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T.M.N.T. スーパー亀忍者 - (2014/07/18 (金) 09:23:14) のソース

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*T.M.N.T. スーパー亀忍者
【てぃーんえいじ みゅーたんと にんじゃ たーとるず すーぱーかめにんじゃ】
|ジャンル|ベルトアクション|&amazon(B000068HYB)|
|対応機種|アーケード|~|
|販売・開発元|コナミ|~|
|稼動開始日|1990年(元は海外向け作品であるため海外にて1989年先行発売)|~|
|分類|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~|
|ポイント|''キャラゲーのコナミの始まり''&brタートルズが低性能&br()敵はザコボス問わず非情な高性能&br()序盤からいきなり他作品の終盤面のようなゲームバランス&br()Aでジャンプ、Bで攻撃&br()サイ男自重しろ&br()難しすぎるのを除けば出来はそこそこ、爽快ではある&br()1987年版アニメの雰囲気は非常によく出ている|~|
|備考|欧州版は"TEENAGE MUTANT ''HERO'' TURTLES"として発売|~|
|>|>|CENTER:''[[タートルズシリーズリンク>タートルズシリーズ]]''|
//クソゲー判定の後、異論が出たため議論により不安定に決定

**概要
コナミが出したベルトスクロールアクションの2作目であり、当時アメリカで人気を博していた漫画及びアニメ「TEENAGE MUTANT NINJA TURTLES」を原作としたキャラゲー。国内では本作から4年後に放送されたテレ東の「ミュータント・タートルズ」((新世紀エヴァンゲリオンの初回放送の前番組))でおなじみだろう。~
サワキちゃんこと宿敵シュレッダーとフット団の手からヒロインのエイプリル・オニールを取り戻すべく、タートルズが戦うという原作同様の単純明快なノリ。~
全5面ではあるのだが、2面は何故か他のステージ3つ分のボリュームがありけっこうな長丁場となっている。

**システム
-4体のタートルズの中からプレイヤーキャラを選ぶ。基本的な操作方法は1レバー2ボタン方式。Aボタンでジャンプ、Bボタンで攻撃。AB同時押しでキャラ固有の特殊攻撃。
-ライフゲージを全て失うと1ミスで、残り人数が減る。0人のときにライフを全て失うとゲームオーバー。
--ライフゲージは、回復用アイテムであるピザを取ることによりフルチャージされる。
-2人プレイ用の基板と最大4人プレイ可能な基板とが存在し、設定に微妙な差異がある(回復アイテムの量や、席によりキャラが固定されている等)。

**良点
-原作再現には非常に力が入っており、ファンならば演出面では文句の少ない出来。
--ボイスは1987年版アニメのものを多用している。BGMも1987年版アニメで使用される曲を再現、もしくは踏襲した構成の曲調で統一されており雰囲気自体は抜群。
---おなじみの掛け声「カワバンガー!」もしっかり入っているし、好物であるピザを見つければ「ピッザタァ~イム」と喜ぶ。
--グラフィックは完成度が高いだけでなくパターンの量も当時の作品としては非常に多彩で、タートルズを動かしているだけでも敵の動きを観察しているだけでも楽しい。
--アメコミ風のコミカルな演出はとても痛快。投げられた敵が派手に飛ばされて壁に「ビターン」とぶつかったり、時折フキダシでセリフが出たりして、ニヤリとしてしまうこと受けあい。
--タートルズ4キャラが基本的に素体グラフィック使いまわしで実質1キャラだけに膨大な容量を投入でき、敵の大半が原作同様フット団ザコであるためやはりタートルズ同様素体1種に容量を多く割ける、という原作デザインならではの恩恵を最大限活かした結果である。

