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シティーハンター - (2012/12/03 (月) 19:04:13) のソース

*シティーハンター
【してぃーはんたー】
|ジャンル|アクション|~|
|対応機種|PCエンジン|~|
|メディア|?MbitHuカード|~|
|発売元|サンソフト(サン電子)|~|
//|開発元||~|
|発売日|1990年3月2日|~|
|定価|6,300円|~|
|ポイント|据置機ではシティーハンター唯一のゲーム化&br()量も質も微妙なゲーム&br()大量虐殺リョウちゃん|~|

**概要
-1990年((ゲーム中のクレジットは「1989」となっているが、リリース期は1990年。))にサン電子からリリースされたPCエンジンソフト。週刊少年ジャンプに連載されアニメ化も果たした、あの有名作のゲーム化にあたる。今現在、シティーハンターを題材としたゲームは本作のみで、それ以外の機種には一切ゲーム化されていない、ある意味貴重な存在。
-ジャンルとしては横アクションに該当。プレイヤーは冴羽リョウ((リョウの漢字は環境依存文字につき、以下カタカナ表記。))を操り、依頼であるステージ内のミッションをこなしていくのが目的。
-1人プレイ専用、全4ステージ構造(ステージ1~3は任意でステージ順を選ぶ事が可能)。

**主なルール
-ステージを始める前に依頼画面にて3つの依頼があるので、選びたい依頼(ステージ)を受けるとその依頼に沿ったステージが始まる。特に依頼の順番を変えたからといって、入手できる武器の経緯が違う以外は、後の展開に影響を及ぼす事はない。また、目標を達成した依頼は二度と選べない(残りの依頼しか受けられない)。
--3つの依頼をすべてクリアすると、最後の依頼が出現、それをクリアするとエンディングを迎える。
--ステージ開始直後にて最初の地点に後戻りすると、依頼画面に戻る事ができる。但し、当然ながらその依頼はクリアされない扱いになるので、結局は必ずそのステージをクリアする必要がある。
-十字キーにてリョウの移動操作、主に使うボタンは、拳銃などの弾を放つショットボタンとジャンプボタンの2つ。
--ショットには一切の制限弾数はなく何度でも使用可能。原作とは違い弾のリロードをする必要も無し。
--十字キー下にてしゃがみ動作(その状態でのショットは可能)。リョウがドアに接した状態でキー上にてその中に入る事が可能な他、階段に接してキーの上下にてそれの乗り降りができる。
--ジャンプはボタンの押す長さでジャンプ力が変化し、ジャンプショットも可能。ジャンプ中の移動制御や向き調整は不可である。
--SELECTボタンを押すと、今所持している武器の切り替えが可能(詳細は下記にて)。
--ショット及びジャンプ中は、動作を行う度に微小の隙(その場に止まってしまう)が発生するので注意。但し、動けなくはなるが、ショットの連射自体は可能。
-最初から選択できる依頼である各ステージでは、とあるイベントにて武器を入手できる(最終ステージは入手武器はなし)。どれも攻撃、切り替えの使用は無制限で、入手すれば次の依頼に進んでも所持が引き継がれる(ステージ後戻りでも引継ぎ可能)。入手した武器は上記にて示した通り、SELECTボタンにて切り替えを行える。以下武器の種類の紹介。
--「拳銃」 - 初期装備で、始めからどの依頼を受けようが必ず所持している。前方に連射可能なショットを放つ。
--「バズーカ」 - 連射が効かず、撃つとリョウが反動で後ずさりしてしまうが、攻撃力がかなり高い前方一撃必殺系の武器。
--「レーザー」 - やや連射が効き辛いが、敵を貫通する性能の前方攻撃の武器。
--「ロケットランチャー」 - 放物線を描くような感じで攻撃を行う武器。連射は効かないが攻撃力は高い。
-ステージ中のあちこちに存在するドアに入ると、重要キャラが先に進むためのアイテムをくれたり、ライフを回復したり、次の道のりに進んだりできる。そのドアは何度でも入る事が可能だが、フラグが成立すると前いた重要キャラが消えている場合がある。また、入る事自体ができないドアもある(重要アイテムを入手しないと入れないか、終始入れないダミードアかのいずれか)。
--このゲームではドアに入り、重要キャラからアイテムを貰ったり、頼まれたお使いをこなさないと絶対にステージをクリアできない。所謂、他ゲームに例えれば、『メトロイド』などのダンジョン探索型方式である。
-ライフ制でそれが全部なくなるとミッション失敗となるが、依頼画面に戻されるだけでゲームオーバーにはならない。実質上のコンティニュー無制限といえる。
--初期/最大ライフは全16ゲージあり、ダメージ消費は1ゲージ固定。このゲームにはイベント入手以外のアイテムが存在しない為、他ゲームのようなアイテムによるの回復手段は無い。ダメージを回復するには、「ステージ中の看護婦やもっこりギャルのいるドアに入る(出入り無制限)」「ステージをクリアする」「ステージの後戻りをする」「ミッション失敗の再トライ」のいずれかとなっている(どの方法も必ず全ライフ回復する)。
-依頼画面にてパスワード入力コンティニューができる。パスワード表示は同じ依頼画面の「パスワード表示」にて確認可能。

