作での衣装やパワーアップ時の服装などがほとんど。例えば平八は『[[鉄拳4]]』のラストステージコスチューム(白髪にふんどし一丁)など。
---勝利時のBGMは初期設定ではオリジナルのものだが、カスタムすることで原作風のBGMに変更できる。

-グラフィックは流石SCEといった高レベルなものであり、vita版でもほぼそのままの高画質を実現している。携帯機で美麗なグラフィックを楽しめるという点はスマブラに勝っている。
--パラッパはきちんとペラペラの平面で表現されており、ニュートラルでは唯一正面向きになっている。
--ただ、ロード画面で表示されるキャラのアイコンはかなり粗く、頻繁に目にするので気に掛かってしまう。

----
**問題点
''全般的な問題点。''
-キャラバランスがあまり良くない。
--この手の多人数乱闘アクションでは必ず問題となるが、本作のキャラバランスもなかなかに不安定。特に2vs2やタイマンでは下位キャラが上位キャラに勝つのはかなり難しい。''しかもこれは2回のバランス調整を経た上での話である((1回目の調整は日本版発売前に行われた。))。''
--2回目のバランス調整では中堅キャラは大きく強化または弱体化され、それ以外はほぼそのままという調整であり、ますます差が広がったとの声もある。
--特にクレイトスは海外版発売時から現在まで不動の最強キャラであり、ほとんど弱体化されていない。開発元が『ゴッド・オブ・ウォー』のサンタモニカスタジオなので弱くしたくないのではという声もある。
---攻撃速度、範囲、リーチ、スキの少なさ、高性能当身持ちとどれをとってもほぼ完璧で欠点らしい欠点がない、あえて挙げるなら飛び道具が弱い位だが接近戦が強すぎて気にならない。

-1人用モードがつまらない。
--「アーケードモード」「コンバットトライアル」はどのキャラでもほぼ同じことをするだけであり、それ程面白いものではない。また、クリアすることで特別なものが貰えるわけでもない。
---好意的に解釈すれば、1人用モードはやらなくても良いようにしたと言えないことも無い。
--「アーケードモード」にはキャラ毎に簡単なストーリーがあるが、どれも大雑把に言えば「何か変な奴らが集まっているところがあるらしいから行ってみるか」→「変な奴らを倒してたら謎のパワーが手に入ったわ」というだけのもの。
---一応原作のサブキャラやナレーションが一通り見れるのでプレイ経験者は一見の価値はある。ただしダンテや平八、雷電といった他社出典のキャラはサブキャラがほとんど登場せず、格好付けて独り言をボソボソ呟いてるだけという手抜きのような構成になっている。ビッグダディに至っては''最初から最後までリトルシスターが歌を歌いながら徘徊しているだけで、他キャラと戦ったのかどうかすら語られない。''
---途中にライバルキャラ(OPで戦っているキャラ同士)との掛け合いがあるが、ほとんどは世界観が違いすぎてまともな会話になっていない。お互い最初から殺る気全開か片方がコミュニケーションをしようとしてももう片方が突っぱねて襲い掛かってくるのが大半である。
---ネイト対スライ、アイザック対ゼウスなど異なる原作設定を尊重しつつ納得のいく流れになっている組み合わせもあるが、完全な善人キャラ同士を無理矢理対決の流れに持って行っているものもあるため違和感が拭えない。
---一応、同じ組み合わせでもプレイヤーが操作しているキャラによって内容が変化する。
--前述の通り最終ステージではポリゴンマンとの戦いになるが実際は1対3のチーム戦であり、CPUの攻撃はプレイヤーしか受けない仕様になっている。にもかかわらず乱戦用のアイテムがボンボン落ちてくる上ギミックも他CPUのSAもプレイヤーのみに反応するため、一方的に袋叩きにされることも((なお、前述の通りCPUやギミックは全てポリゴンマンの作りだしたものなので設定的には間違っていない。))。
--そもそもポリゴンマンが何故そこまでして襲ってくるのか全く説明がない。ポリゴンマン本人はかなり尊大な態度をとっており、事ある毎に「私は最強だ!」「勝てるわけないのに…」と口にするだけである。うるさい。

