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ジョジョの奇妙な冒険 黄金の旋風 - (2013/09/26 (木) 21:29:45) のソース

*ジョジョの奇妙な冒険 黄金の旋風 [#kbb295c1]
【じょじょのきみょうなぼうけん おうごんのかぜ】
|ジャンル|黄金体験アドベンチャー|&amazon(B000067JK4)|
|対応機種|プレイステーション2|~|
|発売・開発元|カプコン|~|
|発売日|2002年7月25日|~|
|定価|6,800円|~|
|廉価版|BestPrice:2007年9月20日/1,990円|~|
|ポイント|ジョジョゲー初の「三部以外」ゲーであり、初の3Dゲー&br()全体的に中途半端な出来&br()声優とBGMは高評価|~|
|>|>|CENTER:''[[ジョジョの奇妙な冒険関連リンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1231.html]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
-これまで何度かゲーム化されている漫画作品『ジョジョの奇妙な冒険』だが、シリーズでは人気の第三部『スターダストクルセイダース』のゲーム化ばかりだった。本作は初の三部以外となる第五部『黄金の風』のゲーム化となる。
-また、これまではドット絵だったが本作で初めてキャラクターが3Dで描かれた。
-プレイヤーはジョルノ・ジョバァーナを始めとするブチャラティチームを操作し、第五部の展開を追体験していく事となる。''が…(後述)''
--原作を再現したステージを駆けまわり、現れる敵と対決。原作の場面を再現すると「シークレットファクター」が入手できる。最終的に入手したシークレットファクターと残り体力に応じて「ジョジョアビリティ」が蓄積される。

**長所
-とにかく初の三部以外の映像化は目新しかった事があげられる。
--今でこそ第一部『ファントムブラッド』から現時点での最新作『ジョジョリオン』まで多岐にわたるメディア展開が繰り広げられている『ジョジョ』だが、一時期はアニメもドラマCDもゲームも三部のものしかなかった。

-3Dによる立体的な表現。

-声優がハマっている。主人公ジョルノはまさかの女性声優、朴路美の起用。メンバーでは幼く見えるナランチャも女性声。
--デモはフルボイス。印象深いセリフを喋ってくれる。

-PS版3部ゲーにもあった「スーパーストーリーモード」は今回もシークレットファクター等、原作再現のやりこみが楽しい。

-BGMのクオリティが高く、人気も高い。
--重厚な曲調のBGMが多い。イタリアを舞台とした五部に絶妙にマッチしている。
--特に、3部ゲーに存在したポルナレフのテーマが流れる演出は、彼の参戦とともに多くのファンに感動を与えた。

-ジョルノ&ゴールドエクスペリエンスの父親譲りの「無駄無駄」、五部における裏の主人公ブチャラティ&スティッキィフィンガーズの「アリアリ」などの『ラッシュ』技も再現。上手く敵にぶち込めば爽快感がある。
--五部は『ラッシュ』のバリエーションが豊富だが、どの『ラッシュ』も気迫がこもっている熱い演技となっている。

-五部の仲間キャラ全員を収録している。
--近距離パワー型としてある種オーソドックスで無駄無駄が主力なジョルノ&ゴールド・エクスペリエンス。
---上記の無駄無駄ラッシュのほかにも、カエルを生み出して攻撃を一度だけ反射したり、ツタや木を生み出して敵の動きを止めるなどの技も持つ。
---ストーリーモード最終決戦ではブチャラティの遺志を受け継いで『矢』を使って進化した「ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム」が登場。
---キングクリムゾンの時間を吹っ飛ばす能力中でもスタンドは自由に動ける他、「サソリを飛ばす」という原作でも進化直後に放った飛び道具も使える。
--アッパーカットをぶち込んだ後にアリアリラッシュを仕掛けるブチャラティ&スティッキィ・フィンガーズ
---ジョルノと同じく近距離パワー型であるが、ジッパーを用いた高速移動やロケットパンチなど、射程や機動力にも優れる。
--逃げ回りつつリロードしながら一斉射撃を狙うミスタ&セックス・ピストルズ
---敵を吹っ飛ばすタメ撃ちや跳弾による攻撃、敵の周囲にピストルズを残すことでその後の射撃のヒット数(=威力)を爆発的に増加させる事も可能。
--ステージ全体を高速で飛び回る戦闘機で敵を追い詰めるナランチャ&エアロ・スミス
---スタンドを出してる間は本体が無防備なのだが、移動スピードがトップクラスな上にボラボララッシュも完備している為に、本作最強と名高い。
--ラッシュはないがタメて敵を掴んで一気に大ダメージを与えるフーゴ&パープル・ヘイズ
---流石にウィルスの殺傷能力は再現されていないが、その一撃の重さは本作でも随一。だが、スタンド操作中に本体は動けず、スタンドの移動速度も遅いのが難点。
--本体の動きを記録し、再生する事で本体と同時に畳み掛けるアバッキオ&ムーディ・ブルース
---スタンドは戦闘に向いておらず、独自の能力である記録・再生機能も使いこなしづらいが、元警官という経歴に見合う本体の戦闘能力の高さが特徴。
--近距離パワー型としてジョルノに近いラッシュ攻撃「WANABEEEEE!!!」を持つトリッシュ&スパイス・ガール
---物体を柔らかくする能力を活かしてジャンプキックしたり敵を大きくバウンドさせたり、さらには鉄パイプで突き刺してグリグリする技まで再現されている。
--車椅子に乗りながらも歴戦の戦士っぷりを見せるポルナレフ&シルバー・チャリオッツ
---声優が変更されているが、コマンドは違うものの「ミリオンスピット」「レイダーツ」「ラストショット」など同社開発の三部ゲーの要素を引き継いでいる。
--特に本来戦闘向けではないアバッキオ&ムーディ・ブルースを「本体を強めにする格闘キャラ」に据えた割り切り方がキャラの特色になっている。
---アバッキオとトリッシュは後に発売された『オールスターバトル』でプレイアビリティキャラではなかった。

