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プロジェクトガイアレイ - (2013/08/01 (木) 21:40:30) のソース

*プロジェクトガイアレイ
【ぷろじぇくとがいあれい】
|ジャンル|3D対戦アクションシューティング|~|
|対応機種|プレイステーション|~|
|販売元|翔泳社|~|
|開発元|翔泳社、アール|~|
|発売日|2001年10月|~|
|定価|6,090円(税込)|~|
|分類|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|
|ポイント|''どう見てもバーチャロンです。本当にありがとうございました''&br()粗悪なデッドコピー&br()バーチャロンだけでなく、あの作品のパクリ疑惑も…|~|
|配信|ゲームアーカイブス:2008年8月13日/600円|~|

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#contents(fromhere)
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**概要
「ニューロンキャリア」と呼ばれるロボットを操作して戦う3Dアクションシューティングゲーム。&br()宇宙から襲来する謎の敵の脅威に備えるため進められる、次世代の主力となる量産型ニューロンキャリアの選定テストを舞台としている。

**ゲームシステム
-メインとなる「アタックモード」は所謂アーケードモードであり、6機のニューロンキャリア(以下NC)から一機を選択し、次々と出現する敵NCを撃破して勝ち進んでいく。ボスであるアンタイトルドを倒せばクリアーとなる。
--他にもCOM戦・対人戦が選択可能で、条件を満たすとサバイバルモードがアンロックされる。

-制限時間内に相手のNCの体力をゼロにするか、タイムオーバー時に体力が相手より多ければ勝利となる。
--キビキビとした機体操作が特徴で、ダッシュ・ジャンプなど立体的な機動が可能。
--武器は右武器と左武器、そしてSPゲージを全消費して放つスペシャルアタック。相手に接近していれば右武器が近距離攻撃に変化する。各機体の持つ剣などの近接武器で相手を攻撃する。
--SPゲージはゲージ溜めで溜まり、地上で使うと各機体固有の必殺技、空中で使うと相手に高速で向かっていく突撃技が発動する。どちらも一撃で大ダメージを狙えるが、地上・空中共に発動すれば多大な隙を晒すハイリスク・ハイリターンな攻撃になっている。

**機体
-全6機+隠し機体3機が登場する。

#region(NEURON CAREER)

-''リベルター''
--パッケージを飾る汎用型機体。癖のないオールラウンダーであり、このゲームの基本を学ぶのにうってつけの性能となっている。
--右武器は光弾を放つスパークライフル。左武器は手投げ弾を投げ、攻撃をかき消す爆風を広げるハイパーボム。近距離ではビームソードとショルダータックルが使える。
--地上スペシャルアタックは機体前方、扇状に巨大なエネルギー弾を放つ「レイブラスト」。

-''エクサルシス''
--空力特性を重視した高機動タイプ。鋭角なスタイルが特徴で、火力は低いものの攻撃の手数に優れる。
--右武器は小さなビーム弾を連射するビームマシンガン。左武器は前方扇状にミサイルをばらまくミサイルスラッシュ。近距離ではビームソードとスティングキックを放つ。
--地上スペシャルアタックはポーズを決めて相手を追尾するエネルギー弾を放つ「ボディエナジー」。

-''オーダス''
--重火器を多数装備したパワータイプ。鈍重そうな見た目に反して機動力も備えているハイスタンダードなNC。
--右武器は実体弾を放つアトミックバズーカ。左武器は相手を追尾しつつ一定距離を進み、空中で静止してトラップになるストッピングマイン。近距離ではビームソードとバズーカによる殴打が出せる。
--地上スペシャルアタックは機体前方に火柱を連続して発生させる「ファイヤーブラスト」。

-''テネリタス''
--可憐な女性のようなスタイルが特徴の高機動タイプ。武装はエクサルシスに似るが、より汎用性を重視した武装ラインナップになっている。
--動作も非常に女の子らしく、通常移動が女の子走り、立ちポーズやジャンプで内股になるなどその立ち振舞は女性そのもの。兵器…?
--右武器は星形の光弾を連射するシューティングスター。左武器はハート型の手投げ弾を投げ、攻撃をかき消す爆風を広げるハートボム。近距離では上下2方向からビームソードを発生させるビームバトンを振り回す。
--地上スペシャルアタックは相手を追尾する星形のエネルギー弾を放つ「スタージュエル」。

-''シュラドー''
--腰に刀を差し、漢字をあしらった機体ペイントで彩られた和風を意識した機体。だが刀を下げた侍風の出で立ちの割に手裏剣を投げたりするなど、所謂「間違った日本」的な機体である。
--敗北ポーズは''炎に包まれながらハラキリをする''という個性的なもの。パイロットも間違った日本人に違いない。
--右武器は巨大な手裏剣状の弾丸を放つシュリケンスライサー。左武器はリベルターと同じハイパーボム。近距離では刀状のビームソード「レイブレード」を抜き放ち、肘打ちも使える。
--地上スペシャルアタックは機体前方に、レイブレードで地形を貫通する斬撃波を放つ「ソニックブレード」。