-原作キャラクターが崩壊している描写がある。
--この手のクロスオーバー作品にはつきものの問題であるが、本作にもそういった描写が散見される。
---特にカケルが顕著であり、初期設定のイントロがピポサルに踏みつけられて''無言で顔を歪ませる''というガラの悪いものになっている。アーケードモードではピポサルを逃がしたパラッパに対して、パラッパの言い分を無視して「お前も悪の手先だな!ゲットアミで捕獲してやる!(意訳)」と襲いかかるというあんまりな描写になってしまっている。

-一部ステージの理不尽な仕様。
--『ラチェット&クランク』が出典である「メトロポリス」では途中でステージの形状が変化し『ゴッド・オブ・ウォー』のヒドラが攻撃を仕掛けてくるが、変化後のステージ構成が「触れるとAPが奪われるオブジェクトが中央部に設置され、中央に向かって自動で動くベルトが起動する」というもの。
---さらに空中に出るとヒドラが攻撃してきてこれまたAPを削られてしまう。このため油断すると直ぐにギミックに引っ掛かり、理不尽にAPが減っていってしまう。
--『リトルビッグプラネット』の「夢の世界」では途中で四択クイズが始まり、選択肢がそれぞれの足場に割り当てられ、正解の足場に立っていると特殊効果が得られる。
---クイズの内容は参戦作品に関することなのだが、''原作を知らないと分からないマニアックな問題も多分に含まれる''ため、プレイヤーによる有利不利の差が激しく出てしまう。

-オンラインバトルの仕様に問題あり。
--本作のオンラインシステムではサーバを立てておらず、P2P方式を採用しているにもかかわらず、''ホストがバトルから抜けるとバトル自体が強制終了する''という仕様がある。
---ゲストが抜けた場合は棒立ちのキャラが残され、バトルは継続される。そのキャラはその後キルされると復活しない。
--問題なのは誰がホストかということは一切分からず、バトルから抜けるときに警告なども無い点。「ストックリミットで脱落したので抜ける」、「もう逆転は不可能だから抜ける」といった行為によってバトルが強制終了されるケースが非常に多い。
---この仕様は説明書などでも一切説明されていないため「自分が抜けるだけでバトルは継続される」と思っている人は非常に多いと思われる。
--また、途中で抜けることに対する明確なペナルティなども無い。そのため現状は抜け得とも言えるような状態となっている。

-画面構成の味気なさ。
--タイトル画面・キャラ選択画面・ロード画面等がどれも非常に簡素な出来であり、対戦格闘ゲームとしてかなり味気ない印象を受ける。
--ロード画面については、本作はロード時間が全体的にやや長めであるため、特に印象に残りやすい。
--ステージが全体的に広く、キャラが見にくい。後述のエフェクトのショボさが際立ってしまっている。
--ステージのBGMも原作を元にしてはいるのだが落ち着いたシックな雰囲気の曲ばかりで盛り上がりに欠けてしまう。
--エフェクトやSEも同様に地味なものばかり。銃撃や剣での斬り付けや爆発も迫力がなく、効いているのか判別しがたい。
--キャラ毎の最強技であるLv3SAは原作の1シーンを元にしたもので完成度は高いのだが、どれも「自キャラを超強化」「FPS風の視点で画面手前から相手を攻撃する」といったものばかりで実質的なバリエーションが少ない。特に後者は原作ジャンルがFPSではないラチェットやスライも同じ形式のためワンパターンなのが際立っている。

-PSV版の難点。
--アイテムを入手する際、キャラとアイテムが隣接した状態でキャラをタッチするという手順を踏む必要があり、かなり面倒くさい。
--データを更新すると、メニュー画面のBGMが数秒するといきなり停止し、以降のステージBGMも全て無音になってしまう不具合もある。