-おまけ要素の存在。
--ステージを攻略する毎に付与されるジョジョアビリティポイントを増やしていくことで様々な要素がギャラリーに追加されていく。BGMやボイスを聴くことのできるサウンドテストや設定資料集はもちろん、ステージを歩き回るだけのモードや、キャラクターのモーションを入れ替えて遊ぶカオスなモードもある。

**短所
-3Dのモデリングが微妙。
--元々が特徴的な筆致の荒木飛呂彦の画風だけに、表情が動くだけでも違和感がある。
--漫画再現のための独自の描画エンジン「アーティストゥーン」がかなり癖が強い。
--決して似ていないわけではないのだが…。

-原作エピソードが一部入っておらず中途半端。「クラフトワーク」「ベイビィフェイス」などのスタンド。あるいは「ブチャラティチーム」と直接対峙しなかったリゾットとの対決は出来ない。
--ステージで再現されないストーリーはテキストで補完されてはいる。
--ゲームで再現が難しい敵はほとんど文字のみが多い。スタンド同士の肉弾戦がある相手が中心。

-アクションが単調。
--主に使うことになるジョルノ&ゴールド・エクスペリエンスをはじめ、どのキャラもコンボがワンパターンで作業感が強い。
--ステージ内を各能力を使って、逃げ回る敵を追いかけたり敵の攻撃を回避してから、攻撃を当てていくのがパターン。
---しかもそれが前述の単調な攻撃を当てるしかないので非常に長く感じる。故に、シークレットファクター開放が作業になり苦痛。
---高難度になると敵の体力が異常に高くなり、隙を見て「無駄無駄」を何十回もぶち込むなどのバトルスタイルを強要させられる。
--「前転」というアクションがあるのだがこれが全身無敵。もちろんこれを使うことを前提として作られている。
---たとえラスボス・ディアボロの「時を吹っ飛ばす」というかなり超常な攻撃にも無敵。
---でんぐり返りでゴロゴロ転がって接近して攻撃、これを繰り返すバトルは見た目にかっこ悪いが、これをしないと攻略は難しい。
---最終戦ではジョルノのスタンドがディアボロのスタンド・キングクリムゾンよりも上位存在である「ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム」になったからという脳内補完は出来るかもしれないが、タイミングは難しいものの他のキャラでも回避可能なのである。
---本作に限らないが、原作を知らないと意味不明と思われるシーンが多かったり、あるいは原作の名台詞が削られたりしている(ディアボロが娘のトリッシュを殺そうとした事を知ったブチャラティが彼を「吐き気を催す邪悪」と吐き捨てブチギレるシーンなど)。

-原作では有りえない組み合わせで戦うアナザーモードもあるが、ステージごとに決められたキャラ4人でしか使えない。
--ストーリーモードでは中盤で離脱するフーゴ、一時的にディアボロに立ち向かうポルナレフなどのキャラを一度しか使えない。流れ的に仕方ない所もあるが。

**総評
-いろいろと新しかったが、惜しくもあった作品。クソゲーとも良ゲーとも一概に言えない一本。
-作業感はあるが、それでいてつまらないともいえない。結果、凡作となった。
--ファンならば遊ぶ価値は十分にあるだろう。

**余談
-文庫版発行に合わせて改訂されたフーゴの名台詞「ド低脳がァ!!」をボイス付きで聴ける唯一の作品である。((ちなみに改定後は「クサレ脳ミソがァー!!」に変更された。「余計にひどくなってる」と返すのはお約束。))
--なぜかアバッキオも言う。
-最終的に没となったが、開発段階では空条承太郎と広瀬康一の参戦も予定されていた。
--没となった収録ボイスはサウンドトラックにて収録されている。
--広瀬康一は原作だと序盤でジョルノと出会って敵スタンド使いに対し共闘して立ち向かう展開があったが、本作では康一の出番はカットされている。
-PS版3部ゲーが格闘ゲームだったこともあってか、「対戦モードが無い」「敵キャラが使えない」という批判をされることが多い。敵キャラの操作はともかく、ジャンルやシステムが違う以上、的外れな意見としか言いようがないだろう。
--操作キャラでは「小型で飛行可能」なナランチャの性能が最も高いが、仮に対戦があった場合はペットショップの再来となっていただろう。
-Vジャンプでの攻略本で原作者の荒木先生がフーゴの扱いについて語っている。
--当初は「聖書のユダのような裏切り者」として想定していたが、仲間想いな側面も描かれた事もあって彼と敵対すると「展開が重苦しくなる」という事もあってフェードアウトした模様。
--後に『恥知らずのパープルヘイズ』で後日談が書かれたが、当時から小説版でフーゴのフォローがされていた事にも言及している。