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ゴミ箱 -GOMIBAKO- - (2015/04/16 (木) 02:12:19) のソース

*ゴミ箱 -GOMIBAKO-
【ごみばこ】
|ジャンル|ゴミ処理アクションパズル|&image(http://www.jp.playstation.com/software/title/8tnu01000000qy0w-img/8tnu01000000qy2v.png)|
|対応機種|プレイステーション3(PlayStation Store)|~|
|メディア|ダウンロード専売ソフト|~|
|発売元|ソニー・コンピュータエンタテインメント|~|
|開発元|ジェットレイロジック&brコランダム|~|
|発売日|2009年3月19日|~|
|定価|1,500円|~|
|判定|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~|
|ポイント|徹底された難しさと理不尽な物理演算|~|

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#contents(fromhere)
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**概要
空中レールに吊り下げられて次から次へと大量に運ばれてくるゴミを、設置されたゴミ箱の中に順次落とし、壊したり燃やしたり腐らせたり、工夫しながら処理していくパズルアクションゲーム。~
ステージをクリアするごとにどんどん規模が大きくなっていくゴミの数々を、果たしてあなたは処理しきれるか。

**評価点
-ルールが分かりやすい。
--「無傷のゴミが3回ゴミ箱の外へ出てしまったらゲームオーバー」というシンプルなルール。
--硬いゴミは落とす際に勢いよく叩きつけて(スマッシュして)壊し、ゴミ箱を揺すって破片を整理、ゴミ箱内のスペースを有効活用していく。
-音楽がとても良い。
--パズルゲームにしては非常にノリノリなBGM。プレイヤーのモチベーションを保ってくれる。
-ゴミの種類が豊富でユニーク。
--ステージが進むにつれてゴミ箱の容積が飛躍的に増大していき、ゴミも超巨大なものになる。ある種バカゲー的な雰囲気も持つ。
---小さいものは鉛筆から、大きいものは惑星規模の物まで。

**難点
***物理演算
物理演算のいたずらで、時にはゴミが理不尽な動きをすることもある。いわゆる「ハヴォック神降臨((「ハヴォック」とは、リアル3D系ゲームによく使われる物理エンジンの名前。))」。
-ゴミ箱を揺らしてゴミの破片を最適化する際、空中にゴミが留まってなかなか落ちないことがよくある。腐敗玉で底の方のゴミを処理した後、振ってもなかなか落ちずにアーチ状に空洞ができてしまうこともある。
-ゴミを砕くにはゴミ同士を勢いよく叩きつける必要があるが、叩きつけたことにならずヒビすら入らないことがある。
--壊れ方はゴミによってかなり細かく設定されている。たとえば消化器はホースから落ちると双方とも全く壊れない事が多い。また目的の物より先に壊れた破片等に当たった場合スマッシュ効果は消える。
-やわらかいものがゴムのように跳ねる。雲やイカがゴミ箱の底から大ジャンプして外に出てしまい、ミスになることもある。
--スーパーボールやサッカーボールをスマッシュしてしまい飛んで行ったというような凡ミスから、壊れないけど押し込もうとしてスマッシュしたら跳ねた、ふつうに置いたのに&bold(){ハヴォック神が降臨してグルグル回った末吹っ飛んで行った}、というようなこともそれなり起こる。

