「ペーパーマリオ スーパーシール」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

ペーパーマリオ スーパーシール - (2020/10/14 (水) 06:46:02) のソース

#contents()
----
*ペーパーマリオ スーパーシール
【ぺーぱーまりお すーぱーしーる】
|ジャンル|シールバトルアドベンチャー|&amazon(B009LUDMJQ)|
|対応機種|ニンテンドー3DS|~|
|発売元|任天堂|~|
|開発元|任天堂&br;インテリジェントシステムズ|~|
|発売日|2012年12月6日|~|
|定価|4,800円(税5%込)|~|
|プレイ人数|1人|~|
|判定|BGCOLOR(khaki):''シリーズファンから不評''|~|
|ポイント|仲間キャラの廃止&br;''ストーリーは紙のように薄い''&br;住民や敵キャラもバリエーションに欠ける&br;ボス戦で使うモノシールをなくした時の作業感&br;|~|
|>|>|CENTER:''[[マリオシリーズ及び関連作品の一覧>マリオシリーズ]]''|
----

**概要
『[[スーパーペーパーマリオ]]』に続くペーパーマリオシリーズ第4作。ペーパーマリオシリーズでは初の携帯機向けのソフトとなる。~
初報から3年近く待たされ、5年ぶりの新作となるタイトルで、ファンからの期待は高かった。~
だが、その実態は今までのシリーズから大きな転換を狙う内容となっていた。

***あらすじ
シールの街、ラベルンタウンで年に一回開催される「シールフェスタ」。今回はゲストとしてピーチ姫とマリオもやってきた。~
フェスタも佳境に差し掛かった中、願いをかなえるという「ロイヤルシール」が降ってきた。~
するとロイヤルシールを我が物にせんと大魔王クッパとクッパ軍団がシールフェスタに乱入してきた。キノピオ達の制止を振り切りクッパはロイヤルシールを入手する。~
しかしクッパの様子がおかしい。ロイヤルシールの魔力に憑かれ、「ギラギラ」しはじめ、会場で散々暴れた末にキノコ王国のあちこちでシールを使ったいたずらを始めだした。~
マリオはシール星からやってきたという「ルーシー」と共に各地に散らばったロイヤルシールを集め、クッパの暴走を止める新たな冒険に出た。

***システム
-ぱっと見は従来のペーパーマリオに近いRPGだが、ジャンルにもあるとおり、謎解き、バトルはすべてシールで行う仕様。
--だが、この新しいシステムが''ありとあらゆる面でこれまでのシリーズには無い不親切・理不尽さを付き纏わせている。''詳細は後述する。
-前作『[[スーパーペーパーマリオ]]』に引き続き、今回も用意されたコースを順にクリアしていく、アクションゲーム寄りの構造になっている。
--今作では新たに2Dマリオシリーズで見られるようなワールドマップ制が採用され、コース間の移動も簡素でスムーズなものとなった。
-今回は登場人物全てが紙やシールで出来ているという設定。各々のコースも本当に紙やダンボールで作られているかに見えるように設計されており、そういった材質の特徴を取り入れた演出やギミックがこれまでのシリーズ作より更に増えている。

***新要素

''バトルシール''~
今作では、基本攻撃やFP((従来のペーパーマリオにおいて、技を使う際に消費するポイント。DQ等で言うMPに該当する。))の概念が存在せず、手持ちのバトルシールや後述の「モノシール」を消費してハンマーやジャンプ、特殊攻撃を行う。~
つまり、''通常攻撃ですら消耗品というシステムなのである。''ただし入手量は多く、無駄遣いしなければ完全に底をつくということは少ない。~
バトルシールはコース上で拾ったり、ショップで買ったりして集めることができる。~
今作ではマリオのRPGシリーズではお馴染みのアクションコマンドシステム((攻撃するときに指示された通りの操作をする(タイミングよくボタンを押す、スティックを回すなど)と攻撃力アップ、攻撃をガードなどの恩恵が得られるシステム。))を再び採用した、のだが……(後述)。~

''モノシール''~
「バトルシール」同様に「ペパライズ」やバトルで使用することの出来るシール。~
コース上に唯一立体で存在し手に入れることができる「モノ」と呼ばれるものを、「モノなげや」にもって行くことでシールとして入手できる。~
「モノ」にはさまざまな種類があり、「せんぷうき」や「はさみ」、はたまた「まねきねこ」などすべて現実に存在するものである。~
「ペパライズ」で貼り付けて使用することでコースのギミックを動かしたり、~
バトルで使用することで敵にダメージを与えたり、攻撃力が上がったり、相手の技を跳ね返すといった様々なアクションが起こる。

''ペパライズ''~
コース上においてマリオが使用できる能力。~
使用すると画面上のコースが1枚の紙に変化し、紙にカーソルが表示されている場所に、持っているシールや「マップピース」を貼ることができる。~
正しいシールやマップピースを貼ったりはがしたりすることで仕掛けが動いたり、さまざまな変化を起こすことができる。~
今作の肝となるシステムであり、謎解きの中心になる。~