**評価点
-家庭用据置機ではシティーハンターの唯一のゲーム作品である事。国民的に有名な存在なのに、何故かこれしかない。同期作の『北斗の拳』のゲーム化は大量にされてるのに。
--これ以外では、掲載誌主催のお祭りゲーである「[[ファミコンジャンプ 英雄列伝>ファミコンジャンプ 英雄列伝/ファミコンジャンプ2 最強の七人]]」に参戦しているのみ。
-BGMはサンソフト製だけあって高クオリティ。サウンドテストができないのは残念だが…。
-難易度は簡単なので初心者には優しいゲームといえなくもなく。
-ステージ内にて、アニメでお馴染みのリョウのあの独特の走り方が再現されている。あと、ドア内で発生するもっこりイベントのギャルのお色気シーングラフィックの書き込みが妙に肉欲的でエロい。リョウちゃんじゃなくてももっこりできる(多分)。
-その他に、槇村香、海坊主、野上冴子といったお馴染みのメンバーがサブキャラとして出演している。

**問題点
-全体的にステージ構造が単調でやる気が感じられない。どのステージも敵やトラップのバリエーションが少なく、とにかく冗単気味。
-各ステージのボスが初見でもパターンが把握できる程弱い。しかも''ラスボスに相当する敵がいない''(厳密にいうとクリア直前に硬い敵がいるが、本当に硬いだけでボスでも何でもない)
--リョウと最後の黒幕と対決シーンは無し。何と''サブキャラの海坊主が不意打ちで黒幕を倒してEND''という、ゲーム的にそれでいいのか?と思えるあんまり結末。その時のリョウのセリフが''「コノヤロ! おいしい所を持っていきやがって!」''である。''それはプレイヤーのセリフだぜリョウちゃん…''。
-全4ステージといくらPCエンジンのソフトとはいえあまりにも少ないボリューム。難易度設定や裏ステージなんてものも一切無し。
--一応は各ステージの構造は長めではあるが、攻略の順路が分かってしまうと、いともあっけなくクリアできてしまう。
-操作性にやや難あり。リョウは拳銃などの銃火器しか扱えず、敵に接しても格闘技などの近距離攻撃ができない。それ故に敵に接触してしまうと、変なダメージを受けやすい時がある。原作では格闘戦もお手の物だったのに…。
--また、ドアに出入りすると、画面切り替わりと同時にいきなり敵の攻撃を受けて強制ダメージなんて状態も結構あり得る。さらには、リョウを移動させると、彼の前の視界がやたらと狭く、先の状況がわかり辛い(敵や罠が見えない)事すらもある。
-タイトル画面にて「PUSH・START・BUTTON」と表示されるが、''PCエンジンのゲームを開始するボタンは「RUNボタン」であり、STARTボタンなんて存在しない''。
//またオープニングのクレジットが「1989 SUNSOFT」と表示されるが、このゲームがリリースされたのは1990年3月であり、思いっきり誤記している(開発中の年期だったのか?)。 
//今考えると、問題点というには強引だと思ったのでCO。 by執筆者