-''フィドゥーチア''
--戦車に脚を生やしたかのような兵器然としたスタイルが特徴の機体。機動性に劣り当たり判定も大きい代わりに、その攻撃能力は非常に高い。
--右武器はリング上のビームを連射するパルスレーザー。左武器はバックパックから放たれるホーミングミサイル。近距離では赤熱化した両腕を振り回す「フラッシュアームパンチ」で戦う。
--地上スペシャルアタックは中央の砲門から極大のレーザーを放つ「フォトンキャノン」。

#region(隠し機体)
-''ロンジェヴィテ''
--巨大な飛行ユニットを脚部に装備した非人型の機体。フィドゥーチアと同じ製造元という設定で、フィドゥーチア譲りの火力と手数を併せ持つ。
--右武器は高速で飛ぶカッター状の光弾。左武器はバックパックの武装プラットフォームから放たれるホーミングミサイル。近距離では下半身の飛行ユニットにリング状のビームを発生させて体当りする。
--地上スペシャルアタックはフィドゥーチア同様、機体正面に極大のレーザーを放つ。

-''アンタイトルド''
--札幌に落着した隕石から出現した未確認生命体。NCとは異なる人型の生命体であり、NCに比肩する戦闘能力を持つ。
--右武器は巨大な光弾、左武器は前方扇状に火球をばらまく。近距離では両手から出力されるビームソードで戦う。
--地上スペシャルアタックはフィドゥーチア・ロンジェヴィテと同様の極太ビーム。

-''ヴィグルー''
--説明書にもその存在が記載されていない隠し機体。格闘家のような巨躯が特徴であり左手にはパイルバンカーのような棘状の兵器を装備している。
--右武器はバルカン、左武器はゆっくりと移動し相手を追尾する浮遊機雷。近距離では相手に触れると爆発を起こす拳でパンチを繰り出す。
--地上スペシャルアタックで、両手からパンチで連続して&del(){波動拳}エネルギー弾を放ち攻撃する。

#endregion
#endregion
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**問題点
***どう見ても電脳戦機です
-今までの解説を見て勘の良い人は気づいたと思うのだが、実はこのゲームは、ある3Dアクションシューティングにとても良く似ている。そう、''電脳戦機バーチャロンを露骨にパクっているのだ''。
--それが顕著に見られるのが操作システム。''「ダッシュとジャンプで高速移動し、それらを使ったキャンセルが移動の主体となるゲームシステム」''というもろバーチャロンな仕様であり、その上ダッシュキャンセルやジャンプキャンセルもできる。
--右武器・左武器という武器の区分けもバーチャロンを意識していることが伺える。バーチャロンにおけるCWに相当する武器はないものの、空中必殺技で相手に突撃、というシステムもテムジンのグライディング・ラムやバイパーIIのS.L.C.ダイブを思わせる。
---極めつけに''ソニーの専用機器・アナログジョイスティック対応''であり、ジョイスティック対応の操作モードまである。

-似ているにはシステムだけでなく、機体もどことなくバーチャロン風味。''「ビームライフルとボムを装備した標準機」''のリベルター、''「ハートを発射する女性型機体」''のテネリタス、''「下半身がまるまる推進ユニットになっている非人型機体」''のロンジェヴィテなど、見覚えのある機体がNCの半数以上を占めている。
--特にひどいのがエクサルシス。軽量高機動型で空中制御に優れ、バルカンと扇状に広がるミサイルを武器とし、必殺技で追尾弾を発射し、更に相手への突進ができる…&color(red){''それ完全にバイパーIIじゃねぇか!''}
--唯一バーチャロンっぽくないフィドゥーチアやシュラドーも「リング状のビームが主武器」「肘にバーチャロイドのような四角錐型の部品がある」とバーチャロンっぽい要素がちらほら見受けられる。

-似ている部分はこれにとどまらず、なんとステージまでもバーチャロンをパクっている。
--エクサルシスのステージは「夕焼けの中、互いに障害物の上からスタートする」というバイパーIIステージ「AIRPORT」そっくりのステージ構成であり、他にも「夜の街を背景としたステージ」であるテネリタスステージとドルカスステージの「WATERFRONT」、「草原の中に作られた遺跡のようなステージ」であるフィドゥーチアステージとバル・バス・バウステージ「RUINS」、地面に光の紋様が走るロンジェヴィテステージとヤガランデステージ「SECRET BASE」など、ステージもバーチャロンにかなり似ている。
--一部のチャロナーからは''「セガは訴えれば勝てる」「恐竜○ング訴えてる場合じゃなかった」''などと言われるほど。そのパクリっぷりは最早清々しい。

