「パワプロクンポケット7」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

パワプロクンポケット7 - (2021/03/23 (火) 18:38:29) のソース

#contents()
----
*パワプロクンポケット7
【ぱわぷろくんぽけっと なな/せぶん】
|ジャンル|野球ゲーム|&amazon(B0003H2R6U)|
|対応機種|ゲームボーイアドバンス|~|
|メディア|64MbitROMカートリッジ|~|
|発売元|コナミ|~|
|開発元|コナミコンピュータエンタテインメントスタジオ|~|
|発売日|2004年12月2日|~|
|定価|4,980円(税別)|~|
|判定|なし|~|
//↑判定変更の際は手続きを踏んでください。https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/4889.html
|ポイント|''野球部分だけなら間違いなくクソゲー''&br;''バグまみれ''、それもバランス崩壊級のバグが多い&br;「別の正義」がテーマとなるシナリオは相変わらず好評&br「ヒーロー」の台頭によってシリーズの方向性を決定づけた1作&br;''良くも悪くも「ヒーロー」が前面に出されているシリーズ''|~|
|>|>|CENTER:''[[パワプロクンポケットシリーズリンク>パワプロクンポケットシリーズ]]''|
----

**概要
本家とは似ても似つかないシナリオや彼女、サクセスで人気を集めてきた[[パワプロクンポケットシリーズ]]の7作目。~
本作のサクセスモードは高校野球を舞台にした表サクセス「甲子園ヒーロー編」と、RPG形式の裏サクセス「大正冒険奇譚編」の2つ。~
GBA最終作の『[[パワポケダッシュ]]』はカード野球であるため、GBAパワポケのアクション野球ゲーとしては最終作。~
だが、そのバランスは……。

----
**ストーリー
-甲子園ヒーロー編
地方大会予選の試合。場面は1点ビハインド、9回裏ツーアウト。主人公と湯田はもうすでにあきらめムード。~
そんな中、突如球場にレッドと名乗る謎のヒーローが登場。レッドは「この私が来たからには安心したまえ!」と言い、見事逆転サヨナラを決める。~
始めは野球部強化に歓迎する主人公達であったが、助っ人のはずが野球部を段々占領していくヒーロー達。果たして花丸高校野球部員の運命やいかに。~

ヒーローを名乗る助っ人集団によって居場所を奪われてしまった主人公含む花丸高校野球部員達が、打倒ヒーローと甲子園優勝を目指すストーリー。

-大正冒険奇譚編
帝都の冒険探偵である主人公は1万円という多額の借金((この時代の1円は現代の5,000円ほどの価値がある。現在で言うと1000万円は下らない。))を背負って困っていた。~
主人公は野球人形のコンテストで優勝し、大金を得ようとしていた。しかし、もう冒険の費用もパーツを買う金もほとんど残っていない。そんな中、怪盗に盗まれた宝石を取り返して欲しいという依頼が入る。~
借金地獄から抜け出すチャンスと主人公と湯田は早速現場に向かう…。~

主人公は借金返済と野球人形完成を目指し、規定日数の中冒険の依頼を受けて資金を稼ぐのが目的となる。

----
**問題点
''野球パート(最大の問題点)''
-本作の最大の問題点と言えるのが野球の試合。
--GBAパワポケは『3』からシリーズを重ねるたびに進化を続け、『[[6>パワプロクンポケット6]]』ではGBAの野球ゲームとして十二分に進化を遂げた。
--が、本作は『[[5>パワプロクンポケット5]]』『6』と比べ物にならないくらい酷い。
--シナリオやキャラを評価するファンも「''野球だけは擁護出来ない''」との意見が多数。

-主な問題点。
--送球が早くなっており肩Gでもフェンス際からのバックホームが余裕で到達する。
--外野にヒットを打っても、一塁に送球してくる。草野球でもない限り、通常はありえない光景である。
--「送球〇」が無くても外野の送球がそれにくい。
--守備時、走塁時の加速スピードが下がっており小回りが利き辛くなっている。
---外野のあり得ない送球と走者の反応の悪さのため、俊足かつフェンスギリギリでないとタッチアップは成功しない。((捕球直後に送球された場合、絶対成功しない。原因はフライ時のリタッチ判定が以前より厳しくなっているため。))
---このような仕様をAIが汲み取っているのか今作のCPUはタッチアップを一切してこない。

--ピッチャー返しをほぼ100%捕られる。
---真芯時の強烈な球を稀に弾くのみで、大体は捕球される。((ピッチャーの打球に対する反応が、他の内野手と同じになっている。))

--一塁から三塁(二塁から本塁)まで直接走れてしまうバグがある。
---これのみでは次の塁への道のりが難しくなるだけであまり使い道がなかったりするが、''応用すれば一塁を踏んだ直後に本塁に帰ってきてランニングホームランができてしまう。''

--走塁マニュアル、セミオート時は''ランナーが各塁で必ず硬直し、スムーズな走塁が出来ず進塁が非常にやり辛い。''三塁打を狙うことはまず無理である。
---CPUはこのバグの影響を受けずスムーズに走塁する。''
---サクセスでは走塁オートが選択できないためこのバグを回避できない。
--3ボールの時に塁上のランナーに盗塁を仕掛けさせて四球になるとファーストに送球してフォースアウトになる。
--3ボールの時に投手が暴投すると、四球を選んでいても振り逃げ扱いになる(普通はセーフになるから問題ないが、稀にファーストに送球されてアウトになることがある)。

--前作に比べカメラが打球や送球に遅れ気味に追従する仕様となっており、球の先がどのようになっているのかがわかりづらくなっている。ホームラン性の当たりを打つと画面が打球に追いついていないといった珍妙なことも起こる。
---さらに、今作の打球は『6』に比べ初速が遅い変わりに落下地点付近でも打球の勢いが衰えにくい仕様になっているため、カメラの仕様変更も合わさって落下地点が読み辛くなっている。
---そして守備の小回りの利き辛さもあるため外野操作はかなり慣れが必要である。ライン際の打球の処理は非常に難しい。
---他のシリーズをやり込んでいても確実に苦労する。
---攻撃時のフライかフェアかの判断もし辛くなっている。

--ゴロの転がり方が異常であり、詰まったゴロでも外野まで転がれば簡単にフェンスに到達する。捕球損ねた場合、走塁バグの無いCPUには2塁打、3塁打を簡単に打たれてしまう。
---その転がり方は打球や送球がバウンドした瞬間加速したかに見えるほど異常。
---そのため外野ゴロが発生する異様な仕様になっている。
---ランナーが一塁にいる際、センターに速いゴロを打つとセンターがボールを素早く二塁に送球しセンターゴロになる。
---同様にライトに速いゴロを打つとライトゴロになることが多い。
---ゴロが早くなったせいで内野安打が出づらくなっている。
---スピードのせいで強めの内野ゴロに追いつくのは至難の業。画面の切り替えも従来通りなので、わずか1秒程で操作する選手を判別しなくてはならないという、ほぼ無理ゲーに近い状況も発生しうる。
---内野を抜けた球に外野が追い付けないこともざら。