''バトルスロット''~
今作のサポートキャラ「ルーシー」によって使用できる能力。バトルにおいて、マリオの毎ターン開始時にコインを消費することで使用するか決めることが出来る。~
基本的に普通のスロットと同じ内容であり、絵柄が揃うことでその数だけ行動回数が増える(2つ絵柄が揃ったらこのターン2回行動できる)。~
絵柄が3つ揃った場合、その絵柄に応じて効果も得られる。~
スロット回転中にさらにコインを消費することで、回転が遅くなったり、すでに絵柄が2つ揃った状態で始めることができる。~
スロットシステム自体は過去作『[[ペーパーマリオRPG]]』にも存在した。~
----
**問題点
全体的に、本作は過去作とはシステムが大きく異なり、戦闘・育成より''収集・探索・謎解きに重点が置かれている''。~
そのため、RPGを作品を想定していたユーザーからの不満点が相次いだ。

***バトルシステム

-''戦闘システム自体の問題点''
-前述した「バトルシール」を使ってバトルを行うのだが、このシステム、とどのつまり''通常攻撃・防御といった基本的な行動ですらシールが必要''になり、裏を返すと''シールがすべて無くなれば「逃げる」以外に何も出来なくなる。''
--以前の作品にあった「何もしない」「アピール」「ぼうぎょ」といったコマンドが消滅し、「何もしない」といった行動が出来ないため、戦闘を続行するならシール消費は必ず行うことになる。
---状態異常・もしくは相手の属性・行動のせいで攻撃が殆ど当たらないという状況下であっても、何らかのシールを消費する必要がある。
--一応バトル中でもアクションコマンドを成功させることで補給できる時があるが、入手タイミングも入手出来るシールもランダムである為、シールが尽きかけている状況ではどの道ジリ貧に陥ってしまう。
-アクションに関しても、これまでのシリーズでは各アクションごとにコマンド入力の仕方を教える説明文がついていたのだが、今回はそういった詳しい説明どころかチュートリアルらしいチュートリアルもない。しかもAボタンをタイミングよく押すという説明があるだけで''そのタイミングがどこなのかは一切表示されない''。その為、シールのアクションに慣れるまで時間が掛かり、人によっては''モノシールやキノコ系シールにもアクションコマンドがあるという事に気付かなかったりする。''
--また、これまでのシリーズにおけるアクションコマンドには「スティックをタイミングよくはじく」、「コマンドを正しい順に押す」といったものがあったが、~
今作はすべてのアクションをAボタンで行うため、アクションに味がなくなってしまっている。
--アクションの練習をしようにも、毎回必ずシールを消費するという仕様の為、気軽に練習がし辛い。
---過去作品に比べ、アクションコマンドを失敗した際も大きく、コマンドを失敗した場合のダメージは1まで下がってしまう。これはレアなシールを使っても変わらない。

///-ペーパーマリオRPGで搭載されていたカウンター技であるスーパーガードも削除されている。当作品では強力過ぎてやや問題のある要素ではあったのだが…詳しくはバトルのバランスで。
-''ガードはチュートリアルで教えてくれない''為。気づかないことも多々ある。
--ガードは通常のボタンガードのみだが、特定のシールを使う事で、アクションコマンドによって攻撃を回避、防御したりすることはできる。しかしマリオは一回行動なのでバトルスロットを使わない限りそのターンはそれ以外の行動ができない。
--またガードしないとまれにマリオが状態異常となる。

-前作までであった星の精やスターストーンといったゲージ消費コマンドなども廃止され、行動のほとんどを攻撃に費やすだけになってしまった。

-''ザコ敵を倒す利点が少ない''。
--これまではザコを倒して得られるスターポイント((他のRPGで言う経験値))を貯めてレベルを上げるとステータスを任意で強化できたが、今作ではコース内に落ちている「体力UPハート」と呼ばれるアイテムを拾うことでHPのみが上昇していく。
--ゲーム内での説明が無いため気付き辛いが、実はこのアイテムを拾うとHPだけでなく敵に与えるダメージも上がる。最終的に雑魚敵はフィールド上でハンマーを当てるか踏みつけるかすれば倒せるようになる。
--雑魚戦によって得られる恩恵は、ゴール時や早期撃破によるコイン、HP回復ハート、シールの獲得となる。
--行動にシールを消費するという戦闘システム上、戦利品より消費量の方が上回ることもあり、戦闘によるデメリットの方が大きくなりやすい。
---今作では「逃げる」コマンドが成功するとフィールド上からシンボルが消滅するため、逆に逃げる方が効率よく戦闘を処理出来てしまうケースが多い(後半は特に)。