**難点
-はっきり言って、難易度はかなり高い。多人数・連コインプレイ推奨のバランスであり、ボス戦や一部のザコに対してやたらとこっちが不利なシステム。
--まず、自キャラ性能に難がある。
---タートルズは最初から武器を持っているのだが、その関係で通常攻撃の振りが微妙に遅い。
---敵の持つ技に対して、こちらの使っていける技が非常に限定されがち。全員のジャンプキック、リーチが長い棒術使いのドナテロの地上通常攻撃と、サイ使いのラファエロの特殊攻撃(AB同時押し)のスライディングだけがマシな性能であり、それ以外は非常に使いにくい。全体的に自分の攻撃判定は弱く、敵の攻撃判定が強い傾向なため、こちらの攻撃が敵に潰されることが多く、敵の攻撃を潰すことは滅多にない。
---キャラ性能も4キャラ中、単純な下位互換キャラが半分を占める。高性能なのは先にあげたドナテロ、ラファエロ。残り2名のレオナルド、ミケランジェロはどちらもこれと言った長所がなく、2面後半以降に出て来るハンマー雑魚などに明らかにリーチ負けしており厳しい。
--その上、敵が全体的に強い。
---ザコの耐久力は低めに設定されていることが多いが、その代わりに''ダメージを受けて怯んでいる間は無敵''という仕様のため、通常攻撃は常に敵に割り込まれる大きなリスクを負っている。その上実に嫌らしいアルゴリズムで動いており、散開陣形をとっていたり挟み撃ちしたりしてくる。色により投げナイフや手裏剣、剣やラッパ銃など様々な手段で攻撃してくるのだが、どれも攻撃の癖が違いそれぞれに対策を立てねばならないため、地味に強い。
---「ハイウエイ」ステージに出現する「爆撃ヘリザコ」はかなり理不尽。やたら巨大な攻撃判定・高い威力を持つ爆撃を画面いっぱいにひたすら繰り出してくる。上級者の攻略法でさえ「相手にしないほうがいい」とまで言われるほど。
---ボス戦ではさらに顕著で、ダメージを与えると無敵つきの素早い反撃技を出してくることが多い。殴ったらすぐ上か下に逃げないとダメージを受ける。加えてザコがダウンする攻撃でもボスはまずダウンしない。
---ボス自体もかなり高性能な相手が多く、場合によっては2体同時に相手をしなければならない場面も。ラスボスのシュレッダーは即死ビームを放ってくる上にこっちのプレイ人数に応じて2人から5人に増え、しかも偽者を倒してもすぐに出て来る始末。
---敵キャラは飛び道具を装備しているものが多く、遠距離にいても油断はできない。一方タートルズはそのようなものは使えない(一応、ステージギミックを利用し障害物を敵にぶつけて倒すことはできるのだが、当然使い捨て)。一応、こっちの攻撃で相殺は出来るのだが振りが遅いこのゲームでは大道芸レベルで、狙うのは止めた方がいい。
---タートルズは投げ技を持たず敵を掴むことが出来ないため、敵に囲まれた時などは一方にまとめるのが難しい。そのくせ敵はちゃっかりこちらを羽交い絞めにしてくる。上or下+ジャンプの滞空時間が長い点などをフル活用していかないと、立ち回りは困難。
--ステージ構成もやや首を捻る部分がある。
---実はステージ1がかなり高難易度。回復アイテム不在の上、ボスのロックステディが全面通しても強敵の部類に入る。タックルモードとマシンガンモード(仮)の切り換えによる変則的な行動パターン、急角度のタックル、弾速が速い上に対空性能もあるマシンガン、痛烈なカウンターキックといきなり手強く、ついでに戦うステージも狭く逃げづらい。
---それに比べるとステージ2前半は回復アイテムであるピザも出現し、ボスであるビーバップは銃撃のスキが大きく弾速も遅い、行動パターンも単純…な下位互換キャラで、出番が逆ではないかと突っ込みたくなる。
--アーケードゲームには付き物の自動難易度調節機能(ランク)があるのだが、上がり方がとても極端。
---ノーミスで進んでいると敵の数が増えていき、ボスの耐久力が高くなってしまう。特にボスの堅さはプレイが退屈になりかねないほど上がる。
---他のベルトアクションにはランクの概念自体存在しない作品もあり、存在する作品でもここまで極端に差は出ない。
---一人やられるとランクは下がる。しかしこのゲーム、工場出荷設定では''残機0がデフォルトであり、残り人数がゲーム中増えることはない''((残機を増やすには追加のクレジットを投入する必要がある。))ため、そんな余裕はないことが多い。最高難易度の段階で一定時間粘ると、ランクが初期値に戻るという現象があり(おそらくはバグ)、これを利用しないと1コインクリアはとても難しい。
-1クレジットでのクリアを目指さず、連コイン協力プレイでいいと割り切れるなら、クレジットを投入しまくれば、ランクを下げつついつかは誰でもクリアまでたどり着ける。クリアまでにクレジットが尽きなければ…だが。