--弾道が高めの打球を飛ばした時の効果音おかしくホームラン性の当たりでも外野フライのような力の無い音がする。
--バントをすると打者の走力が1になってしまう。
--特殊能力「体当り」「ブロック○」が機能していない((走者が必ず滑り込みをする。))。
//--ベースカバーをとにかく優先する。そのため、取れるような球を落とすことも((二、三塁間の打球を二塁手と三塁手がベースカバーを優先したせいで外野まで持っていかれるなど。))
//『6』以前でも多かったためコメントアウト。
--ダイビングキャッチは飛び込みが異常に遅くなっており逆効果になる。
--一塁走者が走力15、「神速」、「盗塁○」持ちの場合、ウエストしても盗塁を阻止できない。

-良くなった点は以前に比べて、サブポジションを守っても守備の動きがあまり遅くならなくなったことと、効果音が一新されていることぐらいである。
--『6』以前はメインポジション補正が強く、サブポジと大きく守備能力が違っていたが、今作では能力依存が強くなっている。そのため、サブポジでも能力が高ければ早く動ける。その反面能力差で守備速度が大きく変わる。
-『6』の盗塁技が削除された。
-AIはかなり強化されており『6』以前と比べ送球の際はこちらの動きを見極め((フライ捕球時に走者が塁に止まっている時は送球しなし。また、盗塁時は『6』のようにすぐ送球せずアウトに出来るギリギリで送球するためAIの穴を突きにくくなっている。ただし、三盗時の送球が遅くなりがちになる、先頭ランナーをやたら気にするなど癖はある。))、走塁の際は進塁が可能か綿密に計算され、厳しい場合はすぐ帰塁するようになり暴走でアウトに出来ることは殆どない。


-クリアするだけなら3年目の万台高校とパワフル高校に勝てばよいだけなので、クリアだけなら難易度はシリーズでもかなり低い部類に入る。
--ただし前述の糞野球パートもあって、油断していると負ける事もたまにある。
--しかも負けてしまったしまいには、野球仙人(スタッフ)にプレイが下手だと言われて、何かとストレスが溜まる。
--『4』~『6』もクリアだけなら楽で、甲子園・日本一・裏野球大会の優勝などを目指すと辛いがストーリーの流れとしては主人公の目的自体は果たされておりノーマルENDでもそこまで後味が悪いわけではなかった。((とはいえ、4は同級生が謎の失踪、5は入れ替わった相手が奴隷になるので少し後味が悪いが))
--''本作ではノーマルENDでクリアしても悲惨極まる未来が待つ。''回避するには「壁」を乗り越えなければならない。

#region(本作の悲惨極まるノーマルEND・バッドENDと、トゥルールートへの「壁」)
-パワフル高校に勝ったとしても、甲子園メンバーはヒーロー中心で進められヒーロー達が強かったから甲子園で勝った事になる。
--そしてノーマルエンドでは''「プロへ行ってもヒーロー達が幅を利かせており、主人公を初めとしたただの人間はベンチに座るしかない」''といった悲惨極まる未来が待つ。
--これは「''バッドエンドは笑えるほど悲惨な方がいい''」というスタッフ発言があるのだが、本作はノーマルエンドでも十分悲惨である。
-甲子園へ行けなかったバッドエンディングでは「甲子園に行けなかった責任を取らされ、主人公がおうど色マスクとしてヒーロー入りさせられる」などの内容もある。
--大団円となる真のエンディングを狙う場合はパワポケシリーズ屈指の高難易度となる、''「ヒーロー達と野球部を賭けて野球対決するイベント」''をクリアしなければならない。
---しかも後のシリーズでは7主人公達がヒーローに勝負を挑んで彼らの暴走を止めた事を前提として「正史」が動いている。

-真エンドに行かない場合、かなり後味の悪い結末を迎えるため真エンドを目指したくなるが、前述のとおり野球部分は最悪の一言であり、難易度も高い。
--ちなみに大半のプレイヤーが真エンドに必須であるヒーロー戦に進むであろうが、前述の高難易度な上に負けた場合は屈指のトラウマエンドとして名高い「''しあわせ''」((主人公達がヒーロー達により洗脳され野球の事しか考えられなくなるという末路を迎えるのだが、最後に幼児退行を思わせるグネグネとした主人公達の一枚絵が鐘の音と共に表示される、非常に不気味で後味の悪い内容となっている。))が待ち受けている。
--バランスの悪さを抜きにしてもビハインドから始まるヒーロー戦はクリアしづらく、プレイした事のある人ならば一度は見る事になるであろう…。
--そのヒーロー達の能力は、''「ほとんどの選手がパワーB以上(投手含む)」「パワーが弱めのヒーローも特能満載だったり技巧派」「何かしらの能力でAを持つ」「大体B以上の走力・守備力・肩力((耐エラーだけは1Gの選手が多いが、当時はマスクデータであり確認する手段すらない。また守備力自体は高いため、実際のエラー発生率はそこまで低くならず、弱点として機能しているかは怪しく、「守備力の割にエラーしやすい」という印象くらいしか持たないと思われる。))」「投手はスタミナA・球速150km/h超えが当たり前」''という大正義っぷり。試合の状況が1点ビハインド、無死走者一二塁という逆転のチャンスなのが唯一の救い。
---ただし後述の隠し彼女・芹沢真央シナリオではブルーの差し金で襲ってきたピンクから真央を助けるために主人公が途中まで抜けるためか3点ビハインドと更に厳しい状況から始まる。その代わり、イベントの流れで敵の主力2名が抜けてショートに穴が開く。((余談だが、この2名はDSパワポケでも準レギュラーになるが、野球選手としてもパワーは低めながら技巧派であり、後の作品で最強アレンジチーム「デビルスターズ」にも参加している。))
---ブラックに至ってはパワーが弱い代わりに特殊能力満載であり、デビルスターズにも『8』から『14』までずっと在籍している。正史では真央の助力を得たと思われるので野球には参加していないが、真央ルート以外では敵になる。
--前述の駄目野球システム+ヒーロー達の能力の高さが大きな壁となり、河原で特訓する・ヒーローの力の源であるラッキョウを封じて絶不調にする・引退した東キャプテン((最強状態ではオールAに近いステータスでヒーローにも引けを取らない))を呼び寄せる・真央が黒野博士に作ってもらった「ヒーローを弱体化させる機械」を使うなどのシリーズ恒例の裏工作をフルに行ってもかなり厳しい。&br()見事撃破したその後も圧倒的な能力を誇るヒーロー(と本来引退している東キャプテン)を欠いた状態で甲子園に挑むことになる。
--またこの試合のみ能力が高い黒打がいなくなる。ミスリードを誘う演出とは言え、試合に出場させる条件があっても良かったのではないだろうか。
---しかも優勝後にヒーローとの最終決戦((ミニゲーム))があり、当然負けたら即ゲームオーバー。((ゲーム自体はかなりの運ゲーでカッター攻撃を連発されると一気にガンダーロボの体力が削られる。))おうど色マスクにされる。
-余談だが『14』のトツゲキ甲子園でもヒーローズの大正義っぷりはいかんせんなく発揮されている。そちらの野球システムはかなり進化しているので「普通に強い」程度で済むのだが、本作は糞野球に加えて絶望的な戦力差とリスクを背負っているので訳が違う。
#endregion