***シール関連
-シールは持ち物のシールブックに張って持ち歩くことになるが、''シールの持ち数に上限が存在する''。
--シールごとに持ち物欄を占有する範囲が異なっており、基本的に強力なシールやモノシールは大きい。~
その為コースのギミックを解く鍵である「モノシール」にシールブックが占有され、必然的にバトルシールの持ち数が制限されてしまう。
---一応、事前に使用するモノシールを調査し、持ち運ぶモノシールを吟味すれば、バトル系のシールが枯渇するほど圧迫することは無い。また、シールは各コース内で大量に見つかるし、ショップでも大半が安く買えるので、回収を怠らず無駄なバトルを極力行わなければそうそう底をつかない。
-シールの効果に関する説明文が簡素すぎる為、実際に使ってみるまでどういう攻撃をするのか、どのような効果があるのかが分かりにくい種類がしばしば存在する。
--例を挙げると「はっぱ」系のシールは、実はバトルで使用したターン中にアクションコマンドを全て自動で成功させる((ただし「むげんジャンプ」系は例外))という効果があるのだが、説明文には「ショップで高く売れる」という旨の文章があるだけであり、バトル中の効果は後述の博物館でしか知ることができない。
-モノシールのもととなるモノは、コースの特定の場所で拾うかラベルンタウンで大量のコインを出して買うかして入手し、逐一シールに変換しなくてはならない。
--何故か''同じモノは2つ以上持てない''という仕様が存在する。たとえばモノとしてでもシールとしてでも「せんぷうき」を持っていると、新たに「せんぷうき」は入手できない。
---普段は気にすることはない仕様なのだが、博物館を埋めようとすると地味に面倒になってくる。
-補助アイテムなどは存在せず、体力回復もバトルシールで行うことになるのだが、なんと''非戦闘時には体力回復シールが使えない''。~
周辺に回復ブロックも無く、残りHPが僅かという状態でも、シールで回復するには敵と戦いに行く必要がある。当然その戦闘で回復したとしても、回復した量と同じくらいのダメージを受けてしまえば元も子もない。
--今作は状態異常もかなり厄介。''その状態異常に至っては回復手段が一切無く自然回復を待つしか無い''(一応「毒スミ」のみは水流系のモノシールで回復可能)。
---特に''しわくちゃ''に至っては、''受けるダメージ2倍かつ行動不能''という理不尽である。敵も同様なのだが、こちらは常に一人という仕様上脅威となる。

***ペパライズ関連
-今回の謎解きにおいて重要な役割を持つが、''とにかくテンポが悪くて面倒''。
--使用頻度の割に演出・操作不能時間が長い。「とにかく怪しい所でペパライズ」という謎解きが多いのだが、「行き詰まったらそこかしこでペパライズ連打」という行動を強要される場面が少なくない。
--剥がす方はペパライズモードを呼び出さないとめくれかかっている部分が表示されず気付きにくい。
-貼り付けたシールは基本的になくなってしまう。これが当たり前のように見えてかなり不親切な仕様。
--貼り付けるられるシールはギミック用のシールのみならず、モノシールや通常のバトルシールなど多種多様なのだが、不正解のシールを貼り付けてしまうと当然のようにそのシールが無駄になってしまう。
---わざわざ別コースまで取りに行く必要がある入手困難なモノシールでさえもあっさり消失してしまう。
-より強いシールに変化するペパライズがあるのだが、たまに弱くなることがある。

***バトルのバランス
-今作では一般的なRPGと異なり仲間がおらず、補助アイテムが少ない。さらに敵の攻撃力も全体的に高く、一度に戦う敵の数も多いので、さっさと倒さないと逆にこちらがピンチに陥ってしまう為、強力なシールで相手を一掃するという戦法一択になり易い。
-一方で敵のHPは最初から最後まで低い。
--そのため、後半のステージになるほど強いシールが出てくる のに対し、使うシールは中盤のシールでも事足りる という歪な構造となってしまっている。

-このザコ敵の脆さに反し、今作のボスは硬い。ワールド1からHPが90もある。ワールド3など300もある((過去作ならラスボス並の数字。前の注釈の通り、初代との比較ならワールド1ですらラスボス級である。こちらの攻撃力が上がっていることを差し引いても相当硬い))。~
これはそれぞれボスに弱点が存在し、それに適した属性のシールやモノシールを使うことで大ダメージを与え、さらに行動不能にすることが出来るシステムによる。
--しかし、ボスの弱点は戦う前にこれといったヒントも存在せず、場合によっては手探りで探すハメになる。~
弱点が分かりやすいワールド4のボスならまだしも、他のワールドのボスの初見での突破は難しい。しかもただ使うだけでは駄目で、特定のタイミングで使わなくてはいけないシールもある。ラスボスでは戦闘形態それぞれに別の種類の弱点のシールが必要となり、使用するタイミングまで限られている。
--一応ルーシーが教えてくれる事もあるのだが、''それは数ターン後か、1回ボス戦で負けた後である''。ボスの強さが弱点となるモノシールをこちらが所持しているという前提で設定されている為、事前にモノシールを用意する必要があるというのに、これは遅すぎる。
--もし、弱点のモノシールを持ち合わせていなければ、圧倒的火力と耐久を誇るボスを相手に一方的に蹂躙される。
---一応入念にHPアップハートを集めた上で、強力なシールを蓄え、ジリ貧の戦いを挑めば高難度ではあるが勝つ見込みはあるが、この方法で倒すと「シールを使いすぎ」とルーシーに文句を言われる。
--一応これらの対応策なのか、今作ではなんと、''ボス戦でも逃走が可能''。

***各ワールド・コース関連
-1つの町を拠点として、いろいろな町やワールドに行くのがペーパーマリオシリーズ伝統であったが、前述した通り、今作では2Dマリオシリーズと同じくワールドマップ制になった。
--そのため拠点となる町の存在意義や、この町のどこから次の場所にいけるかといった楽しみがなくなってしまった。
-従来の作品まではワールドおよび章は全部で8つあったが、今作ではワールドが6つしかない。
--コースの数についても、最高がワールド3の12コースであるのに対し、なぜかワールド4以降、コースの数がやたら減る。((最終面の6面に至っては、まともに遊ぶコースが1コースだけである。))~
--コース数が減るだけならまだしも、ワールド4以降は''イベントやキャラの会話等も減少していく''ため、あからさまに制作途中で力尽きた様子が見て取れる。
---謎解きに関しても序盤はそこそこのバリエーションがあったにもかかわらず、ワールド4以降は、後述する「行き詰まったらとりあえずペパライズ」で先に進めることが多くなってしまう。
--コース自体も、''ショップがあるだけで終わるコース''など、まるで分ける意味の無いものも存在する。