**賛否が分かれそうな点
-原作のシティーハンターはリアルなハードボイルドストーリーであるのだが、本作の敵はどう見てもリアル路線じゃないのが頻繁に出現する。例としては「ターミネーター風のサイボーグ?」「ケルベロス風の巨大犬」「''宇宙刑事シャイダーに酷似したコンバットスーツ''」などがおり、原作を知っているプレイヤーからして見れば「シティー…ハンター…だよね、これ?」と困惑せずにはいれらないと思われる。
--言うまでもないが、原作にはこんな敵はいないし、間違ってもシティハンターがSF近未来アクションという訳でもない。ファンからしてみれば''原作レイプにも程があるだろう''、と。
--まぁ、だからといってゲーム性が損なわれている訳でもないし、ただでさえ敵種類が少ないのに人間ばかりじゃアレだろう、と割り切ればどうってことはないさ…多分。
-上記問題点でも述べた通り、本作のリョウは銃火器ぶっ放しのジェノサイダーであり、機械とかならともかく、思いっきり人間の敵も容赦なく射殺(もしくは爆殺、しかもちゃんと血も出る)している。
--原作リョウも全く人を殺めていない訳ではないのだが、大体の敵は部位撃ちや格闘などで気絶させる平和主義者?であり、こんなに虐殺に走るキャラじゃねえよ、とファンから突っ込みされそうな危険な存在となってしまった…。原作やアニメでは(大人の事情で)あまり大っぴらに暴れられないから、ゲーム内で槇村兄を殺されたうっぷんでも晴らしてるのだろうか?
---余談だが、説明書裏にキャラの絵が描かれているのだが、その面子がリョウ、香、冴子、''槇村兄''の4人である。海坊主涙目という突っ込みもあるだろうが、それ以上に''槇村兄はゲーム中に一切出演していない((時系列ではすでに死亡している。))のに何故わざわざ説明書裏にいるのか''という謎の方が大きな突っ込みどころだろう。まぁ、確かに槇村は人気が高いキャラではあるのだが。

**総評
-はっきりいってかなりクソゲー寄りに近いゲームといっても過言ではない微妙な一作。これといい『[[バットマン>バットマン(PCE)]]』といい、サンソフトの関わるPCエンジンソフトは何故かイマイチなものが多い気がする。
-同年にファミコンにて東映動画から『[[もっともあぶない刑事>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/38.html]]』がリリースされるのだが、本作と色々と共通点(ハードボイルドなキャラゲー、ピストルドンパチアクション、グラフィックの描き方など)が多く、両者は色々と比較されやすい傾向にある模様。もっとも、あちらは規格外なクソゲーで、それに比べるとまだ本作はまともではあるが。
-もしかすると、本作以降に長らくシティーハンターがゲーム化されなかった理由は「本作があまりにも微妙なゲームだったから、原作者が後のゲーム化を拒んだ」せいなのかもしれない。ファミコン版『[[タッチ>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/21.html]]』の事例もあるし…。
--もっともこのゲームから3年後に原作レイプ上等の実写映画化がされてしまったけどな!
--なお、原作中((単行本21巻、文庫版11巻))で、リョウが本作と思しきゲームをプレイしているシーンが描かれている。そこまで否定的ではなかったのかもしれない。編集部から「宣伝のために描け」と指示されたのかもしれないが…。
--後の2010年6月29日、エンタースフィアからGREE向けソーシャルゲームとして『シティーハンター 100万人のスイーパー』のタイトルで、一応のゲーム化がされた。