-バグを抜きにしても、歴代でもプレイヤー側に不利な要素がやたらと多い。以下詳細。

-主人公が野手の場合、「阿部」というモブキャラがピッチャーで登板することがあるのだが、このキャラが''全体的に能力が低く変化球がLv2のカーブしかないために頻繁に炎上する。((しかも「ピンチ×」、「ランナー×」持ち))''&br()あまりの炎上っぷりに「''炎の化身''」と呼ばれるほどファンにネタにされており、しまいにはアンサイクロペディアにそのことを書かれる始末。
--サクセスでは「湯田または主人公」「古河」「周」「村野」「阿部」の5人が登録されているが、登板の優先順位が「湯田」/「主人公(投手)」>「古河」>「阿部」>「村野」>「周」((もちろんこの中で最も弱いのは阿部))と阿部の優先順位がやけに高い。そして本作もリメイクの『1・2』『6』と同様に、自由に選手の交代や変更ができない。
---なお、ヒーローを除くと花丸高校はスタミナCの投手が「湯田」と「古河」の二人だけで、変化球を三種類持つのが「周」しかいない((ただし河原で特訓すれば阿部以外は変化球を三種類持つようになる))。阿部抜きにしても投手陣は貧弱。((顔グラの影響で非公開だがマイナス特殊能力も多い。))
--特に甲子園の決勝戦である「二十六(ニトロ)高校」では、7回裏の守備、同点ではあるものの無死満塁という最悪の状況から始まるため、こんな所で起用されたらほぼ確実に炎上する『ダッシュ』のニトロ高校のキャラ「富流斗」の紹介では、湯田(本作のメガネ)らしき人物が「あぁ、また阿部君が炎上したでやんす……」と絶望の声を上げるネタがあった。
--その上、比較的能力の高い投手の「周」と「古河」はランダムイベント次第では''(ギャグで)ヒーローに大怪我を負わされたりボロ雑巾にされて退場する。勿論、紅白試合でのヒーロー戦後は消えるので甲子園では使えない上、古河が抜けると阿部の起用率を上げてしまう。((一部の試合では特定条件を満たすと湯田以外の選手全員が好調になる仕様があるが、湯田が投手の状態で古河が抜けていると必ず阿部が起用されるという最悪の状態が発生する。))


-『台場』がパワーアップすると外野に回されることが多い。この選手は他より走力と守備力が低いため守備速度が遅く穴になる。また、この場合サードには『潮』という能力補正がかからないゴミ選手が起用されるようになりチーム力低下に繋がってしまう。

-「特定イベントを起こしてキャラの能力をパワーアップ」というのは過去作と同様にあるのだが、本作はそれに該当するイベントがほぼ全てランダムイベントの為、キャラをパワーアップさせるには完全に運頼みになってしまう。((仲間評価を上げれば幾分能力は上げれるが、それほど大きなパワーアップは望めないうえ、本作は前作「6」と比べて仲間評価の上がり具合がランダムイベントに依存するためさらにトゥルーエンド到達の難しさに拍車をかけてしまっている。なお、しあわせ草バグを使えば仲間評価がべらぼうに上がった状態で始められ、この時はヒーローに負けない能力値になる。))

-味方野手の仲間評価による能力補正の仕様が嫌らしい。
--前作同様仲間評価30毎の三段階で能力補正がかかる仕様になっているが一、二段階目の時点ではあまり補正がかかからず、三段階目にしてようやく大きな補正がかかるようになっている。
--前作までは各段階に比例して能力補正がかかっていたが、今作は一段階目は肩力+1のみ、二段階目は守備力+1のみ、3段階目にしてようやく「パワーとミートと走力」に補正がかかる。三段階目のみ二段階目から追加で「パワー+15or6、ミート+1、走力+1、肩力+1」と大きく上昇し、明らかに偏っている。
--前作まではミートは一段階目で上昇し、各段階毎にパワーが比例して上昇していたが、今作はマスクデータの「耐エラー」しか伸びなくなっている。
--今作の仲間評価の上げ辛さも相まって余計嫌らしく感じる仕様になっている。
--投手はこれまで通り、スタミナとコントロールが比例して上昇する。

-新たに登場した「成績」のパラメータ
--今作では成績と呼ばれるステータスが存在し、野球の練習で減少し、自宅での勉強やお香の使用で上昇する値となっている((しあわせ草使用時に一定の確率で値に応じて増減))。
--問題点は一定以下の値になると「赤点」というバッドステータスになり、野球の練習の代わりに40%の確率で補習を受けさせられるという大きなデメリットが存在する。
--そのため、「赤点」状態を回避するためには定期的に自宅で勉強をして行動を潰すしか方法は基本無く、今作が強い選手を作りにくい原因の一つである。
---また、この値を高い状態を維持するメリットも大して存在せず、逆に高すぎると仲間評価が-15されるイベントが存在する。
---前作までのマニアポイントと似ている部分があるが、あちらは練習さえしていればまず「マニア」にならなかっため気にならない要素であったが、今作では逆のため、対策をしなければ必ずバッドステータスになる鬱陶しい要素である。
---あまりに評判が悪かったためか以降のナンバリング作品では廃止となった。パワポケダッシュにのみ復活している。

-やる気が下がるイベントやマイナス能力を取得することがあるイベントが定期、ランダム、うろつき問わず非常に多く、練習効率が悪くなりがち。そのため能力が上げにくく、オールAなど無理ゲーもいいところであり、オールBができればかなりのもの。
--そのため普通にプレイしているとやる気が常に絶不調になってしまうことが多く、これを回避するには彼女を作る以外方法は無い。

-後述する「育成完了した選手を再育成出来るバグ」を使えば野球での難易度は下がるものの、裏を返せば''そんなものを使わなければいけないほどバランスが崩壊している''とも言える。
--しかも仮に最強投手を育てていても監督の采配で阿部が登板して炎上するリスクは少なからずある。''「人は忘れることが出来るから生きていけるでやんすよ。阿部君の炎上を全部覚えていたら辛くて仕方ないでやんすよ」''

''その他の問題点''