***シナリオ関連
-''今作のストーリーはとても薄い''。
--今作はマリオやクッパ軍団と対立する第三勢力や、敵側の思想・野望((一部のボスは一応それなりの目的はあったが、それでもただボスに仕えたいといった単純なもの))といったものが皆無に等しく、マリオに絡んでくるキャラクターの数も異様に少ないことに起因する。
-ストーリーの本筋に関わらない事件や、サブイベントといったものですら数えるほどしか存在しない。
--ハナチャンの身体の捜索やクイズ番組などそういった要素は一応存在はする。
-マリオに深く関わってくるキャラクターが少ないせいもあってか、キャラクター同士が絡んだ面白い会話シーンも過去作と比較すると非常に少ない。
--従来のシリーズでは個性的なキャラクター達が織り成す掛け合いやドラマ、波瀾万丈で重厚なストーリーといった「マリオらしからぬ要素」が好評だったため、それを望んでいたプレイヤーは失望する事になった。
///-ちなみにこのようなストーリーになった原因として、[[社長が訊く>https://www.nintendo.co.jp/3ds/interview/ag5j/vol1/index.html]]で「ただストーリーに関していうと、前作『スーパーペーパーマリオ』のアンケートをクラブニンテンドーで調べたところ、たしかに「ストーリーがおもしろい」という人は、1%にも満たなかったんです。」と語っている。
///--ただ、その割には前作まで好評だった要素を削除したり(仲間システムの廃止など)、力を入れてるはずの新システムのペパライズが前述の出来だったりと、何のためにシナリオを薄くしたのかわからない本末転倒の事態となっている。
///-ちなみにこのようなストーリーになった原因として、スタッフインタビューでは「クラブニンテンドーのアンケートで前作のストーリーが良かったと答える人が極端に少なかったため」と語っているが、RPGにはあって当たり前のストーリーに対する感想をわざわざ字面で述べるユーザーがどれだけいるかも疑問であるし、評価基準を賛否両論が激しかった前作のアンケートのみに置いている時点で論外である。
///--そもそもそのアンケート結果は、「面白かった点として次元ワザなどのシステム面の要素を挙げた意見が多かった」と言うだけであり、断じて「ストーリーが面白くなかったという意見が多かった」訳ではない。つまりインタビューを真に受けるなら、スタッフは「評価されたのはシステムだからシナリオは評価されなかった」と言うとんでもない勘違いをしたことになる。
///--つまりアンケートを真に受けて好評でないと判断したストーリーを削っておきながら好評だったはずのシステムも削ったという本末転倒の事態となっている。上の理由と全然噛み合っておらず結局不明のまま。
--さらに任天堂お得意の小ネタでさえ今回は少なめである。

***キャラクター関連
-今作では独自の個人名を持つキャラクターというものも出て来ず、''仲間キャラも存在しない。''
--これは社長が訊くで理由が語られており、「可能な限り『マリオ』の世界のキャラだけで完結してほしい」という宮本茂氏の課題によるもの。岩田氏も「むずかしいお題ですね。ある意味、ここ最近のシリーズの方向性とは、まったく逆になってしまうわけで。」と返している。

-仲間としてはサポートキャラの「ルーシー」が登場するが、バトルには参加せずフィールド上でアドバイスをくれるのみである。
///--先述した通りこれがバトルの単調化に繋がっており、旅先でマリオの冒険を支える新しい人物が全く出てこない事によってストーリーの面白さ・起伏までもが失われている。
--本シリーズの人気はゲームの完成度や少し毒の混じる世界観はもちろんだが、普段は敵として踏んでるクリボーやノコノコと共闘できるキャラゲー的な人気も結構あり、内気なノコノコやお嬢様テレサなどキャラ自体の個性も結構立ってるため「ペーパーマリオの面白さの半分は仲間」なんて人も少なくない。
///-過去作では当たり前と言えば当たり前だが、連れているキャラが関わる会話にはそれぞれ固有のテキストが表示される。本人の口調などの細かい差異だけの時もあれば、他人が仲間について喋る時は丸々違うテキストになる。中々好評な要素で、2周目以降は会話イベントが起きる前にセーブ・リセットで全ての仲間の台詞を見ようとするユーザーも多かった。
///--今作では前述の通りイベントの少なさと相まって、労力を少しでも削りたかったのでは…?という邪推をする人も。

