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ダークシード - (2020/07/19 (日) 22:02:39) のソース

*ダークシード
【だーくしーど】
|ジャンル|アドベンチャーゲーム|&amazon(B000069RXK)|
|対応機種|セガサターン&br()プレイステーション&br()Macintosh&br()Windows3.1|~|
|発売元|【PS/SS】ギャガ・コミュニケーションズ&br()【Mac/Win】ナムコ|~|
|開発元|CYBERDREAMS|~|
|発売日|【Mac】1994年7月29日&br()【Win】1995年3月4日&br()【PS/SS】1995年7月7日|~|
|定価|【PS/SS】5,800円&br()【Mac/Win】9,800円|~|
|判定|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~|
|ポイント|徹底したノーヒント&br()説明書に完全攻略記載という新境地&br()|~|
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#contents(fromhere)
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**概要
-大元は1992年にMS-DOS、Amigaで発売された洋ゲー。

-頭にエイリアンの胚を埋め込まれてしまった主人公マイク・ドーソンが、自身の生存の為ノーマルワールドとダークワールドという表裏一体の2つの世界を行き来して解決の糸口を見つけていくというゲーム。形式はクロックタワーのようなクリック探索型アドベンチャー。

-ダークワールドやその住人のイラストを映画「エイリアン」「スピーシーズ」で有名なH・R・ギーガーが手掛けている。説明書の表面に氏の名前があったり、説明書内にもギーガー自身の説明があったりと、ストーリーというよりは彼のイラストが売りとなっている。
--ギーガーの描いた怪物達がズバリ「エイリアン」と呼ばれていたり、タイトルロゴもエイリアン2を意識したようなフォント。

-それほど露骨ではないが多少グロテスクな描写も含まれており、セガサターンでは年齢制限あり(18歳以上)に区分されている。

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**問題点
***ゲームバランスが不安定
-兎にも角にも「ノーヒント」。スタートしたプレイヤーは「何が起こっているのか」「何をしなければならないのか」一切わからないままゲームに放り出される。説明書も後述する「禁断の章」を除けば操作説明にギーガー氏の紹介、物語が始まるまでの序章、登場人物だけで役に立たない。そのくせ序章は5ページ、登場人物の欄は6ページもあるという無駄な凝りよう。
--開始後、ドーソンの''「頭が痛い!」「頭が痛くて死にそうだ」「頭が破裂してしまいそうだ」''というけたたましい訴えに、プレイヤーの頭も痛くなるであろう事請け合い。プレイヤーがアスピリンを発見するまで、ドーソンは延々と頭痛を訴える。
--このゲームの期間は3日間だが、やらねばならない事は1日ごとにほぼ完璧に決まっており、前日の遣り残しを翌日に回収…というのは不可能と言っていい。

-加えてリアルタイム方式になっており、プレイヤーが迷っている間にも時間は無情にも過ぎていく。この為プレイヤーは「何がなんだかわからないままゲームオーバー」という事態によく陥る。ノーヒントと相まってこのゲームの難易度を理不尽に押し上げているシステム。
--やらなければならない事は1日目においてはそれほどなく時間的にも余裕があり、勘のいいプレイヤーならばノーヒントでもこなせる可能性はある。しかし2日目のスケジュールは探索範囲の拡大に伴いより過密になり、特定時間で発生するイベントをこなす必要もありとてもじゃないが数回やっただけで達成できる内容ではない。3日目はさらに時間制限がきつく、攻略手順を完璧に理解していても余裕のないプレイとなる。無論最後までほぼノーヒントっぷりは変わらず。これをノーヒントでクリアできる人間がいるのだろうか。

-アイテムの配置も一部はかなり嫌らしく、とても目視が難しいアイテムが何点か存在する。
--使い道もこれまたノーヒントの物があり、プレイヤーの頭痛の種となる。

-上記のゲームバランスのためか、このゲームの説明書には''禁断の章''なる項目がある。これはスタートしてからクリアまでの手順を全て記載した、ヒントどころではなく''完全攻略手順''。こんなものがある時点でこのゲームの難易度がいかに理不尽なものか伺える。
--当然ながらうっかりこれを見てしまうと、後は指示された場所に行き、指示された行動をするだけの単なる作業ゲーと化す。ヒント程度に止めてプレイヤーに探索の余地を残すなど、もうちょっと工夫できなかったのだろうか。
--しかしアイテムの使い方によっては、そのアイテムが消滅してしまい完全にクリア不可能な状態になってしまう。

***ストーリー
-全体的に説明不足で消化不良気味
--アメリカが舞台なのに新聞や看板の文字が日本語で書かれている(そこかしこで挿まれるボイスは英語)というミスマッチ((「原作の雰囲気を大切に」という意図らしいが))、文章が直訳っぽく理解しづらい、等の細かい問題もある。

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**評価点
-ギーガーのイラストを売りにしているだけあって、背景、建物、住人に至るまでギーガー氏のイラストで構成されたダークワールドはその名の通り何とも暗くおどろおどろしい雰囲気を醸し出していて完成度は高い。氏のファンならば見る価値はあるだろう。ゲームというよりイラストギャラリーと考えればそれなりに楽しめるかも。
--先の通りリアルタイム式なのであまりゆっくりもできないのが残念だが。

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**総評
 ノーヒントではお手上げだが攻略をみれば(当たり前だが)作業ゲー、というどうにもこうにも酷すぎるバランスがこのゲームの評価を落とす最大の原因だろう。結局自力ではどうにもならず攻略通りに進めて何の感慨もなくクリア、となったプレイヤーも多い。~
 イベントが総じて短めで会話シーンも少なめのためストーリーが淡々としていて盛り上がりに欠けるのも難点。

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**余談
-続編の『2』が存在する。
--セガサターンとプレイステーションのマルチで出ている。これまた難解なアドベンチャーで、公式に攻略情報が閲覧可能という仕様。開き直っている気もしなくもない。
-これを模倣したというわけではないだろうが、この一年後に発売された『[[サイベリア]]』も''説明書に詳細な攻略の手引きを記載''という歪んだ親切設計で有名である。