-本作よりパワポケポイントを使う隠し彼女「芹沢真央」が登場したが、彼女のトゥルーエンドに行く場合さらに難易度が上がる。
--一番の問題は''どんなにフラグを立てても、行ける確率が24%という点。''
--まず告白のシーンでわざと確率70%の選択肢を選んで告白を成功させる。&br()そのまま進めると会話シーンが流れるのだが、実はこのとき35%の確率でセリフが変わる場合があり、変わるとトゥルーエンドに行ける。
--仮に彼女のトゥルーエンドへ行かなければ悲しいビターENDになる。''「気のせい、ヒーローは泣かないから」''
--変わらなければリセットするしかない。しかしパワプロシリーズの伝統で、''リセットを5回するとセーブデータが消去される。しかもリセットするたびに能力値は落ちる。''それに、本作の能力の落ち具合は、過去シリーズとは比べ物にならないほど凄まじい。((2回目の時点でパワーと耐エラーが下がる。))
--さらにその後真エンドルートに進まなければならないため、''前述のトゥルールートの条件である特別試合・甲子園優勝・最終決戦''を成し遂げなければならない。
--無論、真央のフラグ成立までにリセット回数を削られるため難易度は更に上がる。
---ちなみに後述する「しあわせ草による再育成バグ」を活用すればセーブデータを複製できるので粘ればなんとかならないでもない。
---彼女のルートのヒーロー戦はシナリオの流れから敵の主力2人が抜けて、黒野博士から預かった「ヒーローを弱体化させる機械」を使って敵を不調(敵がいきなり3連続四球になるのみでラッキョウ作戦か人工精霊で無いと相手の調子は下がらない)に出来るが、その一方で通常のヒーロー戦よりも自チームが不利な状況から試合が始まる。
--ちなみに変わるセリフというのは、主人公の「さあ、練習練習!」が「さあ、練習練習''!!''」に変わることのみ。''わかるか!''
--一応、真央は「野球超人伝」を持っているので育成の旨味はある。告白もビターED確定だが好感度があれば100%成功する選択肢はある。
--また、実はトゥルーとビターでもらえる経験値や特殊能力に違いは一切無く、育成のみを考えたらそこまで拘る事でもなかったりする。

-通信機能を利用した「俺の基地」というモードが存在する。「俺のペナント」をクリアして資金をためて兵器を買い、通信対戦してポイントを入手するモードだが、CPU対戦ができない。そのため、通信を行う友人がいなければ無意味なモードと化す。


-ラスボス戦であるガンダーロボのミニゲームが練習でプレイできない。『3』『6裏』でも同じ問題点があったが本作は他の仕様がアレなので理不尽さが大きい。
--なお『8』ではラスボス戦に相応するミニゲームも練習できるようになった。ありがとう灰原隊長。

-パワポケポイントを使わなければ登場しない隠し彼女システムだが、以後の作品でこのシステムが使われたのは『8』の紺野美空、『9』の神田奈津姫だけで『10』からはポイントを使っての隠し彼女の追加は廃止された。
--このゲームだけ見ても「パワポケポイントによる隠し彼女の追加」はそのキャラを攻略したい時に持ち込めるアイテムを圧迫するだけであまり機能しているとは言い難い。しかも真央は攻略上ランダムが絡むせいか、バグによるポイント無限でも使わないとプレイするたび無駄にポイントを消費してしまう。
--3作で廃止されたのは真央の存在が大きすぎたという意見もある((『8』の隠し彼女の美空はあまり本筋に関わらず、『9』の奈津姫は実は敵に内通している設定で本筋に関わっておりグッドエンドで「HAPPYEND」と言われるあたりで真央ENDを彷彿させるが、真央と違って奈津姫は通常のルートでも最終的に主人公の味方についている。))。

-バグが多い。後述するが、能力を上げられるしあわせ草のバグやポイントが無限になるバグ、''一度登録した選手で表サクセスをやり直せる''、裏サクセスでゲーム進行不可能になるバグなど様々。繰り返し述べられている野球の酷さといいバグの多さといい、デバッグ及びテストプレイを本当にしたのだろうか?
--野球は論外だが、バグはプレイヤーにとってプラスに働くものもあり、これらバグのおかげでストーリーを楽しみやすくなったという意見もある。

-「おまけ」の「コレクション」に過去作の人物をいくつか集めた第二のプロフィールがあるのだが、ほとんどは''スタッフが酔っぱらって書いたとしか思えない''ようなおかしなものばかり。
--キャラクターの紹介をほとんどしておらず、内輪ネタやキャラに対するスタッフの個人的な感想を書いているものばかり。シリーズファンを狙ったネタなのかもしれないが、未経験者にとっては意味不明もいいところであり、人によっては不快感を感じるものすらある(2の野々村愛や4の真賀津など。特に真賀津においては、少なくとも「そう思っていても言ってはいけないこと」である。)。ただ、1の鋼や3の教団員、5の吉江などまともに解説しているキャラも少数だが存在する。
---この第二のプロフィール、ポイントを使ってガチャガチャをすることによって入手するのだが、ダブることがある。
---ちなみにモブキャラの木村((2に登場。当時はモブ扱いで顔すらなかった。))がなぜか載っているが、後の作品にてシリーズの核心に関わるキャラとして再登場する。

-プロフィールに本作の表サクセスに登場したライバルキャラクター達((阿和尾、雨月、鶴田、目史亜、亜礼久、衛具是、富流斗))の紹介がない。
--これは恐らく容量の都合も考えられ、[[パワポケダッシュ]]の図鑑にてようやく紹介される事になったが、初登場となる本作で紹介されない事を惜しむユーザーはやはり多い。
--「第二のプロフィールを作る位ならその分彼らの紹介に容量を回して欲しかった」と言う批判はそれなりにある。この点が大きくマイナスに響いたのか、8以降、第二のプロフィールは廃止となった。

''裏サクセス''

裏のサクセス「大正冒険奇譚編」はシリーズでは『4』、『5』に次ぐ3回目のRPG

-システムは4や5の使いまわしであり((一応基本能力パーツや特殊能力パーツの値段は一新されている。4と5比べると、野手の場合「ミートカーソル+」が安くなった代わりに「パワー+」の値段が激増したりなど))、新鮮味がないという批判意見もある。さらに冒険と言いながら実際はただ一本道を進むだけの単調なもの。
--本作も時間の経過とともにパーツの値段が上がるのだが何故か『4』『5』と違って売却時はどんなに時間がたっても値段はサクセス開始時と同じであるため、終盤にクエストで手に入れたパーツを売ってもほとんど金にならない。そのかわりマイナス特殊能力の売却は安く済むのだが……。
//ちなみにこれに関してはスタッフがインタビューで「正直これで十分だと思うんです(笑)。道に迷うのはストレスが溜まりますからね」と語っている。もちろんこれはバグでこの発言はただの言い訳である。
//↑の発言は「冒険が一本道」の件だろ。バグなわけない。
---必ず起こるパーツの破損((『4』『5』では起こらないことが前提でバランス調整されている))やクリア前に所持金10000円未満だった場合、多くのパーツ取られたりするのでこのバランスは明らかにおかしい。
--キャラの成長は4・5とのような「経験値を得てレベルアップ」というものではなく、「特定のイベントを起こしてキャラがパワーアップ」というものに変わっている。
--主人公も特定のイベントを起こせば特殊能力を増やせるが、HPだけはどう頑張っても28から増やせない。
--パーツを破壊される((『3』『4』『5』と違ってパーツの破損を防ぐアイテムは一切ない))などのマイナスイベントも多く、依頼の出現や報酬など運に左右されがちな点が多い。そのため、表ほどではないがストレスがたまる。
--他、登場人物に偏りがあり、『7』の表サクセスからの登場人物は「台場」と「勝野」の二人のみ((それぞれ「自由の城」「インカの秘跡」でのみ登場。))で、残りはすべて過去作のキャラとなっている((モブの兵士や信者、戦闘員は例外で、新規に書き起こされている。))。
--極端なことを言えば、''最終日の野球人形コンテストで大金を得ずとも、難易度の高い冒険を多くクリアしてれば1万円以上の金額は期限までには貯めることができてしまう。''
--最終クエストクリア後に所持金が4000円未満の場合、ノーリスクで選手登録が出来るバグがある。4000円以上でクリアするメリットが無くなるためこの方法一択になりがちになる。((ただし多くのアルバムが登録されなくなる。))