-その為、どのコースに行っても味方サイドのモブキャラはキノピオ((そのキノピオでさえバリエーションが殆どない))だらけで、敵側としてもクッパ軍団の敵キャラクターしか出てこず、新鮮味が薄い。~
過去作では、元々敵に当たるキャラクター・種族が善良な一般市民((余談だが『マリオストーリー』のノコブロスは、「一般市民のノコノコ連中が男として箔を付けたいがあまり、クッパの配下になった」と言う裏設定がある。ある意味リアルである。))として登場したりもしていたし、シリーズ独自のオリジナルキャラクターも豊富に存在した。
--PVや広告などでは「今作ではキノピオが身体を張ってマリオを助けます!」という触れ込みで、紙でできた自分たちの体を折りたたんでギミックに変形した姿を宣伝していた…が、実際に手伝ってくれるのはワールド1くらいしかない。
-シリーズにおいて今作が初登場となった主要格キャラは「ルーシー」「ハナチャン」「クッパJr.」ぐらいである。
--前々作までクッパの右腕だった「カメックババ」は''ただのカメック''といて登場する。((前作ではクッパが仲間になる都合上、側近ポジションのキャラを登場させるのが難しかったというのはわかるのだが。))。ただし出番が多くキャラクターや喋り方は確立されており、本作の敵幹部の中では個性が強い。
--クッパJr.はカメックと同じく数少ない名有りキャラだが、殆どストーリーに絡まない。冒険序盤でモノシールの試し打ち役として出てきて以降殆ど出番がなく、終盤で何の前触れもなく喧嘩を売ってくるだけで終わる。
-以前のシリーズで活躍したゲストキャラの登場も無い。
-このように、仲間の廃止によりキノピオの流用が目立つ、過去作ファンからの批判が殺到するなど問題点が浮き彫りとなった。
--過去作にいたオリジナルのキャラについてのネタは皆無ではないのだが、その全部が''ゴミ捨て場に捨てられたメモを読むとテキストで出てくる''のみ。''モノシールでゴミ捨て場を片付けてしまうと見られなくなる''。
///--これまでシリーズ皆勤だった、たんこぶでお馴染みの「コブロン」も、もちろん居ない。((会話も可能なかわいいモグラの様なキャラで、踏んだり叩いたりすると高価でアイテムとしても有用なタンコブを落とす。だがマリオが調子に乗って叩きまくると記憶や判断力があやふやになった挙句死んでしまうという割と笑えないキャラで、本シリーズのブラックさの一端を担っている。))
//↑前作でさよならと告げたので必要ないので非表示に。
-新キャラクターである「ルーシー」について
--マリオのサポートキャラとして登場するが、とにかく性格が荒く、何事にも文句が多いという棘の多いキャラである。
--ストーリー中でもこのキャラに対する深い説明がないため、あまり存在意義が無いキャラになってしまっている((一応あるボス戦については彼女がいないせいで一部の能力が制限される。))。「無言主人公のマリオの代弁の為だけのキャラ」と言ってしまってもいい。
--シールフェスタのためにシール星からやってきたという設定だが、シール星のどういった存在なのかどころか、そもそもシール星とはなんなのかすらも説明がない。~
いちキャラクターとしてみても掘り下げはかなり浅く、前述のシナリオの問題も合わさり感情移入できるような場面は殆ど無いと言って良い。
---仲間になる過程もかなり強引。というか理不尽。~
冒頭でシールコメットに触れ暴走したクッパによって、破壊された祭り会場の看板に張り付いて、助けを求めている。だが助けてあげると「あなたが汚い手でシールコメットに触ったからこんなことになったのよ!? 責任取りなさいよ! え? シールコメットに触ったのは自分じゃなくてクッパ? 他人のせいにするなんて卑怯なまねするつもり? レディーがこれだけ困ってるんだから手伝うのは当然でしょう?(要約)」といきなり怒鳴られる。
---マリオはマリオでこんな理不尽な言いがかりに対し反発することもなく同行する。冒頭からいきなりプレイヤー置いてけぼりである。
--一応シリーズ恒例のヒントを出してくれるのだが、''そのヒントが凄まじく役に立たない。''ただでさえプレイヤーに優しくない謎解きが多いのに、行き詰まった時の助けにすらならない事が殆ど。
---歴代キャラと違い、ヒントが必要か聞く選択肢が挿入されているほか、遺跡の迷宮では「迷わないように気をつけてね」、迷いの森では「適当に歩かないようにね」、とヒントではないことを告げたり、~
「ジャングルってむし暑いわ。」「雪よ! はじめて見たわ! すてき!」など、感想を述べたりすることがある。
//それどころか足もないのに''「雪道に足が取られて疲れちゃった」''という意味の分からない発言までする。
//↑これは単にプレイヤーに「お前足ないだろ」とつっこませたいだけのセリフであろうからCO
//--旧作のヒント担当キャラであったクリオとクリスチーヌはワンフロアごとに様々なメッセージを出しており、前作のアンナもフロアごととはいかないがそれなりに話してくれたのだが。
--また、旧作のナビゲーターキャラとのような、敵を調べる能力もない。そのため戦闘でもほぼ役に立つ事は無い。
///--クリオはマリオを純粋に憧れの対象として見ている憎めない弟分、クリスチーヌとアンナは単純な仲間関係に終わらず冒険が終わった後でもEDでほろりと思わせてくれるような印象に残るキャラだったが、こちらはというと…(ラストバトルの項にて後述)