**総評
バランス取りがやたらに厳しいことと自キャラ性能が全体的にイビツである点を除けばその作りは雑ではなく、クソゲーどころか「名作になり損ねた」と言えないこともない。~
「原作の雰囲気を再現する」という面ではかなり努力のあとが見え、少なくともキャラゲーとしての志だけはかなり高かったのではないだろうか。~
見た目や雰囲気作りといった点に注力しすぎたのか、ゲームバランスがプレイヤーに厳しいばかりである点が非常に惜しまれる。~

日本国内では1990年に発売されたが、そのとき既に爽快感重視・救済措置満載仕様で作られた『ファイナルファイト』が大ヒットしており、それも本作が日陰に隠れることになった原因の一つとして挙げられるだろう。~
しかし、本作のファミコン移植((タートルズのゲームとしては『激亀忍者伝』が1作目とカウントしているので2作目扱い。))においてプレイヤーに厳しすぎる点が改善され一人プレイ時のハードルは下がり、、オリジナルステージとボスの追加やステージ構成の見直しによりゲームとしての完成度は大幅に高まり、腰を据えてじっくり攻略するには最適な作品に変化した。
-ちなみにファミコン版はジャンプキックだけでクリア出来るほど難易度が低くなっている。ジャンプキックを当てる→直ぐに反対を向いてジャンプキックで離脱→またジャンプキックを当てるを繰り返すだけ(FC版はジャンプキックがAC版でのジャンプ頂点辺りで攻撃ボタンを押すと出る鋭く早い斜めキックだが、ジャンプ中にどの高さで出してもこれが出る)
~
また本作はxbox360LIVEアーケードで当初海外のみ2007年にリメイク版『TMNT 1989 Classic Arcade』が配信され、日本でも手違いで数日間配信されたがすぐに取り消され、その後2011年3月2日より改めて日本正式配信が始まった(中身は英語版)。~
海外向けに出された続編『T.M.N.T.タートルズ・インタイム』(国内ではロケテのみ)も好評を博し、本作は国内向けにSFC版とMD版が出された。

以降コナミが製作する業務用ベルトアクション『X-MEN』『メタモルフィックフォース』、体裁は異なるが実質的にはベルトアクションに近い『ガイアポリス 黄金鷹の剣』などの様々な後進作において、本作の最大の問題点である「プレイヤーに厳しすぎる」点の反省が見られ、成長が見られる。~
本作のゲームバランスは大問題だが、本作で製作者たちが積んだ経験は決して無駄にはなっていないだろう。

**リリース当初の様子とその後のコナミ
本作は海外で一大ムーブメントになっていたタートルズの流行に合わせてヒットし、本作のヒットを皮切りに『[[ザ・シンプソンズ]]』といった有名な作品や、『アステリクス』といった無名の作品まで、様々な海外向けの版権ゲームが続々と発売されていくようになっていき、''キャラゲーのコナミ''と呼ばれるきっかけを作った。~
ちなみに『[[バイオレントストーム]]』や『[[サンセットライダーズ]]』等の同期のオリジナル作品も海外向けにリリースする為に、アメコミ調のグラフィックを採用している。~
そう言った意味では、本作は海外中心に活動していくことになり、キャラゲーに走る様になったコナミのターニングポイント言える作品であろう。~
//AVMNの映画タートルズ3の冒頭や他サイトからの情報より加筆。
一方国内では『ファイナルファイト』、『ストリートファイターII』を代表するカプコンの作品のヒット、『グラディウスIII』等によるSTGの難易度のインフレの影響におけるSTGの衰退によりしばらくコナミ作品のヒット作が恵まれず、数年の暗黒時代の始まりとなってしまった。~


#region(プレイ動画)
|&youtube(http://www.youtube.com/watch?v=KzuxTP4LWts)|&youtube(http://www.youtube.com/watch?v=JmOqGv3LUso&feature=related)|~|
|&youtube(http://www.youtube.com/watch?v=c6dx5vFCCCM&feature=related)|&youtube(http://www.youtube.com/watch?v=XWLRV33LGxM&feature=related)|~|
|&youtube(http://www.youtube.com/watch?v=co6YpsAnqic&feature=related)|~|
#endregion