----
**賛否両論点
-前作『6』と同じくコロコロコミックでキャラクター募集企画を行い、黒打ブラックというキャラが登場している。が、普通に進めれば正直いてもいなくてもどうでもいいキャラとなっている。
--チームメイトだが個別イベントは少ない。また、メインのイベントにもほとんど関わってこない。能力は悪くないのだが、肝心のヒーロー戦では使えない。
--ただしこの人物はストーリー上でプレイヤーにミスリードを誘う存在という側面が強く、意図的に差しさわりがないキャラにした可能性がある。
---また、前述の隠し彼女ルートで少しだけ登場する。それでも、彼女の生き方に一番大きな影響を与えた人物とも考えられる。

-概ね好評なシナリオではあるが、''「露骨に説教臭い」''という意見も少なからずある。
#region(説教臭さについて)
--トゥルーエンドのクライマックスに、ヒーローのリーダー・レッドが「願いを叶えるためには俺たちを超えなければならない」と主人公に語るシーンや((「夢や願いを叶えるためには、立ちはだかる壁を乗り越えなければならない」ということを露骨にプレイヤーに語っているとも見方ができる。))、黒野博士が主人公に自身の正義観を語るシーンなどがまさにそれである。
---そもそも後のシリーズでは改心するとしても、少なくとも本作のヒーロー達の行いは客観的に見ても全く擁護出来るものでもない。主人公と黒野博士のやり取りは「レッド達を倒そうとしたから俺達は甲子園へ行けた」という功利功罪の疑問を主人公が抱いた所から始まっている。そこが説教臭いと言われればそうなのだが。
---また、後述する本作の攻略本も、本作の露骨な説教臭さに拍車をかけているとも言える。
---ある意味、考えようによってはダメダメな野球パートも、トゥルーエンド到達に立ちはだかる壁との見方もできなくはない。それでも、全く擁護はできないが。

-レッドが『パワポケ9』の主人公である事を匂わせる発言に対して、本作での悪事を持って批判する意見もあるが『パワポケ9』の主人公は過去の行いに罪悪感を抱いている節がある。
--特に神田奈津姫ルートでは「パワポケ9の主人公が過去に悪事を働いていた」という事を踏まえてみると、広川武美との会話や奈津姫の罪悪感に対する向き合い方のニュアンスも変わってくる。
#endregion

-しあわせ草を使った「一度登録した選手で表サクセスをやり直す方法」やポイント無限バグは、難易度がぬるくなるもののストーリーを楽しむための裏技として認める意見も少なからずある。
--育てる必要のないべらぼうに強い投手とミニゲームの難易度を下げるアイテム「攻略本」を使えばトゥルーまでのハードルは一気に下がる。それでも野球の酷さは全く変わらないが…。
--しあわせ草はバグと併用すれば何度でも使えるので、しあわせ草の効果でタフと仲間評価を上げてからプレイする事も出来る。特に仲間評価を上げきれば仲間もそれぞれヒーローに負けない能力値になる上に監督から起用されやすい。
--しかし''あくまで「ストーリーを楽しむために割り切るバグ使用」であり真っ当な手段ではない。''結局こんなバグを使わないといけないくらい''「シナリオの評価は概ね良いが、肝心の野球が足を引っ張っている」''という事の裏付けでもある。

-仲間キャラも彼女候補の小晴と主人公の代わりに仲良くなることでパワーアップする「有田」や二重人格で主人公達を威圧してマイナス効果を与えてくる「森盛」など癖のあるキャラが多い。
--メガネの湯田や東キャプテンは比較的マトモだが、彼らも後のプロ野球編『8』『11』で味方として再登場した時の方が印象に残りやすい。((7特有のやる気の減少や、マイナス特殊能力取得イベントがあるため悪心象になりやすい。))
--同じ高校編パワポケの『1』や『4』、『13』のように能動的に部員を集めて強化するわけでもなく、ランダムや試合敗北で参加するヒーローを除けば最初から居るメンバーで進めていくのでチームメイトに愛着を持ちにくいかもしれない。
--裏サクセスにチームメイトが仲間として一切登場しない(前述の台場と勝野は敵役キャラ)こともこれに拍車をかけている。

-「俺のペナント」は『5』、『6』、リメイク版の『1・2』と同様にあるのだが、仕様が変更されている。
--『6』やリメイク版の『1・2』で邪魔な存在だった天狗レベルは廃止されたものの、試合で活躍したり良い成績を残した場合に得られる経験点が非常に低くなったため、能力の上がり具合は過去作に比べて格段に悪くなっている。
--サクセスで作った他の選手が敵チームにいる仕様になった。

----
**評価点
''ストーリー''
-表のサクセス「甲子園ヒーロー編」は過去作にも増して人間的に重苦しい学校教育と家庭を描いた作品。「正義」のヒーローの「不正義」など、単なる二元論で終わらない話が展開される。
#region(今作の「主人公達の敵」と黒野博士の名言について)
-今作の悪役であるヒーロー・監督・校長は非道な行いや私欲のために行動をする。&br()が、その誰もが単純に悪人とは言えない人物であり、校長はイベントで事故からメガネの湯田を庇う。&br()佐和田監督やピンクは7の主人公達から見れば嫌な奴ではあったが後に再登場した時には9主人公や12主人公とそのチームを助けてくれる。そのバックボーンを知ると何とも言えない気分にさせてくれる。&br()このようにプレイヤーに人生や生き方を問う描写のあるシナリオは、毎度のことながら好評である。
--真エンドルートに入った際に聞ける「正義の反対はまた別の正義、あるいは慈悲・寛容」「悪はロマン」という話は人気が高い。
---ちなみに同社のゲーム『[[武装神姫BATTLE MASTERS Mk.2]]』のとあるキャラのシナリオは、これをテーマにしたシナリオとなっている。
#endregion