-また、ピーチ姫、クッパ、ルイージとシリーズ皆勤のキャラも一応登場するが…
--今作のピーチ姫とクッパは、''全ストーリーの最初と最後にしか登場せず''、とんでもなく存在感が薄い。
---ピーチ姫は今回もいつも通りさらわれる訳だが、町のキノピオ達は誰一人としてピーチ姫の安否を気にも留めていない。
---その上、何故かラスボス撃破後のピーチの口調が終始敬語。本家シリーズならまだしもいつもの様な顔見知りの会話は一切無く、''お前ら初対面なの?''と訊きたくなる位である。
---クッパも敵として登場するのだが、今作ではなんと''一言も喋らない''(笑い声などのSEだけ)。((彼との戦いの直前に挟まれる中ボスのカメック戦では、戦いにこそ敗れるもののクッパの勝利を疑わず、マリオを嘲笑いながら燃えつきて灰になるというシリアスな演出が挟まれるのだが、肝心のクッパがこのザマなので拍子抜けである。))
---今作の彼はロイヤルシールの魔力により暴走状態にあり、完全に正気を失っている((今回の悪事は彼の本意ではなく、その点について反省している。))のだが、カメックもクッパJr.も一切そのことについて心配する様子はない。それでいいのかクッパ軍団。
---言うまでもなく両キャラ共に、これまでのシリーズにあったような操作パートは一切無し。
--ルイージに至っては、クッパ同様一言も喋らないどころかマリオと直接絡む場面さえ無い。''収集要素の一つとして登場するだけ''である。ルイージらしくはあるが。%%それでも前作では大活躍だったのに……%%
---特定のコースの背景に脈絡なく登場し、ペパライズではがせる。しかしやはり無言であり、はがすと何処かへ走り去ってしまう。
---その後、ラベルンタウンのとある家に%%緑のヒゲ%%ルイージの目撃とした新聞紙がいつでも見ることできる。~
そしてすべての場面の%%緑のオトコ%%ルイージを捕まえるとシリーズ恒例のエンディングパレードの指揮者役としてトップを飾る。

-結果「主人公であるマリオは、ただルーシーにこき使われてロイヤルシールを集めさせられるだけ。」という印象が強くなってしまった。~
--前作までは無言主人公ながら身振り手振りなどである程度の意思表示をしていたのだが、会話イベントが極端に少ない今作ではそれも多くなく、前作までは付いていたCVも搭載されていない。
-ワールドボスについても、ワールド1、ワールド4のボスには台詞が用意されているが、それ以外のボスは奇声や叫び声を発するだけで台詞を一切喋らない。

#region(ラストバトルについて(ネタバレ注意))
-今作のラスボスはマリオシリーズではおなじだが、RPGではマリオストーリー以来久々となるの「クッパ」である。
-ラストバトルの最終段階、ロイヤルシールのギラギラを纏いながらも追い詰められたクッパは突如巨大化。こちらの攻撃をほとんど通さない為実質的に無敵状態になってしまう。このままでは勝てないと踏んだルーシーは犠牲になり、自らをバトルシールとして使わせてマリオをパワーアップさせるのだが…。
--先述のルーシーの言動などから、感情移入しづらい。実際、盛り上がりに欠ける。
--その上、ルーシーの方は最後に''何事もなかったかのように復活する''。一応ロイヤルシールの力で蘇ったという説明があるが、本当になんだったのか。
--ちなみに長期戦にはなるもののルーシーを使わずにラスボスを倒すことも可能。ただし想定外だったのか展開に変化は全くない。さらに、''ピーチ姫を助けるまでの間にアルバムを開いてルーシーを捨てる事までできる''。
-大きくパワーアップしたマリオの強さと、それを意識した盛り上がるBGMのほうの演出は素晴らしいだけに色々と勿体なく感じてしまう。
--今までのシリーズの「ラスボスの無敵化を解除してから挑む最終決戦」とは違う「ラスボスと同じ土台に立てるパワーアップを果たしてから挑む最終決戦」というシチュエーション自体は盛り上がるのだが…前作のようにきちんと仲間の掘り下げをしていれば評価も違ったと思われる。
#endregion

***クリア後、おまけ要素関連
-今作はバッジや料理のレシピといった、コレクション性のある収集要素が無くなってしまった。
//ほしのかけらに関しては体力UPハートと似たような立ち位置かと
--100階ダンジョンや依頼も廃止。これらは存在自体が賛否両論あったのだが。
---シリーズ恒例のラスボスよりも強い実質的な裏ボスもいない。

-新しい収集要素としてシールを展示するできる博物館が存在する。
--前作までは''手に入れたら図鑑に記録された''のに対し、今作は''博物館まで出向く手間が生じる''。
---シールの収蔵記録が無いため、何を収蔵したかはプレイヤーが覚えておく必要がある。
--そして展示に''シールを消費する''仕様は地味に面倒。攻略に必要なモノシールは2回実物を取りに行き、2回シール化する必要がある。
---ただし、これは「同じモノシールを2枚持つことは出来ない」という仕様の割を食っている形になる。

#region(そして、苦労してシール博物館をコンプリートすると…(以下ネタバレ注意) )
--しかもその博物館でシールをコンプして出来る要素というのが、''いわゆる[[サウンドテスト>星のカービィ]](未完成)と下記のスーパーフラッグとザコ敵の攻撃アクションの閲覧ができるようになるだけ''である。
--このサウンドテスト、''通常プレイなら二度と聞けないボス戦などの曲は一切入っておらず、その気になればいつでも聞けるステージ曲ばかり入っている''。
--ザコ敵の攻撃アクションなども見れるが、見るためには何故か毎回1コインを消費する。
#endregion