***バーチャロンだけでなく、あの作品までも…
-本作のラスボスにあたるアンタイトルドだが、実はこの機体にもある作品のパクリ疑惑がかかっている。
--その似ている作品というのが「新世紀エヴァンゲリオン」。前述のチャロンパクリほど露骨ではないのだが、アンタイトルドは作品中に登場する汎用人型決戦兵器・エヴァンゲリオンにそっくりなのだ。
--''「デフォルトで前傾姿勢」「ロボットと言うよりは人間に似た生物的なデザイン」「ダッシュすると四本足で地面を這う」「勝利ポーズや一部の技を使うと咆哮する」''などとかなりエヴァとの共通項が多く、作品を知るものならばこちらも「これってもしかして」と思うこと必至。
--オープニングムービーに、エヴァを意識したような「都市から巨大な防壁がせり上がる((しかも防壁には本家エヴァにそっくりなナンバリングが振られている))」シーンがあることもパクリ疑惑に拍車をかけている。
--こちらはバーチャロンに比べれば「疑惑」のレベルであり、「考えすぎ」と言うこともできるかもしれない。しかし前述な露骨なチャロンパクリのせいで「コイツももしかしてパクりなんじゃ」と思えてしまう。バーチャロンとエヴァがほぼ同時期に流行したことなどを考えると、やっぱり確信犯なのかもしれない。

***バーチャロンのコピーとして
-ではバーチャロンのコピーとしてよくできているのかといえば、そうとも言い難い。
--内容としては「超劣化したバーチャロン」の一言で説明できてしまう。本家から様々な部分が劣化しており、対戦ツールとしての出来は本家より遥かに劣る。
--本家バーチャロンでは各種ダッシュ・ジャンプから攻撃を出すことで攻撃の内容が変化することはご存知の通りだが、本作では右・左武器共に「立ち・しゃがみ・ジャンプ中に出す」「ダッシュ中に出す」この2つしかバリエーションがない。しかもダッシュ攻撃も劇的に変化するわけではなく、基本的には「立ち版の連射」がほとんど((看板機体のリベルターは立ち状態でスパークライフルを打つと一発弾丸を発射するだけだが、ダッシュ中に撃つと高速4連射に変化する、など))。&br()リベルター・シュラドーのハイパーボムやエクサルシスのミサイルスラッシュなど、「ただダッシュしながら発射するだけ」の武器も多い。本家では機体一つにも多くの攻撃バリエーションがあったことを考えると、かなり劣化している。
--右武器は基本的に連射できず、発射すると強制的に動きが止まる。本家のような「歩き撃ち」やボタンホールドによる連射もできない。
--これはエクサルシスのビームマシンガンやテネリタスのシューティングスターでも変わらず、本家では連射できたであろう武器もどう頑張っても規定の弾数しか発射されない。発射動作を歩きでキャンセルしてマシンガン?''そんなもんできません''((発射中にレバーを入れると発射体勢のまま滑る。ある意味これが歩き撃ちと言えなくもない。))。
--地味に''「旋回が静止・ジャンプ中限定」''という痛い劣化点もある。「歩きながら旋回して相手を画面に捉える」「ダッシュ中に旋回して外周逃げ」という本家で出来た細かいテクニックもこれのせいで完全に封じられている。
--ジャンプキャンセル・ダッシュキャンセルができるのは前述した通りだが、ダッシュキャンセルは劣化しておりキャンセルするとなぜか「一定の距離バックする」という謎の仕様が追加されている。これのおかげで本家のようにキャンセルを駆使して動くと''「ダッシュで攻撃を避けたが、キャンセルしたせいで自ら射線に戻ってしまい攻撃に当たった」「障害物を利用しようとしたが、キャンセルしたせいで障害物の外に出てしまった」''という事態が多発する。
--相手に接近していると自動で近接攻撃が出るのだが、こちらも地味に本家から劣化しており、相手と接近していればたとえ相手が画面外にいたとしてもその場で近接を振ってしまう。その為近接攻撃可能レンジが広いシュラドーはかなり使いづらく、「シュリケン撃とうとしたらその場でブレード空振った」というケースが多発する。
--近接攻撃自体の仕様もどこかおかしく、''「当たってもHit音が鳴らない」「判定の出方が謎で、明らかに剣を振るモーションを出す前に相手が倒れている」「グラフィック上では剣が当たっているのに斬れない」''などどこか未完成品を思わせる仕様になっている。
--逆に本家から進化しているのがジャンプ。なんと''ほとんどの硬直をキャンセルしてジャンプできる''という凄まじい性能であり、これのせいで対戦バランスが崩壊している。
--恐ろしいのが「ダッシュ攻撃をジャンプキャンセルできる」こと。このため「ダッシュ攻撃で相手を動かしてジャンプ攻撃で取る」「ダッシュ攻撃の終わり際をジャンプキャンセルでキャンセルして隙を消す」などの恐ろしい連携が可能であり、ジャンプキャンセル時は着地の硬直がほとんどゼロになることと合わせて、''実質ダッシュ攻撃をほぼノーリスクで使える''。
--本家に比べるとかなりステージの作りが適当。本家には左右非対称のステージや四角くないステージ、そして地形の凹凸で個性を出している多くのステージがあったが、本作はその多くが「左右対称で適当に障害物置きました」というレベルのもの。また全体的に障害物がでかく、「ジャンプ中に障害物の縁に接触すると強制的に着地してしまう」謎仕様も相まってかなりジャマな存在になっている。
--その代名詞といえるのがテネリタスステージ。漢字の「田」のような形状のステージとなっており「田」の文字が通路、開いた4つの穴が障害物になっているのだがこの障害物が非常にでかく互いの動きを阻害する上、障害物の縁に触れると即着地してしまうため空中戦もやりづらい。