''彼女シナリオ''
-彼女シナリオが前作より濃くなった。&br()マネージャー・後輩・クラスメイト・親友の妹・謎の女子高生と、これまでのシリーズと比べるとかなりの正統派がそろっている。
#region(本作の彼女候補)
-前述した隠し彼女の「真央」はヒーローに大きく関わっている人物であり、このルートに入ると様々な事実が明らかになる.
--真央はヒーローの仲間の「ブラック」であり主人公によって生み出された存在の一人である。
--だが主人公や黒打ブラックとの交流によって「悪と戦う」というだけではなく「ボランティア」というヒーローの在り方を見出し、レッド達のやり方から造反。彼女のルートではヒーロー戦で主人公に助力しようとする。
--本作の彼女候補では実質唯一「ヒーロー」の在り方に深く関わった人物であり、ヒーロー戦がより熱くなる。決戦前に真央の窮地に気付いた主人公が単身で助けに行く展開は『[[1>パワプロクンポケット]]』の智美ルートを彷彿させる。
-なおこの真央は以後のパワポケシリーズでピンクやカズ(10の彼女候補キャラ)らと共にヒーロー活動する事になり、11・12・14では重要なサブキャラとして登場するが、「充実した私生活」を送ってる故か仲間キャラの恋愛絡みで各作品の主人公に忠告・助言をしたりする。
--後の作品の公式Q&Aでは芹沢は7主人公一筋である故に後のシリーズでは攻略ヒロインには出来ないと明言されたため、彼女が交際している人物は消去法で7主人公である可能性が高い。
--だが真央が7主人公と交流を続けてるのは前述したトゥルールートのみでそれを見るにはハードルが高い。重要なサブキャラでありながら実機でそのルートを観る事は難しい。この事は『10』の天月五十鈴にも通じる問題である(高難度ヒロインが正史ヒロインになって後の作品に関わる事)。
--前述のとおり、彼女のトゥルーEDに行くのは至難の業。その分、トゥルーEDは「ハッピーエンド」そのものでありグッドEDとの対比もあって感動できる((主人公が最後にレッドや彼女に「ありがとう」と感謝する所に黒野博士の言う正義の反対があるのかもしれない。))。

-また「緑髪(みどりがみ)の人」こと博多幸博氏が手掛ける、妙に濃い緑髪の彼女である「リコ」も本作より登場。
--エキセントリックながらも熱いラブコメが展開される。
-後輩キャラ「春香」も攻略難易度の低さやバッドENDが存在しない後味の悪くなさ、4の「ユイ」を彷彿させる「○><」のポーズの可愛らしさから人気は高め。
--真央、リコ、春香は後のシリーズにおいて裏で再登場した時に大きな存在感を出しており、シリーズ全体でも人気の高いキャラクターに成長した。また春香は『11』で東先輩と共に再登場して11主人公を助けてくれる。

-ただ、前述の後輩、緑髪娘、隠し彼女の3名に人気が集中している感は否めず、マネージャー、スーパーの娘、親友の妹はあまり評価されていない。
--マネージャーの「霧島」は途中までは王道ヒロインなのだが、付き合うとイベントによってヒーローの中身が空っぽ(=ただの人間ではない)という事を知り洗脳されてしまう。
---ヒーローを野球で撃破した直後に彼女に電話しないと洗脳が解けずにBADENDになってしまい超特殊能力が入手できない。ヒーロー戦を終えた満足感で忘れがちな落とし穴と言えよう。
---後の『ダッシュ』のプロフィールでは冗談めかして未だに洗脳されているなどと語られている。決してスペックは悪くないのだが洗脳ネタでかなり割りを食っているヒロインと言えるだろう。
---『14』のトツゲキ甲子園でのマネージャーキャラの一人だが、この時も「ヒーローに乗っ取られた花丸高校」との対戦前に洗脳されてしまう。ただこちらはヒーロー達を倒すと自動的に正気に戻ってくれるのだが…。
--攻略しないと仲間と結ばれるスーパーの娘、主人公よりも主人公の母親と仲良くなる親友の妹などはやや空気扱いされる所もある。
---スーパーの娘はシナリオには毎回それなりに関わってくるものの''一定確率で絶対に彼女にできなくなる''ということもあり、敬遠されがち。
---親友の妹は公式でも「中田」なのに「長田」と誤植されたり「主人公より主人公の母親と仲良くなるから不人気」と悪ノリで弄られている節もある。『13』のセンシュクラッチでは大きく再登場しているのだが…。
#endregion
-彼女キャラの魅力やシナリオ自体の評価は高いものの、その良いシナリオを楽しむ為には前述の通り高い難易度とダメダメな野球部分が大きな壁として立ち塞がる。非常にもったいない((パワポケ全体を通じて物語の核心に辿り着くのは難易度が高いが、やはり本作は野球部分がその難易度を無駄に高くさせている。))。

''裏サクセス''
-表と比べると比較的明るめのシナリオになっている。過去作のキャラも多数登場しており、こちらも好評。
--何より、''悲惨極まりない野球をする必要がない''というのが利点。前作『6』と違い野球の試合は一切ない。
--歴史ネタ映画ネタなど盛りだくさんであり、かなりマニアック。実在の人物をモデルにしたキャラも多い。
--機械鉄人、恐竜など時代錯誤な敵やまだ存在しないトンプソンM1短機関銃などが登場するがこれらは4以来いつものことなのでそれほど問題にされていない((5では忍者の時代なのに戦車が出てきたりした。))。
-こちらもクリアだけならある程度適当に進めても可能。表よりもいい選手が作りやすいため、基本的にはこちらがメインとなりがち。

#region(黒幕と真のラスボス)
-本作の黒幕も「カメダ」だが、本作はガンダーロボの後に「真のラスボス」が登場する初の裏サクセスとなっており、以降の作品でのカメダ冷遇のフラグが立っている。この作品の後も亀田は曽根村・ハームレス・ギャスビゴー星人・グントラムにラスボスの座を奪われ続けることになる。
--なお本作の「真のラスボス」は『6』に出てきた''ほーむらんをうつけどひっともうつ彼……「ほるひす」''である。当時発売されたファンブック「サクセスやろう」という本の人気投票でも上位であり、当時の読者公募キャラでは最も出世している人物であろう(ちなみに、野球人形コンテストで優勝するには投手で変化球パーツを買いまくるのが一番楽)。
---ただし、本シナリオのガンダーロボを腕で軽くひねりつぶすくらいデカい強敵である。攻撃方法も多彩で、仲間を育てて強力な武器を持たせて万全な状態で挑んでも全員無事にクリアするのは至難の業。
---あまりにもデカすぎる為、''3人目のHPゲージが隠れてしまっている。''
#endregion