-アーケードモードをクリアするとスタッフロールが流れるのだが非常に長く''全部で30分もかかる''。
--スタートボタンでスキップできるのが救いか…というかスキップできないと相当に重大な問題である。

------
**日本国内における参戦キャラクターについて
//海外向けに作られたゲームなので日本における参戦作品についてはゲームの問題点とは言えないのではないか、という修正依頼により問題点と参戦作作品関連は意図的に分けている。「参戦キャラクターの問題」ではなく「参戦キャラクターについて」という表現にしているのもそのため。
-この手の作品では参戦作品のラインナップに最も注目が集まるものだが、本作は当時の''SCEアメリカが北米市場向けに制作した''所謂「洋ゲー」である上、参戦作品も大半が洋ゲー。このため日本市場では、参戦キャラクターが微妙・分からないという声が相次いだ。

-宣伝も兼ねているのか、参戦作品は「本作の発売日から約1~3年前の最新作及びリマスター」が大半を占めている。
--それ自体は良くある事であり決して悪いものではないが、当時日本展開が殆ど行われていない『[[ジャック×ダクスター>ジャック×ダクスター 旧世界の遺産]]』『[[Dead Space]]』『スライ・クーパー』『Twisted Metal』等もこれに含まれており、上記の批評の声を後押ししている。例として『Twisted Metal』は北米で絶大な人気を誇ったシリーズだが、日本ではたったの2作しか発売されてないためその知名度は非常に低い。
---国内でも比較的有名なSCEタイトルとして、『[[クラッシュ・バンディクー>クラッシュ・バンディクーシリーズ]]』『[[ワイルドアームズ>ワイルドアームズシリーズ]]』『[[アークザラッド>アークザラッドシリーズ]]』『[[ワンダと巨像]]』など、PS3作品なら『白騎士物語』や『[[Demon's Souls]]』などもあったため、それらが参戦していればまた違った評価になったかもしれない。
---その中でも特に「SCEの看板」と言っても過言ではない、『クラッシュ』シリーズの未参戦を残念がるユーザーは多かった((もっとも、当シリーズは10年以上前の『クラッシュ・バンディクー カーニバル』を最後にSCEとの契約を終了している上、版権・契約関係でいざこざがあった事は多くのSCEファンにも知られていたため、「未参戦も止むを得ない」との声も多かった。))。
---実はDLCの配信予定がありつつもそれが叶わなかったタイトルも存在する。例えば当初は『[[レジェンド オブ ドラグーン]]』もDLCで参戦予定であった((国産ゲームだが海外の方が人気があったため。))。

-国内で著名な作品のキャラも、基本的に海外版含めた最新作のそれを基にしているため、日本目線ではピンと来ない事も多い。
--幾つか例を挙げると、カケルは『サルゲッチュ』ではなく外伝の『ミリオンモンキーズ』準拠のキャラ構成であり、『スライ・クーパー』はPS2シリーズでなく『コレクション』準拠なので吹き替え声優陣やベントレーの口調が変わっている等。
---ダンテに至っては折悪しく本家シリーズが長く止まっていた中に色々と議論を呼んだ海外制作の『%%デビル名倉イ%%DmC』仕様になっており、ジャックの初期コスチュームもこれまた日本未発売の『[[Jak 3]]』準拠である。