-他にスーパーフラッグという、簡単に言えば実績システムのようなものがあるが…。
--ショップで合計10000コイン使う、攻撃を1000回成功させる、等々正直言って面白みや達成感がある条件とは言い難い。
--''コンプリートしてもメリットはない''。
-クリア後に追加される要素はなんと''スタッフロール観賞のみ''。((一応書いておくと過去シリーズもクリア後に追加される要素は少ない))

***その他
-フィールド上におけるアクションがジャンプ・ハンマー・ペパライズの三種だけなので、謎解きが単調になりがち。
--今までのシリーズで冒険が進むごとに新しい仲間や新しいアクションを習得し、その度に謎解きのバリエーションが増えていったのだが、今作は本当にペパライズくらいしかやることがない。
---そのためマリオのRPG系列の醍醐味である「新しい能力を手に入れたから今まで行けなかったあの場所に行ってみよう」という要素が極めて少なく、一本道の世界観の狭さに拍車をかけてしまっている。
--謎解きがゼルダシリーズに似ていることは確かなのだが、あちらと違って弓矢、爆弾、フック(クロー)ショット等々の様々な行動が取れるわけでは無く「この場面ではどの能力・アクションを使えば良いのだろうか」など考えたり、それを実行するような楽しみは皆無。
---近しいものとしては「ここにはどのモノシールをペパライズで貼り付ければ良いのだろうか」という場面には何度も出くわすが、やることは結局「行き詰まったらとりあえずペパライズ」である。
---そして使うべきモノシールが分かったら分かったで「モノ入手」→「コースから出てシール化」→「目的地に徒歩で戻る」→「ペパライズ」の工程を一々挟むことになり非常に面倒臭い。
----
**賛否両論点
-謎解き・戦闘そのものの難易度は旧作に比べて高めで、歯ごたえそのものは十分。HPもシールも少ないジリ貧状態で奥に奥にとコースを進んでいくハラハラ感は人を選びつつも中々楽しめる。
--ただ効率的にプレイしようとすると必然的にガン逃げゲーになるので、目ざとく追いかけてくる敵シンボル相手にストレスがたまること請け合い。
--そしてどうプレイしたところでコースを出入りする度にオートセーブが行われるため、負けたところで大した損失はない。そこを評価点と呼べるかは何とも言い難い所だが。
--一部のヒントが不親切な謎解きやボスの弱点探しはむしろ批判点として挙げられる事の方が多い。
----
**評価点
-一つの作品として見れば無難にまとまっている。
--特にバグなどもない。また後半急激に尻すぼみになるものの、遊べないほど内容が薄いわけではない。
--面クリア型の謎解きアドベンチャーとして見ればごく普通の内容ではあるし、ザコと戦う必要が薄いという事に感付いてしまえばスムーズに進める。

-ストーリーは控えめになったとは言えど、各コース内で強烈な個性を発揮するエピソードもいくらか見られる。
--ワールド3のハナチャンの成長は絵日記と共に綴られて行き、色々削られた今作の中でも相当力が入れられている。終盤の展開からして意図したものだろう。
--ワールド4ではお化け屋敷のようなコースも登場。紙である事を活かしたネタも仕込まれており、今までと一風変わった雰囲気を楽しめる。

-事前に語られていた通りに「シュール」系のネタも多数仕込まれている。
--紙とダンボールだけで作れた世界観に不自然な3Dアイテムが置かれている様のインパクトは大きく、思わず笑いが溢れる。
--普通に進むだけでも、いきなり巨大な扇風機が出てきて邪魔をされる、普通の仕掛けに混ざって突然リアルなカーリングストーンが流れて来る等々……。
--ワールド1-5ではピタゴラスイッチのような大々的な仕掛けが見られる。
--ワールド2-5では背景のヒエログリフ風の敵が突然動き出してごく自然にシンボルエンカウント。そのまま壁画の姿なので異常にキモい。
--ワールド4-1では&bold(){突然ブランコに乗ったキャサリンが襲来}し、勝手に歌いだしてそのまま何処かへ消えるという謎イベント。アルプスの少女ハイジが元ネタらしく、ヤギを落として行く。

-今作で初めて「ペーパー」化した原作キャラも多い。
--オリジナルキャラを尽く削ったというだけあり、その分だけ本編マリオシリーズのキャラクターが豊富。
--長らくレギュラーキャラだった「クッパJr.」が台詞を引っさげてまともな悪役で出るのは久々。『[[マリオ&ルイージRPG]]』では今まで出番すらなかった。
--「プー」や「クラッシャー」と言った、RPG作品では見かけない雑魚もばっちり登場。わざわざ専用のアイテムシールまである。

-問題点は多いものの「シール」「ペパライズ」と言った新しいシステムの開拓。
--「邪魔な仕掛けの蓋」「無限ループの迷いの森でマーキング」「線路の道が足りないから無理矢理増やす」など、「とりあえず実体化させるだけ」というありがちなにものに留まらず、マーキングや道造りと言った形で様々な面への有効活用が見られる。
--特に『特定の敵(結果的にボスのみだが)に有効なモノシールを使う』というシステムは、きちんと昇華させればもっといいものになったはずである。

-徹底的に「紙」にこだわったグラフィック
--据え置き機による美麗なムービーとはまた違った質感を持っており、趣の違った美しさがある。
--足場は全てダンボール細工、衝撃でシワクチャに、水を受けるとヨレヨレになるマリオと言った具合に、ほぼ全ての要素に紙のグラフィックである事が反映されている。