----
**総評
野球ゲームで野球の出来が非常に悪いというのは致命的であり、それが本作の評価に響いたようだ。~
だが、今から遊ぶには野球ゲームとしての出来は壊滅的だが、そもそも今から旧ハードのGBAにそれを期待するのも無理はあるだろう。~
現状「あえてGBAで野球ゲームとしてパワポケを遊ぶ」のなら『6』が一番良いという評価が下されている。DSでの『10』以降ならもっと遊びやすい。~
~
一方シナリオを楽しむことを目的としているパワポケファンからの評価は高い。~
この『7』で初登場したヒーロー達はシリーズの重要な存在としてそれぞれ愛する者を守るといった「幸せ」のために戦い続けるようになり、サイボーグや超能力者といった「野球離れした人々」と深く関わり、そして台頭するジャジメントやツナミといった裏社会のカウンターとして深く対立していく。~
さらにギャルゲーとしての方向により一層力を入れ始めたことから、『6』と並んでおそらくシリーズの転機になった作品。~
表サクセスや、後述のバカげたテレビCMなども含めて、''良くも悪くも「ヒーロー」という要素を前面に出した作品''とも言える。~
野球の出来の悪さをシナリオ、彼女、RPGなど野球以外の要素で帳消しにできるかどうかで評価が分かれるだろう。~

----
----
**開発事情
-前作まではそれほど野球に詳しくなかったスタッフが担当していたが、''今作は野球に詳しいスタッフが野球の試合部分を担当した''らしい。それでこのザマとはどういうことなのか。
--しかも攻略本のスタッフのコメントには「前作より遊びやすくなってると思います。」と。ロクにテストプレイもしていない癖にいい加減なことを言い過ぎである。
--余談だが本作から「緑髪ヒロイン(本作では『リコ』)」のシナリオを担当する博多幸博氏はパワポケスタッフで珍しく野球が好きなスタッフであり、パワポケには『6』からスタッフロールに名前が確認されるが……。

-ファンの間では『7』に並んで『8』の野球パートも併せて批判される事もあるが、『8』の場合はニンテンドーDSにプラットフォームを移行したばかりでノウハウと時間が足りなかったという擁護は出来る。ニンテンドーDSシリーズは実際『[[10>パワプロクンポケット10]]』で3D化して野球パートの出来がかなり良くなった。
--''『7』の野球パートが批判されるのは『3』から順調に進化してきたはずのGBAパワポケの野球アクションとしては実質的に最終作((GBAパワポケの最終作は『ダッシュ』だが、前述通りこちらは新システムであるカード野球オンリーであり、アクション野球ではない。))でありながらもこの体たらく''だからだろう。
---''そもそも、何故野球パートにおいては最も評価の高かった『6』の仕様のままにしなかったのだろうか?''

----
**余談
-サクセス中での対戦校の一校、緑満高校の選手はすべてカプコン製ゲームのキャラの名前がつけられている((衛具是、阿佐、李勇、斬鬼江怖、鳴歩道、断帝、覇我亜など。))。おそらく『[[ボクらの太陽]]』と『[[ロックマン エグゼ]]』のコラボが原因だと思われる。
-今作の登場人物の一人「有田修吾」はパワプロファンの某お笑い芸人をモデルにしている。
-パワプロシリーズでおなじみの「猪狩進」がスポーツドクターとしてパワポケシリーズに再登場している。
--パワポケでの進は高校時代の改造手術が原因で野球を断念し、本編では怪我をした主人公に怪我の怖さを説いたりプロ野球で活躍する兄に嫉妬するなど、パワプロでの温厚な進とは一線を画する。
-トゥルールートで紅白試合が行われるが、同時期に出た『[[実況パワフルプロ野球11]]』の帝王大学における真ルートでも紅白試合で決着をつけるという展開があるが、そちらでは本作と違う和解を果たす展開である。
--しかし『[[パワプロクンポケット9]]』でも対立していた同士で紅白試合をしての和解展開があり、パワポケとパワプロの本質的な違いというわけでもない。
--むしろ『パワポケ9』の主人公はパワポケ14の描写から、本作のとあるヒーローではないかという説もあり、ある意味本作のIF展開と言える。
-とあるキャラの元ネタは『[[みつめてナイト]]』から引用している。対象年齢の関係上、わからないことを前提に作ってあるので、作品単体では問題にならないが?
--開発者がとあるミスリードを『ハンガリアの狼の餌』なるように導いているため、そのことを知らない二次創作を見ると泣きたくなる

''スタッフの悪ノリ''
-本作と同時期に出ていた『[[パワプロ11決定版>実況パワフルプロ野球11]]』とセットでフィーチャーされていた「サクセスやろう!」というファンブックがあったのだが、その本でのノリが如実に表れてるとしか思えないくらい、スタッフが悪ノリしていると思われる描写があちこちに散見される。
--「サクセスやろう!」においてパワプロ11スタッフとパワポケ7スタッフによる「誌上ドリームマッチ」なる企画があったのだが、ここで「スタッフの野球への関心度は?」というコーナーにおいてパワプロ11スタッフが野球への興味があるかという質問に対して''博多幸博氏以外のパワポケスタッフが「野球がそんなに好きじゃない」という事をアピールしている。''
--このネタのせいで''「パワポケスタッフは野球に興味がない」''などと未だに言われる事がある。
--その博多氏も、本作パワポケ7においては「野球好きの新人スタッフがゲームバランスを担当したから遊びやすくなってます」(ただし、その実態は真逆の糞野球だが。)という発言があり、実際の所は不明だが本作のゲームバランス崩壊の元凶なのではないかと言われている。
---ただし博多氏はパワポケに参加したのは前作『6』からで本作の時期はゲーム制作に慣れてなかった可能性もある事と、以後のDSシリーズの野球パートは作品を追うごとに改善しており(『パワポケ11』では彼女シナリオを外してでも野球パートの改善に努めたとも言われている)後のシリーズでは汚名を返上している事は付け加えておきたい(ただし博多氏の担当する緑髪ヒロインのシナリオ自体が賛否両論になっていくのだが)。
--前述の「誌上ドリームマッチ」には、パワポケのディレクター藤岡謙治氏やメインストーリーの西川直樹氏は参加していない事も付け加えておきたい。
---ちなみに過去のパワプロ攻略本で西川氏はオリックスが好きな球団であると答えているため、少なからず関心が全くないわけではない模様。

-以後のパワポケシリーズではDSシリーズの「リセット座談会」やダッシュの「パワポケ図鑑」など悪ノリが酷い内輪ネタが見え隠れするが、本作は以後の作品に通じる先駆けのようなものがある。

-本作の公式攻略本に、「挫折のとらえ方((要約すると、「同じ出来事から何を学ぶかは人それぞれ」))」「女子マネージャーとの付き合い方《実践編》((こちらは、「甘え過ぎや軽視はせず、常に感謝の気持ちを忘れず接する」))」「理想的な男女の出会い((これは、「作為が強すぎても運に頼り過ぎてもうまくいかないのはゲームでも現実でも同じ」))」といったコラムや「終盤の怒涛の展開は涙なくして見られない」「黒野博士の語りを聞く時は涙を拭うハンカチ必須。それほど心に刻まれる名シーンと言える」「パワポケが支持されるのはブラックボックス的魅力があるからこそ」などといった''露骨な自画自賛や説教''などが記載されている。
--さすがにやり過ぎだと思ったのか、8以降の公式攻略本ではこうした文言は記載されていない。