-一部の参戦作品及びそのキャラのチョイスに不可解な点があり、一例として原作では同一人物のコールが2人いる((一応『スマブラ』のドクターマリオのような完全コンパチではなく、性能や技は差別化されている。これは原作でも同様であり、カルマが善悪どちらに傾くかでキャラクター性能が大幅に変化する。))。
--コールの出典である『inFAMOUS』は翌年に新作が控えており、作品自体も高評価を得ていたのでまだいいものの、本作発売から数か月後にトロ・ステーションがサ終した『どこでもいっしょ』や、当時から数えても10年以上音沙汰がない『パラッパラッパー』に加え、発売から既に6年近く経過したうえにシリーズ展開もされていない『Heavenly Sword』など、海外目線で見ても微妙なチョイスが僅かながら存在している。
---こちらもトロとパラッパについては「動きが少ないだけでPS初期を代表するほどに知名度を高めたキャラ」という点でまだ擁護できるが、『Heavenly Sword』については貴重な女剣士キャラということを差し引いても流石に微妙なチョイスと言わざるを得ない。
---ちなみに、『Heavenly Sword』の''ナリコは原作のタミーム・アントニアデスプロデューサーの交際相手に似せて作られた''曰く付きのキャラであり、同作を開発した「Ninja Theory (ニンジャセオリー)」は『%%デビル名倉イ%%DmC』の開発元でもありタミームPも係わっている。

-『ゴッド・オブ・ウォー』『BioShock』『KILLZONE』等、参戦作品にゴア描写を含み年齢制限が設けられている作品が多いのも、国内ではプレイヤーが本作を通じて原作に触れにくい問題点に繋がっている。
--「いっそ年齢制限かかってもいいからゴア作品のみで構成してしまった方がコアゲーマーに受けが良かったのでは?」という意見もちらほらあった。

------
**総評
洋ゲーかつ北米市場向けに作られたが故、日本では主に「参戦作品の知名度」の面で評価が低迷した、ある意味では不遇な作品である。~
ソロプレイ・キャラクター間の性能バランス・カットシーン不足等の問題も、上記の低評価を後押しする形となった。

しかし、細かな短所や粗こそあれど、対戦型アクションとしてはかなり遊べる出来になっており、そこは紛れもない評価点である。~
日本では評価が低迷する結果になったが、海外では決して悪い評価は得ておらず、本作が単なる駄作でないことを裏付けている。~
かなり実験的・意欲的な意味合いの強い作品であったため、完成度を高めたリメイクや参戦作品を増やした続編を望む声も多い。

----
**余談
-発売前からスマブラとの類似性が指摘された本作だが、この点は''開発者が『スマブラ』シリーズの大ファン''であるためで、『スマブラ』をリスペクトして製作したことを公言している。
--出来と差別点も上述の通りなかなかのものであり、「安易なパクリ」「粗製乱造の模造品」とは言えない水準に達している。なお、『メタルギア』シリーズ、『鉄拳』シリーズは『スマブラ』にも参戦しているが、キャラクター自体は本作とは異なる((『スマブラ』ではソリッド・スネークと三島一八が参戦している。))。
---当然ながら任天堂とSCE(現SIE)は、ゲーム市場におけるライバル関係にある。にもかかわらずライバル会社の作品に惚れ込み、リスペクト作品を作ってしまうのは、長いゲーム史においてもなかなか類を見ないユニークな出来事と言えるだろう。
---なお、もう1つのライバル企業であるマイクロソフトは、Xbox版スマブラについては「&u(){あれは魅力的なIPを多数持つ任天堂だからできること}」として否定的な見解を示している。
--ちなみにSIEは、6年後の2019年11月に行われた''『[[スマブラSP>大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL]]』企業対抗ゲーム大会にも参戦している。''これは『ファミ通』が任天堂に許可を取って開催した大会なので、''準公式/公認大会の位置付けである。''
---こちらも他メーカー・他ゲームではまずありえないようなことであり、やはりSIE内にも根強いファンがいる模様である。
//---現在は更新終了してしまったものの『スマブラSP』ではマイクロソフトの『[[バンジョー&カズーイ>バンジョーとカズーイの大冒険]]』がDLC追加された様に、もし仮に『スマブラ』にさらに次回ソフトが出るのなら、SIEキャラクターが起用されるような日が来るのかもしれない…?
//バンカズというかレア社が元々任天堂との浅からぬ縁があったからこその話でしょ。

-本作のOPムービーで使用されている楽曲はフランスのミュージシャンであるMadeonの「Finale」という楽曲。後にスズキ・ワゴンRのCMのBGMとして採用されている。