***ゲームバランス
-当然ながら色々と崩壊している。本家のそこそこまとまったバランスには及ぶべくもない。
--プレイ人口が皆無なので性格なことは言えないが、おそらくロンジェヴィテとフィドゥーチアが2強。理由は簡単、左武器のホーミングミサイルが強いのである。
--高い追尾性能を持っており、しかも連続して発射されるので回避がやりづらい。コツをつかめば回避は楽なのだが、問題はジャンプを生かすとこの恐ろしいミサイルが弾幕と化して襲ってくる点である。[[グリス・ボック>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/260.html]]か!
--ミサイルが超絶性能なので、ストーリーモードはロンジェヴィテかフィドゥーチアを選んで適当にミサイルを乱射しているだけで勝ててしまう。右武器やスペシャルアタックを使わなくても、ミサイルだけ撃ってれば冗談でもなんでもなく勝てるのである。
--次点はほぼエクサルシスの上位互換で攻撃力の高いアンタイトルドか、相手を確実に追尾して命中する上短いスパンで連射できる左武器が優秀すぎるヴィグルー。後はほとんど横並びになる。
---強いて言えば攻撃が直線的で相手の横移動を食える武器がないオーダスが最弱。特に左武器はポンコツであり、ゆっくり飛ぶので命中弾が期待できない上に静止後も特にハイパーボムのように爆風を広げたりはしないためほぼ死に武器と化している。ぶっちゃけウィグルーの下位互換。

***その他問題点
-ゲームとしての寿命が短い。ボリュームが薄く、機体も6機+隠し機体3機、隠しモードもサバイバルと近接限定モード、機体ビューアーなど極わずか。長く楽しめる作品とは言い難い。

-オープニングムービーが存在するのだが、BGMに合わせて画面が白くフラッシュするという目に悪い演出がある。OPの内容自体は結構かっこいいのだが、このフラッシュのせいで台無しになっている。

-所々日本語がおかしい箇所がある。「マンマシンインターフェースとしての''驚異な性能''」「''壊滅された''」「唯一の''対戦兵器''」など、首を傾げるような日本語がポツポツ存在する。

**評価点
-''バーチャロンの清々しいまでのパクリっぷりはネタに出来る''。「これ完全にバーチャロンだろw」とネタにしながら楽しむにはうってつけのゲームといえる。

-BGMはそこそこ評価を得ている。特にオーダスステージ・ロンジェヴィテステージの曲は正統派ロボットゲームのようでなかなか熱い。&del(){パクリゲーのくせに}

**総評
「超劣化したバーチャロン」という一言で表せるクソゲー。&br()その清々しいまでのパクリにまみれた内容は最早ネタとして笑えるレベルであり、クソゲーとしては笑える部類に入る。前述した通り、''「これ完全にバーチャロンだろw」''と笑いつつ楽しむのが最も正しい遊び方なのかもしれない。

**余談
-ロンジェヴィテステージのBGMの出だしが、音楽ユニット「妖精帝國」の楽曲「Gothic  Lolita Propaganda」の出だしと完全に一致している。もちろん発売はプロジェクトガイアレイのほうが先ではあるが…まさか…?
-本家バーチャロンにはいなかった侍風味の機体・シュラドーだが、本家でもガイアレイ発売4年後の[[「フォース」>電脳戦機バーチャロン フォース]]にて侍型のバーチャロイド・景清が登場している。''本家がガイアレイに影響された可能性が微粒子レベルで存在する…?''