-その他イベントで本作のヒーロー戦BGMの「ガッツだー!」を歌詞付きで頒布したりしている。ただし「ガッツだー!」自体の評価は高い。
-CMでもレッド・ブルー・イエローのコスプレをしたバカげたCMを流すなど、全体的にこの時期のパワポケスタッフはどうも''酒の勢いで暴走してたとしか思えないくらい悪ノリが酷い''。
--そもそも隠し彼女ルートのブラック、あるいは改心した後の12以降のピンクや14のレッドならまだしも、本作のヒーローは客観的に見ても「悪役」であって昭和ヒーローのノリでゴリ押しするような連中ではなかったような気がするのだが……。

#region(以下、悪ノリが酷過ぎるCMと非売品CD)

&nicovideo2(sm1555797)
↑パワポケ7のCM(実はこれでも、パワポケシリーズではまだ「本編と関係があるCM」の方だったりする……)

&nicovideo2(sm1080978)
↑非売品CD。ヒーローのテーマソングと花丸高校の校歌が収録。

#endregion

-このような悪ノリは「パワポケらしい」と絶賛する人もいれば、「全く受け付けない」という人もおり、ファンを大きく分かれさせることになった。この流れは後のDSシリーズでより強くなっていく事になる。

''以後の作品におけるヒーローの扱い''
-本作における最大のライバルキャラとして登場した「ヒーロー」はニンテンドーDSシリーズの準レギュラーとして登場する者も居る。改心して彼女キャラとなったり台頭してきた裏社会に対するカウンターとして動く事になる。
#region(以下後のシリーズのネタバレ)
-8ではイベントのちょい役ながら生き残ったオレンジが登場。
--8主人公の行動によっては捕えられてしまい人体実験としてバラバラに解剖される。ここまでだったらちょい役だったのだが……。
-7の隠し彼女・芹沢真央は、ヒーロー達のリーダーとして重要なサブキャラとして後のシリーズにも登場する。
--主に「裏社会編」において大きな存在感を出した大江和那(10で初登場)と合流して戦友となっている。
--また真央自身も7の時に比べると仲間の恋愛を出刃亀するような子になっており、『11』の浜野朱里や『12』のピンクのシナリオでは主人公に忠告と助言を与えるポジションについている((公式サイトの「しつもんコ~ナ~」では真央の性格が7と違う事を質問していたが、「仲間が出来て幸せと責任を得て変わった」「ただし本質は変わらない」という発言がある。))

-ピンクは真央シナリオだと悪役としての側面が強かったが、9裏や12で再登場する。
--9裏「スペースキャプテン編」ではパラレルながら正義の味方としての在り方を模索する姿が描かれた。なお後に12で登場するピンクの人間体は9裏からの逆輸入。
--表でも12で攻略可能ヒロイン兼野球の仲間キャラとして再登場。裏社会の強大さに尻込みしてヘタレ化しつつも主人公や和那との関わりによってヒーローとして覚醒していくストーリーが展開された。
-9は過去の罪の贖罪として旅を続ける謎の風来坊が主人公。彼が寂れた商店街を救うため野球の助っ人として助力するというシナリオ。ここまで見るとパワポケらしいカオスだが、この主人公は明言されていないもののレッドとの共通点が多く、ファンの間では「レッドの生まれ変わりが9主人公なのではないか?」という説もあった。
--また、ライバルキャラの椿は7でのブルーと能力値が一致している。
--9は主人公と助っ人達の立ち位置が似ており、「仲間になった拳法使いの助っ人がバッティングマシーンを独占して元のメンバーと軋轢を生む」などのイベントは7のイエローを彷彿させる。元のメンバーと助っ人メンバーが対立して紅白試合を行うのも同じ。9は7の逆視点版ではないかという説もある((7でのヒーローの一件は花丸高校の野球部員達とヒーロー本人でしか知らないにもかかわらず野崎維織に花丸高校に現れたヒーローの話をしてあげたり、レッドと同じ色のマフラーをつけていたりなど。))。
--ただし9では7では成し得なかった「助っ人と元居たメンバーの和解と団結」を描いており、シナリオもDSパワポケでは珍しく一話完結のため評価自体は高い。
---14でレッドが再登場するものの「商店街の草野球に助っ人として参加し、シャッター商店街となってしまった商店街に思い入れのある人物」として登場する。公式的には9主人公とレッドの関係性はノーコメントではあるのだが、7時代のレッドが再登場したというよりもまるで9主人公の延長線として描かれている。

-ヒーローは全体的に優遇されている傾向が強く、特に14ではレッドは世界滅亡を目論むシリーズ通してのラスボスとタイマンで殴り合って止めようとする大役に位置付けられ、真央・ピンクはそれぞれ7・12の主人公の「正史彼女」のような描かれ方がされている。
--後のシリーズまで重要なキャラ(それも主人公・ヒロイン枠で)として出張る例はメガネ一族とちょい役を除けば7のヒーローが恐らく初であり、パワポケが硬直化した原因に「ワギリバッテリー」「しあわせ草」が登場した6、「サイボーグ・アンドロイドをモノ扱いするオオガミグループ」が幅を利かせ始めた8に次いで、ヒーロー達の存在である7の存在を挙げる声も少数ながら存在する。
--しかし7時代の間違った「しあわせ」を押し付けるのではなく、本当の意味で「愛する者と過ごす幸せ」を守るために戦うようになったヒーロー達はパワポケファンからの評価も高い。
-また、10以降でパワポケの賛否両論点として引き合いにされる「''超能力者やサイボーグなどが繰り広げる野球なんてどうでもいい人々同士の野球と全く関係ない異能バトル''」に比べると(7の野球バランスは抜きにしても)、きっちり野球という場で決着をつけてくれるヒーロー達はマシという意見もある。
--14の試合進行型サクセス「トツゲキ甲子園」では7の舞台の花丸高校がライバル校として登場するが、メンバーは実質ヒーローズでレッド達に乗っ取られた花丸高校という趣である。改善された野球パートと敵ヒーローが全員絶好調という状況もあって、強敵として立ちはだかる。

-ヒーロー以外のキャラとしてはヒーローを優遇して甲子園へ行こうとしていたものの意気消沈した佐和田監督や、レッド達に改造された勝野先輩の成れの果てであるカニ怪人も『9』で再登場。それぞれ救済のような描写がある((カニ怪人は『7』の後に組んだフグ怪人や黒野博士と仲良くやっており、黒野博士に頼んで人間時代のクローンを作ってもらって実家に送り返している。))。
#endregion

-2020年に『パワプロアプリ』にパワポケコラボとしてブラックが登場した。
--さらに2021年2月25日にサクセスとして今作の舞台である『花丸高校』が実装予定。部員メンバーが変化しており、『13』から雨崎、『8』から(彼女候補としてではなく選手として)白瀬が入部しており、『7』時点でいた部員は東、ヒーロー達しか残っていない。彼女候補として『4』の天本玲泉が登場予定。