-シールを使ったギミック
--正解のシールを探し出したり、用意して貼るという謎解き自体はやっていて楽しさがある。
---SEにも拘りが見られており、剥がす際のSEはなかなか快感。
--今作は今まで以上に「紙」を意識した構造になっており、''それを生かした変化やアクションは見ていて爽快である''。
--また、バトル中に使う「モノシール」も見ていて面白いものや、ちょっとしたファンサービスもある。
--博物館でしか説明が入らないものの「モノシール」に関しては、説明までも同じく見ていて面白いものもある。 ただし、そのおかげで「モノシール」の効果がわからないという欠点を持つものもあるが。

-シリーズとは異色のBGM
--今作のBGMは、今まで評価の高かったペーパーマリオシリーズとはちがい、ジャズがメインとなっている。
--場に合わない曲調もあるが、前述の柔らかなグラフィックに合っていると評価されている。
--特にボスゲッソー戦、ラスボス戦の最終局面などの評価が高い。
--中には『[[6つの金貨>スーパーマリオランド2 6つの金貨]]』のアレンジBGMまで存在しており、分かった人はなかなかの通。

-ペーパーマリオシリーズ伝統のブラックユーモアも一応健在。
----
**総評
ゲームそのものはバグや不具合などもなく、全体を通して無難にまとまっている。各コースのギミックや演出も紙やダンボールである事に拘った斬新なものが多い。~
しかし、前作まで評価されていた部分の大半が消滅・改悪され、シールに依存した新しいシステムはプレイヤーへの配慮が行き届いておらず、戦闘・ペパライズなど今作はテンポ面での短所が目立ち、弱点が分かり難いボス戦の存在や、バトルに関する詳しい説明・チュートリアルが皆無であるといった事がとっつきにくくさせている。~
何より、個性的なキャラクター達が織り成すドラマや感動的なシナリオなど、''前作までのペーパーマリオシリーズの魅力の大部分を殺してしまった''事が非難の的となっている。~
売上としては好セールスを記録したものの、従来のファンからの評価は低い。
----
**余談
-このゲームの開発中に任天堂の情報開発本部長である宮本氏が口出し、所謂「ちゃぶ台返し」が行われたと『社長に訊く』にある。
--この口出しにより1度は完成に近づいていたこの作品の作り直しが行われた。他にも、宮本氏からは「ストーリーは必要最小限でいい」、「可能な限り『マリオ』の世界のキャラだけで完結してほしい」という要望があったとのこと。
---結果的にこの要望が今作の悪評の原因にもなっている点は残念としか言い様が無い。プレイしていて目につくバランスの悪さ、全体的なボリュームの少なさ((事実、プロデューサーの田邊氏はOfficial Nintendo Magazineのインタビューで、開発期間の問題でクッパ城等でいれるはずだったミニゲームを入れられなかった、と告白している。))等もちゃぶ台返しが起きたことによる開発期間の収縮からきているものと思われる。マリオシリーズにおける宮本氏の存在の大きさをうかがわせるとともに、これらの要望をスタッフ陣は「縛りのような物」と例えているという点からも、今作の制作がとても難儀していたであろうことを伺わせたインタビューであった。
---しかし、『[[マリオストーリー]]』もほぼマリオの世界のキャラだけで完結していたことを考えると、少なくとも原点に返ることぐらいはできたのではないだろうか。そのマリオストーリーと比較すると、本作のストーリーは「必要最小限」すら下回るレベルの薄さである。
--今作のRPGの構造を意図的に崩したスタイルも「『[[もぎたてチンクルのばら色ルッピーランド]]』でできていたことを、今度はシールでやってみよう。」というものを目指したものだという。
---…残念ながら、『チンクル』の方にも総合的な完成度で大きく劣っている事は否定できない。

-翌年に同じく3DSで別系列のマリオRPGシリーズである『[[マリオ&ルイージRPG4 ドリームアドベンチャー]]』が発売されている。
--ペーパーマリオシリーズとマリルイシリーズが同じハードで発売されるのは初となる。
--「マリルイシリーズ10周年」を記念して過去キャラの再登場などでファンサービス、いつもは不憫な扱いを受けているルイージの活躍のピックアップ、1作目で立ち上げた基本は守りつつ新要素を加える「いつものマリルイシリーズ」だった為、こちらは従来のファンからの評価は高い。「いつものペパマリシリーズ」から抜け出そうとして失敗した本作とはいろいろな意味で対称的な作品である。

-2015年末には同じく3DSで『[[マリオ&ルイージRPG ペーパーマリオMIX]]』というマリルイシリーズとペパマリシリーズのクロスオーバー作品が発売された。
--しかしそちらはマリルイが主導であり、「ペーパーマリオがアルファドリーム製作のマリルイシリーズにゲスト出演」という形になっている。これはやはり双方の新作の出来を比べられたからでは…と考えるのは邪推というものだろうか。

-ペーパーマリオシリーズ自体の新作としては2016年にWii Uで『[[ペーパーマリオ カラースプラッシュ]]』が発売されている。
--本作の路線を受け継ぎつつも、本作での問題点を殆ど解消した作りとなっている。
---が、やはり「本作の路線を引き継いだ」という点をセールスにしているのがネックだったのか売り上げを大きく落とすことになってしまった。