***難易度
圧倒的なまでの難しさ。「SWEETS・MAINDISH・HELL」の3段階の難易度があるが、それぞれ「難しい・とても難しい・地獄そのもの」と言っても良い難しさ。MAINDISHでも人によっては100回以上やり直すことになるほど難しい。HELLはまさに地獄である。
-MAINDISHまではトライ&エラーで何とかならないことも無いレベルではある。しかしHELLは動画サイトでクリアルートを見ても&bold(){まともにクリアできないレベル}で難しい。
-HELLの場合、攻略ルートはほぼ一本道(というかそれ以外の方法でクリアする手段がない)。さらにステージ1,2,3は地獄のように難しいが4,5,ラストステージはルートさえ知っていれば比較的容易(あくまでステージ1,2,3と比較してであるが…)にクリアできる。
--試行錯誤というより、理不尽な物理演算を、いかに&bold(){クリアルートを外れないように制御できるか}、が問題になる。たとえばステージ1はゴミの量が多すぎてまともに捌き切れないため、「ゴミを傷つけつつゴミ箱の外に弾き出す」という皮肉な攻略法が要求される。特に最後の連続フライドポテトを如何にして外に投げ落とすかがカギ。
---ゲームを面白くするためには試作品をひたすらやりこんで少しずつ調整していく作業が必要だが、あまりにやりこみすぎると難易度の感覚が麻痺してしまい、高難度が普通だと感じてしまうことがある。開発チームやテストプレイヤーの人数が少ないと往々にして起こることだが、この『ゴミ箱』はその典型ではないかと思われる。
-エンドレスは完全に難易度が狂っている。
--HELLのようなゴミの順番、規則性が無くなり、ランダムで様々なゴミがくる。そのため運任せの要素も強い。
---ほとんどの場合巨大建造物が大量に来て一瞬で詰むステージ4,5は特にシャレにならない。世界記録ですらボスの直後までしか到達できていない。逆にステージ2の世界記録は金のゴミ箱ですら到達困難な量のゴミを処理したスコアであり、まさに神の領域である。
-難易度と関係はないが、アウトが二つ(あと一回外に出たらゲームオーバー)の時に、「GAME OVER」と書かれた看板をチラつかせてくる奴がいる。
--しかも画面手前で他と比べ目立つ位置にいるため非常に鬱陶しい。

***その他
他、不親切な要素。
-ゴミ箱には奥行きがあるが、プレイヤーが置くゴミは奥行き位置を決定できない。
--ただし奥行きはそれほどない。
--視点変更も出来ないため、小さなゴミが置ける穴が出来ても把握できないことがある。
-ゴミが溜まってくると、NEXTゴミが完全に画面外に出てしまい、ゴミの振ってくる位置を調整しづらくなる。ゴミが溢れかえってピンチになるほど見づらい。
-攻略の途中経過がセーブできない。途中でやめればまたStage1から。
--ちなみに攻略時間は、HELLともなると1つのステージに数時間かかることも。
-キーコンフィグ不可。叩きつけが↑キーに割り当てられているため、ゴミを左右に動かすときに誤爆しやすい(叩きつけは△ボタンでも出来る)。

**総評
-難易度が高いだけだったのなら、発想のよさや奇抜さやまとめて一気にゴミを処理する爽快感などで評価に値するゲームになっていたかもしれない。だが、ステージ数の少なさや詰将棋同然のルート管理といった不自由さが評価を難しい物にしている。そこに物理演算の理不尽さが加わっている形である。
-だが不思議な中毒性があり、文句を言いながらもやり続けてしまうのは、リプレイのしやすさや簡単な操作、良質なBGMゆえだろうか。色々と惜しい部分がある作品。
--その中毒性からプレイヤーを増やし、PlayStationAwards2009においてPlayStationStore2009特別賞を獲得している。また、海外では「Trash Panic」というタイトルでリリースされており、国外でも人気を博している。しかしながら海外の熟練プレイヤーをもってしても、最難関のHELLをクリアしたプレイヤーはほんの一握りである。(どのトロフィーサイトでも登録者のうち最難関のゴールドトロフィーを獲得したプレイヤーは1%以下という状況である。)
**その後
-およそ4ヵ月後の2009年7月16日に、100円で3プレイの課金制ゴミ箱『100円ゴミ箱』が配信開始。
--難しいと評判だった『ゴミ箱』と比べるとかなり難易度が低くなっており、本当に誰でも気軽に遊べるレベルに。
--『100円ゴミ箱』で特定のモードをクリアすると『ゴミ箱』で使える鋼のゴミ箱がもらえる(『ゴミ箱』本編でも入手可能だが、取得条件はHELLクリア)。
---簡単に入手できる鋼のゴミ箱により『ゴミ箱』の難易度も低下した。ただしトロフィーコンプには&bold(){ふつうのゴミ箱でHELLクリアを成し遂げる必要がある}ことに変わりは無い。
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